ストライクウィッチーズ ~蒼空を舞う零の荒鷹~   作:鷹と狼

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大変お待たせしました。


再び欧州に派遣した桜井洋介と亜弥の親子。果たしてどんな過酷な戦いが待っているのか…?


第501 ストライクウィッチーズ2 ロマーニャ編 
第38話 もう一人のウィザード


 

 

 

 

 

「……さん!お父さん!」

 

 

 

「ん…なんだ?」

   

 

 

「欧州が見えたよ!」

 

 

 

 

 

 

 

扶桑海軍大尉、桜井洋介と娘の桜井亜弥一等飛行兵曹=軍曹が搭乗する二式大艇がロマーニャの軍港に着水した。

 

 

「新藤少佐、孝美さん。お世話になりました!」

 

 

「構わない大尉。大尉は世界で貴重なウィザードだから504の任務が終わり次第、508の隊員として推薦しておく」

 

 

「あはは…わかりました…!」

 

 

「亜弥ちゃん、ロマーニャでの戦闘気を付けてね」

 

 

「うん、孝美お姉ちゃんもオラーシャのグリゴーリみたいに、無茶しないでね。家族とひかりお姉ちゃんを悲しませないように」

 

 

 

「えぇ、約束するわ。」

 

 

 

洋介は新藤三枝と挨拶を交わし、亜弥は孝美と指切りして約束した。

 

 

零式64、54型ストライカーユニット、必要な物資を下ろし、二式大艇は大西洋に向けて出発した。

 

 

 

「新藤少佐、孝美さん。お元気で!武運を祈ります!!」

 

 

 

「孝美お姉ちゃん~!!」

 

 

 

洋介と亜弥は、送ってくれた機体とウィッチたちが見えなくなるまで帽子を振り、最後に被り敬礼した。

 

 

「さて、行くか!」

 

 

「うん!」

 

 

二人は504基地に向かう列車に乗車。

 

異世界のイタリア共和国ことロマーニャの景色を堪能して数時間後、基地に近い駅に到着した。

 

 

「ロマーニャの景色、とてもよかったね!」

 

 

「おーい亜弥、そもそも観光しに来たんじゃねぇぞ。えっと…知らせじゃ扶桑の海軍士官が迎えに…」

 

 

二人が駅から出て階段を降りている時、一人の士官が赴いてやってきた。 

 

 

 

「あの、桜井洋介大尉ですか…?」

 

 

 

「はい、あの…あなたは…?」

 

 

 

「私が扶桑皇国海軍大尉、竹井醇子です。ロマーニャへようこそ、桜井洋介大尉。歓迎します」 

 

 

「はっ!出迎え、感謝します。竹井大尉!!」

 

 

洋介は彼女の前で敬礼するが、亜弥は緊張しながら彼女に対し敬礼する。

 

 

そして出迎えてくれたのは504統合戦闘航空団『アルダーウィッチーズ』の戦闘隊長である竹井醇子大尉だった。

 

 

「あなたが世界初のウィザード。『荒鷹の桜井洋介』…数少ないウィザードっと聞いて、どんな方かと思いましたが…」

 

 

「はぁ…思っていたのよりも案外普通でしょう?」

 

 

「えぇ、それに後ろの娘さんかわいいですね♪それより…その娘が報告書に書いてあったネウロイの実験に巻き込まれた…」

 

 

醇子が亜弥をじっと見ると、亜弥は緊張して洋介の後ろに隠れる。

 

 

「はい。それとあまり睨まないで上げてください」

 

 

「失礼しました。可愛いのでつい…」

 

 

醇子は頭を下げて謝り、そして亜弥の目線まで腰を下ろした。

 

 

「怖がらせてごめんなさいね」

 

 

亜弥は少し警戒心が解けたのか、顔をのぞかせ、そして洋介の顔を見る。

 

 

「大丈夫だよ亜弥」

 

 

