ストライクウィッチーズ ~蒼空を舞う零の荒鷹~   作:鷹と狼

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第2話 ウィザードの配属

 

 

 

ルッキーニが洋介機に接近、血にまみれていることに驚き、バルクホルンは救急を求めた。

 

そして、洋介はゆっくりと飛行した。

 

 

「(…慌てるな……下手に飛行すると…機体ごとひっくり返る…)」

 

 

洋介は、飛行している少女たちの誘導で徐々に基地に近付き、そして着陸した。

 

 

「……着陸……助かった………ここ…は……どこ…だろう……ゆ…き…」 

 

ガクッ

 

 

 

洋介は安堵して、死んだように眠りに尽き、隊長のミーナ・ディートリンデ・ヴィルケが基地の兵士を動員し担架に乗せて医務室へ運んだ。

 

 

「急いで、パイロットを担架にのせて緊急手術!」

 

 

「「「 了解!! 」」」

 

 

「よく着陸の許可したなミーナ」

 

 

「美緒……ええ、まあこの状況下で許せない訳ないでしょ。例の扶桑からきた新人さんは?」

 

 

「今は部屋で休ませている。」

 

 

「そう……ねえ美緒…この戦闘機の零戦は?」

 

 

「はっはっは!!はっきり言ってわからん、だが、艦隊の上空にネウロイが出現したときに、どこからか現れて、奴がネウロイを撃墜して危機を回避してくれた。この零戦だが見たことが無い型だ…エンジンは一回り大きい、武装どころか…機体の国籍マークが赤い丸だ……この零戦パイロットはどうした?」

 

 

「今は緊急手術中だから意識が戻るまで掛かりそうよ」

 

 

「そうか、パイロットの所持物は?」

 

 

「そうね…、後でトゥルーデとエーリカ、シャーリーさんに調べさせるわ」

 

 

その後、ミーナの指事をうけた3人は、格納庫で所持物を調べた。

 

 

「扶桑刀と扶桑の拳銃、航空備品一式。軍隊手帳…日本海軍…?…そっちはどうだ」

 

 

「おっライフル銃だ………ん……?…リベリオンのM-1銃と似てる」

 

 

「こっちのバックの中は緑の軍服一式、飛行服……あっ……サングラスだ~♪…ポケットの中に……おっ写真だ…」

 

 

「写真!?どんなのが写っている?」

 

 

「さっきのパイロットと女性だ!」

 

 

「女性!?彼女かな~?」 

 

 

シャーリーはいたずらな笑みを浮かべた。彼女たちの背後に、バルクホルンが近付いた。

 

 

「遊ぶなお前たち!!次はあの戦闘機の調査だ、いくぞ!」

 

 

「おおっ!あの戦闘機、どのくらいスピード出るかな~♪」

 

 

「コラ!スピードのことしか頭に無いのか!!」

 

 

そして、洋介の手術は無事に終えて、病室のベッドで意識が戻る日をミーナ、坂本は待った。

 

 

宮藤芳佳は自己紹介と基地の案内、訓練が終わった後、許可を取って病室に足を運び、患者に両手を翳し、治癒魔法をかけた。

 

 

「ゆっくりと慎重に、落ち着いて…」

 

 

「………ん…………雪…………ゆ…………き…………」

 

 

「……ゆき……?」

 

 

洋介は気を失いながら、毎日のようにうわ声をあげた。

 

それから1週間、昨日は芳佳とリーネが活躍した次の日の午前の訓練を終えた頃、二人は病室に行った。

 

 

「ねぇ芳佳ちゃん、あのパイロットさん、いつ目を覚ますのかな……」

 

 

「そうだね、あの人の左目は怪我して包帯で巻かれていたけど……私は練習も兼ねて昨日の夜にも治癒魔法を掻けたから」

 

 

「凄い勇気だね芳佳ちゃん…あ…」

 

 

「どうしたのリーネちゃん?あ……」

 

 

二人が目にしたのは、意識が回復してベッドに座っていた洋介の姿であった。

 

