まだ朝日も上がらず静かな雰囲気のペテルブルグ。502の基地の中は静かでみんな寝ていた。
そしてとある部屋ー
「………」
「……う~ん…ここは…」
洋介はハンモックで眠り、娘の亜弥はベッドで自然に起きた。実に平和な時間が流れている。
「…お父さん…」
亜弥が微笑んでいるとー
バタンっ!
いきなりドアが開きジョゼがモップを片手に入ってきた。
「うわっ!?ジョゼお姉ちゃん!」
「サトゥルヌス祭の次は年末お掃除!年越しまであと1週間。基地中ピカピカにしちゃうんだから!」
「わっ!な、何だ!?」
熟睡していた洋介はジョゼの大声と入室に驚き、ハンモックから転げ落ちた。
「~痛てぇ…」
「洋介さん、亜弥ちゃん。さあ、さっさと着替えて出てってください!」
ジョゼにそう言われ二人は着替える。
二人が着替えを終えて廊下に出ると、エイラとサーニャがいた。彼女らはサトゥルヌス祭から年末年始まで休暇を取ったので、502基地で過ごすことになった。
「おっ、サーニャ、エイラ。おはよう。」
「お姉ちゃんたち、おはようございます。」
「洋介さん、亜弥ちゃん。おはようございます。」
「中尉、亜弥、おはよう〜。まったく502にも変な奴がいるんだな」
「ははは…」
二パとエイラが廊下を歩きながら話をする。
「ジョゼさんって普段は静かな人だけど。年末の大掃除だけはやる気が出すぎて人が変わっちゃうんだよ。」
「は~勘弁してくれよ~」
彼女はぼやいていた時、エイラが足を止め見えたものは
「サーニャ」
サーニャが窓の外を眺めていたのだった。
「サーニャ、何を見てるんだ?」
「エイラ…街を見ていたの」
彼女が見ていた先には今は誰もいないペテルブルグの街だった。
「あれ?サーニャさんってペテルブルグに来たことあったっけ?」
「ううん、ただ大きいけどさみしい街。そう思っって」
サーニャは悲しそうな目をして呟いた。
「まあ、みんな疎開しちゃって誰も住んでいないからね」
「でも、いつかきっとみんなこの街に戻ってこれるよね」
「サーニャ…よしっ!ちょっと街に行ってみようか。」
「え?」
「誰もいないけどさ。オラーシャの街を散歩してみようぜ!…その二人っきりで…」
エイラはサーニャを励ますため、ペテルブルグの街に行こうと誘ったのだが、ロスマンとラルがそこに来てスオムスの状況を詳しく聞きたいからといって、サーニャは隊長室に行ってしまうのだった。それを見てエイラはがっかりするのだった。
一方そのころ洋介と亜弥は昨晩、川に網を設置して、この時間にカワエビを収穫していた。
「おぉ~♪獲れた獲れた~!」
「お父さ〜ん!こんなに獲れたね♪」
「あぁ、蕎麦とおせち料理の材料はバッチリだ。さて、基地に戻るぞ。」
基地 炊事場ー
「わあぁ〜、こんなに!洋介さん、亜弥ちゃん、ありがとう~♪」
定子は洋介に礼を言い、亜弥を抱きしめていた。
「…むぐぐ…」
「まだ糧食不足だが、せめて年末年始は楽しく…」
「うわーっ!!」
「ん…悲鳴か?」
洋介は気になり、自ら赴いたところは直枝の部屋。
ジョゼが実力行使に出て、直枝ごとベットを持ち上げて強引にどかす。そしてベットのあった場所には小さな本があった。
「…相変わらずだなジョゼ…ん?なんだ、これは?」
「ほら!こんなところに本が落ちてる」
「うわっ!ちょっと待て!」
洋介は気になり、ジョゼは本を拾おうとしたが直枝は慌てて止めようとするが
「あら?」
「あ~止め…」
たが、すでに遅かった
「『小公女』…管野さんもこんなかわいい本読むんだ♪」
「ほぅ、意外だな~」
「うぎゃ~!!!!」
知られたくない秘密を知られてしまい直枝は顔を真っ赤にして叫ぶのだった。
翌日
「昨日は邪魔が入ったけど今日こそは」
昨日サーニャを誘えなかったエイラはもう一度サーニャを誘おうと部屋に向かったが
「やあ、エイラ君。ちょうどよかった。サーニャちゃんの部屋教えてほしんだけど」
花束を片手にクルピンスキーが現れた。
