ストライクウィッチーズ ~蒼空を舞う零の荒鷹~   作:鷹と狼

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第12話 ストライクウィッチーズ

 

 

 

 

洋介は人型に手を伸ばした時、別の方向からのビームが彼女に直撃。

 

そのビームが直撃する直前、ネウロイの表情はないが、洋介からして見れば哀しみと笑みを浮かばせた。

 

別の機体が出現、編隊のすぐ脇を通り過ぎた機体が人型に変形し、その機体はネウロイの巣を捉え、機体からビームを発射して巣を貫き燃やした。

 

 

「なんだあいつ?」

 

 

「ネウロイを一撃で…」

 

 

「…まずい、巣の中に宮藤が…」

 

 

「うじゃぁぁ!?芳佳ぁっ!?」

 

 

「宮藤ィィ!!」

 

 

シャーリーとルッキーニが落ちていく芳佳を追う。あの機体が変形し、もと来た方角へ飛び去った。

 

 

「(あれは!?ネウロイのコアと一緒にいた…)」

 

 

「桜井さん?大丈夫ですか!?それと、あのネウロイは…?」

 

 

二人に連れられて芳佳が編隊に戻ってきた。

 

 

「大丈夫だ、身体に異常はない。あの人型は…俺たちを庇って死んだ…」

 

 

「!?」

 

 

「桜井、なぜ二度も洗脳されるようなことに?」

 

 

「洗脳?トゥルーデそれは違う!俺はただ、ネウロイの通訳と極秘な情報を掴み…」

 

 

「その話は後よ!宮藤軍曹、あなたを無許可離隊の罪。桜井中尉、あなたも共犯として拘束します!」

 

 

「…わかりました!」

 

 

洋介は所持していた小銃と拳銃、軍刀鷹狼を空中でミーナたちに手渡し、解除した。

 

基地に戻る途中、洋介はネウロイが残した重大な記憶を整理した。

 

異次元転移計画=ガリバー・プロジェクト。ネウロイの極秘の研究実験で異世界から異世界兵士を送り込み、ウィッチの世界を窮地に叩き込む作戦計画だ。

 

実験の漏洩か何かで、あの占守島の戦いで洋介がネウロイの実験に巻き込まれたことを推測した。

 

 

「(あのネウロイの中にも、あいつのようなパイロットがいたんだなしかし…あの物体は…)」

 

 

だが、最も重要なのが人類とネウロイ研究とその軍事利用だ。

先ほどの攻撃でやられたネウロイは存在を感知していた。あの機体がビーム兵器を所持、あれにはネウロイの技術が使用されている可能性がある。

 

 

「あれ、誰かいるよ?」

 

 

滑走路にはブリタニアの歩兵8人、士官服を着た初老の男が一人立っていた。

 

ミーナたちは彼らの前に到着した。あの時ブリタニアの上層部で洋介を動物のように見ていたブリタニア空軍大将トレヴァー・マロニーだった。

 

 

「ご苦労だった、ミーナ中佐」

 

 

マロニーの背後に、先ほど飛来した飛行物体が着離。直後、彼の歩兵がウィッチを包囲、短機銃を向けた。その合間でウィッチたちの武装を強制的に取り上げ、解除させた。

 

 

「まるでクーデターですね、マロニー大将」

 

 

しかし、マロニーはミーナの言葉を特に気にする素振りをせず、当然と言わんばかりの態度をとる。

 

 

そして、マロニーは書類をミーナ達みんなに見せた。それは配置転換の書類だった。

 

 

「命令に基づく正式な配置転換だよミーナ中佐。この基地はこれより私の配下である第一特種強襲部隊、通称『ウォーロック』が引き継ぐことになる」

 

「ウォーロック…!?」

 

 

ウォーロックという言葉にウィッチーズを困惑させた。洋介はマロニーの後ろに聳え立つウォーロックと呼ばれる兵器を見る。

機械の身体に手が生えた様な構造をしているウォーロックを見て、あの時意識の中、人型ネウロイの記憶で見たことを呟いた。

 

