エレメンタルジェレイド──蒼銀の同契者──   作:isizu8

1 / 5
プロローグ
プロローグ1


「もう一度確認するぞC.C.。この方法ならこいつを……ライを別の世界へ送れるんだな?」

「ああ。私達がCの世界へ接続し、ライを異なる世界へ送る」

 

 Cの世界に繋がる遺跡の奥深く……そこにある棺に一人の少年『ライ』が眠っている。そして、その棺の前には『ルルーシュ・ランペルージ』と『枢木スザク』そして『C.C.』の3人がいた。

 

「ルルーシュ。ライを異世界へ送るということは、もう二度と彼に会えなくなるということになる。その覚悟はあるかい?」

「ああ、分かっているさ。スザク」

 

 スザクの問いかけにルルーシュは、静かに答える。それは覚悟していた事だったから……。

 

「ゼロ・レクイエムが達成された今、ライをこの世界に置いておくのは危険だ……だから」

 

 ゼロ・レクイエム……それはライがブリタニアの最後の皇帝として全世界を支配しその後、仮面の英雄『ゼロ』に討たせる計画。

 

 この計画は元々、ルルーシュが皇帝となる予定だった。しかし、それはライの持つ絶対順守の力『ギアス』によって阻止された。ライのギアスによって、ルルーシュ達は彼が皇帝になることを認めた。そして彼は、本来ルルーシュが背負う筈だった十字架を代わりに背負い死んでいったのだ……。

 

 とはいえ、ルルーシュ達はライが皇帝になることは認めても、死なせることまでは認めなかったのだ。スザクは寸前のところでライのギアスに逆らい、ギリギリ急所を外した。その後、秘密裏にライの治療は行われ、なんとか一命を取り留めこの棺桶に眠っている。

しかし、ライが生きていることを知られれば、現体制に反対する勢力やテロリスト集団にライを利用される危険がある。それは絶対に阻止しなければならない。

 

「不安要素はあるが、ライを安全に生かすにはこの方法が最善だ」

「だが、こいつは生きることを望んでいるかな?」

「何が言いたい?」

 

 C.C.の言葉にルルーシュは眉をひそめる。

 

「記憶を取り戻してからのあいつは、どこか死に急ぐように戦っていた」

 

 ライの根底にある願いは、自身の死である。だが、彼は自殺することはできなかった。その理由は彼と契約した者がそれを禁じたから。

 ライが計画を変えたのは、ルルーシュを犠牲にしたくなかったからだが、心の奥底で自身の破滅を望んでもいたことも理由の一つ。ルルーシュ自身も、そんなライの心の葛藤を知っていた。

 

「ああ、分かってるさ。これは俺の我儘だ。それでも、俺はライの死を望まない。だから……」

 

 理解はできても納得がいかない。だからこそルルーシュは生かしたいと考えていた。それが、たとえライに恨まれることになるとしても。

 

「ルルーシュ……僕も同じ気持ちだ。彼が幸せに生きられる明日があるのなら、僕もその可能性に賭けたい」

「スザク……ああ、そうだな。ライは俺たちに願い(ギアス)を掛けたんだ。この世界を託すという、な……。だから、俺たちの願いも聞いてもらう」

「……そろそろ始めるぞ。2人とも」

 

 C.C.がCの世界に接続したのを機にルルーシュはギアスを解放し、集合無意識に語りかける。

 

「ルルーシュ・ランペルージが願う……我らが友『ライ』の明日を……」

 

 そうしてライはこの世界から姿を消した……。

 

 

 

 

「まったく、随分と余計なことをしてくれたものだね……。まあ、この方が私にとっても都合が良いのだけど」

 

 ライが異世界へと送られ、ルルーシュ達が遺跡から去った後、ある男が先ほどまでライのいた場所まで訪れていた。

 

「ライ。キミは私との約束を破ったね」

 

 その男はライがまだ幼少期の頃に出会った契約者。彼に課した契約の条件……それは、自ら死を選んではいけないこと。

彼としては、ライが全力で戦い、抗って、その上で死んでいく分には構わないという考えであった。しかしライはその契約を破り自ら死を選んだ。

ゼロ・レクイエムの最後、抗いもせず死を受け入れた姿を見てそう判断したようだ。

 

「君は……お友達とやらを優先して、私との契約を破った」

 

 自身の契約よりも、友を優先した。彼にとって、そのことが何よりも許せなかったのである。

 

「君のお友達は、君が平和な世界で生きることを望んでいるみたいだね。だけど、君には戦いこそが相応しい」

 

 満足げに笑みを浮かべ、遺跡の奥の朽ちた扉の前で手をかざす。

 

「君に平和な世界(そんなもの)は似合わない。戦って、抗って、そして死んでいくんだ。それが成された時、私は君を許そう」

 

 手をかざすと、その男の周辺が激しい光に包まれる。

 

「先ずは、そのための準備をしないとね。フフッ……」

 

 そう呟いた直後、その男は遺跡から姿を消した……。

 

 ライがこれから訪れることになる世界……その世界の名はガーディア。

 空に憧れ、空に近付き、空に浮かぶ不思議な力を、ごく一部の者たちが手に入れ始めた世界。その世界で、ライは再び得た命に苦悩しながら戦っていく。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。