ストライクウィッチーズ ~蒼空を舞う零の荒鷹~   作:鷹と狼

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ブレイブウィッチーズの最終に突入しました。

ウィザードの桜井洋介、ウィッチの桜井亜弥はこの戦いに勝つことができるのか


第32話 雪原の一大決戦

 

 

その夜、洋介はある用事で電話を終え、廊下で歩いている時、窓から見ると外にはひかりがいた。

 

彼女は塔のそばで夜空を見ていた。ここを去る前にペテルブルグの夜空を見たかったからだ。

 

 

「この景色も今日でお別れか…」

 

 

「こんなところで何をしてるんだひかり?」

 

 

「あ、洋介さん…明日でペテルブルグともさよならですから最後にこの景色を見ようと思って」

 

 

「そうか…ひかり。いいのか、これで…?」

 

 

洋介がひかりにそう言うと

 

 

「はい。少し名残惜しいですけど、自分はやれることはやったのでスッキリしました。やっぱお姉ちゃんはすごいです」

 

 

ひかりは気持ちのいい笑顔でこう答える。そのとき洋介は、かける言葉は必要なく、そして笑みを浮かべた。

 

 

「そうか…それは良かった。そう言えば、あの勝負は結構良かった、正直言って君が勝つかもって思ったくらいだよ」

 

 

「ほんとですか!」

 

 

「ああ、君なら、お姉さんを超えると思うぜ」

 

 

「…ありがとうございます、洋介さん」

 

 

「スオムスでも頑張れよ、応援してるぜ。それに僕も、このグリゴーリの戦いが終わったら、亜弥と共に扶桑に行くからな」

 

 

「そうなんですね…洋介さんも頑張ってくださいね。応援しています」

 

 

「ひかり、ありがとう!」

 

 

互いに握手をした後、洋介は兵舎に戻った時に、赤面しながら月を眺めた。

 

 

「ねぇ、洋介さん…わたし…わたしは…北海で会った時……洋介さんのことが……///」

 

 

その時の夜は満月だった。

 

 

翌朝 ー

 

 

「本当にスオムスに行っちゃうのかよ、ひかり」

 

 

「あはは…そうですね」

 

 

ひかりの転属を、見送りに来た代表としてニパは言う。その言葉に、ひかりは少し笑ってから返事をする。

 

 

そして次はサーシャが前に出る。

 

 

「向こうに行ってもユニット壊しちゃダメよ」

 

 

「はい。正座させられないように気を付けます」

 

 

サーシャはひかりがユニットを壊さないように念を押しながら、見送りの言葉を述べる。

対するひかりも、正座されないようにしようと言うが、カウハバに正座があるわけがないのであった。

 

 

そして次に、定子とジョゼが出る。

 

 

「これ、おにぎりです」

 

 

「飲み物も」

 

 

そう言って、二人は手に持っていた物を差し出す。

 

 

「下原さん、ジョゼさん。お世話になりました」

 

 

「ひかりさん」

 

 

ひかりが二人にお礼したら、今度はロスマンがひかりに話しかけた。

 

 

「あなたの今日までの日々は無駄じゃないわ」

 

 

「先生…」

 

 

「昨日の動き、なかなか良かったわよ」

 

 

「ありがとうございます、ロスマン先生!」

 

 

ひかりはロスマンに言われ、嬉しくなり大声でお礼を言う。

 

そして、ひかりはトラックに乗り込もうとした時だった。

 

 

「ひかりちゃん」

 

 

「?」

 

 

呼び止められて振り返ると、クルピンスキーが歩み寄ってきた。

 

 

「やっぱり、ひかりちゃんが持ってた方がいいよ」

 

 

「あ、お守り」

 

 

クルピンスキーがポケットから取り出したのは、ひかりに以前渡されたリベレーターだった。ネウロイの体当たりからクルピンスキーを守ったそれは、表面を変形させていた。

 

 

