スーパーロボット大戦K ~夜霧とミスト~ (旧題:俺をさんづけで呼ばないで ) 作:トカGE
展開予定から無理やり変えたので気持ち悪さが消えなかった為、最新話まで書き直すことにしました。読んでくださっていた皆様、真に申し訳ありませんでした。
追記)書きなおすのは30話以降でこのまま続けます。ややこしくてすいません。
それはそれとして、武器からロボになるってのはロマンだと思うんだ。某轟世剣しかり。
カルメンがカギ爪の男の情報を得るついでに、邪魔大王国とダリウス軍が向かった先を調べてくれると言うことで、現在アークエンジェル及び大空魔竜はターミナル付近で停泊中。邪魔大王国やダリウス軍は、もう地球に帰るあたりまでは手出ししてこないだろうし、シベ鉄はシンシアがたぶん出撃を拒んでるだろうからしばらく来ないだろうということで、ゲイナーが退院するくらいまでは平和なんじゃないかなーって思ってたわけですよ。
『ヴァンと言う男を出せ。私が用があるのはその男だけだ』
そんなことは無かったんだZE。今、アークエンジェルの前にはオリジナルセブンの一体、メッツァオブチューズデイが立っていた。そしてブリッジにはそのパイロットであり、カギ爪の男の仲間の一人と言うか息子であるウィリアム・ウィル・ウーからの通信が入っていた。ウーさんあんたそんな積極的に来る人だったっけ? 来る人だったね、そういや。飛行船止めにかかってたよね、ヴァンとっ捕まえる為に。
マリュー艦長からの連絡を受け、猿渡さんがヴァンとウェンディを連れてブリッジに来た。どうやら大空魔竜の方に行ってたらしい。そしてヴァンはウーの顔を見るなりこう言い放った。
「どうも! 悪食のヴァンです!」
ヴァンの名乗りに、ブリッジに居た全員が盛大にずっこけた。ウーもちょっとずっこけたぞ今。と言うか誰だよ、その通り名つけたの! 俺がつけようと思ったのに!
「貴様、ふざけてるのか!」
「いや、ふざけちゃいねえよ。お前、カギ爪の仲間だな?」
そう言うと同時に、ヴァンが剣を抜きモニターのウーに突き付ける。
「丁度良かった。せっかく探しに行ってくれてるあいつには悪いが、カギ爪の野郎がどこに行ったのか教えてもらう!」
「同志はお前などの相手をしている程暇では無いのだ。だから、貴様があの方を追い続けると言うならば、私が引導を渡す!」
「上等! そのスカした面ぶんなぐって、アイツの居場所吐かせてやる! お前ら、手を出すなよ!?」
通信が切れると同時に、ヴァンはブリッジを飛び出していった。
「ちょっとヴァン!」
ウェンディの制止の声は、まったく聞こえていないようだ。そうして甲板に出ると、Vの字を切るヴァン。そして空からいつも通りダンオブサーズデイが落ちて来た。
「どうしましょう、マリューさん。流石に本当に放っておく訳にも行かないですよ」
「それはそうなんだけど……」
考え込むマリューさん。まあ、ヴァンの戦いは言ってしまえば私闘だ。目的復讐だし、ヴァンに恩があるとは言え出撃は命じづらいか。手を出すなとも言われちゃってるし。となれば……
《なあ、ミストさん。ごにょごにょごにょ》
「ああ、なるほど。マリューさん、ちょっと提案が」
「ウェイクアップ、メッツァ」
「ウェイクアップ、ダン」
二人がそれぞれのヨロイのコックピットに入って行く。と同時に、レヴリアスがその場に到着した。
「む?」
「おい、手は出すなって!」
「出しません。俺は立会人です」
それが、俺とミストさんが相談してマリューさんに提案したことだった。積極的に介入する立場じゃなけりゃいいだろう、と。ヴァンが危なくなったりしたら止めに入ればいい。え? あっちがピンチになった時? 知りませんよそんなん。卑怯? らっきょは好きですが何か。
「まあいい。ならばこの男がやられる様をその目に刻んで行け!」
「ったく、気障な野郎だ」
そうして木曜と火曜の名を冠するヨロイの戦いが始まった。
「丁度いい! 俺には確かめたいことがある。あんたで試させてもらう!」
「遊びのつもりか!」
勝負は最初のうちは互角の様に見えた。だが、徐々にダンが押されて行く。これがヨロイと一体になっている者と、ヨロイを操っているものの差なのか。メッツァにはビーム兵器が搭載されているのも大きいだろう。刀のみで近接戦闘しかできないダンに対して、大きなアドバンテージになっている。
「なあ翔也、ヴァンさん大丈夫かな?」
《少し、厳しいかもしれない。相手のヨロイ、どう見てもダンと動きが違う》
ミストさんも不安の様だ。だが、今はヴァンを信じて見ているしかできない。とは言え、原作通りに進んでしまうなら、結末は決まってしまっている。いや、今後のヴァンの為にはここは負けて一度折れなければならない所なのだが。しかしどうしたものか。『原作』を重視するならば、このまま見てるのが正しいのだろうが……んー、複雑なところだ。とりあえず、最悪のパターン……この場合はヴァンが死ぬ事だけは回避する方向で行こう。
《ミストさん、戦いに水差す気は無いけど、ヴァンが危険になったらすぐ飛び出せるようにしとけ
「ああ、解ってる」
そうこうしているうちに、ダンがどんどん不利になって行く。メッツァに斬りかかっていくも、その全てが受け流されて行く。
「貴様は何時も余裕を掲げて、相手をきちんと見据えようとしない!」
そうしてできた隙に叩き込まれるメッツァの一撃一撃が、ダンの装甲を少しずつ削り取っていく。
「それは即ち、自分の命すら正面から見据えたことが無いと言うことだ!」
追い詰められたダンは、地面に座り込んだまま動こうとしなかった。
「くっ! もうダンは動けないのか!?」
《……》
いや、動けないのはダンじゃない。
「覚悟して知れ。お前の真の姿を」
初めて感じる死の恐怖に、身動き一つ取れなくなっているヴァン自身だ。
「初めて恐怖に怯える様を」
《いけない! 行くぞ!》
「っ! フルスロットル!」
そうしてダンに斬りかかるメッツァの一撃を、ギリギリで滑り込んだレヴリアスのステアードが受け止めた。
「……貴様は立会人では無かったか?」
「もう勝負はついた。引いてくれないか?」
「……いいだろう。むやみに命を奪うのは同志の思惑に反する」
そう言うとメッツァは刃を収めた。
「三日だ。三日の猶予をやろう! その間に彼らと別れ、この地から立ち去れ! そうして二度と同志を追うな!」
そうして去って行くウーとメッツァ。
「ヴァンさん、大丈夫ですか!?」
そしてダンに駆け寄るレヴリアス。だが、ヴァンからの反応は無い。
「くっ、すいませんヴァンさん!」
ミストさんがコックピットをこじ開けると、そこには気を失ったヴァンの姿があった。これまであらゆる相手に余裕を崩さず、誰もが強いと思っていた男の、皆が知る限り初めての敗北だった。
(さて、これからヴァンは立ち直ってくれるのか)
原作では、この件が無ければヴァンはきっとこの先の敵には勝てなかっただろう。だからこそ、今回は負けるだろうと予想してても見守るしかなかった。問題はこの後だ。ヴァンは、ちゃんと立ち直ってくれるだろうか。色々状況も違うからなあ。
と言う訳で翔也さんのバラしはまだまだ先になります。ただ、ユニウスセブンだけはどうにかする予定です。