「こいつがウィッチの変わりになるのか、あの時のネウロイの記憶で見た機械か…」

 

暫くすると、包囲されているミーナたちの所に次々と基地で待機していたリーネとエイラとサーニャ、車椅子に乗る美緒とペリーヌも集まってくる。

 

 

「ウィッチーズ全員集合かね」

 

 

マロニーは一歩前に出て、芳佳の前に立つ。

 

 

「君が宮藤芳佳軍曹、そして桜井洋介中尉か」

 

 

「「 はい… 」」

 

 

芳佳は目の前に立つマロニーの気に押され尻すぼみな返事をする。

 

 

「君は軍規に背いて脱走をした。そうだな?」

 

 

「…軍規…」

 

 

芳佳はマロニーに言われ思い返すが、彼女は何か思い出したのか反応する。

 

 

「あっ...!その後ろの…」

 

 

「ウォーロックのことかね?」

 

 

芳佳の反応にマロニーは自信満々そうに紹介をする。しかし、芳佳はさらに続けた。

 

 

「私見ました!それがネウロイと同じ部屋で、実験室のような部屋で…!」

 

 

「なっ!?何を言い出すんだ君は!」

 

 

芳佳の発言にマロニーはまるで動揺したように反応した。

 

そしてその反応を見逃さない者が数名いた。その中で洋介は、冷静にあの時の記憶を分析し、マロニーに述べた。

 

 

「俺も見た。俺と宮藤芳佳が接触したネウロイは、人類のネウロイ研究と軍事利用のことを知っていた。彼女はそれを教えてくれた!」

 

 

「何を言っておるのだ…質問に答えたまえ!君は脱走した!そうだな?」

 

 

「…はい。でも…」

 

 

洋介の言葉を無視して、マロニーの質問に芳佳は返事をするが、追加で何かを訴えようとした。しかし、マロニーはそれを聞かずミーナを見る。

 

 

「中佐、私は脱走者を撃墜するように命令をしたはずだ」

 

 

「はい、ですが…」

 

 

「隊員は脱走を企てる。それを追うべき上官と部下も司令部からの命令を守らない。全く残念だ…」

 

 

マロニーは心底失望したように述べ、それを聞いて洋介は腹が立つが何とか胸で抑えた。そしてさらにマロニーは衝撃の言葉を追及した。

 

 

「本日只今を持って、第501統合戦闘航空団ストライクウィッチーズは解散する!」

 

 

『なっ!?』

 

 

マロニーの言葉に全員が驚く。

 

ブリタニアの防衛を担っているストライクウィッチーズを突然解散すると言い出すのだ。

 

 

「各隊員は可及的速やかに各国の原隊に復帰せよ!以上だ。わかったかね中佐」

 

 

「…了解しました」

 

 

ミーナは相手に悟られないように、しかしそれでもマロニーを睨みながら返事をした。

 

中で一番ショックを受けたのは芳佳だった。

 

 

「そんな…解散…ウィッチーズが…」

 

 

「君の独断専行が原因なのだよ、宮藤軍曹」

 

 

芳佳は解散と言う現実を受け止められなかったが、更に畳みかけるようにマロニーが追及。

 

そして、それにショックを受けた芳佳は気を失い倒れた。洋介は倒れ込む芳佳を介抱し、マロニーに反論した。

 

 

「…芳佳っ…くっ!…たかが下士官……いや、一人の女の子の行動で、部隊の解散を追い込むなんて…血と涙もない冷徹な機械で、ウィッチ11人の変わりをさせることが馬鹿げてる…!!」

 

 

「黙れ!…異世界人の君に関して、桜井中尉は我がウォーロックの傘下に入ってもらう」

 

 

「なに…!?」

 

 

「マロニー大将!彼は、桜井中尉は私たちカールスラントが…」

 

 