「ニパさんから聞きましたよ。これ本当は武器なんですよね」

 

 

「あはは、ばれた?一発くらい入ってた方がお守りっぽいよね」

 

 

あの後、ひかりはニパから本当のことを言われ、リベレーターがちゃんと弾の撃てる武器であることを聞かされた。そしてクルピンスキーはそれを、今度は弾丸を込めてひかりに返したのだった。

 

 

「ありがとうございます、クルピンスキーさん」

 

 

ひかりはそう言って、リベレーターをポケットに入れたのだった。

そして、最後に亜弥が赴いた。

 

 

「ひかりお姉ちゃん!」

 

 

「亜弥ちゃん!…後方支援と言えども、グリゴーリとの戦い、気をつけてね!それに、わたしはこの基地で妹ができてよかった~!」

 

 

「うん、戦いが終わったら、いつかまた会おうね、お姉ちゃん!」

 

 

「うん!」

 

 

ひかりと亜弥は互いに抱きしめる。そして、ひかりを乗せたトラックは出発する。

 

 

「みなさ――ん!お元気で――!」

 

 

ひかりはトラックの窓から体を乗り出して、そして全員に手を振って別れの挨拶をした。

 

その様子を、洋介とウィッチ達は黙って見ていたが、ニパは思わず走り始めた。

 

 

「ひかり!」

 

 

ニパは、離れていくトラックを追いかける。

 

 

「ひかり――!」

 

 

「ニパさん…」

 

 

追いかけるニパを見て、ひかりは少し寂しそうな顔をする。始めてきた502で、一番最初に親しくしてもらったニパのことを思うと、ひかりも別れるのが辛く感じるのだった。

 

 

そして、今まで離れたところで様子をうかがっていた直枝は、ひかりを追いかけていたニパの下へ行く。

 

 

「おい、作戦会議始まるぞ」

 

 

「何で追いかけないんだよ…」

 

 

「追いかけてどうにかなんのかよ?」

 

 

ニパの言葉に、直枝は聞き返した。それを聞き、ニパは思い切り直枝の方を振り返った。

 

 

「私たちの仲間だろ!管野の相棒じゃなかったのかよ!」

 

 

ニパは思わず、直枝に大声で問う。

 

 

直枝の表情を見ると、ひかりと別れるのが少し寂しそうだった。

 

 

「…俺の相棒は孝美と、ライバルの洋介と妹分の亜弥だ!」

 

 

しかし、彼女の中の相棒は孝美とライバルの洋介、妹分の亜弥。これは変わらない。今までがそうであり、直枝にとってはこれからもそのつもりなのだから。

 

そしてひかりは本来の行き先であるカウハバへと向かうのだった。

 

しかしその見送りに姉の孝美はいなかった。

 

洋介が会議室に行く途中で、孝美は格納庫でかつて妹が履いていたユニットの柴電改チドリを見ていた。

 

 

「…」

 

 

「あなたの妹さん。行きましたよ孝美さん」

 

 

「洋介さん…ひかりはどんな様子でした?」

 

 

「妹が心配ならなんで見送ってやらなかったのですか。姉だろ?」

 

 

「姉だからこそです。今あそこで見送ってしまったら、なにか悔いが残りそうで…」

 

 

「そうですか…」 

 

 

孝美はチドリをなでる。チドリにはたくさんの傷がついていた。

 

 

「…傷だらけ」

 

 

「その傷は妹さん…俺の戦友のひかりさんがいた証です」

 

 

「本当にあの子がこんな最前線で戦えるようになってたなんて…。頑張ったんですね、ひかりは」

 

 

「えぇ、本当に頑張っていましたよひかりは。孝美さん、本当にこれでよかったのですか?」

 

 

「はい、姉としてこれ以上ひかりを危険な目にあわせないため、だからこそ、あの時、自分の手で決着をつけてあげよう…諦めさせてあげようっと、それが姉として精一杯できることだと思ったんです。洋介さん」

