スーパーロボット大戦K ~夜霧とミスト~ (旧題:俺をさんづけで呼ばないで ) 作:トカGE
アトリーム組の身元ばれが、文章にするならば数行の描写で終わってしまうほどにあっさりすんだ後、ミストさん達はイディクスの連中の元へ向かった。目的は一つ、ゲートを使って地球に戻ること。ヴァンとか、ダンとか、ヴァンとかが抜けた分の戦力低下がどう響くかが本当に気になるが、こればっかりは仕方ない。仕方ないよな? うん。なまじKのダンオブサーズデイの力を知ってるが故にちょっとばかし……嘘です。すごーく不安だ。
まあ、それはさておき。
「つまり彼らは星を支配しようとしているのではなく、滅ぼそうとしているということか」
「はい。俺が過去奴らと接触した時は、どちらも惑星全体に対して宣戦布告を行っていました」
今ミストさんは、皆とイディクスについて話している。ミストさんの今までの経験からすれば、奴らは問答無用で星に攻めてくる侵略者のイメージしかないからか、今の奴らの行動には疑問が浮かんでいるようだ。
「でも、この星に対してそんなことしてる様子は無いよな?」
「ええ。今まで立ち寄った街でも、そんな話はまるで聞いた事がありませんでした」
「となると、奴らは他の目的があってこの星に居るということか」
「考えてても仕方ねえ。とっとと行って締め上げちまえばいいんだよ!」
「ボスの言う通りだ。ここで悩んでても仕方ない」
そんな流れで、戦艦2隻でとっととイディクスの連中の所に殴りこむこととなった。流石に今居る機体でアトリームの機体ほどステルス性能が高いものが無かったので、少数で奇襲をかけるよりは最初から見つかること前提で全力で向かったほうがいいという判断だった。
「く、やはり撃ってきたか!」
「警告とかそう言うのが無いあたり、ミストが言っていた通りの奴らと言うことか!?」
「各機、出撃せよ!」
当然、戦艦が近づいてくるのを奴らが見落とす訳も無く、ぼこすかぶっ放して来たのだった。しかしこう、見つかってマズイならもうちょっと対策取るべきじゃないのか? 見つかったら潰せばいいよねって何その脳筋思想。そりゃ、戦艦がいきなり突っ込んで来たら焦るだろうけど、別にこっちまだ何もしてないよね?
《なんというか、邪魔ものはつぶせってすごく悪役チックな思考してんなあ、あいつら》
いやまあ、元々負の想念から生まれた連中だし、仕方がないのか?
「まあ、向かって来ると言うならば叩き潰す!」
「熱くなり過ぎないでよ? ミスト!」
「解ってるよ、アンジェリカ。ミスト・レックス、レヴリアスで出るぞ!」
「アンジェリカ・シャルティール。セリウス、行きます!」
出撃すると同時に、猿渡さんからの通信が各機に送られてきた。
「なるべく撃破では無く行動不能を狙うんだ! ゲートについて聞かなければいけないからな!」
「了解!」
まあ、そうは言ってもあちらは全力で殺しにかかってるし、そうそううまくは行かないだろうなあ。そんな感じで、大空魔竜・アークエンジェル組とイディクスの初戦闘が始まった。
行動不能狙いと言うことでまたフリーダムの独壇場かとも思ったが、相手は獣人型のデスエラ。その獣のような外見の通り、獲物を喰らいつくさんばかりの超接近戦に持ち込まれた為に、キラはフルバーストを諦め早々にビームサーベルでの近接戦闘に切り替えている。ゲームでは普通にビームかなんか撃って来てた気がするし、この世界でもベザードの時はゲリラ戦に徹してたから気づかなかったが、どうやらこいつらは本来こういう戦い方がメインのようだ。
「へっ、そんな攻撃がマジンガーに利くかよ!」
「ガイキングのパワーを見せてやる!」
「オラオラオラぁ! 全滅させてやるぜ!」
まあ、そんなことすればスーパーロボット達のいいカモになる訳ですが。と言うか本当スパロボの自軍怖いな! 遠近両用すぎて(敵が)つらいわ。同じようなことばかり言っている気もするが、ほんとにそんなことしか浮かばないんだから困る。そして剣児、その台詞は宙さんのだろうが。