「ミーナ中佐、君にはもう権限はない。桜井中尉もウィザードの拒否権はない、強制的について来てもらう」

 

 

「…よせっ、やめろ!!俺はあんたが上官になっても命令はクソ食らえだ!!ウィッチーズを解散に追い込む奴なんか、ネウロイとの戦争に勝てるのかぁ!!」

 

 

マロニーは手の合図で数名のブリタニア兵が洋介を捕まえるように、基地の内部に連れ込み、洋介は暴れた。

 

 

「生意気な…構わん」

 

 

「ぐがはっ!…」

 

 

「あぁ…」

 

 

マロニーの合図でブリタニア兵は洋介の後頭部を小銃で殴打、気絶させたまま連れて運ばれた。

 

ミーナが制止することができなかったことを悔やんだ。

 

 

ウィッチたちはマロニーの命令通り原隊や母国に帰投、501基地から出て行った。

 

 

 

そして、ウィッチたちが立ち去るところを見計らって。マロニー大将麾下、態勢を整えていた。基地の格納庫が封鎖され、ストライカーの射出が不可能になっていた。

 

 

管制塔

 

 

「閣下、ウィッチーズ全員が当地より離れました」

 

 

「うむ…」

 

 

報告を聞きマロニーは頷くが、彼は内心で焦りを感じていた。

 

 

「すべて順調です」

 

 

「どこが順調なのか。全くとんだタイミングだ…こちらの戦力はまだウォーロック1機しかいない。表に出る時期では無かったのだ」

 

 

副官がマロニーに述べ、マロニーは不満だらけだった。彼の顔を歪めて副官の言葉を反論する。

 

 

「しかし、もう隠れているわけには…」

 

 

「そうとも、しかしもう1ついい収穫もあった。世界でただ一人の扶桑のウィザードだ、奴の身体を徹底的に研究調査し、そのエネルギー源を発見して量産、わがウォーロックと並ぶウィザード部隊を結成させるのだ。」

 

 

 

マロニーがあの上層部で桜井洋介を目の当たりにした時、ウォーロック同様に彼の魔法のエネルギー源で何とかウィザード量産の計画を視野に入れていた。

 

 

 

一方、洋介は基地の地下の独房で洋介は気絶したまま閉じ込められていた。

 

気絶した洋介は夢を見た。夢の中で現れたのはフィリピンのレイテ、エンガノ海戦で空母瑞鶴の最後まで戦い、その後マバラカット基地で別れ、戦死。

 

洋介が尊敬した生粋の戦闘機パイロット厚木十三少佐だった。

 

 

「(何しているんだ洋介!!)」

 

 

「(…厚木隊長…!!)」

 

 

「(こんなところでくたばるのは勝手だが、それでも戦闘機乗りか!!戦闘機乗りの任務を遂行しろ!!)」

 

 

「(…厚木隊長…すいません、隊長…戻ります。俺がいる世界を助けるための戦いの大空に)」

 

 

洋介は気が付き、目覚めたところが檻の中に閉じ込められていた。

 

洋介は航空半長靴の右靴を脱ぎ、靴の中に針金を仕込ませており、針金の先を変形させて、檻の鍵穴に挿し入れて解錠した。

 

 

「よしっ、解錠成功……あ…」

 

 

「…!?扶桑のウィザード!!止まれ!」

 

 

「そう問屋が卸すか!!」 バシッ

 

 

「…ぐはっ…………」

 

 

洋介は檻を見張っていた一人ブリタニア兵の背後に回り、手刀で後頭部を殴打、気絶させ、身ぐるみを脱がせて洋介が着用、彼はブリタニア兵に変装した。

 

 

「……以前のニューブリテン島、グロスター岬を思い出すなぁ~」

 

 

 

洋介は感傷に浸りながら個人装備の軍刀鷹狼と拳銃、四式小銃を探しに基地内部を捜索している時、彼は波導で海の一点を指し示し、確認したのは空母。空母が黒煙を上げて、時折爆発を起こしていた。