 

 

「そうですか…」

 

 

すると隊長のラルがやってきた。

 

 

「ここにいたのか二人とも」

 

 

「少佐…」

 

 

「じきに作戦会議が始まる。それとだ孝美中尉。桜井中尉の言う通りあいつは頑張った。だが今私が望むのは作戦を遂行させることができる強いウィッチ。それだけだ…できるな」

 

 

「はい。その役目は私が必ず果たします。」

 

 

 

 

 

 

そして、グレゴーリ攻略のための作戦会議が行われるのであった。そしてその指揮官である、マンシュタイン元帥が話を始める。

 

 

「周知の通り、グレゴーリは現在時速5キロで南西に移動している。目標はペテルブルグ。この502基地で間違いない。従来の出現した敵に応戦する策を捨て、我々から打って出る大反抗。それがフレイアー作戦である。」

 

 

その後マンシュタイン元帥は話を続ける。

 

作戦内容はまずカールスラントの口径800ミリの超巨大列車砲グスタフとドーラ砲を使う。

グスタフが爆風砲弾を使い、グレゴーリの周りについていく雲を吹き飛ばし次に陸戦ウィッチの魔法力によって強化された対ネウロイ用魔導徹甲弾を本体であるグレゴーリにぶつけ消滅させる。しかしこの砲の射程は10キロ。敵の攻撃範囲に入ってしまう。

 

そこで502の任務は列車砲を護衛し、射程内に到達させること。そしてコアの特定は魔眼の持ち主である雁淵孝美中尉がすることになった。

 

作戦会議が終わった後、十三ミリ機銃と短剣を装備、零式54型ユニットを履いた桜井亜弥はマインシュタイン元帥達将校が搭乗する機体、ju52の護衛に就いた。

 

 

「亜弥、後方支援の任務と言えども、気をつけてな…!」

 

 

「うん、お父さんも…生きて…生きて帰ってきてね。約束だよ…!」

 

 

「あぁ、約束だ…!」

 

 

洋介は心配しつつ、軍刀の鷹狼と、亜弥が所持する短剣の束をぶつけ、親子の約束を交わした。

 

亜弥を見送った桜井洋介は格納庫に行き、外套を着用する。

 

四式自動小銃、ロケット弾を装着した九九式十三ミリ機銃を装備、南部十四年式拳銃をホルスターに入れ、軍刀鷹狼を帯刀。

 

最後に略帽と飛行ゴーグル、零式ユニットを履いた時、ラルから掛け声があった。

 

「いいか!グリゴーリを倒すまで、帰れるとは思うな!502統合戦闘航空団、出撃!!」

 

 

『 了解!! 』

 

 

洋介が緊迫する空を見る時、インカムから定子の問いがあった。

 

 

「洋介さん、亜弥ちゃんの為にも戦い、生きて帰りましょうね!」

 

 

 

「あぁ、定子。桜井洋介、零式。行きます!!」

 

 

ギュオオォーン

 

 

502のウィッチ達が次々と基地の滑走路を走り、離陸した。

目指すはペテルブルグに向かうネウロイの拠点、グリゴーリへ。

 

 

一方、駅の前にはひかりがいた。

 

 

「えっと…確かスオムスからの迎えの人が…」

 

 

そう言い周りを見渡す。しかし駅の周りにいるのは軍人と軍関係者ばかりで誰が迎えの人かわからない。すると

 

 

「よう~」

 

 

「あっ!」

 

 

「エイラさん! サーニャさん! 迎えに来てくれたんですか?」

 

 

ひかりの前に現れたのは、以前に休暇で共にしたエイラ・ユーティライネン少尉とサーニャ・リトヴャク中尉だった。そして、その後三人は汽車の客車に乗車した。

 

 

「まさか迎えの人がエイラさんとサーニャさんだなんて」

 

 

「へっへ~驚いたろ?」

 

