ストライクウィッチーズ ~蒼空を舞う零の荒鷹~   作:鷹と狼

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今日で、ストライクウィッチーズが放映されて15年です


第41話 マジックキャットの指令 

 

 

 

 

「おい、ウィッチ隊、ほぼ壊滅だって…」

 

 

「畜生……マジかよ…」

 

 

撤退先の504基地の格納庫ではストライカーユニットを整備する整備兵たちがトライヌス作戦でのことを話していた。

 

 

「あぁ、ただ…幸いけが人が出ただけで死人は出なかったらしい…」

 

 

「ああ、それは聞いたぜ。なんでも、桜井大尉とバッキー大尉が殿に出て、たった二人で追撃してきたネウロイを撃退したらしいぜ」

 

 

「それ本当か?」

 

 

「ああ、本当らしい。それにしても怪我っといっても504のウィッチたちはまた戦えるのか?」

 

 

「当分無理だな。ベテランのウィッチたちが負傷した今、存続は難しいってさっき軍医の連中がそう言ってたぜ」

 

 

「じゃあ、ロマーニャの防空はどこが?」

 

 

「空軍のどっかがやってくれるさ。俺たちはただの整備兵だからな」

 

 

「そうだ、俺たちが騒いだところで、どうにもならん。それより保護したっていう人型ネウロイは…?」

 

 

「さあ?俺たちには関係のないことだ。それよりさっさとこれ直さねえと…」

 

 

「そうだな」

 

 

不満を呟きながら、整備兵たちはストライカーの整備をするのだった。

 

 

 

病室 

 

 

 

「桜井大尉、バッキー大尉。具合はどうですか?」

 

 

「ああ、大した怪我じゃないし大丈夫ですよ竹井さん」

 

 

「俺も、この通りピンピンして元気ですよ!」 

 

 

桜井洋介とバッキー・S・五十嵐がベッドで目が覚めたのはあの殿戦から翌日。

 

 

あの戦いで体力、気力、魔法力も出し尽くして二人は気を失い落下しかけたところを援軍に来た醇子たちが保護してくれた。

 

 

「あの…竹井大尉それで、彼女は?」

 

 

「彼女?‥…ああ、あの人型ネウロイね…」

 

 

人型ネウロイの言葉を聞いた醇子は気まずい様子だった。

 

 

「竹井さん……もしや…!」

 

 

「…残念だけど…消滅した…」

 

 

「っ!…そんな…」

 

 

504に帰投し、亜弥を守るために庇い消滅した。

 

 

 

「くそっ…命からがら連れ、帰投したのに…ガリバープロジェクトが…また、一からやり直しか…」

 

 

ネウロイの極秘計画、ガリバープロジェクトを掴めず終い、洋介は歯噛みしながら悔しい思いをした。

 

 

「お父さん……」

 

 

「亜弥…すまない…」

 

 

「大丈夫、…お父さんが無事ならそれでいいよ…!」

 

 

病室に寄った亜弥が洋介の手を重ね、彼も娘の頭を撫でた。

 

 

「お父さん、ちょっと格納庫でユニットを整備してくるから~」

 

 

「おぅ、気をつけてな!」

 

 

亜弥が病室を去った時

 

 

 

グオォォォー

 

 

 

 

「「 !? 」」 

 

 

 

すると、基地上空に大きなエンジン音が鳴り響き、何かが通り過ぎる。

 

 

「あれは…?」

 

 

「カールスラントのJU52輸送機ね…」

 

 

窓から頭上を飛んできたのはカールスラントの輸送機のJU52。

 

JU52はそのまま滑走路へと着陸するのだった。

 

 

「なんでしょう?」

 

 

「さあ?補給とか?」

 

 

「いいえ、それに追加の補給の知らせも聞いてないし…」

 

 

「「 え…? 」」

 

 

醇子にも心当たりがないみたいだった。

 