 

 

「あれは…赤城…赤城じゃねぇか!?」

 

 

空母赤城が飛行物体であるウォーロックの攻撃を受けていた。ウォーロックと唯一、交戦していたのは芳佳ただ一人だった。

 

 

「くそっ…芳佳、待ってろ!」

 

 

洋介は急いで自身の所持品の軍刀等を探したが困難を極めつつ、やっと発見した。

 

 

管制室

 

 

「ウォーロック強制停止システム、作動!!」

 

 

しかし、ウォーロックは止まらず、暴走を続けていた。次第に基地も攻撃に被弾、赤城も大破炎上し沈没寸前だった。

 

 

「っ! なぜだ!なぜ停止しない!?」

 

 

次の瞬間、管制室の扉から警備兵が緊急で駆けつけに来た。

 

 

「マロニー閣下、緊急です!」

 

 

「今ウォーロックに関して手が一杯だ、後にしたまえ!」

 

 

「それが、地下に閉じ込めていた扶桑のウィザードが脱走しました!!」

 

 

「何だと!?こんな時に…奴を探せ!」

 

 

「了解しました!!奴は…ここにいるゼ!!」

 

 

一人の警備兵が身に纏った軍服を脱いだ。

 

その正体は日本海軍中尉、第三種軍服を着用し、軍刀鷹狼を所持した桜井洋介だった。鞘から軍刀を抜き、マロニーを突きつけた。

 

 

「なっ…貴様!!」

 

 

「こうなることだと思った!トレヴァー・マロニー!今すぐウォーロックを停止しろ!!」

 

 

「できるものならとっくにやってるさ!兵たち、この扶桑のウィザードを捉えろ!不可能であれば射殺だ!」

 

 

「「「 はっ!! 」」」

 

「させるか、そこっ!!」

 

 

ステンマシンガンを構えた兵士が洋介に銃口を向けて発砲、洋介はシールドを晒して防ぎ、ホルスターから南部十四年式拳銃を抜き出して発砲、ステンマシンガンを当て、弾き飛ばした。

 

管制室にいた兵士と研究者が恐怖を感じ取り、全員が部屋の隅に逃げて怯えている。その姿は追い詰められたネズミのようだった。

 

 

「…ウォーロックが止められないなら、撃墜するしかないか…」

 

 

「無駄なことはやめろ!」

 

 

マロニーは懐から拳銃を取り出した。気付いた洋介は軍刀を抜刀、そして副官も床に落ちていたステンマシンガンを拾い、銃口を向けた。

 

 

「待て!武器を捨てろ…」

 

 

「待て…誰に言っているんだ副官!」

 

 

「閣下だ。…中尉、一つ頼みがある。私のことはどうでもいい。だから、閣下や部下、研究員には手を出さないでくれ」

 

 

「副官!」

 

 

「…いい部下をお持ちだな、大将」

 

 

洋介は軍刀を鞘に納め、拳銃をホルスターに入れながらマロニーを睨んだ。

 

 

「…」

 

 

「副官、一つ聞いていいか?なぜ、この研究に携わったんだ?」

 

 

「…戦争は男の仕事だ…女には任せられない!」

 

 

「本当にそれだけか?」

 

 

「ウィッチを、少女たちを戦場で戦わせたくなかった。傷付けたくなかった」

 

 

「だから、ネウロイの技術を利用しようとしたのか…それに副官もう一つ、なぜ俺をウォーロック部隊の強制的に傘下を加えようとしたんだ…」

 

 

「…中尉は世界でただ一人のウィザードだ、中尉を研究してブリタニアに多くのウィザードを量産を視野に…それ以外方法がなかった…」

 

 

「そうか…俺を実験台にするのは構わん、だがな」

 

 

「!?」

 

 

洋介は副官の襟首を掴み挙げた。

 

 