「お前、サーニャ二なんか用か?」
エイラは警戒した目でクルピンスキーを見る。するとクルピンスキーは妖艶な笑みで
「かわいい子をデートに誘うのに理由がいるのかい?」
「サーニャに妙な色目使うな!!」
エイラはクルピンスキーに言うが、クルピンスキーはエイラに近づきクイッとエイラの顎を持ち上げた。
「なら、エイラ君に使うのならいいのかな?」
耳元でそうささやくクルピンスキーに、エイラは顔が赤くなった。
「お、おおおおお前って見境ないのかよ!!」
クルピンスキーから離れ指をさして突っ込む。しかしクルピンスキーはふっと笑いそしてー
「無いね!」
どや顔で言う。この時エイラは感じたこいつは危険だと
「逃げろーサーニャ!危ないやつがいるぞ!!」
エイラはサーニャの部屋へと走るが
「ははは!甘いねエイラ君。危ない恋こそ燃えるものだよ〜!サーニャちゃ~ん♪」
「させるかー!!」
クルピンスキーはもうダッシュでエイラを追いかける。エイラも追いつかれないように全力で走り、サーニャの部屋へと向かった。
「ん?あれはエイラとクルピンスキーか?」
その様子を見ていた洋介がそう呟いていた。
「ん、あの方角はサーニャの部屋だな…」
「桜井さん」
「あっサーシャさん」
洋介が二人のことを見ていると、サーシャに声をかけられた。
「すみませんが、お時間を取らせてもいいですか?」
「え?別にいいですけど。何で?」
「桜井さんも知っている通り、うちには問題児が多いので、ぜひ飛行技術を教示していただきたいと思いまして」
「しかしな…僕はウィザードとしての経験は浅いです。ウィッチとしての飛行技術ならもっと適任がいるんじゃないのですか…?」
頭を傾げ、ウィッチとしての飛行技術なら、洋介よりも経験豊富なサーニャやエイラが適任だ。
「しかし聞けば桜井さんは元の世界でもエースパイロットだと聞きます。ですから向こうの世界での経験談を聞きたいのです。それにウィッチとしての教示はエイラ少尉にお願いするつもりです。ペテルブルグの街を守ってくれたお礼がしたいのですからお願いします」
サーシャに頭を下げられ、洋介は悩み、断るに断れない状態になってしまった。
「はぁ〜わかりました。そこまで頼まれたら断れません」
「ありがとうございます」
サーシャはエイラを呼びに、洋介はミーティングルームへと行くのだった。
ミーティングルームー
「‥‥‥というわけであります。」
洋介は向こうの大戦時の経験や、501での飛行経験の話を話した。無論、人間同士の戦いの話は省いて解説した。
「なるほどな~そんなやり方があるのか」
「勉強になります」
話し終えると、直枝とひかりは感心して聞き、手帳等に書き記した。
「うんうん…なるほど」
クルピンスキーは頷く
「クルピンスキー中尉、今の話わかるのですか?」
「僕はそこまで馬鹿じゃないよ。サーシャちゃん」
「では私の講義はここまでです。サーシャさん後をお願いします。」
洋介は教卓から降りて、後ろの席に座った。
「わ、わかりました。次にエイラ少尉の講義です」
エイラが講義する番が始まった。だが、擬音語を含めた言葉で話しているので何を言っているのかはわからない。
洋介はその光景に苦笑していた。
講義が終わると洋介はしばらく散歩していた時、壁際にロスマンや直枝が何か覗いていた。
「ロスマン先生、管野。何を覗いているんだ?」
「あ、桜井さん。実は…」
「洋介、見てみろよ…」
「ん?」
直枝にそう言われてみてみると、定子がサーニャに抱き着いて幸せそうな顔をし、エイラがそれを引き離そうとする。
「もしかして定子。あれが出ちゃったんですか?」
「ええ、彼女の病気が発動したのよ」
「俺たちに続いて、洋介を覗いて501まで…」
「う~ん…定子よ、ほどほどに…」
洋介はその光景を見て悩み、手で頭を押さえた。亜弥の体験談では地味に堪えたのであった。
