スーパーロボット大戦K ~夜霧とミスト~ (旧題:俺をさんづけで呼ばないで )   作:トカGE

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 ミストさん生存最優先と言いながら、命の危険もある彼の無茶を認めたりする翔也さん。一応理由はあるのです。ばらし回来たとき、いやねえよとか言われそうな気もするような理由ですが。


復讐者とミストさん

(ここでヴォルケインが出てくるとか、本当役に立たねえな原作知識!)

 

 いや、元から活用してるとは言い難いんだけさ。そもそも俺の目標はミストさんの生存であって、皆が幸せハッピーエンドは二の次だし。彼の危険が増えるかも知れない以上、最低限の干渉だけて済ませたいのが本音だ。たとえば、イスペイル様のときのミストさん特攻の回避とか。もちろんブレイク・ザ・ワールドとかどうにかしたいとは思わないと言えば嘘なのだが、そのためにミストさんを危険に晒すのかと言われたら、答えはNOだ。そりゃ、戦っていれば常に命の危険があるが、それとわざわざ危険の中に突っ込んで行くのは別だろう。

 

 

「あの人、今は敵じゃないって思っていいのか?」

 

 ミストさんの声に、意識をヴォルケインに向ける。その銃口はハニワ幻神に向けられていた。取りあえずは、此方と敵対する気はないらしい。ターミナルの中にジョシュアが居るから守ってるとかそんなだろうか。時間的にカギ爪はもう、取り逃がした後だろうし。そう思ってると、ヴォルケインから通信が来た。

 

「ターミナルに向かう奴等だけは相手にしてやる。他は知らん」

 

 やっぱり、ジョシュアはレイのウィークポイントなんだろう。まあ、だからこそ遠ざけようとしてる訳だし。

 

「そう言うことらしい。各機、あのヨロイのことは気にするな! 目の前の敵に集中しろ!」

「「「「了解!」」」」

 

 まあ、実際はターミナルに向かって居ない敵もちまちまと狙撃してくれるレイ兄さんのお陰で、先程よりも戦況はこちらが有利になって行った。ドミネーターが退却したことでお供のシベ鉄連中も撤退し、アトリーム組と残りのキンゲ組が他の戦場に駆けつけられたのも大きいだろう。まあ、さすがにサラはゲイナーを心配してあちらに行ってしまったが。そしてしばらくして、敵の数に終わりが見えてきたところで、皆一気に勝負を決めに出た。

 

「一発で落とせなくても、関節部を狙えば!」

 

 キラはフルバーストで的確に邪魔大王国、ダリウス両軍の機体の関節部を打ち抜いて行くってどんな神業だよそれ! さすがスーパーコーディネーター……

 それによって動きが止まった雑魚どもを、スーパーロボットが蹴散らしていく。

 

「お前らいい加減にしつこいんだよ! スクランダーカッター!」

「そこだ! ゼクターフック!」

「「おりゃあああああ!」」

 

 マジンガーZにフックひっかけて、そのまま武器として振りまわすとか、ダイヤ君割と無茶苦茶やるなあ。甲児たちに影響されてきてねえ?

 

「マグネットプレッシャー! どんどんこーい!」

「そらそらそら!」

「それそれそれ!」

 

 ……胸開いたジーグ目がけて、ゴーダンナーとネオオクサーがどんどんハニワ投げ入れて潰してってる。何これひどい。吸引力の変わらない、ただ一つのジーグ?

 

「アンジェリカ、行くぞ!」

「任せて! この前言ってたアレンジで!」

 

 ミストさんも直ったばかりのステアードを構え、アンジェリカと共に敵に向かっていく。チェイサー・コンビネーションかと思ったら、所々に斬撃や零距離射撃が入っていて、より近接戦闘向けのアレンジになっていた。新コンビネーションか!

 

「く、くそう! 後少しだったのに!」

「仕方あるまい。決着は地球で、だ」

「いや、奴らは帰ってこれまい。これも最後と思えば、奴らに華を持たせてやるのも一興よ」

 

 そう言って撤退する邪魔大王国の三バカ。どうやら、帰る術をイディクスから聞いたようだな。

 

「ふ、確かにその通りですね。もう会うことも無いのですから」

「待て! どういうことだ!」

「答える義理はありませんねえ」

 

 そういってサスページも撤退していく。うん、負け惜しみにしか聞こえないぞあんたら。まあ、そんな感じに敵は全部撤退して行った。

 

「そう言えば、ヴァンさんの方は?」

「決着、ついたみたいよ」

 