 

「ん…君たちは…?」

 

 

「あ…あぁ…」

 

 

「あっ…すまない…ちょっと、ここはどこなんだ…?」

 

 

すぐさま芳佳とリーネはミーナ中佐と坂本少佐に報告、二人の指揮官は事情聴取のために病室へ向かった。

 

 

洋介は窓の景色を眺めた。

 

 

「…いい景色だな…ここは天国か…?」

 

 

洋介がそう思っていると病室のドアが開いた。

 

入ってきたのは日本海軍の将校第2種服を着た女性とドイツの将校服を着た赤髪の女性が入ってきた。

 

洋介が最初に疑問に感じたことは、ズボンを履いてなかったことが気になり、赤面したことだ。

 

 

「貴女方は…(なんで下着姿なんだ///)…?」

 

 

「意識が戻ったところでごめんなさいね」

 

 

「早速で悪いが質問に答えて貰うぞ」

 

 

「別にいいが、あなたがここの指揮官か?」

 

 

「ええ、私はカールスラント空軍JG3航空団司令、501統合戦闘航空団ストライクウィッチーズ隊隊長ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐です」

 

 

「私は扶桑皇国海軍遣欧艦隊第24航空戦隊288航空隊、同じくストライクウィッチーズ隊所属の坂本美緒。階級は少佐だ。お前の出身国と部隊名を教えてもらおうか?」

 

 

「(…カールスラント…?…扶桑…?)はっ、私は日本海軍第302航空隊、北海道千歳基地所属。第5中隊第1小隊隊長、桜井洋介。階級は中尉です」

 

 

「ん…日本……?……バルクホルン大尉の報告で日本と聞いたが、扶桑人ではないのか?」

 

 

「扶桑……?…なんだそりゃ…俺は予科練時代で戦艦扶桑に一時練習生で乗艦し、乗組員ではないが……俺は、日本人だ。少佐も日本人ではないのか…?」

 

 

「……桜井中尉、日本っていう国はどこにあるの?」

 

 

「え…どこって…ここですがね…」

 

 

ミーナは食い違う言葉で疑問、世界地図を取り出して日本はどこか聞くと、洋介は極東の島国である日本を指した。

 

 

「なんだと、ここが日本だと!?どう見ても扶桑にしか見えないが……」

 

 

「もしかして………」

 

 

ミーナはなにか悟ったかのように呟き、洋介に質問した。

 

 

「桜井中尉、あなたは今年は何年だと、ここはどこだと思いますか?」

 

 

「え…?……1945年8月で…場所は北方…だと思いますが……」

 

 

「!?」

 

 

「やっぱり………あの桜井中尉、非常に言いにくいことなのだけど………………今は1944年と…ここはブリタニアなの……」

 

 

「!?……1944年だって!!…なぜ去年に…大戦時に戻ったんだ!?…しかし、ブリタニアってなんだ…?この地図の…アメリカは少し違う、中部太平洋になんだ?こんなデカイ島は!?支那が…中国がない!!」

 

 

「大戦…?アメリカ…?なにとどんな敵と戦ってたんだ!…それに中国ってなんだ?」

 

 

洋介の言葉に坂本美緒が困惑した。

 

洋介が知っている限り事情を話した。1914年の欧州大戦、1939年9月から始まった第2次欧州大戦、41年からアジアも含めた大東亜戦争、そして1945年8月に敗戦。

 

ミーナたちの顔がどんどんと暗くなり、洋介が話しているのは人類が殺し合う戦争だった。

 

そして洋介は彼女の話を聞いて驚いた。この世界では1914年、1939年に人類同士の戦争はなく、代わりに謎の生命体の怪異ことネウロイと戦争をしていて、そのネウロイに対抗できるのは魔力を持ったウィッチだけだという。

 

 

「と…なると、あなたは異世界の人間ってことになるわね…」

 

 

「信じられないが、嘘をついてない目ではないな…」

 

 

「異世界だって…?…あの………俺はどうなるんだ……?」

 

