スーパーロボット大戦K ~夜霧とミスト~ (旧題:俺をさんづけで呼ばないで ) 作:トカGE
こんにちは、ターミナルから夜霧翔也がお送りしております。ターミナルにたどり着き、ヴァン達はカギ爪の男を探しに行き、皆は休息を取ることになった。猿渡夫妻は街に繰り出し、甲児と剣児はキラを連れて『そういう』本を買いに行こうとしてヒロイン二人に引っ張られて行った。キラのぽかーんとした顔が印象的だった。ゲイナー達は『オフ会』だそうな。恐らくシンシアと会って来るのか?
ちなみにヤーパンの天井を引っ張っていたシルエットマンモスもここで修理中(シベ鉄に壊された際に大空魔竜が居合わせたため、いろいろあった末に大空魔竜で引っ張ってきていたらしい)だ。これで大空魔竜が地球に帰っても、ヤーパンの天井のエクソダス終了と言ったことにはならないだろう。
「ねえ、ミスト。せっかくだし私達も色々見て回りましょうよ」
「そうだな。たまには息抜きもいいか」
《割と息抜きっぱなしじゃないか?》
「む、どういうことだよ」
「そういうことでしょ?」
「……アンジェリカ、しょーやの言葉聞こえてないんだよね?」
「ええ。でも、ミストについて言ってることだったら、ミストの反応でなんとなく解るわよ?」
付き合い長いんですもの、と言って先に歩いて行くアンジェリカを見て、笑うミストさん。
「やれやれ、かなわないなあ」
《ほんと、お前ら何で付き合わないのかいつも疑問だったぞ?》
「いやまあ、アトリームに居た頃居て当たり前と言うか、家族だったし」
《まあ、進展しづらいわなあ》
離れたお陰で進展するかと思ったら、今度はベザードでシェルディアといい感じになるしな。
「とりあえず、シェルディアを見つけたらケリは着けるさ。きっと、シェルディアもレムも無事だと思うし」
《まあ、無事だろうよ。俺が無事だったんだからな》
そうしてアトリーム組がショッピングを楽しんでると、突然の轟音。窓を見ると、そこにはダン・オブ・サーズデイの姿があった。ガドヴェド戦が始まったのか。恐らく、公園ではレイがカギ爪の男を襲撃しているのだろう。
「あ、あれはヴァンさんのヨロイ!?」
「何かあったんだ! アークエンジェルへ戻ろう!」
そうして出撃したミストさん達だったがのだが、
「来るんじゃねえ! これは俺とガドヴェドの問題だ!」
等と言われて見てるしかできない状況になってしまった。まあ、仕方ないわな。ヴァンに取っちゃ自分の師匠との戦いだし。それに、すぐにミストさん達もそれどころじゃなくなると思う。シンシアが来てたってことは恐らくあれが来る。
「皆、気をつけて! シベ鉄のオーバーマンが来るわ!」
ほらやっぱり。
「あれは、この前の変形する奴!」
「ゲイナー君、気をつけるんだ! 奴はキングゲイナーを狙ってきている!」
そしてシルエットマシンも続々登場。まあ、いつも通りか。そう思っていた俺は甘かったのだろうか。
「これは! 7時の方向からダリウス軍!」
「何!?」
「大空魔竜! 地球に戻る前に、今までの屈辱を返させてもらうぞ!」
「なっ!? さらに11次の方向から邪魔大王国のハニワ幻神!」
「おいおい! 今敵対してる奴ら全部来てるのか!?」
「ジーグ! それとその仲間達! 今日こそ血祭りにしてくれる!」
「これだけの軍勢相手に、どう戦う?」
「へっ、どんだけ来ようと全部叩きのめしてやるだけだ!」
剣児は息巻いてるが、正直この状況はまずいだろ。敵さんこっちの殲滅力に合わせて、装甲強化した機体を大量投入して来てるみたいだ。ガドヴェドと戦ってるヴァンは戦力にカウントできないし、レヴリアスのステアードもまだ治ってないって無いし、良いこと全然ねえぞ!?
