エレメンタルジェレイド──蒼銀の同契者──   作:isizu8

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プロローグ2

 エディルレイド……。それは、この世界(ガーディア)に誕生した幻の種族。

 殆どが若い女性の見た目をしており、体のどこかに核石……エレメンタルジェレイドが埋め込まれている。人間と同契(リアクト)することにより、その身は武器に変身し、同契した人間に力を与える。武器の形はエディルレイドによって様々だが、共通しているのは通常の武器よりも軽く、強大な威力を誇ること。余りにも強大かつ希少な存在のため、彼女たちを恐れたり、物のように扱い利用する者が多い。

 

 そして、そのエディルレイド達の楽園であるエディルガーデンという場所、その奥深くにある玉座に一人、美しい女性が座っていた。彼女の名はイヴ。このエディルガーデンの女王である。そんな彼女の前にある人物が現れる。

 

「エディルレイド……まさか、もう一度目にすることになるとはね」

 

 現れたのは黒いローブに身を包んだ男だった。その正体はライの契約者。男はフードを取ると、その素顔を露わにする。

端正な顔立ちをした男だが、瞳には狂気が宿っている。男はニヤリと笑みを浮かべると、イヴに向かってそう言った。

 

「……誰?」

「誰でもいいじゃないか。私は君の願いを叶えに来ただけなのだから」

「私の、願い……?」

「そう、願いだ。君にもあるだろう?」 

「私には、願いなんて――」

 

 願いなんて無い……。そう答えようとしたイヴの言葉を遮った。

 

「無いとは言わせないよ。君は自由になりたいのだろう? 今までずっとここの人達に女王として扱われ、閉じ込められてきたのだから」

「……そうね」

 

 イヴは力なくそう答え、そして俯いた。

 

「君を慕っていた者達も君の代わりが見つかったことで、今ではその代わりを連れてくるまでの代替品として扱われている。そんな人生で君は満足かい?」

 

 彼女は女王であるが故、この身朽ち果てるまで、この玉座に居続けなければならない……。自由になりたいが、一人ではどうにもならない。そんな状況に彼女は辟易としていた。

 

「仕方のないことよ……この命が尽きるまで、私はここから出ることはできないのよ」

「出来るさ。私の力なら、君を連れ出すことが出来る。ただし、私に出来ることはそれだけだけどね」

「……」

「だけど、心配する必要はない。君を助けてくれる人を知っているから……。今からそのイメージを送るよ」

 

 彼はそう言ってイヴに向かって片手をかざしてきた。その瞬間、彼女の中に一人の人間のイメージが浮かんでくる。その人間の容姿は綺麗な銀の髪と透き通る蒼い瞳をしていた。

 

「彼の名はライ。キミと同じく王として生きることを運命付けられた男だ。彼の元に居れば、君は自由になれる」

「ライ……その人が、私を……?」

「君を自由にする代価として私が要求することはたった一つ……それは彼を絶対に死なせないこと」

「それが、条件?」

「そう。何があってもライを死なせてはならない。君の力を使ってでも、彼を生かし続けてもらう」

「私に同契(リアクト)しろと言うのね……」

「そうだ」

「……」

「不満かな? ここにいるエディルレイドは人間を毛嫌いする傾向があるからね。君もそうかい?」

「嫌うも何も無いわ。私は人間を知らない、会ったことがないもの」

「なら、これから知ればいい」

 

 彼はそう言ってイヴに対し掌を向けてきた。その手にはギアスの紋章が描かれている。

 

「これは契約だ、女王様。応じてくれれば、君は自由を手にする」

「私は……」

 

 イヴは迷っていた。外の世界など知らない彼女が、未知の未来に進むことが怖かったのだ。しかし、ここで拒んでは二度とその機会はなくなり、この身が朽ち果てるか、新たな女王がこの地を訪れるまで、この玉座に居続けなければならない。それは彼女にとって死よりも辛いことだった。

 

「良いわ。応じましょう……その契約」

 

 悩んだ末、イヴは明日を望み、掌に描かれているその紋章に手をかざした。

 

「契約成立だね」

 

 その瞬間、激しい光がこの場を覆う。

 

「(さて、これで準備は整った……。ライ、君の新しい人生の始まりだ。今度こそ、私との契約を果たしてもらうよ……)」

 

 そして二人は光に包まれその場所から消えていく……。

 

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