そして、大晦日の日がやってきた。みんな年越しの準備をしており、 ペテルブルグでは日本みたいに除夜の鐘や年越しそばを食べるのではなくサトゥルヌス祭みたいな感じだと二パから聞いた。
洋介は定子とサーニャと共に食卓の準備、亜弥はニパにサウナに誘われて、エイラとひかり、直枝と汗を流したがー
「小!」
「うにゃ!!///」
「中!」
「うわっ!///」
「大!!」
「うわ〜止めろー!!///」
エイラは気を紛らわすため、直枝、ひかり、二パの三人の胸をもむのだった。だが、彼女はつまらなそうな顔をしていた。
「…はぁ~つまらないナ~」
「てめぇ!人の乳揉んどいて何を言ってんだ!!」
「あ~くすぐったかった…///」
「ねえ!イッル!まさかサーニャさんにもこんなことしてるの!?」
と、二パは怒って言うのだったが
「えいっ!」
「うわっ!あ、亜弥!お前何してんだよ!?///」
「へへへ~三人の仇~♪」
「亜弥、いいぞ〜。やれやれ!」
「良いではないかぁ~!」
亜弥は三人の仇と称して、エイラの胸を揉んだ。それを見て直枝は応援する。亜弥はどこぞの時代劇風の言葉を口にした。
「なぁ亜弥、こんなやり方どこで?」
「うん、時代劇の映画で観たの~♪」
「ぎゃああぁ~…」
エイラはそうエイラは叫んだ。
その三人のウィッチたちの光景はまるで、狼が狐を狩っているようだった。
その後5人はここでは大晦日何をするかの話をしてエイラは、二パが話したスオムスでは大晦日花火をするっていう言葉を思い出し、サーニャと二人っきり計画を練り上げるのだった。
「花火?そんなムダなことに貴重な物資を使えるか。無理だな」
「ぐぬぬ…ケチ」
そしてエイラは服を着て部隊長室に行き、ラルに提案をした。しかし、ラルは物資不足の状況でそんなことができるかとバッサリと提案を切ってしまい、エイラは膨れ、小声で呟いた。
その後、食堂のテーブルに豪華な料理が並べられる。どれもすべて定子とサーニャが作ったものであり、そして、小型のお椀サイズの年越しそばを作った。その上にカワエビが盧っていた。
そしてラルとロスマン、サーシャの三人は前に立つ。
「諸君らの活躍によって、今年もネウロイの進行を阻止し、ペテルブルクを守ることができた。そして来年こそ奴らへの反攻の年とする。いいな」
『はい!』
ラルの言葉に全員が返事をする。
「ふぁい」
その中で、一人だけ既に食べ始めている者が居たジョゼである。
それに直枝が気付く。
「あ!こいつもう食ってやがる!」
「ジョゼ、お行儀が悪いよ」
「らって…」
定子に注意されるが、ジョゼはどうやら待てなかったようである。そしてひかりもそれに続いて食べ始めたため、全員が流れで食事を開始した。
「うん。このボルシチ最高だね」
「美味しいわ~」
「懐かしいオラーシャの味です」
「美味い」
「この年越しそばもうめぇ~」
「懐かしい扶桑の味。さすが洋介さん///」
みんなテーブルの料理を食べて、顔がほころぶ。
「きょうの料理の味付けは、殆どサーニャさんがやってくれたんですよ」
「さすがサーニャ」
定子の説明を聞き、エイラがサーニャを褒める。その言葉にサーニャは少し照れたようすで赤くなる。
それを聞き、ひかりたちもサーニャの下へ行く。
「え!?そうなんですか?」
「凄すぎです、サーニャさん!」
みんな口々にサーニャを褒める。そんな中、サーニャは洋介が気になり見る。
洋介はもぐもぐと口を動かし、そしてそれを飲み込むと今度は微笑んだ。
「ん…美味しい…」
静かに放たれた洋介の言葉を聞き、サーニャはホッとしたのと同時に嬉しさが巡る。その反応に洋介は気づいていなかったが、サーニャの周りにいたメンバーは微笑ましくサーニャのことを見ていた。
その時だった。基地全体に警報が鳴りだす。
「ネウロイ!?」
「もう…空気読んでよ!」
口々が反応する中、ラルは冷静に命令を下す。
「食事は中断だ。すぐに出撃の用意をしろ」
ラルが命令するが、ロスマンとサーシャは誰を出すか考えていた。
「誰を出しますか?」