 

「とりあえず上に報告します。処置が決まるまでしばらくこの病室にいてください。あと、魔法検査してもらいます。」

 

 

「魔法…?…ん〜わかりました……あと一つ、俺からちょっと質問を聞いてもいいか?」

 

 

魔法と言う言葉を聞いた洋介は頭を傾げながらも、ある疑問を二人に質問した。

 

 

「ん……?なんだ?」

 

 

「なんで、あんたらは…ズボンを履いてないんだ…?」

 

 

「あら、何を言っているの?可笑しな人ね、ズボンなら履いているじゃない」

 

 

「うぅ…///(…………異世界とはいえ……これはひどい………)」

 

 

ミーナが制服の裾を捲り上げると、洋介は赤面して頭を抱えた。

 

そして、基地の軍医が、洋介の見たことの無い医療道具で彼の身体を検査、坂本とミーナは医師からのカルテを見て驚いた。

 

 

 

 

ブリーフィングルームにて、9人のウィッチが集まり、質問した。

 

 

「なぁミーナ、少佐、例のパイロットのはどうなるんだ…?」

 

 

「えぇ、一応、聴取はできたのだけど…………」

 

 

「何か…問題でもあったんですか…?」

 

 

「えぇ、リーネさん。本人曰く『異世界から来た』そうよ。」

 

 

「さっき魔力を確認したが、信じられないが、魔法検査で奴に魔法力を備わっている。」

 

 

「異世界?」

 

 

「……あいつ男なのに、魔法力を持っているのだと!?」

 

 

「ワーオ♪男の人で魔法を、面白そう~♪」

 

 

「なんですのそれは……………ふざけているのですか?」

 

 

「ペリーヌさん、彼は混乱しつつも、本人はいたってまじめなんだねど…………」

 

 

「嘘をついているんじゃないか?ミーナ、少佐」

 

 

「あいつの目を見たが、決して嘘をつく者の目ではなかったな。それに、私と宮藤の危機を救ってくれた奴だ。」

 

 

「サーニャとエイラはどう思う?」

 

 

エーリカが二人に聞き、エイラはタロットカードを出して占った。

 

 

「そうダナ…占いデ…スゴ腕…怪しい奴ではないナ」

 

 

「私は……いい人だと…思います…」

 

 

「…ムッ……」

 

 

サーニャの言葉で、エイラは膨れっ面になった。

 

 

「とりあえず、私は上層部に報告してきます。皆さんは何かあるまで待機してください。」

 

 

ミーナと美緒がミーティングルームを退出すると、ウィッチたちはざわついていた。

 

 

「男の人なら虫好きかなー?」

 

 

「あたしはそいつが乗っていた戦闘機に興味あるな!どのくらいでるんだろ?」

 

 

「コラ、リベリアン!!お前はスピードのことしか頭にないのか?」

 

 

「…怖い人じゃないと…いいけど………」

 

 

「リーネちゃん、あのパイロットさんは私は坂本さんを助けてくれた人だから、きっといい人だよ!」

 

 

 

 

病室ー

 

 

 

 

 

 

 

 

暇を持て余した洋介は病室の床で腕立て伏せをしていた。

 

 

「ぐ……暇だな……いつまでこの傷病衣を……」

 

 

「桜井中尉、入りますよ」

 

 

「はっ!ミーナ中佐、どうぞ!」

 

 

入ってきたのはミーナと美緒だった。洋介はトレーニングを止め、姿勢をただした。

 

 

「桜井洋介中尉、あなたの魔力検査の結果ですが、あなたには魔法があることがわかりました。」

 

 

「っ!?…魔法だって?そんな…夢みたいなことが…」

 

 

洋介はミーナの言葉に、信じられない顔で驚愕した。

 

 

「そして、あなたの処置はウィザードとして、501統合戦闘航空団『ストライクウィッチーズ』の隊員として、あなたを仲間にすることが決まりました……ということでどうかしら?」

 

 

洋介は目を瞑り考えた。

 

