ストライクウィッチーズ ~蒼空を舞う零の荒鷹~   作:鷹と狼

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第29話 仇討ちするブレイク

 

 

 

「コアの位置も分かっているし、これなら行けるね!」

 

 

「ああ!速攻だぜ!」

 

 

指揮する直枝はそう言って、手に持つ機関銃を向けて引き金を引く。それに気づきネウロイも攻撃を後方に始めるが、前方に対して圧倒的に少ない弾幕量のため、彼女たちは撃ちながら周辺に散開する。

 

 

連続して攻撃を加えて行き、このまま続けて行けばネウロイは倒せると思われていた。しかし、突如無線連絡が流れた。

 

 

「『不味い、分離するぞ!!』」

 

 

「なにっ!?」

 

 

基地で通信要員として従事していた洋介の言葉に気づいた直枝は驚く。突然、ネウロイの体が半分離れ始めていた。

 

 

「分離ですって!?」

 

 

ロスマンも洋介の言葉で驚きの声を上げる。

 

ロスマンだけでなく、他のウィッチたちも驚く。そして、二つに分離したネウロイは大きい方をさらに分離、合計分離数は5つとなった。

 

ロスマンはすぐさま次の指示を出した。

 

 

「作戦変更!分離した各個体を迎撃せよ!」

 

 

「作戦が気付かれた!?」

 

 

「焦んな!コアさえやればこっちの勝ちだ!」

 

 

ニパが動揺する中、直枝は怯むことなくネウロイに機関銃を向ける。

 

しかし、それだけで終わりでは無かった。なんとネウロイは先ほどの形から一変、形状を変化させて別の形になってしまった。

 

 

「あっ!?形が…」

 

 

「くそっ!コアの位置が分かんねえ!」

 

 

ひかりは驚き、直枝は愚痴る。そう、形状変化により相手の動揺だけでなく、コアの位置を判別することができなくなってしまった。

 

そして、形状を変えたネウロイはひかり達に攻撃を開始する。その弾幕量は先ほどロスマンたちを攻撃していた時並みの量だ。

 

三人はシールドを張る。

 

 

「くっ…もうちょっとだったのに!」

 

 

「うっ…何っ!?」

 

 

その時、ひかりたちを攻撃していたネウロイは離れて行く。

 

 

「あっ!逃げる!」

 

 

それに気づき三人は追撃していく。ひかりは指示を求めて直枝に話しかける。

 

 

「管野さん!」

 

 

「コアだ!コアの位置さえわかれば…!」

 

 

 

管野は状況打開はコアにあると考えて、懸命に破壊しようと考える。しかし、先ほどの変形の為にコアの位置は判別できなくなってしまっていた。

 

そんな中、ひかりは直枝の言葉に気付いた。

 

 

「コアの位置…」

 

 

別の場所で個別に分かれるネウロイを攻撃するロスマンたち。しかし、ネウロイは攻撃を加えてもその体を再生させていく。

 

 

「コアを破壊しないとキリがないです!」

 

 

「弾薬も魔法力ももちません!」

 

 

定子とジョゼがそう言う中、ロスマンはインカムでラルに聞く。

 

 

「隊長」

 

 

『やむを得ん…撤退だ』

 

 

「うぅ…ちくしょう…!」

 

 

亜弥は悔しい言葉をかけた。

 

ラルの撤退の命令と、亜弥の言葉を聞き、ひかりは驚く。

 

 

「待ってください!じゃあ補給路は!?」

 

 

『一旦、諦めるしかあるまい』

 

 

「そんな…」

 

 

「くっ…あのネウロイめ…ネウロイめーっ!!」

 

 

ひかりはラルに聞くが、ラルは状況を見てネウロイを倒すのは難しいと悟り、補給路を捨てる決断をした。

 

「『ひかり、亜弥、焦るな!!…悔しいのは俺も同じだ!俺は回復して、次の出撃であのネウロイを斬る』」

 

 

「…お姉ちゃん…お姉ちゃんも…悔しいよね…」

 

 

しかし、洋介の言葉をきっかけに、ひかりの中で思いが渦巻く。せっかく開通した補給路を、ひかりはみすみすネウロイの手に明け渡したくなどなかった。

半年前の第三艦隊の襲撃で姉の孝美がネウロイにより負傷したことが脳裏に浮んだ。

 

そして、あることを思い出した。 

 

 

『それまで大事なところまで温存して置けってことだ』

 

 

 「えっ!?」

 