「当たれぇ!」
「当たった所で利かねば意味無いわぁ!」
「くっ!」
「落ち着けキラ! 利いてない訳じゃないんだ、撃ちまくれ! 止めは俺達がやる!」
「は、はい!」
「甲児! マジンガーチームはガイキングとダリウス軍を!」
「任せてくれ!」
「ミスト! お前はアンジェリカと一緒にシベ鉄のシルエットマシンを頼む! 余裕があればゲイナーを援護してやれ!」
「解りました、猿渡さん!」
《さすがだな、あの人》
さすがのベテランパイロット。危機的状況にも慌てず対応している。おかげで最初は敵に押されていたこちらの部隊も、徐々に押し返し始めた。……そういや思ったんだが、部隊名無いのって呼びづらいよな。今度ミストさんを通して提案してみるか?
それはともかく、現在戦況はほぼ互角。敵の数は半分以上減ったが、こちらの消耗も激しい。
「くそ、何か状況をひっくり返す手は無いのか!」
「アークエンジェルの主砲をこんな所でぶっ放す訳にもいかないしなあ。ヴァンがこっちの支援に回ってくれると楽になるんだが、あっちはあっちでまだまだ取り込み中みたいだ」
幽霊モードになって、ヴァンの方を確認する。やはり、押されているようだ。
「くっそ……」
「ふん、少しはダンの扱い方が解って来たみたいだが、まだまだだ! 武器を持てば武器に頼り、ヨロイに乗ればヨロイに頼る。それでは貴様がいる理由は何だ?」
「訳わかんねえことをごちゃごちゃと!」
ああ、そっか。プリシラと先に戦ってるから、ダンの本来の力、少しは引き出せるようになってるのか。でも、それだけじゃやっぱり足りないか。あっちのケリが付くのはもうしばらくかかりそうだ。
「ミストさん、こっちはまだ片付かないか? レヴリアスとセリウスが他と合流できれば、少しは変わると思うんだが」
「まだ無理! シベ鉄の奴らも数で攻めて来てる!」
「キングゲイナーの方は……って危ない!」
アンジェリカの声にキングゲイナーの方を振り向くと、そこにはドミネーターに倒されるキングゲイナーの姿があった。
「げ、ゲイナー君!」
「いけない!」
咄嗟にブレンダーをドミネーターに投げつけるミストさん。ドミネーターが離れた隙に、アンジェリカがキングゲイナーを回収した。
「急いでアークエンジェルに!」
「あれ、あのオーバーマン、このタイミングで引いていく? 何でだ?」
こちらを追い込むチャンスなのに撤退していくドミネーターを、いぶかしむミストさん。まあ、シンシアがショックを受けたんだろうな。
「相手のオーバーマンは下がったが、こっちもキングゲイナーがやられた。状況は相変わらずか!」
「ミスト! ステアードの修理が終わった! アンジェリカの嬢ちゃんに持たせるから、戻ったら受け取ってくれ!」
「了解!」
これでレヴリアスは本来の戦闘力に戻るが、まだ敵は多い。凌ぎきれるか?
「マズい! 敵が数体抜けた! ターミナルの方に!」
猿渡さんの声の方を向くと、ハニワ幻神が2体ターミナル目がけて走って来ていた。だが、タイミングが悪すぎる。どの機体も遠い! 今からじゃ間に合わない!
「人間の街などぷちっと潰してくれる!」
「やめろー!」
剣児の叫びもむなしく、ハニワ幻神たちはターミナルに攻撃を仕掛ける。
「!?!??!?」
「な、何だ!?」
だが、その攻撃は地下から現れたタケノ……ドリル状の何かに弾き飛ばされた。
「な、何が」
俺達の目の前でハニワの攻撃を防いだドリル型のメカ『ジングウ』が、花が咲くように開いていく。次の瞬間、ハニワ達はそこから放たれた銃弾によって砕け散っていた。
「な、何だ貴様は!」
「……」
(おいおい、どういうことだ?)
ハニワ幻神を打ち抜いたのはヴォルケイン。今、ドームの中でカギ爪と対峙しているはずの男のヨロイだった。
次回、ターミナル周辺戦後編。