洋介がそう言うと亜弥は安心したのかゆっくりと醇子の前に出る。

 

 

「こちらこそごめんなさい…初めまして竹井大尉。私は桜井亜弥軍曹です。竹井大尉が言った通りネウロイの実験によりやって来たウィッチです」

 

 

亜弥はお辞儀をして挨拶する。

 

 

「初めまして亜弥さん。私は竹井醇子大尉よ」

 

 

と、笑顔でそう言いながら握手する。洋介は安心して醇子に今回のことを聞く。

 

迎えの車輛に乗車し、醇子が所属する基地に向かって走行する。

 

 

「それで大尉。輸送機の中で、扶桑から極秘資料を読みました。ロマーニャにいるネウロイとのコミュニケーション実験、ですか?」

 

 

「ええ、この作戦が成功すれば、戦争を終わらせられるかもしれない。前にコミュニケーションを取りに来たウィッチがいたのだけれど言葉が通じないみたいで、それで大尉には人類とネウロイの通訳になってもらいます」

 

 

「ガリアの時のか、あれは目が痛々しいんだよな~」

 

 

そう言い洋介は頭を掻く。あの時は凄く眩しく目が激痛する。あれをまた再びやるとすると少し不安だった。

 

 

「その必要はないと思います」

 

 

「「 え? 」」

 

 

洋介と醇子は亜弥に顔を向けた。

 

 

「いざとなれば、わたしも手伝います!」

 

 

「亜弥!でもお前に何かあったら…」

 

 

「大丈夫だよお父さん。それにこれが成功すれば、もう誰も悲しむことのない世界が生まれるかもしれません」 

 

 

「だけど…」

 

 

「お父さん。お願いです!」

 

 

亜弥は真剣な目で見つめる。その瞳には強い信念を感じた。

 

 

「亜弥…本気か?」

 

 

「はい!」

 

 

「……わかった。でも無理はするな」

 

 

「わかりました」

 

 

その結果、ロマーニャにいるネウロイの通訳は亜弥。そして洋介は通訳を兼ねた護衛という任務に決まった。

 

暫くすると、車輛は基地に到着する。

 

 

第504統合戦闘航空団 アルダーウィッチーズ 基地

 

 

 

 

「作戦までしばらくこの基地で暮らすことになるでしょうから、部隊のみんなを紹介しておくわ」

 

 

向かう先の『ブリーフィングルーム』の扉を醇子は開け、504部隊のウィッチが揃っていた。

 

 

「お、噂をすれば。来たわね~」

 

 

「竹井、そいつが例の男性ウィッチか?」

 

 

赤い服を着た女性とイタリア人とアメリカ人、ここではロマーニャ人とリベリオン人がその二人が醇子に訊く。

 

 

「そうよ」

 

 

「扶桑皇国海軍大尉の桜井洋介大尉です。以前は501、502に所属しておりましたが、本作戦に限り、504に配属となりました。よろしくお願いします」

 

 

洋介は海軍式敬礼でそう答えるが、服装がやや淫らの赤い軍服のウィッチが笑っていた。

 

 

「そう硬くならなくても良いのよ?私はこの隊の指揮官フェデリカ・N・ドッリオ、ロマーニャ空軍の少佐よ。よろしく」

 

 

「よ…よろしく…です…///」

 

 

「私はドミニカ・S・ジェンタイル。大尉だ。気軽に大将と呼んでくれ」

 

 

「(ん…大将…?)」

 

 

「ジェーン・T・ゴッドフリー大尉です。大将の僚機に勤めてます。大将っていうのは、あだ名みたいなものです」

 

 

 

側に居たジェーンが解説すると、洋介は納得した。

 

 

 

「は、はぁ…なるほど(クルピンスキーの様なウィッチだな)」

 

 

 

「パトリシア・シェイド中尉。この隊の後方支援を任されてるわ。気軽にパティって呼んでね」

 

 

「そ、そうなのか…?」

 

