エレメンタルジェレイド──蒼銀の同契者── 作:isizu8
エディルレイド……。それは、
殆どが若い女性の見た目をしており、体のどこかに核石……エレメンタルジェレイドが埋め込まれている。人間と
そして、そのエディルレイド達の楽園であるエディルガーデンという場所、その奥深くにある玉座に一人、美しい女性が座っていた。彼女の名はイヴ。このエディルガーデンの女王である。そんな彼女の前にある人物が現れる。
「エディルレイド……まさか、もう一度目にすることになるとはね」
現れたのは黒いローブに身を包んだ男だった。その正体はライの契約者。男はフードを取ると、その素顔を露わにする。
端正な顔立ちをした男だが、瞳には狂気が宿っている。男はニヤリと笑みを浮かべると、イヴに向かってそう言った。
「……誰?」
「誰でもいいじゃないか。私は君の願いを叶えに来ただけなのだから」
「私の、願い……?」
「そう、願いだ。君にもあるだろう?」
「私には、願いなんて――」
願いなんて無い……。そう答えようとしたイヴの言葉を遮った。
「無いとは言わせないよ。君は自由になりたいのだろう? 今までずっとここの人達に女王として扱われ、閉じ込められてきたのだから」
「……そうね」
イヴは力なくそう答え、そして俯いた。
「君を慕っていた者達も君の代わりが見つかったことで、今ではその代わりを連れてくるまでの代替品として扱われている。そんな人生で君は満足かい?」
彼女は女王であるが故、この身朽ち果てるまで、この玉座に居続けなければならない……。自由になりたいが、一人ではどうにもならない。そんな状況に彼女は辟易としていた。
「仕方のないことよ……この命が尽きるまで、私はここから出ることはできないのよ」
「出来るさ。私の力なら、君を連れ出すことが出来る。ただし、私に出来ることはそれだけだけどね」
「……」
「だけど、心配する必要はない。君を助けてくれる人を知っているから……。今からそのイメージを送るよ」
彼はそう言ってイヴに向かって片手をかざしてきた。その瞬間、彼女の中に一人の人間のイメージが浮かんでくる。その人間の容姿は綺麗な銀の髪と透き通る蒼い瞳をしていた。
「彼の名はライ。キミと同じく王として生きることを運命付けられた男だ。彼の元に居れば、君は自由になれる」
「ライ……その人が、私を……?」
「君を自由にする代価として私が要求することはたった一つ……それは彼を絶対に死なせないこと」
「それが、条件?」
「そう。何があってもライを死なせてはならない。君の力を使ってでも、彼を生かし続けてもらう」
「私に
「そうだ」
「……」
「不満かな? ここにいるエディルレイドは人間を毛嫌いする傾向があるからね。君もそうかい?」
「嫌うも何も無いわ。私は人間を知らない、会ったことがないもの」
「なら、これから知ればいい」
彼はそう言ってイヴに対し掌を向けてきた。その手にはギアスの紋章が描かれている。
「これは契約だ、女王様。応じてくれれば、君は自由を手にする」
「私は……」
イヴは迷っていた。外の世界など知らない彼女が、未知の未来に進むことが怖かったのだ。しかし、ここで拒んでは二度とその機会はなくなり、この身が朽ち果てるか、新たな女王がこの地を訪れるまで、この玉座に居続けなければならない。それは彼女にとって死よりも辛いことだった。
「良いわ。応じましょう……その契約」
悩んだ末、イヴは明日を望み、掌に描かれているその紋章に手をかざした。
「契約成立だね」
その瞬間、激しい光がこの場を覆う。
「(さて、これで準備は整った……。ライ、君の新しい人生の始まりだ。今度こそ、私との契約を果たしてもらうよ……)」
そして二人は光に包まれその場所から消えていく……。