「彼女らは自分の意志で戦っている!奪われた祖国の解放のため、家族のため、希望と未来、平和のためと言う意志でな!お前はその思いを踏みにじった!俺の言ってる意味が分かるか!」

 

 

「ぐるぅっ!」

 

 

「実際にウィッチと最前線で、激戦地で戦ってみろ!さっきまで綺麗事なんて言ってられんゼ!」

 

 

「でぶぅっ…!」

 

 

洋介はぼろぼろになるまで副官の腹部と顔を殴り、彼は床に座り込み、最後に副官の首筋に刀を向けた。

 

 

「即座ウィッチたちの解散と、ウォーロックの実践配備で赤城の誤射、この代償は安くない」

 

 

「待って!!」

 

 

「ミーナ中佐!!」

 

 

管制室の出入口に、基地から退去した筈のミーナとトゥルーデ、エーリカの三人が入室した。

 

 

「殺すのはダメよ」

 

 

「…ミーナ中佐、これだけはお許しを…たぁっ!」

 

 

「げふっ…」

 

 

洋介は軍刀で壁を傷付け、副官を気絶させた。トゥルーデは管制室のコードでマロニーを縛り、確保した。

 

 

「桜井、一体何があった!?」

 

 

「…そうだ、ウォーロックが暴走した挙げ句、赤城を攻撃。芳佳が一人で戦っている!」

 

 

「宮藤が!?」

 

 

「格納庫に急ごう!!」

 

 

赤城上空では、芳佳とウォーロックが激しい空中戦を繰り返していた。

 

するとウォーロックが突然空中で静止し、V字の赤いランプが消え機体内部からカプセルに入ったネウロイのコアが露出する。

 

 

「(…っ!人型ネウロイも、同じ事をした。あのネウロイは、私たちと分かり合おうとした。もし、このネウロイもそうなら…)」

 

 

芳佳は銃口を下げ、コアに近づいていく、左手を銃から離し、コアへと伸ばす。

 

だがー

 

 

「きゃっ!」

 

 

突然ビームが発射されるが、咄嗟に張ったシールドで防ぎ、事なきを得る。

 

 

「(違う…このネウロイは、敵なんだ!!)」

 

 

 

 

 

基地 格納庫前

 

 

 

「つまりだ、宮藤がネウロイと接触しようとしたから、奴らは慌てて、尻尾を出したって訳だ。わかるだろう?ミーナ」

 

 

「はいはい」

 

 

「だろう?エーリカ、桜井?」

 

 

「あー、もう私の知ってるトゥルーデじゃない…」

 

 

「俺も接触したんだけどなぁ~ネウロイと人間の通訳になったんだが…極秘の情報を知った!」

 

 

「極秘の情報…?」

 

 

「異次元転位計画、通称ガリバープロジェクトだ!!」

 

 

「ガリバープロジェクト…ねぇ…桜井さん…この戦いが終わったら、私たちとカールスラントに来てくれる?///」

 

 

「…いいでしょう。…ただし、僕が負傷しなければ♪」

 

 

トゥルーデの熱の入る説明を聞き、ミーナは苦笑いをし、エーリカはぐったりとする。

 

洋介はミーナにネウロイの極秘の情報を真剣に聞いていた。そして、四人が格納庫に近づくと、格納庫前に立っている二人の人影に気付く。

 

 

「あれ?」

 

 

「エイラさん!サーニャさん!」

 

 

「お前達…なんで戻ってきたんだ?」

 

 

格納庫の前に立っていたのはエイラとサーニャだった。二人は封印された格納庫を見て困ったように立ち尽くしていたが、四人に気づき振り向く。そしてトゥルーデに質問されエイラは何故か慌てる。

 

 

「あ、えっと、その…列車がさ!ほら、二人共寝てたら始発まで戻ってきちゃって…仕方ないからここの様子でも見ようかな~って…なぁサーニャ」

 

 

エイラが説明をするが、完全に何か本音を隠している説明だった。

そしてサーニャに賛同を求めるが、サーニャは本当のことを話した。

 