 

『次に使える場面は必ずある。それまで保証するゼョ……』

 

 

「……ラル隊長、私に接触魔眼を使わせてください!」

 

 

そして、ひかりは決意を胸に、ラルに意見具申をしたのだった。

 

 

「雁淵軍曹!?」

 

 

ひかりの突然の発言に、状況を知っているロスマンが驚いたように声を出す。

 

 

「接触…魔眼?」

 

 

「何それ?」

 

 

しかし、接触魔眼のことを知らない定子たちは何のことか分からずに疑問を浮かべるのだった。

 

そんな中、ロスマンは懸命にひかりを説得をする。

 

 

「やめなさい!雁淵軍曹!」

 

 

「お願いです!今使わないでいつ使うんですか!?ラル隊長!!」

 

 

『……』

 

 

ロスマンが制止を呼びかけるが、ひかりは懸命にラルに説得をする。しかしインカムの向こうのラルは沈黙したままである。

 

 

「おめえ、何言ってんだ…」

 

 

「どういうこと?ひかり…」

 

 

そんな中、直枝とニパは困惑した様子でひかりに聞く。ひかりは説明をする。

 

 

「私、ネウロイに触ったらコアの場所が分かるんです」

 

 

「触ったら!?触ったらって、バカかてめえ!そんな危なっかしいもの役に立たねえだろ!」

 

 

「立ちます!立たせます!」

 

 

「無理だ!死にてえのか!」

 

 

「『止めろひかり!俺は管野とロスマン先生の意見に同意だ!素人が下手に突っ込んだら、命を落とすぞ!!』」

 

 

ひかりの主張を直枝は否定し、洋介は猛反対する。

 

直枝の言い分は尤もであるが、状況を打開するために接触魔眼を使いコアの位置を特定する。

 

しかしそれに対して要求されるのは、ひかり自身が回避を行いながらネウロイに接近をしていくと言うことなのだ。無論、そんな危ないことを直枝と、無線で連絡するが頷くはずがなかった。

 

しかし、インカムに声が流れてくる。

 

 

『…いいだろう。管野、雁淵を援護してネウロイまで連れて行け』

 

 

「はあ!?やらせるのか!?」

 

 

「隊長!?」

 

 

「『隊長!?』」

 

 

なんと先ほどまで黙っていたラルが口を開くと、とんでもないことを言ってくるではないか。管野は思わず聞き返す。管野だけでなく、洋介とロスマンも驚きラルに聞く。

 

 

『命令だ、管野中尉。雁淵がコアを特定し、管野がトドメを刺せ』

 

 

「くっ…」

 

 

しかし、ラルから帰ってくる言葉は作戦指示であり、肯定だった。直枝は思わず黙ってひかりを見る。

 

そんな直枝に、ラルは声をきつくして言う。

 

 

『聞いているのか?管野中尉』

 

 

「わかったよ!連れてきゃいいんだろ、連れてきゃ!」

 

 

「管野!」

 

 

直枝はその威圧に押され、返事を返した。その行動に二パは驚くが、直枝はひかりの方を向く。

 

 

「てめえ!足引っ張ったりすんじゃねえぞ!」

 

 

「わかってます!」

 

 

直枝に言われて返事を返すひかり。

 

 

「行くぞ!」

 

 

「了解!」

 

 

「ああ、もう!」

 

 

直枝が先に動き出す。それに続きひかりが付いていき、ニパはそんな様子に困りながらついていく。そして三人は逃走を開始するネウロイを追撃する。

 

 

「(あいつ…本当にネウロイに触る気か…?)」

 

 

直枝は後ろを飛ぶひかりを見ながら考える。そして、その行動は仇となった。

 

逃亡するネウロイは再びビームを収束させ、後ろ向きに飛んでいる直枝に向けて放ったのだ。

 

 

「管野おおおお!!」

 

 

それに気づきニパが全速力で直枝の前に行く。そして直枝は自分に迫るビームに気づくが、シールドを張る余裕は無かった。

 

しかし、そのビームは直枝に当たらなかった。

 

 

「ニパ!」

 

 

直撃の寸前に、ニパが直枝とビームの間に割り込みシールドを張った。それによって、ネウロイは防がれる。そして攻撃が収まると、ニパは直枝の方を振り向く。

 

 

「おい!よそ見すんなよ!」

 

 

ニパはそう言って、ひかりと共に前進を再開する。しかし、直枝が動けなかった。

 

 