 アンジェリカの言葉にミストさんがヴァンの方を向くと、そこには既にダンの姿はなく、あるのはガドヴェドのヨロイだけだった。恐らくカギ爪を見つけたことで、すごくいい笑顔でを浮かべながらガドヴェドを倒したのだろう。見てなかったからわからんけど。

 

《そう言えば、ジョシュアの兄さんは?》

「あ、そうだ。ありがとうございま……ってもう居ないし」

 

 因みにミストさんが礼を言おうとしたら、既にヴォルケインは姿を消していた。まあ、そうですよね。

 

 

 

 

 

「ゲイナー君は!?」

「命に別状はないわ。コートも着てたし、傷もそんな深くない。下手すると、キングゲイナーの方が重症かもね」

 

 ミストさんらが駆けつけたとき、既に手当ては終わり、ゲイナーはアークエンジェルの医務室で眠っていた。本人は大したことないと言うものの、念のためターミナルにある病院で数日入院することになった。シルエットマンモスの修理でドームポリス群もしばらく動けないし、丁度いいのかもしれない。ちなみに彼の相部屋はジョシュアだったりする。原作通りヴァンに置いて行かれたのかと思ったのだが、予想外にもヴァンはまだアークエンジェルに居た。

 

「なんかさ、良くわかんねえんだけど……こうぐあーっていうか、うおーっていうか」

「うん、さっぱりわからん」

 

 何でも、ガドヴェドやプリシラとの戦いでつかみかけた感覚を自分のものにするために、スーパーロボット乗りに片っ端から話を聞いてるそうな。途中、静流さんの名前をヴァンが覚えていることに、ウェンディとカルメンが食いついたりしていた。そういや、エレナ一筋すぎるせいで、女性って括りだと名前さっぱり憶えないけど、ヨロイ乗り……パイロットって括りだと女性相手でもさっくり名前覚えるんだっけ、ヴァン。プリシラもそうだけど。

 

「そもそもダンってヨロイ、操作系統が俺らと全然違うからなあ」

「こればかりはどうしてもな」

 

 まあ、人機一体になって動かすもんだからなあ、オリジナルセブンは。

 

 

 

 その後、ヴァンがカギ爪を追いかけるその理由と戦う動機を聞いた皆は、それぞれ反対したり肯定したりしていた。ヴァン本人はまるで聞いて居なかったが。と言うか、わざと無視してたんだろう。復讐はよくないって正論は嫌いだったはずだし。ちなみに、理解を示しながらも反対してた人間も割といた。猿渡さんとか、キャプテン・ガリスとか、キラとか。まあ、理由は解る。

 で、原作だと盛大なおまいうをやらかしたミストさんはと言うと。

 

《どうしたんだ? 閉じこもっちゃって》

「うーん」

 

 ヴァンに何かを言おうとしたものの、結局何も言わずに部屋に戻ってベッドに転がってたりする。

 

「復讐は何も生まないってのが普通の意見だよな?」

《まあ、一般的な意見だな》

「俺、ヴァンさんにそう言おうとしたんだよ。でも、言えなかった」

《言えなかった?》

「だって、俺も同じじゃないかって思ってさ。アトリームやベザードを襲った奴等、俺達がこの星に飛ばされて来た時にあらわれたゲートを使っていた。いうことは、たぶん奴らもこの星か、あるいは元いた地球に来てる可能性が高い。まあ、何で星を滅ぼそうとしてないかが疑問ではあるけど」

《ああ、確かにそうだな》

 

 まあ、イディクスの連中も地球やこっちの地球に来たのは偶然で、『欠片』も特になかったけど、興味深いものがあったから研究中って感じだしなあ。

 

「で、それを考えた時に俺さ、まず『これで奴らを殺せる。皆の仇を討てる』とか思ったんだ。この星を守ろう、とかじゃなくてさ。そんな俺が、ヴァンさんにそんなことを言う資格なんて無いだろ?」

《そりゃまあ、な》

「なあ、"翔也"」

《ん? どうした……ってお前……》

 

 呼び方が変わった?

 

「もしさ、アイツらが現れて俺が怒りで我を忘れたら、止めてくれ」

《……》

「もし俺が復讐に目がくらんで、そのせいで誰かを守れなかったら……俺は俺を許せない!」

《解ったよ、ミストさん》

 

 こりゃあ、いい加減ミストさん呼びもやめるべきかねえ?




 そんな訳でキンゲ組はちょいお休み。キンゲ原作よりもゲイナー君のお休み期間はちょっと長い。具体的には自軍が一度地球に戻って、またこっちに戻ってくるぐらい
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