 

「途中で気付いたんです。今、洋介さんと芳佳ちゃんが戦ってる。私達は洋介さん達を助けに来たんです」

 

 

「あぁ、サーニャ~…」

 

 

「素直じゃないな~」

 

 

「私達も同じよ」

 

 

「わ、私は違うぞ!」

 

 

 

サーニャの言葉にエイラがヘタレた反応をする。

 

そんな姿を見てエーリカがからかう。ミーナもおんなじだと言うと、今度は何故かバルクホルンが焦った反応をする。

 

しかし、彼女たちはこうやって話している暇はない。

 

 

 

「それより始めるぞ!」

 

 

 

トゥルーデは魔力の怪力を発動、鉄筋の一本を持って、投げ飛ばした。その光景を目にした洋介は感心した。

 

 

「……凄い怪力だな…」

 

 

赤城の方角から複葉機を操縦していたシャーリーとルッキーニが、赤城に乗船していた美緒とペリーヌを救出して滑走路に着陸。

 

最後にリーネが滑走路の脇から駆けつけに来て到着。ストライクウィッチーズが再集結した。

 

 

赤城上空ー

 

 

「くっ!はぁ…はぁ…」

 

 

未だに激しい空中戦が繰り広げていた芳佳は疲れが出て、さらに追い討ちを掻けるように、ウォーロックが多重ビーム攻撃を仕掛ける。

 

 

シールドを張り耐える時に突如、ウォーロックの脚部に対戦車小銃弾が着弾する。

 

 

「あっ!」

 

 

バランスを崩したウォーロックは落下、赤城を巻き込み、海に沈んだ。杉田艦長以下、赤城の乗組員は内火艇で避難、赤城の最後を見守った

 

 

「…赤城が…」

 

 

「…沈んでいく…」

 

 

 

上空

 

 

 

「お待たせ!」

 

 

「芳佳!」

 

 

「一人でよく耐えたな宮藤」

 

 

「坂本さん、皆!」

 

 

「こいつは必要なくなったな」

 

 

トゥルーデは、芳佳のストライカーを脇に抱えながらの時、エイラがタロットカードを取り出した。

 

 

「そうでもないカモ…」

 

 

「「「「「「 え? 」」」」」」

 

 

「ほら見て!」

 

 

エイラの引いたカードは塔の正位置。意味は『破壊、破滅』。海面から泡が湧き、沈んだ赤城が浮上、空中に飛び立った。

 

 

「ウォーロックが赤城と…」

 

 

その間、美緒はミーナとペリーヌ、芳佳はシャーリーとバルクホルンに自身のストライカーユニットを装着、エンジンを作動した時、赤城のビームがウィッチたちを狙い発射。

 

 

「いかん、散開!!」

 

 

「美緒、出来る?」

 

 

「あぁ、大丈夫だ!」

 

 

美緒の飛行がやや不安定のため、ミーナが彼女の手を繋ぎ、魔眼と空間把握を作動させた。

 

 

「な…なんだあれは…」

 

 

「ウォーロックと赤城が融合している…これじゃ手の付けようがないわね…」

 

 

「だがやるしかない、あれはウォーロックでもネウロイでもない、別の存在だ!我々ウィッチーズが止めなければ誰も、止める者はいない!」

 

 

「うん」

 

 

「…そうだ、あれを倒さない限り…未来がない…!」

 

 

洋介はネウロイ化した赤城を睨み、呟いた。

 

 

サーニャの魔導レーダーが作動した。

 

 

「来ます!!」

 

 

赤城全体からビームが発射。そして、ミーナが指示を出した。

 

 

「ストライクウィッチーズ、攻撃体制をとれ!目標、赤城及びウォーロック!!」

 

 

「「「「 了解!! 」」」」

 

 

坂本はミーナの合体魔法でコアを探索、把握した。

 

 

「コアは赤城の機関部だ!」

 

 