 

「洋介さんとニパさんから迎えに来て欲しいって連絡があったの」

 

 

「洋介さんとニパさんが?」

 

 

「ああ、二人ともひかりのこと、すんげー心配してたぞ」

 

 

エイラがそう言うとひかりは沈んだ顔になる。

 

 

「あ…」

 

 

すると突如、サーニャの固有魔法レーダーが反応した。

 

 

「サーニャ?どうしたんだ?」

 

 

「空」

 

 

そう言いサーニャは外を見るす

 

 

「あっ!!」

 

 

空には基地から飛行したウィッチたちが編隊を組んで、グリゴーリへ向かって飛んでいた。

 

「502が出撃したのか」 

 

 

「はい!」

 

 

「あれは隊長! あれはサーシャさん! ロスマン先生、下原さん、ジョゼさん。」

 

 

「よく見えるナー…」

 

 

あそこまではかなり高く、顔は見えないはずなのにそれを正確に言うひかりにエイラは感心する。

 

 

「左はクルピンスキーさん、ニパさん、菅野さん、洋介さん。それから…」

 

 

「ねーちゃんか?」

 

 

「はい」

 

 

「頑張って、お姉ちゃん…」

 

 

「ま、そんな湿っぽくなるなって。じゃーん。」

 

 

そう言い、エイラは何か取り出した。

 

 

「え?」

 

 

「気分が落ち込んだときでも、おいしいお菓子を食べればウキウキハッピーになれるもんさ。」

 

 

そう言って、エイラが渡したのはエイラの好物であるサルミアッキだった。ひかりはチョコと勘違いし大量のサルミアッキをほおばり悶絶するのは言うまでもなかった。

 

 

悶絶するひかりをよそに、エイラとサーニャはかつて、501の仲間だった洋介が飛んでいる空を見上げるのだった。

 

 

「洋介中尉、無事でいろよな…」

 

 

「無事でいてね、洋介さん…」

 

 

心配する彼女たちであった。

 

 

一方、上空ではフレイアー作戦が開始されていた。

 

陸上では大量の88ミリ高射砲やⅣ号J型中戦車。

 

オラーシャのカチューシャ自走多連装ロケット砲が陸戦ネウロイやグレゴーリの周りにいるネウロイを攻撃し、上空では黒海の空母から発艦したスピットファイア、メッサーBF109、零式艦上戦闘機21型が小型ネウロイに対し激しい空中戦を繰り広げていた。

 

そして、巨大列車砲を護衛する502も激しい空中戦を繰り広げていた。グレゴーリ周辺のネウロイたちは近づけまいと必死にビーム攻撃をする。

 

 

「くうっ!」

 

 

「何だよこのビームの数!」

 

 

「敵も本気ってことね!」

 

 

グレゴーリの本体は、ネウロイにとってはペテルブルグ攻略のための最重要な巣、これを破壊されたら大打撃を受けるため奴らも必死だった。

 

 

だがそんなネウロイも直枝と孝美のコンビによって撃墜される。

 

 

「すごい…菅野と孝美さん、いきぴったりだ。」

 

 

「二人もすごいですけど、洋介さんも凄い!」

 

 

定子が見た先では洋介が単機で10機以上のネウロイと戦っていた。洋介はネウロイのビームを固有魔法である波導で回避して、機銃と小銃、軍刀と拳銃で次々と撃墜した。

 

その姿に全員が息をのんでいた。そして、グスタフ・ドーラ両砲が射程内に入った。そしてグスタフに爆風砲弾が装填される。

 

 

作戦本部 ー 

 

 

「魔導シリンダー内、術式展開まで、3、2、1…」

 

 

 

「発射準備完了。グスタフ、射程圏内に到達。」

 

 

通信兵の言葉を聞き、マンシュタイン元帥は

 

 

「グスタフ砲。発射!!」

 

 

発射命令を出す。そして

 

 

 

