ストライクウィッチーズ ~蒼空を舞う零の荒鷹~   作:鷹と狼

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第502 ブレイブウィッチーズ ペテルブルグ編
第13話 新たなる戦場へ


 

 

 

 1944年9月 扶桑 佐世保

 

 

 

 

扶桑のウィッチである雁渕孝美、ひかりの姉妹と母親の竹子が欧州の第501統合戦闘航空団ストライクウィッチーズのガリア共和国解放で活躍した新聞の記事を目の当たりにした。

 

 

「あ、ウィッチの記事だ!」

 

 

「坂本少佐、第501統合戦闘航空団、ストライクウィッチーズの一員として獅子奮迅の活躍…」

 

 

「お姉ちゃん、坂本少佐って知ってる?」

 

 

「リバウ撤退の時にご一緒したわ。厳しかったけど、とても尊敬できる人よ」

 

 

新聞の写真には堂々と坂本美緒少佐が写っていた。その写真の隅に扶桑のウィッチ、宮藤芳佳も写っていることに目を通した。

 

 

「あれ…?この人も扶桑のウィッチなの…?」

 

 

「どうかしら…?統合戦闘航空団に扶桑のウィッチが配属されているならニュースになっているはずだけど…」

 

 

ひかりは次の項目を捲り、ある人物の写真が写っていた。

 

 

「お姉ちゃん、この写真に写っている人って知ってる?」

 

 

「え…?どんな人かしら…?」

 

 

 

ひかりと孝美が目にしたのは世界初のウィザードの記事だった。

 

 

 

「第501統合戦闘航空団ストライクウィッチーズでの、もう一つの活躍。扶桑皇国が世界初のウィザード、欧州で戦えり。」

 

 

「……ウィザードも、ブリタニア防衛とガリア解放の為に奮闘。お姉ちゃん、この人ウィザードって?」

 

 

「私もこの記事で初耳だわ……欧州の501にウィザードが、配属して戦って……いえ、それ以前に世界的なニュースになっているわよ……」

 

 

「扶桑皇国海軍中尉、桜井洋介……どんな人なんだろう……」

 

 

 

 

 

 

翌日 佐世保航空予備学校

 

 

 

 

「ねぇ、聞いた…?」

 

 

「うん、501統合戦闘航空団が、ガリアの解放を…!」

 

 

「それもそうだけど…その部隊に、扶桑から世界初の男性ウィッチの活躍!」

 

 

「そうそう!写真で見ていい男だけど、どんな人なんだろう~!」

 

 

 

ひかりが通う佐世保航空予備学校では、ウィッチたちの会話でガリア解放のニュースで盛り上がっていた事と、扶桑皇国出身で世界初のウィザードの話題と活躍話が持ちきりだった。

 

 

「ウィッチじゃなく、ウィザード!」

 

 

「三隅さん…」

 

 

ひかりの同級生であり、学年首席の三隅美亜が呟いた。

 

 

 

 

「ふふふ…私はいつか、そのウィザードと空を飛んでみたいし…そして…家に招いて…///」

 

 

 

彼女はいずれ、令嬢として招き入れることの思惑を抱いていた。

 

 

 

 

佐世保航空予備学校 講堂 

 

 

 

 

 

「え〜諸君、知っての通り欧州の戦局は厳しく、ウィッチの増強がすぐにでも必要である!故に、我が校からも欧州派遣の志願者を1名、募ることとなった!」

 

 

校長の北郷章香が教壇に立ち、ウィッチの欧州派遣の志願者を募ることを宣告した。

 

 

「欧州………派遣!?」

 

 

「学生故、最前線に配属されることはないが、決して楽な任務ではない。志願者は挙手!」

 

 

すぐに幾人の1年の首席の三隅美也、ひかりを含む学生ウィッチが挙手した。

 

 

「宜しい、誰かが適任か三日後に選抜試験を行う!」

 

 

 

ひかりを除く三隅美也たち学生は、欧州に滞在するウィザードを婿候補にする魂胆を持っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ガリア共和国

 

 

 

解放されて二週間後、元日本海軍中尉の桜井洋介は501統合戦闘航空団『ストライクウィッチーズ』の解散後、宮藤芳佳と坂本美緒と扶桑に行かず、ミーナ中佐率いるカールスラント組に同行せず、欧州に残留してペリーヌの故郷であるガリア共和国のネウロイ残党の討伐、首都パリ復興の為にリーネと従事していた。

 

 

「洋介さぁ〜ん!昼食ですよ~!」

 

 

「おぅ!!」

 

 

洋介は青空の下でリーネ、ペリーヌと一緒に昼食を摂っていた。

 

 

「あぁ、働いた後の食事は美味い!」

 

 

「そうですね。ガリアが解放されてから2週間、つい前の戦いが昨日のように思います。」

 

 

「それにしても、桜井中尉。あなたはなぜ復興活動の従事に…?」

 

 

「…僕の母国の日本も、ペリーヌのガリアのように荒廃してたんだ…」

 

 

「桜井さんの国も...?…ですけど、扶桑は直接ネウロイの攻撃に…」

 

 

「僕がいた世界の国だ……」

 

 

1945年の3月10日以降、アメリカ軍の長距離爆撃機B-29の爆撃で主要都市が灰塵、民間人も犠牲になって荒廃した。

 

 

洋介が焼け野原で歩く度に、なんとしてでも這って立ち上がる事を思っていた。

 