あの大戦で幾人の敵を殺し、その手は血に染めてた罪悪感を持っていた。

 

 

「(…僕が、魔女の世界に送られたのは…神が与えた罰なのか…)」

 

 

深呼吸して、そして決意した。

 

 

「日本海軍中尉、桜井洋介。今からウィザードとして501統合戦闘航空団『ストライクウィッチーズ』の隊員に任命されました!!」

 

 

と、日本海軍式敬礼をして返礼した。

 

 

「よろしくお願いします!!ミーナ中佐、坂本少佐!!」

 

 

「はっはっはっ!!元気のいい奴だな!!気に入った、お前は世界初のウィザードだからな!これからビシバシ鍛えるから覚悟しろよ桜井!!」

 

 

「ようこそ、ストライクウィッチーズへ、桜井さん」

 

 

「俺が…世界初のウィザードだって…?(坂本少佐、戦死した厚木隊長みたいだな…)」

 

 

「あと、これあなたの機体に入っていた物を調査したため、お返しします」

 

 

ミーナが渡した物は、第3種軍服と南部十四年式拳銃、帯刀する軍刀「鷹狼(ようろう)」であった。

 

 

「その刀は…………」

 

 

「ん…?桜井、さっき私の目で確認したが良い色の刃だな」

 

 

「はい、代々家に伝わる刀です。私が下士官時代、姉から頂いた軍刀です。…何か特殊な金剛鉄で作られたとか…」

 

 

「それに桜井さん、さっきからカールスラント語が流暢ですね。」

 

 

「カールスラント語……?あの中佐、習ったことが……まてよ…………」

 

 

洋介は疑問を感じたが、あることを悟った。この魔女たちがいる世界に迷い混んだ彼は各国の語学を修得したのだと。

 

 

「(はは…これはありがたについているな~♪)」

 

 

 

 

 

それから数時間後、ブリーフィングルーム

 

 

 

 

「これから会議を始める」

 

 

「…もう知っていると思いますが。この隊に新しい仲間が増えます。」

 

 

「早速紹介する。入ってこい」

 

 

美緒の合図で、洋介は海軍第3種軍服、軍刀と拳銃を着用、教壇に立ち、9人のウィッチ達の前で自己紹介した。

 

 

 

 

 

 

 

「日本海軍第302航空隊、第5中隊、第1小隊長、桜井洋介。階級は中尉、本日付けのウィザードとして、第501統合戦闘航空団の隊員となりました。どうぞよろしくお願いします。」

 

 

 

 

互いに交流しながら個別の自己紹介となった瞬時、部隊でまだ幼い少女が洋介の前に現れた。

 

 

「あたしはフランチェスカ・ルッキーニ。ロマーニャ空軍の少尉だよー♪ねぇねぇっ、洋介は虫好き!?」

 

 

「(この幼い少女が少尉?)洋介…?あぁ、昆虫は好きだな~」

 

 

茶髪で部隊の中でスタイル抜群の長身、陸軍軍服の少女がニヤけながら近づいた。

 

 

「あたしはシャーロット・E・イェーガー。リベリオン合衆国陸軍出身で階級は中尉。シャーリーと呼んで」

 

 

「そうか、同じ中尉だな。なら俺も洋介と呼んでも構わないよ(アメリカ人か……デカイな~///)」

 

 

シャーリーは洋介とガッチリ握手するにも、手が硬かった。

 

 

「やっぱ男の手は硬いな~あとであの機体について教えてくれ♪」

 

 

「あぁ、いいとも」

 

 

眼鏡を掛けた、金髪のツンとした少女が赴き、洋介の頭から足元を目にした。

 

 

「わたくしはペリーヌ・クロステルマン、自由ガリア空軍中尉ですわ。しかし、ウィザードとは珍しいですわね」

 

 

「あんたは雰囲気的に、フランス人か…」

 

 

「フランス…?」

 

 

銀髪で一人の少女が一人眠っている少女の肩を支えながら紹介した。

 

