スーパーロボット大戦K ~夜霧とミスト~ (旧題:俺をさんづけで呼ばないで )   作:トカGE

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原作と所々違うじゃねえか? バタフライエフェクトです。
……きっとバタフライエフェクトです。
そう言いはればごり押しできるっておばあちゃんが言っていた。


フラグを増やすミストさん

 レムの中からこんにちは。夜霧のミスト……じゃない。夜霧翔也です。うん、自分で言ってて気がついたが、俺の苗字ってミストさんが作中で口にした自分の異名と一緒じゃないか。だから夜霧のミストの中に入ったとか? ははは、笑えねえ。名前と言えば……ミストさんが俺を呼ぶときのアクセントって子供の時から変わってねえんだよなあ。しょうや、でなくしょーや。結構直すように言ってるんだけどな。レムとかは割とすぐ翔也って呼ぶようになってくれたんだが、何でだろ。まあ、ミストさんの個性ってことでいいか。

 

 

 

 結局ミストさんの中には戻れませんでしたとさ。まあダメなものはダメと割り切るしかない。あれから数日たって、ミストさんの怪我は無理をしなければ問題ないくらいにまでは回復した。このベザードって星、巨大ロボットとか作れるアトリームと比べるとさすがに劣るけど、それでもそれなりの技術力はあるんだよね。

 そうして怪我が治ったミストさんは、今自分にできることをやろうってことでレヴリアスの修理真っ最中だ。ちなみにレヴリアスだが、ベザードの人達がちゃんと保存してくれてたりする。

 原作でも不思議に思ったのだが、何でこの星の人達がこんな妙なものに乗ってきたミストさんに良くしてくれたかと言うと、クリスタル・ハートにミストさんを近づけても異常がなかったから、らしい。本当に『神の石』って扱いなんだよね。まあ、そうでも無かったらクリスタル・ハートを止めてしまうレムがひどい迫害を受ける理由は無いわけだが。つまりミストさんがクリスタル・ハートを止めてたりしたとしたら……想像したくねえな。

 

「おーい、レムちゃん。悪いんだけどこっち来てくれないか?」

「はーい」

 

 俺がレムの体から出られないため、ミストさんが修理してる部位で解らない所があると、レムの眼を通して俺が調べる感じになっている。と言うかミストさんや、防衛隊での訓練で自機の修理とかやったよな? 何で適当にスルーしてた俺の方が覚えてるんだよ!

 いや、なんとなく予感はしてたけどね? スパロボKの機体について調べてた時、ミストさんが作ったセリウス2が『回線とか滅茶苦茶だけど、クリスタル・ハート積んでたからごり押し気味に動いてた』みたいな事書いてあったし、そっち系のセンスないんだろうなーってことはさ。

 

「ここなんだけどさ、しょーや」

《どれどれ……あー、レム》

「んとね、そこのコード、赤と青逆に繋いでるって」

「あ、本当だ」

 

 修理、本当にうまく行くのか? まあ、クリスタル・ハート詰んでる機体って割と無理が利くっぽいし平気か? 最悪地球に飛ばされた後ダンナーベースか光子力研究所で見てもらおう。

 ちなみにパーツに関しては、レヴリアスと一緒に飛ばされてきた、僚機だった量産型レヴリアスやセリウスの残骸を使わしてもらっている。

 

 

 

 

 レヴリアスの修理を終えてしばらくの間、ミストさんはアトリームに戻る方法を探し続けた。だが、時間が経つにつれて苛立ちが見え隠れするようになってきた。それもそうだろう。侵略者の襲撃を受け、危機に瀕していた母星から異なる星に飛ばされ、母星の安否は不明。しかもそこにはシェルディアやエルリックと言った大切な人達がまだ居るのだ。ちなみにこれまで言う機会が無かったが、この世界のミストさんの親は早くに亡くなり、それ以降はエルリックが後見人になっていた。ミストさんに取って、二人はかけがえのない家族なのだ。

 そんな訳で、ミストさんの苛立ちは日に日に募っていき、2か月ほどが過ぎたある日、ついに爆発した。

 

「くそう、俺は何でこんな所に居るんだよ! なんで俺はアトリームに居ないんだ!」

 

 そう言うと、ミストさんはレヴリアスのコックピットに閉じこもってしまった。

 

《……どうするかな》

「声、かけてあげないの? 翔也」

《俺じゃダメなんだよ》

 

 そう、俺ではダメだ。今ミストさんは、安否が解らないアトリームの人達の事を案じる気持ちと、何も出来ない自分に対する苛立ちで雁字搦めになっている。本当なら、俺も何か言ってやりたいのだが、俺は『アトリームがすでに滅亡している事』を知ってしまっている。そんな俺が、ミストさんに何を言えると言うのか。今の彼に必要なのは、余計な事を考えず単純にミストさんの事を心配出来る人物だ。つまり……

 

「僕、ちょっと行ってくるね」

「あ、お姉ちゃん……」

《大丈夫、行かせてやろう》

「……うん」

 

 レヴリアスのコックピットまで登って行くシェルディアを見送りながら、俺は彼女がミストを立ち直らせてくれることを願った。

 

 翌日、ミストさんはコックピットから出てきて、皆に謝罪した。その顔は、いろいろと吹っ切れてすっきりしているように見えた。それからは、ベザードに来てから影を潜めていたお調子者な部分も少しずつ出てくるようになっていった。

 

 

 

 

 うん、よかったよかった。やっぱミストさんは鬱陶しいくらい元気出ないとね。ほんと、よかったよかった。たとえこれでシェルディアルートの方も準備完了になっちゃったとしてもよかったよかった。

 うん、あの日からミストさんとシェルディアの仲が縮まってるんだよね。まだミストさんの中ではアンジェリカ>>>>>シェルディアくらいだと思うけど、地球に行くまでいくつ>が取れるかな。確か後10か月ほどあるよな?地球に行くまで。

 

あはは……本編開始時が超怖いんだけど。俺だけ過去のベザードに飛んだせいで、アンジェリカもシェルディアも子供の頃から見守ることになった俺としては、二人とも幸せになってもらいたいなと思う気持ちはあるわけですよ。でもね、それはそれとしてノー修羅場。ノー女の争い。

 俺がミストさんの中に戻れるにしても、このままレムの中に居るとしても、二人の争いを至近距離で見せられる事には代わり無い。

 二人が合流した当たりでサクッとどっちか選んでくれるといいんだが、ミストさん優柔不断ルートってのがあるぐらい、恋愛に関しては基本優柔不断だし。そうでなけりゃ、幼馴染であんなに仲がいいアンジェリカとくっつかない訳がない。

 一夫多妻とか決まってないんだし、いっそ両方嫁にしてしまえとも思うが、それはアンジェリカが許さない気がする。嫉妬心爆発するだろ絶対。

 

 

《つまり俺にできることは、あるがままを見守ることだけなのであった》

「どうしたの? 翔也。なんか疲れてるみたいだけど」

《……レム、君だけが俺の癒しだよ。現状》

「ふーん?」

 

 ミストさん、君の未来に幸あれ。願わくば、背中から一突きとか、いいボート、だとか中に誰もいねえじゃねえか! とかなりませんように。




アトリームはまだ弁護できるけど、ベザードって割と怖い星ですよね。
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