「はあ…はあ…はあ…」

 

 

彼女は呼吸を荒くして立ち止まっていた。そしてその様子に、ひかりとニパが気付いた。

 

 

「管野?」

 

 

「管野さん?」

 

 

二人が振り返って直枝を呼ぶが、直枝は懸命に声を絞って言った。

 

 

「駄目だ…こんな作戦馬鹿げてる…どうせ失敗する」

 

 

「え?」

 

 

「作戦は中止だ…」

 

 

直枝の判断に二人は驚く。

 

いつもの威勢のいい管野直枝ではなかった。今ここに居るのは弱気になった、ただの少女だった。

 

 

「管野さん!」

 

 

「なんだよ?」

 

 

そんな直枝にひかりが近づいていくが、直枝は力のない声で返事をする。

 

そしてひかりは直枝に聞く。

 

 

「管野さん、変ですよ。どうしちゃったんです?」

 

 

「俺には…無理だ…クルピンスキーやサーシャ、それに洋介みたいに、お前らを守れねえ…」

 

 

ひかりの言葉に、直枝は力なく言う。直枝は自分の力では駄目だと、洋介達のように戦えないと言っている。その様子はいつもの直枝とは完全にかけ離れていた。

 

そしてひかりはそんな直枝に大声で聞く。

 

 

「何言ってるんですか!いつもの管野さんらしくないです!ここで帰ったら補給路は、502はどうなるんです!?」

 

 

「んなのわかってる!わかってんだよ!!」

 

 

「私の接触魔眼と管野さんの突破力があれば絶対に勝てます!」

 

 

「うるせえ!ひよっこが生意気なこと言ってんじゃねえ!」

 

 

直枝が大声で言うが、その声にはいつもより覇気を感じられない。そんな直枝にひかりもそれに引くことは無かった。

 

 

「じゃあ、クルピンスキーさんやサーシャさん、洋介さんが怪我したのは何でですか!?補給路を守る為じゃないんですか!基地の皆を守る為じゃないんですか!その戦いをパアにするんですか!?私は絶対に嫌です!」

 

 

「お、おい二人共さあ…」

 

 

ひかりと直枝の間にニパが懸命に止めようとは言ってくる。しかし、ひかりの思いはそこで止まることは無かった。

 

 

「私達は今ここで絶対にあのネウロイを倒すんです!倒さないといけないんです!ここに立ち止まってちゃいけないんです!」

 

 

「…」

 

 

「だから!ネウロイの所まで私を連れて行ってください!お願いだから、やる前からできないなんて言わないでください!お願いだから…」

 

 

ひかりは目に涙を浮かべながら直枝に懸命に頼む。そんなひかりに、直枝は何も言い返せなくなり黙っているしかできなくなってきた。

 

 

「管野さん言ってたじゃないですか。今度こそあのネウロイを必ず倒すって!なのに、今更…なにビビってんですか!そんなんでお姉ちゃんの相棒になるなんて1000年早いんです!」

 

 

「…」

 

 

「それでも…」

 

 

そして、ひかりは懸命に涙をこらえながら、直枝に言い放った。

 

 

「ブレイクウィッチーズか!!」

 

 

「っ!!」

 

 

 

その言葉に、直枝はハッとした表情をした。そしてしばらくの沈黙の後

 

 

「!!」

 

 

「っ!!?」

 

 

直枝はひかりを頭突きした。突然のその行動にひかりはおでこを抑えながら直枝を見る。

 

 

「ああ、やるよ!やってやるよ!」

 

 

「管野さん…」

 

 

そこにあったのは先ほどの弱気な少女では無く、いつもひかりが見てきた管野直枝だった。

 

 

「泣くんじゃねえ。そんなんでネウロイに触れんのか?」

 

 

「泣いてないです!」

 

 

直枝の言葉にひかりは懸命に反論する。それを聞き、彼女は顔をニヤリとさせる。

 

 

「行くぞ、雁淵。俺の真後ろにぴったりついてこい!」

 

 

「はい!!」

 

 

そして、直枝達三人は再びネウロイに向けて追撃を開始した。その管野の表情には、もう迷いなど微塵も無かった。

 

 

「作戦は?」

 

 

「俺が真っ直ぐあいつに突っ込む。お前も俺に続いて突っ込め」

 

 

「わかりました!」

 

 

直枝の指示を受け、ひかりは後ろに着く。

 

 

「ニパはこいつの後ろを守ってやってくれ!」

 