「外から破壊出来そうもないわね、内部からたどり着くしか…」

 

 

「内部を知ってる私が行く!」

 

 

「あぁ…」

 

 

ミーナは美緒の行動に危惧、手を握り締めた。

 

 

「私が行きます!」

 

 

「私も行きます!」

 

 

「わっ…わたくしも内部なら多少のことはわかりますわ」

 

 

「ありがとう!」

 

 

「俺も行くゼョ!君たちだけじゃ不安だ!」

 

 

芳佳とリーネ、ペリーヌ。そして洋介も志願した。

 

 

「では、その他各員は4人の突入を援護、突破口を開いて!」

 

 

「「「「 了解 !!」」」」

 

 

赤城が雲海に出たところで、ミーナが合図を出した。

 

 

「攻撃開始!!」

 

 

トゥルーデとエーリカは赤城の右舷機銃座をシュトゥルム、機銃攻撃させ。

 

エイラ、サーニャペアは予知能力でビームを回避、フリーガーハマーで左舷機銃座を攻撃。

 

赤城のビームが弱まったところで、シャーリーとルッキーニは超加速と高熱魔法で急降下、艦首のウォーロックのビームを回避、ウォーロックの艦首ごと切り落とした。

 

ルッキーニの合図で4人が艦首から突入、だが

 

 

「「 きゃっ!? 」」

 

 

「あれは、ウォーロック!」

 

 

雲の中からビームが発射、艦首ごと落ちた筈のウォーロックが再び飛行した。

 

 

「ここは俺に任せろ!君たちは機関部に行くんだ!!」

 

 

「「「 はっはい!! 」」」

 

 

洋介はウォーロックの殿を勤め、あとの三人は赤城内部に突入した。

 

 

「ウォーロック!俺が相手だ!!」

 

 

洋介とウォーロックの一騎打ちが始まった。

 

機銃と小銃、拳銃弾を乱射してもシールドで防がれつつもウォーロックが弱まってきた。

 

 

「銃器の弾丸が尽きた…鷹狼で留めを…っ!?」

 

 

ウォーロックが高速で洋介に接近して彼の左腕を強打、骨折した。

 

 

「ぐるぅ!!…あぁ…」

 

 

「「 桜井!! 」さん!!」

 

 

「「「「 洋介!! 」」」さん!!」

 

 

その光景を目の当たりにしたウィッチたちは救援に駆けつけに行こうとしたが、赤城の機銃座らが再開、行くにも激しいビームで身動きとれなかった。

 

ウォーロックが旋回、洋介は飛ぶだけに精一杯であり再び彼に接近してきた。

 

 

「…くそ…次で弱った俺に留めを刺すつもりか…なら、俺もこの一撃で仕留めるしかない!零戦と鷹狼、力を貸してくれ…………俺の魔法力よ、燃え上がれ………」

 

 

 

右手で軍刀を鞘から抜き出して精神を集中、洋介の身体と刀身から淡い光りが溢れた。

 

 

 

「…見える…そこだっ!!…流星斬!!」  スパアアァァァン

 

 

洋介は全速力でウォーロックに飛行、ウォーロックがビームを発射したところ、洋介は真正面から突進して背後に通り着いた。

 

ウォーロックが縦に斬られたと同時に赤城が結晶に変わり落ちた。

 

 

「やったな」

 

 

「あっ芳佳だ!」

 

 

結晶の中から芳佳を抱き支えた芳佳、リーネ、ペリーヌの三人が出てきた。

 

 

 

「やった!やったんだよ芳佳ちゃん!!芳佳ちゃんがやっつけたんだよー!!」

 

 

リーネは強く芳佳を抱きしめ、ペリーヌはツンとした表情で芳佳のそばから離れ、ガリア上空のネウロイの巣が消滅。

 

シャーリーとルッキーニは歓喜を挙げ、その光景を見たペリーヌは涙した。

 

 

「ネウロイの巣が消滅した…」

 

 