「グルーヴァイン・バスター!」
ミストさんもスーパーロボット軍団程ではないが、機体が近接に強いからか暴れまわっている。と言うかグル―ヴァイン・バスターを敵にぶっ刺したままぶっ放すんじゃない。デンドロかお前は。
《相手が相手だけど、あんま熱くはなるなよ?》
「大丈夫だよ、俺は冷静だ。うん、俺は冷静だ。俺は冷静だ」
《それは冷静じゃない人が言った台詞だからな!?》
「冗談だって」
まあ、コックピットを避けてぶっ放してる当たり一応冷静なんだろうけどさ。そんな感じであっさり敵は壊滅状態になりましたとさ。まあ、元々戦闘の為にここに来てたわけでもないだろうし、仕方ないか。
「よし、それじゃあパイロットから情報を……ん?」
猿渡さんが倒したデスエラのパイロットから話を聞こうとしたその時、何かが近づいてくる音が聞こえてきた。次の瞬間、行動不能になっていたデスエラたちがどこからともなく放たれた銃弾によって撃ち抜かれていた。それによって戦闘不能になっただけのデスエラは全て爆発してしまった。当然、パイロットのヴェリニー兵たちもそれに飲み込まれてしまった。
「な、何だと!?」
周囲を警戒する皆。だが、デスエラを打ち抜いた奴は既にその場を離れたようだった。しばらく待っても、何も起こることは無かった。
「どうやら、口封じが目的だったようだな」
「くそ、自分の仲間をためらいなく撃つなんて、胸糞悪い奴らだぜ!」
「星を滅ぼそうとする連中なんだ。それくらいはするだろうさ」
そんな感じで怒りをあらわにする皆。だが、イディクスの連中ってバンプレオリジナルの敵の中では身内大事にする方だったよなあ? まあイディクス自体が元は一つの存在だったからかもだが。となると、今撃って来たのは……
「どうした? 翔也」
《いや……何でもない》
まあ、撃った奴が誰だろうが関係ないか。今問題なのは、帰る手段をまた考えないといけないってことだ。
「!? 計測してたデータに異常が!」
そんな風に考えていた時、突然アンジェリカの声が響いた。次の瞬間、俺達の眼の前には超空間ゲートが出現していた。
「何!? ゲートだと!?」
「何でいきなり!」
「解らんが皆、急いで艦に戻れ! こいつが起動したらまたどこかに飛ばされるぞ! 一か所に集まって居なけりゃまた別々の場所に飛ばされかねん!」
だが、猿渡さんのその言葉もむなしく、俺達はゲートに吸い込まれ始めた。最初はダンナーベース組。次にフリーダム。そしてビルドベース組と順に飲み込まれて行く。
「くうっ!せめて地球に戻れることを祈るしかないか!」
《ああ。また別の星でした、とか言われたら目も当てられない!》
「アンジェリカ! 俺から離れるな!」
「う、うん!」
そう言ってレヴリアスを動かし、セリウスを抱きかかえるミストさん。いつもだったら冷かすんだが、そんな状況でもないな。まあ、たぶん次はダリウス界なんだろうが……原作通りは行かないだろうしなあ。良くて元の地球。最悪まったく別の場所か。
「うわあああああ!」
「きゃああああ!」
《ぐ、ぐううううう!》
そうして俺達アトリーム組もゲートに飲み込まれ、この星から姿を消したのだった。
尚、撃ったのはギルさん。 たぶん、下の様な会話があったんじゃないかな。
「てめぇ! 何で私の部下を!」
「手間を省いてやっただけだ。あのままとっ捕まったら色々面倒だろう?」
「だからってねえ!」
「俺が最善と思う手を取っただけだ。別に翻意があるとかじゃねえよ」
「ふ、ふん。そりゃそうだろうよ。何せあんたは一度私達にこっぴどくやられてるんだからねえ」
「ああ。逆らってどうなるかはよく解ってるさ……よく、な」
果たしてギルさんはこの先生きのこることができるのか。がんばれギル・バーグ! 部下たちの仇を討つため、そして自分の誇りの為に!
次回! さらばギル・バーグ! 新必殺技 ファイナルサイキックウェーブ!