 

「基本的にみんなニックネームとかで呼んでるから。敬語もなしよ。私はフェルナンディア・マルヴェッツィよ。階級は中尉。フェルって呼んで」

 

 

「あ、そうなんですか~あはは~」

 

 

洋介はお堅いところだと思ってたが、そのことを考えると洋介の世界に所属していた特殊部隊、ラバウル六勇士と似たような感じだ。

何処と無く、少し懐かしいと思った。

 

 

 

「アンジェラ・サラス・ララサーバル中尉だ。ガリアとオラーシャの『荒鷹のウィザード』の噂は聞いている」

 

 

「噂って?」

 

 

「ルチアナ・マッツェイです。よろしくお願いします」

 

 

「僕はマルチナ・クレスピ!よろしくね!」

 

 

「うーん…名前が混乱しそうだな」

 

 

「ははは…」

 

 

「いつものことだから、気にしないで!」

 

 

「すんません…」 

 

 

なんか、この二人仲が良く、微笑んだ。

 

 

「で、最後に私が、隊の戦闘隊長。竹井醇子大尉よ」

 

 

「改めて、よろしくお願いします」

 

 

「で、その子が例のネウロイに拐われた女の子なのね」

 

 

フェルがそう言い、亜弥のところに来る、すると亜弥はやっぱり恥ずかしいく緊張する。

 

 

「あれ?もしかして嫌われちゃった?」

 

 

「フェル。いじめちゃだめじゃないか~」

 

 

フェデリカがフェルに注意する。 

 

 

「いや、私まだ何もしてないですよ隊長~」

 

 

「大丈夫ですよ中尉。亜弥はこう見えてやや、人見知りなんですよ」

 

 

「そ、そうなの…」

 

 

フェルはそう言い亜弥の目線までしゃがんだ。

 

 

「大丈夫よ、私のことはフェルって呼んでね♪」

 

 

優しい言葉で亜弥の頭を撫でる。

 

 

「うん、よろしくお願いしますフェルさん!」

 

 

亜弥とフェルが握手する。そして、隊長のフェデリカは笑みを浮かばせた。

 

 

「あと4人はいるけど、二人は扶桑に任務があって離れている。一人は修行中よ」

 

 

「へぇ~、そうなんですか…あと一人は…?」

 

 

「あなたと同じ、ウィザードよ♪」

 

 

「へぇ…ウィザードか、それは心つよ…っ!?何だって…この基地にもう一人のウィザード!?」

 

 

洋介の心に衝撃が走った。

 

去年、元日本海軍戦闘機パイロットの桜井洋介が出現して、世界初のウィザードが世に現れ、ただ一人だけの存在だと思っていた。

 

 

「フェデリカ少佐、そのウィザードは何者だ、どんな奴なんですか!?」

 

 

「まぁまぁ、慌てない慌てない」

 

 

「久しぶりだな!」

 

 

「っ!…その声…まさか…まさか…!」

 

 

洋介と亜弥が入ってきた扉から、彼に掛ける声が聞こえた。

 

洋介が振り向くと、フェデリカが述べ伝えたウィザードが立っていた。

 

 

「久しぶりだな、桜井洋介!」

 

 

「…お前…お前は、バッキー・五十嵐…!?」

 

 

「お父さん…あの人は…?」

 

 

洋介と亜弥の前に現れたのは日系アメリカ人のバッキー・S・五十嵐。

 

かつての元いた世界大戦で、洋介と戦いを繰り広げたアメリカ海軍大尉の戦闘機パイロットだった。

 

 

「よう、あんたと会うのは、あの8月6日以来だなっ!!」

 

 

バッキーは魔法力を発動させ、洋介に殴り掛かろうとした。

洋介も魔法力を発動して、左手で制止した。

 

 

「へっ!あの忌まわしい日以前、直に会うのはフィリピンのマニラだ!!」

 

 