 

「うへえ…了解っ!?」 

 

 

そしてニパは命令を受けて苦笑いをしながら返事をする時、猛烈なビームが三人を襲う。

 

 

「あ……亜弥!?」

 

 

ネウロイのビームを防いだのは、ロスマンたちと共に飛んで、瞬時に移動、影分身でシールドを張る桜井亜弥だった。

 

 

「直枝お姉ちゃん!さっきまでの弱気だったら、お父さんに負けちゃうよっ!!」

 

 

「うるせぇっ!基地に戻ったら、洋介に勝つ!!お前も付いて来いっ亜弥!!」

 

 

「はい!!」 

 

 

そして、四人のウィッチは突撃した。

 

 

「(そうだ…何ビビってんだよ、管野直枝。お前はこんなところで立ち止まってちゃいけねえだろ!)」

 

 

直枝は心の中で先ほどのことを後悔した。そして、自分が今なすべきことを胸に、ネウロイに向けて直進していく。

 

そんな直枝達に、黙っているネウロイでは無かった。再びネウロイはビームを収束させ、直枝に向けて放ってくる。

 

 

「管野!でかいのが来るよ!」

 

 

「このまま行く!」

 

 

「落とさせない!!」

 

 

ニパに忠告を受けるが、直枝はそう言って手に持っていた機関銃を捨てた。そして空いた右手に、自分のシールドのエネルギーを一点集中させる。固有魔法、圧縮式超硬度防御魔方陣によるシールドであり、直枝はそれを自分の前に出す。

その時、ビームが直枝に狙いを定めて撃ってきたものの、亜弥がシールドで防いだ。

 

 

「直枝お姉ちゃん!!」

 

 

「ありがとう、亜弥!!うおおおおりゃあああああ!!!!」

 

 

彼女は亜弥に感謝。そして大声を出しながら直枝はネウロイのビームに突っ込んでいく。ビームと直枝は接触するが、前方に張られた圧縮シールドは強力な攻撃をもろともせずに突き破っていき、直枝はそのまま前進をしていく。

 

そして、ネウロイはそのビームを出し終えてしまい、残ったビームも直枝によって霧散させられた。そして、直枝は後ろについてきているひかりを見た。 

 

 

「今だ!行け、雁淵!」

 

 

「うおおおおおおおお!」

 

 

直枝の指示で、ひかりは直枝の後ろから飛び出してネウロイに急接近する。そして、その手でネウロイの体を触った。そしてひかりは振り返りネウロイをしっかりと目に捉える。同時に、彼女の目は赤く光り、接触魔眼が発動した。発動した魔眼によって、ひかりはコアの位置を特定する。

 

 

「あそこだ!」

 

 

そう言って、ひかりは機関銃を接触魔眼で見た位置に向けて放つ。すると、その部分が剥がれだし、コアが露出するではないか。

 

 

「あった!本当にあった!」

 

 

ニパがその様子に驚くその時だった。ネウロイは再びその体を分離させ始めた。

 

 

「あっ!また分離した!」

 

 

「ええええっ!?」

 

 

「へっ、場所が分かればこっちのもんだ」

 

 

ひかりとニパが驚く中、直枝は威勢よく呟く。そして、そのまま急降下をしていく。

 

 

「うおおおおおおおお!!」

 

 

大声をあげながら、直枝は攻撃をするネウロイの隙間を縫っていく。そして、一つのネウロイに向けて突っ込んでいく。

 

 

「くたばれええぇぇぇ!!」

 

 

そう言って、右腕を引き絞る。そして

 

 

「剣一閃!!」

 

 

露出していたネウロイのコアを圧縮シールドと共に拳で殴った。

 

それによりコアは砕け散り、ネウロイはその体を破片に変えて行く。同時に、他の独立していたネウロイの体も次々と破片に変えて行く。

 

 

その様子は、別の場所で戦っているロスマンたちにも届いた。

 

 

「えっ?何?」

 

 

「向こうがコアを破壊したんだわ」

 

 

突然の行動に驚く中、ロスマンは冷静に状況を分析する。

 

 

「やったー!やりましたよ、管野さん!」

 

 

ひかりは喜びの声をあげながら直枝に近づいていく。そんなひかりに、直枝は振り返っていった。

 

 

「ああ、やったぜ相棒と妹!」

 

 

なんと、直枝はひかりのことをお前などではなく相棒、亜弥にも妹と言った。その言葉に驚き、ひかりは聞き返した。

 