 

「私はエイラ・イルマタル・ユーティライネン。スオムス空軍少尉ダ。コッチはサーニャ・V・リトヴャク。オラーシャ陸軍中尉ダ」

 

 

「よろしく。その娘、眠そうだが大丈夫か…?」

 

 

「サーニャは夜間哨戒を担当しているから尚のこと。」

 

 

エイラがサーニャに関して弁護する。次に、小柄でニヤけた金髪の少女が洋介に近づいた。

 

 

「わたしはエーリカ・ハルトマン。カールスラント空軍、階級は中尉、よろしくねっ洋介♪」

 

 

「よろしくな!」

 

 

「んでこっちは」

 

 

「ゲルハルト・バルクホルン、カールスラント空軍大尉だ」

 

 

「た…大尉!よろしくお願いします!!」

 

 

「ふん、言っておくが私はどこの馬の骨のお前を、部隊の一員として認めていないからな!」

 

 

洋介は上官に対して敬礼したものの、バルクホルンは何も言わずに部屋から出た。

 

 

そして、最後に病室の扉に現れた二人の少女が来た。一人は緊張で震え、もう一人は興味津々の瞳をしていた。

 

 

「君たちは?」

 

 

「私は…ブリタニア空軍軍曹リネット・ビショップ、…リーネと呼んで下さい…」

 

 

「私は扶桑出身の宮藤芳佳です。階級は軍曹、入ってきたばかりですが、よろしくお願いします!」

 

 

「よろしくリーネさん、宮藤芳佳さん。いうとなれば、君たちは先に編入した先輩だな。」

 

 

「そんな……私なんかまだまだです///」

 

 

「俺のことは洋介と呼んで下さい。」

 

 

「はい!ねえ洋介さん、私の扶桑料理を食べて下さい。そして、洋介さんの世界の話しが聞きたいです…」

 

 

「あ…あぁ…食事と聞いたら腹が減った…何か食べさせて下さい…」

 

 

芳佳が言いかけたとき、洋介は食事に関して目を輝かせた。

 

 

その後食堂で、洋介は宮藤芳佳が余ったご飯の残り物で簡素な雑炊を口にした。

 

 

「えっ!?……洋介さんは異世界の扶桑……日本の空で飛んでいたのですか…?」

 

 

「あぁ、…戦争をしていた空にだ……だが、戦争が終わり、最後は愛機と共に飛んでいた…」

 

 

「……」

 

 

「それ以上に驚くのは、このイギリスの地図で見たが、ドーバー海峡上空を飛んでいたことだ…まさか…勇介と晴香さんが眠る地の欧州に…」

 

 

「勇介…?」

 

 

箸を手にした洋介は、悲しい目をしていた。まだ、三ヶ月も経たない頃に、弟の桜井勇介と戦友の大賀虎雄の妹、大賀晴香はドイツの首都ベルリンで命を落とした。

 

 

芳佳はこの時だけ、黙り混んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

格納庫

 

 

 

食事を終えた洋介は、整備士から工具を借りて、魔女たちが履く機械の箒、ストライカーユニットが納める格納庫に赴き、隅に置かれている愛機の零式艦上戦闘機64型に赴いた。

 

 

「よう、愛機よ…三沢基地から、僕とよく日本の空を守り、戦ったな…」

 

 

洋介と零戦64型は半年の間で幾つもの戦場の空で戦い、機体には幾つもの傷が付いていた。

 

硫黄島の戦い、本土防空、沖縄への特攻隊の護衛任務、終戦前後の樺太、占守島の戦い。

 

そして、愛機と共に人の死を見届けていた。

 

 

 

「この世界で、こいつと共にネウロイと戦わねばならんか…しかし、僕はウィザードと言えども、この愛機でネウロイと戦えるのか…?」

 

 

呟きながら愛機に手を差し伸べて触った時ー 

 

 

 

 

「ん…?ぎゃっ…!?」

 

 

 

 

突然、零戦64型が光り出した。

 

 

 

 

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