拳を振り払い、腰に帯刀していた鷹狼を抜いた。

 

 

ブリーフィングルームで洋介とバッキーが一触即発になりかけた。

 

 

「あわわわわ…」

 

 

「お父さん、止めて!!」

 

 

亜弥は二人を止めに間に入ろうとした。だが、パティとアンジェラに止められた。

 

 

「大丈夫わよ、亜弥ちゃん」

 

 

「だけど、パティさん…」

 

 

「心配するな」

 

 

 

 

 

カアアァン

 

 

 

 

 

竹井醇子が自らの拳で、洋介とバッキーの頭を拳骨した。

 

 

「あなた達、ふざけていないで下さい」

 

 

「「 …は…はい… 」」

 

 

口が笑っていても、目が笑っていない醇子が二人を注意した。

 

そして、洋介とバッキー、亜弥は竹井醇子大尉の恐ろしさを認識しながら気絶した。

 

 

 

それから意識が戻って落ち着き、基地の格納庫で洋介と亜弥、バッキーの三人きりになって経緯を話した。

 

 

バッキー・S・五十嵐はあの戦争が終結して1年後の3月11日、大西洋のバミューダ海域にてアメリカの艦船と航空機が行方不明の事態を聞き入れ、急遽調査することになった。

 

だが、海域上空で機体の計器トラブルが発生、海に突っ込んだ。

だが、目が覚めると魔女がいた。そして、搭乗していた愛機グラマンF8Fベアキャットが、この世界の魔女たちが扱う機械の菷、『ストライカーユニット』に変形した。

 

 

「…お前もこの魔女の世界に巻き込まれたとは信じがたい…」

 

 

「そりゃ同感だ、…時代にしても去年にタイムスリップしたかと思った途端…ネウロイと言う訳の分からん化け物と戦っていることで衝撃だった!」

 

 

「わたしも同じだよバッキーさん、わたしは10年先からやって来たから……」

 

 

「そうなのか…亜弥ちゃん、あの世界の俺と洋介、亜弥とステラが、この世界でウィッチとウィザードになるとは…」

 

 

「ステラ…?」

 

 

「あぁ、彼女は女性戦闘機パイロット。洋介はあの南方のニューギニアとラバウル、フィリピンで戦った筈だ」

 

 

「……ニューギニア…ラバウル…フィリピン……もしかして…!」

 

 

洋介は内心思い出した。

 

ステラ・A・エヴァンス。ニューギニアとラバウルに滞在していた時、P-38ライトニングの操縦席に女性が搭乗していた。

 

だが、1945年7月30日。ステラはP-51H型に搭乗、シンガポールに向けて爆撃機の護衛に務めた。

 

ステラは日本の防空戦闘機と空戦し、落とされて行方不明になった。当然、バッキーの仲間たちは嘆き悲しんだ。

 

そして、この世界で第504統合戦闘航空団アルダーウィッチーズで再会した。

 

再会しても、彼女はあるウィッチの訓練をしている身であった。

 

 

「そうか、そうだったのか…」 

 

 

「ステラさんも、凄いウィッチになれる様に応援しなきゃね!バッキーさん、お父さん!」

 

 

「亜弥…そうだな。この世界の未来と平和の為に!」

 

 

「人々の笑顔の為に!そして、このネウロイの戦いが終わったら、再び洋介と戦いを挑むぜ。」

 

 

「あぁ!」

 

 

バッキーは先ほど酒場で購入したウイスキーをグラスに注ぎ、グラスを手にして口に運んだ時、すぐに上官の醇子に拳骨を受けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方そのころ、一人の女性が彼らウィザードとウィッチの履歴を読んでいた。

 

厚い飛行服を着て、胸には照準眼鏡を下げていた。

 

 

「…彼ら、近いうちに会ってみるか」

 

 

そう言い彼女は立ち上がり輸送機に搭乗、ロマーニャに向かうのであった。

 

 

 

 

 

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