「弾薬と燃料は相変わらず心もとないですが」
「おまけに夜間戦闘と来たか…」
そう言ってラルはウィッチ達を見る。
その後、出撃を開始した。出撃メンバーは、ナイトウィッチであるサーニャ。夜間戦闘経験の豊富なエイラと洋介。夜間視を持つ下原。そして、夜間戦闘経験を積むためにロスマンの付き添いでひかりが出撃した。
ひかりは、初めての夜間戦闘に興奮していた。
「うわあっ!?なんですか、これ。星が凄い…こんなの見たこと…うわあ!?」
その時、ひかりは突然ひっくりかえってしまい、自分がどの方向を向いているのかを完全に見失ってしまう。
「どっちが上ー!?」
「一度目を閉じて深呼吸。力を抜いたら、あとはユニットに聞きなさい」
「はい!」
ロスマンがそんなひかりに指導をする。それをききひかりはすぐさま実行に移し、そしてふらついていた体を立て直した。
「戻った!ふう…ありがとう、チドリ」
ひかりは自分のユニットに礼を言う。そしてロスマンがひかりの横に行く。
「夜空は位置を見失いやすいわ。常に自分の仲間の位置を把握すること」
「はい!」
「夜間戦闘の経験を積むために来たのだから、しっかりと体に叩き込みなさい。いいわね?」
「はい!」
そんな様子を見て、サーニャは何か思い出したのか微笑む。その様子に洋介とエイラは気づく。
「どうした?」
「芳佳ちゃんと初めて夜空を飛んだ時を思い出したの」
「ああ、宮藤もバタバタしてたナー」
「俺も初めての夜間飛行はややこしかったな~」
そう言っているとき、洋介は別のことを思い出した。
「もうすぐ、二度目の1945年……あの光景を、再び繰り返してはならん!」
『えっ!?』
その言葉で気になった定子は洋介に近付いた。
「洋介さんの1945年?あの…なにがあったのですか…?」
「定子……必ず話す。僕が経験した戦争の悲劇を」
その時だった。
「前方3000!ネウロイです!」
「っ!」
突然定子がネウロイ発見の報告をしたので、全員が臨戦態勢に戻る。
「エイラ、洋介さん、お願い!」
「いっくぞー!」
「さっさとネウロイを倒すぞ!」
そして洋介とエイラは先陣を切って突撃する。その後ろをサーニャが付いていく。
そんな様子を見てひかりは驚く。
「わっ!皆さん凄い気合が入ってますね」
「よく見ておきなさい。彼女たち501エースの力を。そして特に、エイラさんが無傷のエースと言われるわけを」
「はい!」
そしてロスマンはひかりに先ほど突貫したウィッチ達、その中でも特にエイラの動きを見るようにと言う。それはひかりの追求すべき戦闘スタイルを求めるうえで、最も近い動きをするのがエイラだからだ。
そして先陣を切ってエイラがネウロイに攻撃を加える。しかし、ネウロイはエイラの攻撃を数発受けた後、即座に反撃を開始する。
そして、エイラはそのダメージがあまり通ってないのに気づく。
「効いてない!?ウソだろ?」
「私が行きます!」
エイラが下がって、今度は定子が突撃する。そして定子も攻撃をするが、その攻撃がネウロイの装甲を僅かに削った程度だったことから、このネウロイが防御特化型のネウロイと判断する。
「装甲が硬い!?」
「下がって!」
「B-29の装甲並みか、俺が行く!」
「洋介さん、私も行きます!」
そして今度は定子が後退をし、今度は洋介とサーニャが攻撃を開始する。サーニャが手に持つフリーガーハマーのロケット弾をネウロイに命中させると、今度は洋介がその隙をついて突撃する
「(行くぞ、そこだ!)」
そして、久しぶりに洋介は波導を使用。そのまま洋介はネウロイが進行するであろう方向などを先に読み取り、手に持つ九九式機銃を構えた。弱点らしいところを狙った。
「喰らえ!」
強化も合わさった九九式機銃の弾丸は、ネウロイの装甲を完全に抉ることは出来なかったが、その表面を大きく削る。
そして、ロスマンが全員に指示を出した。
「攻撃が効かないわけじゃない。防御特化型のネウロイよ!」