「ガリアが…わたくしの故郷が…解放された…」

 

 

「凄いよ芳佳ちゃん」

 

 

「…うん…あれ?…洋介さんは…?」

 

だが、その喜びの中に洋介の姿はなかった。

 

先程のウォーロックのビームで腹部を射ち抜かれ、海に落下し、赤城の乗組員は落下した洋介を急いで内火艇で回収した。

 

洋介の存在に気付いたミーナたちは急いで洋介の元にきた。その姿の彼は右手で軍刀を持ったまま表情は微笑んでいた。

 

 

「…そんな……そんな!洋介さん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜井洋介は夢を見ていた。暗闇の世界で身体が浮いた状態であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…僕は…死んだんか…これで…戦友たち…雪と亜弥たちの元に…往けるんだ…」

 

 

 

「(殺し合うのが、ウィザードじゃないでしょ)」

 

 

「…!?…その声は…雪…どこに…どこにいるんだ?雪…」

 

 

 

彼の背後に洋介の妻、赤十字従軍看護衣を纏った桜井雪が現れた。

 

 

「(うふふ、あなたといつも心のなかにいるわ♪)」

 

 

「そうか…雪、君との過ごす時間がなくて……すまない…」

 

 

「生きて、あなたがウィッチのいる世界で、ウィザードとして戦い生きて行くことが、私が許されることよ」

 

 

「雪…わかった、…僕は生きる、この世界でも僕は戦う!この命がある限り戦い、生きて行く!」

 

 

暗闇の中で表れた桜井洋介の妻、桜井雪は微笑みながら抱きしめ、突如光りとなって洋介を包んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「洋介さん、目を開けて!…お願い…目を開けて!」

 

内火艇に芳佳とリーネが洋介を抱き抱えていた。彼の身体は冷たく、息がなかった。

 

ついさっきまで飛んでいたのが嘘みたいだった。洋介の協力でウォーロックを倒し、赤城を撃破。そして、ガリアも解放されたのだが、隊の空気が重かった。

 

 

「リーネちゃん…洋介さん……」

 

 

芳佳も洋介の目が覚めるまで治癒魔法を懸命に掻けつつも、彼の息はなく心臓も動いていなかった。トゥルーデも大粒の涙を流し泣いていた。彼を本当の家族と想っていた。

 

そして、ミーナ自身が動き出した。

 

 

「ミーナ?」

 

 

「私はウィッチーズの隊長の果たす勤めです…(クルト…お願い、力を貸して…)」

 

 

「わわっ…」

 

 

「おぉ…///」

 

 

ミーナは洋介に人工呼吸で息を吹き付け、周囲は驚くも静かに見守った。

 

 

そしてー

 

 

「ごぶぉっ…はぁ…はぁ…ミーナ中佐…みんな…」

 

 

「「 洋介さん!! 」」

 

 

「桜井…!」

 

 

「「洋介っ!」」

 

 

洋介は咳き込みながら意識が戻った。ウィッチたちは涙ながら歓びながら抱きつき、彼は上半身を起こして自身の上官であるミーナ・ヴィルケ中佐と坂本美緒少佐に敬礼した。

 

 

「…ミーナ隊長…坂本さん!日本海軍中尉、桜井洋介。ただ今を以て生還しました!!」

 

 

「はっはっは!桜井よくやった、お前は我々ストライクウィッチーズの勇敢な仲間だ!!」

 

 

「お帰りなさい、桜井さん。ストライクウィッチーズ、全機帰還します!!」

 

 

「「「「「「「「「「 了解!! 」」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

1944年9月、ガリア共和国のネウロイ完全消滅が確認された。

 

 

これを持って正式に、第501統合戦闘航空団ストライクウィッチーズは解散した。

 

 

 

そして、桜井洋介の戦いは新たなる戦場で、戦い続けるのであった。

 

 

 

 

 

ストライクウィッチーズ ブリタニア編  おわり

 

 

 





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