ドドーーーーーン

 

 

 

グスタフの800ミリ砲が火を噴き、グレゴーリの周りにあった黒い雲はグスタフの爆風弾によって吹き飛ばされ、本体が見えた。

 

 

「あれが敵の本体」

 

 

「うわー、でっかー…」

 

 

「…空に浮かぶ…要塞だな…」

 

 

あまりの大きさにみんな、洋介は驚く。そして、ロスマンがフリーガーハマーを撃ち、命中するが、グリゴーリは傷一つ付いていない。

 

 

「通常の兵器では傷もつけられませんね…」

 

 

「雁淵中尉、コアの特定だ」

 

 

ロスマンの報告を聞いた元帥は孝美にコアの特定を指示した。

 

 

「行くぞ孝美!」

 

 

「了解!」

 

 

「孝美をコア特定エリアまで護衛する」

 

 

『了解!』

 

 

ニパとジョゼはシールドを展開してグスタフとドーラを守る。

 

そして孝美は魔眼を発動させ、コアの場所を見つけドーラの通信士に報告、ドーラその位置に砲を向ける。

 

だが、それに気づいたグリゴーリは強力なビームをドーラに向ける二パたちが必死にシールドで防ぐが、強力すぎてシールドが貫通、そしてドーラの砲身がビームで折られたのだった。

 

 

「ドーラ被弾! 砲身が破損して発射できません!」

 

 

「何っ!?」

 

 

「撃てないだと!?」

 

 

通信兵からの報告を聞き、上層部の将軍たちは驚く

 

 

「ならばグスタフで撃つ! 予備弾を用意しろ!」

 

 

「了解!!」

 

 

しかしグレゴーリは攻撃をやめ移動を開始した。

 

 

「大変です!グレゴーリがペテルブルグ方面に移動を開始しました」

 

 

「何だと!?」 

 

 

「発射まであとどれくらいだ!?」

 

 

「術式の展開に20分必要です!」

 

 

「遅い! 射程外に出られたら終わりだぞ!」

 

 

元帥たちは渋い顔をする。

 

 

戦線 ー

 

 

「くそっ!どうする…20分じゃ間に合わない。どうすれば…考えろ…考えろ…!」

 

 

洋介がそう考えると一つのものが目に入る。それは砲身が破壊され、使用不能となったドーラ砲であった。

 

 

「…破壊されたドーラ…そうだ!」 

 

 

案を思い出した洋介は、ドーラに向かって急降下。

 

 

「洋介さん!?」

 

 

「何を!」

 

 

洋介の行動に全員が驚くが、それを見ていた孝美は

 

 

「そうだわ!その手があったわ!」

 

 

何かに気付き洋介のところに行く。

 

洋介はドーラの砲弾を持ち上げようとしても、1トン近い重量で手こずっていた。

 

 

「んぐぐぐ…重てぇ~!!ん…孝美さん!?」

 

 

「洋介さん、私も手伝います!!」

 

 

「感謝します!」

 

 

そう言い、二人はドーラに装填されていた弾丸を取りだし魔法力を生かし持ち上げようとする。それを見た502のウィッチも二人が何をするか気が付く。

 

 

「あれは、魔道徹甲弾!!」

 

 

「そうか!あれをぶつける気だな!そうと分かれば!!」 

 

 

そう言い、みんなは二人のもとに向かう。

 

 

「バーカ、一人で出来る訳ねぇだろ。孝美、洋介。手伝うぜ!」

 

 

「私もよ!」

 

 

「守るより攻める方が性に合うからね~♪」 

 

 

「可能性はこちらのほうが高いです」

 

 

「やっぱり妹さんとソックリね」

 

 

「姉妹揃ってバカってことか」

 

 

「洋介君も、冷静に見えて結構馬鹿なことをするね」

 

 

「そうですね」

 

 

「…バカは嫌いじゃない」

 

 