「特化?」
「つまりこいつは攻撃を続ければいいんだ!」
ひかりはちゃんと理解できていない様子だったので、洋介はわかりやすく言う。
「そうと分かれば…!」
「そうよ。効くまで攻撃を続けてコアを探し出すだけのこと!」
「つまり、いつもと同じってことだろ」
「ですね!」
そうして、再び編隊を組み直す。
「行くわよ!」
そして、ネウロイに向けて再攻撃を開始する。ネウロイは急旋回をし、連携を組んでいる洋介達に攻撃を仕掛ける。
未来予知の固有魔法を持つエイラと、波導を使用していた洋介はネウロイの攻撃が来るのを予想したため、そのまま上昇をして回避をする。それ以外のウィッチはシールドで攻撃を防ぐが、ひかりは攻撃の強さに弾き飛ばされる。
「ああっ!?」
そして弾き飛ばされたひかりはすぐさま体勢を立て直すが、ネウロイは容赦なく攻撃をするためひかりは回避するので精一杯になっていた。
「近づけない…!」
「おい!」
その時、先に回避をしていたエイラがひかりの下へ来る。
「えっ!?」
「いいか?攻撃はこうやって躱すんだ」
そう言ってエイラは急上昇をする。そして今度は急降下をし、ネウロイに向けて進んでいく。ネウロイがエイラに気づき攻撃をする。
「当てれるもんなら当ててみな!」
しかし、その攻撃はエイラの前では無意味だった。エイラは攻撃をまるで隙間を縫うようにすいすいと回避していく。
「すごい…シールドを全然使ってない」
ひかりはそんなエイラに驚く。
「そらそらそらそらそらーっ!」
そしてエイラは急降下するそのままの速度でネウロイに攻撃を加えていく。
そしてネウロイの攻撃がエイラに向かっている間に、洋介はもう一度、弱点らしきところにロスマンとサーニャに指示を出し、ネウロイの前方に立ちはだかり、同時にフリーガーハマーとロケット弾で攻撃をする。ネウロイはその攻撃に遅れて全弾命中し、そしてついに装甲が剥がれてコアが見える。
「コアです!」
「今のうちだわ!」
全員がすぐさまコアに向けて照準したその時、ネウロイはその露出したコアを隠すべく装甲をすぐさま再生させる。
「再生が早い…!」
そして、再生したネウロイは物凄いスピードで直進を開始する。そしてそのままウィッチ達の横を通り過ぎていく。
「逃げた!」
「違います!向こうには基地があります!」
ひかりはネウロイが逃げたと思うが、定子の夜間視によってその方向が基地とわかると全員が驚く。
「まずいわ!今、基地に行かせては…」
「追います!」
全員が急いで基地の方向に向かおうとしたその時、後ろから声がする。
「大丈夫です」
「えっ!?」
突然のサーニャの声に全員が振り返る。そこでサーニャが述べた。
「どういうことですか?」
「だって」
防御特化型ネウロイの進行方向の先にはエイラが待ち伏せをしていた。彼女の固有魔法にて先回りして、弱点の位置をインカムで聞き、機銃でネウロイを撃墜した。その姿を光の破片に変えて消滅させた。
その光景はまるで夜空に大きく現れた花火のようだった。
「すごいわ、エイラさん」
「綺麗…花火みたい」
その様子を、出撃したメンバーは離れた所から見ていた。
そして、基地の中からもネウロイの消滅した姿が確認できた。
「たーまやー!ってか」
「かーぎや~♪」
直枝がそう言うように、隣で亜弥が唱えた。まるで花火のように輝く光景を、基地の中から全員が見ているのだった。
サーニャはエイラの手を取って、共に新年を迎えた。
そして洋介はそんな光景を静かに見ていた。
「代用の花火、綺麗だな…」
そう呟いたその時、突然洋介は自分の手を取られて驚く。そして、手を取った人物の方向を見ると、それは定子だった。
「定子」
「洋介さん、お疲れ様です。花火みたいですね…///」
そう言って、定子は微笑む。洋介も顔を赤面しながら微笑んだ。
「今年もよろしく///」
そう言って、定子は洋介の手を握った。
読者の皆さま、よいお年を
来年もよろしくお願い致します