例え、この異世界であってもだ。

 

 

「食事も終えたところだ、他の方々と作業に行って参ります!」

 

 

「はい、お気をつけて~」

 

 

「あっ、私も行きます!」

 

 

 

リーネも洋介について行こうとした時、空からウィッチがペリーヌの元に飛来した。

 

アメリー・プランシャール。ガリア自由空軍軍曹、ペリーヌの同僚ウィッチであった。

 

 

「ペリーヌ中尉ィィ!」

 

 

「あら、アメリーさん。どうしましたの?そんなに慌てて…」

 

 

「はい、桜井洋介中尉宛の電報を持ってきました!」

 

 

まだ離れていなかった洋介が反応し、彼女たちの元に赴いた。

 

 

「なに、僕宛の電報だって!?アメリーさん宛先はどこだ?」

 

 

「はい、宛先はオラーシャ帝国、ペテルブルグです!」

 

 

洋介は電報を受け取り、内容は配属命令だった。

 

 

明後日、ブリタニアのサウサンプトン港からオラーシャ・ノヴォホルモゴルイ港行きの船団に乗り込み、当港に所属するウィッチと合流するとの事だった。

 

 

「ストライクウィッチーズが解散してから2週間、洋介さんだけ転属するなんて…それに、どこで洋介さんの情報を…」

 

 

「この前のわたくし達、記者からインタビューを受けたあの時じゃないかしら…」

 

 

 

以前のブリタニア基地にて記者が殺到、ペリーヌとリーネのインタビューはもちろん、軍関係が注視するのは、ブリタニアとガリアの戦いにて世界でただ一人、501統合戦闘航空団『ストライクウィッチーズ』に配属していたウィザード、桜井洋介の存在だった。

 

 

洋介は軍の機密を語らなかったのはもちろん、記者からの言葉でいつ、ウィザードに覚醒し、今までニュースにならなかったのか、この世界での彼の出自と経緯については重要機密であり、ノーコメントだった。

 

 

 

 

リーネが頭を抱えていると、洋介の顔が険しくなった。

 

 

「第502統合戦闘航空団、『ブレイブウィッチーズ』。転任辞令がでたからには行くしかない。僕の午後からの作業は取り止めだ。これから扶桑軍駐屯所に戻って準備をしに行ってくる」

 

 

洋介は自身が乗って来た九七式側車付きバイクに乗車した時、側車にペリーヌが乗車。リーネが彼の座席に乗車した。

 

 

「ん…?きみたち…?」

 

 

「私も手伝います」

 

 

「わたくしもよろしくてよ。ウィッチーズのよしみでウォーロックの借りとガリアの復興の従事していた御礼がありますてよ~♪」

 

 

「ありがとう!」

 

 

駐屯所、リーネとペリーヌは彼の四式小銃と99式13ミリ機銃のメンテナンスを行い。洋介は衣食の荷物をトランクに入れ、愛機の零戦64型を調整、ロケット弾、南部14年式拳銃を整備。

 

最後に愛用の軍刀、鷹狼を抜き出してフォームを整えた。

 

 

 

 

 

 

翌日 パ・ド・カレー港

 

 

 

 

ブリタニア、サウサンプトン港行きの船が寄港、見送り人はペリーヌ、リーネ、アメリーの3人だった。

 

 

 

「ペリーヌ・クロステルマン中尉、リネット・ビショップ曹長、アメリー・プランシャール軍曹。見送りに感謝します!」

 

 

「桜井さん、寒地ですからお体を大事に」

 

 

「桜井中尉、短い期間でしたがお元気で。現地で戦っているガリア人にもよろしくお願いします。」

 

 

「洋介さん、お弁当です。芳佳ちゃんから教えて貰った扶桑のおにぎりです。船でゆっくり食べて下さい。」

 

 

「ありがとう、リーネ」

 

 

 

弁当を受け取った時、船の出発間近の汽笛が鳴った。

 

 

 

「おっと、出発の時刻か。またいつか、宮藤芳佳に再会したらよろしく!扶桑皇国海軍中尉、桜井洋介。カレー港からサウサンプトン港経由、オラーシャ帝国に行きます!!」

 

洋介は船上から三人のウィッチたちに敬礼。

 

港の三人も彼に対して敬礼した。洋介はガリアが見えなくなるまで眺め、涙ながら食事を摂った。

 

 

「さらばガリアよ、また来るまでは…」

 

 

そして、サウサンプトン港に寄港。

 

 

オラーシャ行きの船団を確認、洋介が乗艦する艦艇は扶桑皇国海軍の重巡洋艦足柄を旗艦とした第5艦隊であった。

 

洋介の任務はノヴォホルモゴルイ港までの航海中、ただ一人でネウロイからの第5艦隊と輸送船団の護衛任務に就いた。

 

 

 

 

 

扶桑皇国 佐世保

 

 

 

 

2週間前、欧州派遣の空母瑞鶴を旗艦とした第3艦隊が出港、佐世保航空予備学校の雁渕ひかり軍曹、姉の雁渕孝美中尉とは配属先とは別々だが、ウィッチたちや地元民に見送られた。

 

 

「行ってきまーす!!三隅さん…」

 

 

「私の変わりにウィザードを見てきなさいよー!!」

 

 

 

 

 

 

 

三隅美也はその後、第507部隊に転属するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃欧州ではまた一つ、ネウロイの巣が誕生しようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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