 

「えっ!?今なんで言いました?」

 

 

「えっ?あ、いや…な、何も言ってねえ!」

 

 

「確かに言いました。相棒って!」

 

 

「冗談じゃねえ!お前が相棒なんてありえねえ!」

 

 

「あはは」

 

 

「確かに、直枝お姉ちゃんはひかりお姉ちゃんに相棒と!そして、わたしにも妹と!」

 

 

「なっ!!///」

 

 

直枝はひかりの言葉を否定するが、ひかりはしっかりと相棒という言葉を聞いていたため直枝に懸命に詰め寄る。

 

そんな姿を見ていたニパは思わず笑う。

 

そして、亜弥も直枝の言葉を聞いて、笑みを浮かべていた。

 

そして、この声はロスマンたちにも届いていた。

 

 

「言ったよねー?」

 

 

「言ってたね」

 

 

ジョゼの言葉に定子が同意する。そしてロスマンはインカムで話す。

 

 

「ふふ…こちらエディータ。ネウロイを排除しました」

 

 

「『ロスマン先生、亜弥を航空ウィッチに育ててくれて、ありがとうございます!』」

 

 

「いえ、亜弥ちゃん次第ですよ」

 

 

『そうか、やったか…いい弟子じゃないか(しかし、管野も亜弥を妹分…少し妬けるな…)』

 

 

「胃に悪いです。それに、桜井さん。私に亜弥ちゃんをウィッチに育てた報酬をお願いしますね。」

 

 

「『はい、了解です!』」

 

 

 

どうやらその様子もラルに聞こえていたようであった。

そして洋介も、亜弥と関わったロスマンとウィッチ達に感謝の言葉を述べた。

 

その時、ひかりたちに悲劇が訪れる。四人のユニットが息を吹いたのだ。

 

 

「なっ!?」

 

 

「えっ!?」

 

 

「嘘ッ!?」

 

 

「あっ!?」

 

 

四人が嫌な予感がする中、それは見事に的中した。

 

 

「「「「 うわああああ~!! 」」」」

 

 

ユニットのエンジンは停止してしまい、四人の体は重力に逆らえずに落ちて行くのだった。

 

 

 

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「管野さんニパさんひかりさん亜弥ちゃんは、そこに正座!」

 

 

頭に包帯を巻いているサーシャの声と共に、四人は格納庫内に正座をさせられる。その様子を、基地に帰投した者たちは揃って見ていた。

 

そして正座している4人を見ながら、松葉杖をしているクルピンスキーはひかりと亜弥に言った。

 

 

「いや~、これでひかりちゃんと亜弥ちゃんもすっかりこの502、そしてブレイクウィッチーズの仲間入りだね」

 

 

「ホントですか!?やったー!やったやったー!」

 

 

「なんか…嬉しくない言葉…」

 

 

クルピンスキーの言葉にひかりは両手を上げて喜ぶ。

 

しかし、逆に亜弥は膨れっ面になって、僻んでいた。

 

 

「なに喜んでるんですか!ひかりさん!」

 

 

「あっ」

 

 

しかし、サーシャの言葉にその手は突然固まり、そしてゆっくりと下ろしていく。

 

 

「クルピンスキーさんも、そこに正座!」

 

 

「え~!!なんで〜!?ってあれ?」

 

 

突然足にギブスを巻いている人に正座をしろと言うサーシャにクルピンスキーは反応するが、その様子を感じ、包帯を目元に巻いた洋介が四人の隣に正座した。

 

 

「「 洋介さん? 」」

 

 

「洋介…?」

 

 

「連帯責任だ。僕も、あのネウロイの戦いで落ちた、ブレイクウィザードだ。」

 

 

「お父さん…」

 

 

亜弥は涙目を浮かばした。

 

洋介の、落ちた言葉を聞いた直枝とニパ、クルピンスキーはサーシャを見つめた。

 

 

「そう言えば、あのネウロイの戦闘で、戦闘隊長も落ちたな…」

 

 

直枝は笑みを浮かべながら、サーシャに呟いた。

 

 

「う……///さて、私はまだ身体を休まねばならないと医師に言われたから、戻ります。」

 

 

「あ~!!逃げた~!!」

 

 

サーシャは赤面して、格納庫から離脱した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃扶桑皇国の舞鶴にて、固有魔法の治癒能力の高いウィッチが、昏睡状態のウィッチの意識を目覚め、回復させた。

 

 

 

 

 

 

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