そして502のウィッチが力を合わせ、800ミリ砲弾を持ち上げることに成功。

 

そして、グレゴーリの真上に到達した。グレゴーリはそのことに気付いていないのか余裕で進む。そしてウィッチたちは急降下して800ミリ砲弾を投下。

 

しかしただ一人、孝美だけはまだ手を離さなかった。

 

 

「何やってんだ、孝美!」

 

 

「絶対に当てて見せる!」

 

 

直枝が大声で呼ぶ中、孝美は砲弾を確実にコアに命中させるために最後まで残った。

 

そして、ネウロイはその様子に気づいた。直上からやってくる孝美と砲弾に向けて、赤いビームを放ったのだ。

 

しかし、そのビームが孝美に命中する前に、直枝がシールドを張って防いだ。

 

 

「行くぞ!孝美!」 

 

 

「管野さん!はい!」

 

 

そして、直枝が盾になりながら砲弾は徐々に降下していく。そして

 

 

「いっけええええ!!」

 

 

孝美は、砲弾を手から離した。そして、そのまま投下された砲弾はネウロイのコアがある位置に真っ直ぐと進んでいき、そしてネウロイを貫いた。

 

 

砲弾の命中と同時に、ネウロイの体は光の破片に変わっていく。

 

 

「やったぞ、孝美!」

 

 

「はい!」

 

 

結果は見事グリゴーリに命中し、爆散する。

 

 

その様子に顔を歓喜の表情に変えた。

 

 

その時だった。散り散りになっていくはずの光の破片が、突然ピタリと止まる。そして、まるで映像の巻き戻しのように今度は収束していくではないか。そして今度は、再び黒い不気味な形を形成していく。

 

 

「グリゴーリ健在!再生しています!」

 

 

「グリゴーリが再生!?」

 

 

「何故だ!?コアを破壊したはずじゃないのか!?」

 

 

勝利を確信した司令部に動揺が走る。

 

 

その時、孝美は再生していくネウロイを見てあるものを見つけた。

 

 

「あれは…!」

 

 

魔眼を発動している孝美の目には、小さな何かが映っていた。それは以前、孝美が見たことのある物だった。

 

 

「コ、コアの中にコアが見えます!」

 

 

「なんだって!?」

 

 

「こいつもコアの中に真コアを持っていたのか!」

 

 

孝美の言葉に、ウィッチーズは全員まるで頭を強くたたかれたような衝撃を受ける。

 

その衝撃は、司令部にも伝わった。

 

 

「真コアをピンポイントで撃たないと倒せないだと!?」

 

 

孝美の言葉を受け、マンシュタインは信じられないといった様子で聞き返す。

 

 

そして、同時刻にグスタフに砲弾が装填されたと、通信兵から伝えられた。

 

 

「グスタフ、発射準備完了!」

 

 

「最後の一撃だ、次は無いぞ」

 

 

「雁淵中尉!今、真コアは見えているか!?」

 

 

マンシュタインは大声で孝美に聞く。最後の一発、これを外したらもう後がない状況下だ。

 

 

「見えます!グリットH6…えっ!?」

 

 

「どうした?孝美」

 

 

孝美は冷静にコアの位置を伝えようとするが、突然その口の動きが止まった。

 

 

「き、消えた!?捕捉不能!真コアが見えません!」

 

 

「何だと!?」

 

 

孝美から出た次の言葉は、さすがのラルも動揺させた。魔眼持ちである孝美が、ネウロイのコアを特定できないのだ。

 

 

そして、孝美はあるカラクリに気づく。

 

 

「コアが魔眼を遮っているんだ…くっ…」

 

 

孝美は、ネウロイのコアの作りを理解し、そして思わず奥歯を噛みしめる。

 

 

「…一筋縄にいかんな……さすがにネウロイも、我々が思うより防御が優れておる…」

 

 

悔しさの余り、機銃のグリップを握りしめる洋介だった。

 

 

 

 

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