その後、醇子はフェデリカに指令室に来るよう指示を受け、その場を後にした。

 

 

一方そのJU52から一人の女性が出てくる

 

 

「うん……さて、やっと着いたな…」

 

 

そう言うと彼女は機体から降りてまるで誰かを探すようにあたりをきょろきょろ見渡す。

 

 

「さすがに格納庫にはいないか…仕方がない。指令室に言って挨拶でもするか」

 

 

そう呟き、彼女は指令室へと向かう。すると廊下を歩いている途中だった。

 

 

 

「ん?あれは…子供?」

 

 

 

彼女が目にしたのは奥の廊下に9歳を目に映ったのだが、彼女は気にせず指令室へと行くのだった。

 

 

 

「久しぶりだなドットリオ少佐、トライヤヌスに関して申し訳ない。竹井大尉、扶桑海事変の時以来か?」

 

 

「お久しぶりです。ガランド少将」

 

 

「それで、少将。今回はどういった件で?」

 

 

「ああ、そうだったな。大したことはないんだが、実は私がここに来たのは、ヴェネツィアで奮闘した例の二人のウィザードを見てみたいと思ってな」

 

 

「桜井大尉と五十嵐大尉をですか?」

 

 

「ああ、で、その彼は今どこにいる?」

 

 

「えぇと…病室にいます…」

 

 

「そうか、では行ってくる」

 

 

笑みを浮かばせながら、彼女は指令室に出て洋介とバッキーを探しに行くのだった。

 

 

「ガランド少将が彼にね…?いったい何の用かしら?」

 

 

「まあ、確かに世界初の男性ウィッチが二人揃っているんなんだから少将が珍しく、興味を持つのはわかるけど…」

 

 

そう述べながら、二人は首をかしげるのだった。

 

洋介とバッキーは病室から格納庫に移動し、自身が履くユニットの整備を行った。

 

 

「ありゃ~、プラグに埃が被っているな~」

 

 

「おいおい洋介、取り除かないと飛行中にアダとなるぞ~!」

 

 

「お父さん、バッキーさん!交換するオイル持ってきた…わぁっ!」

 

 

「「 亜弥っ!? 」」

 

 

亜弥は格納庫の床に滑った。ある女性が亜弥を支えた。

 

 

「大丈夫か?扶桑のお嬢さん」

 

 

「あ、ありがとうございます…///」

 

 

「あっあの…」

 

 

女性は洋介とバッキーの側を通り過ぎ、三人のストライカーユニットを目にした。

 

 

「‥…変わった国籍だな…扶桑とリベリオンに似てるが、全く違う。それにこのユニットの部品や形と言い、扶桑の零式とリベリアンのグラマンと比べても違う。それ以前にこのユニットからは全く別の国の精神が見える…」

 

 

そう述べると、彼女は洋介とバッキーに振り向く。

 

 

「あなたは…誰だ?」

 

 

「私は第44戦闘団指令、カールスラント空軍総監のアドルフィーネ・ガランド。階級は少将だ。君たちが世界初の男性ウィッチ。桜井洋介大尉とバッキー・S・五十嵐か?」 

 

 

「あ、あぁ…確かに俺は桜井だ…」

 

 

「俺も五十嵐だ、少将殿」

 

 

 

「そうか、もっと厳つい人物かと思っていたが、なんとも男優みたいで可愛いらしい顔だな大尉たち」

 

 

 

いたずらな笑みでそう呟くガランド少将。

 

 

「…で、そのウィッチの総監様がなんでこんなところに?」

 

 

「何も大した理由はない。二人の男性ウィッチ…いや、ウィザードがどんな奴か見に来ただけだ」

 

 

「‥‥そうですか……」

 

 

「そう言えば桜井大尉。君のうしろに隠れている子は君の娘か?」

 

 

そう言いガランドは洋介の後ろの隠れている亜弥を見てそう言う。

 

 

「ああ、娘の亜弥だ」

 

 

「亜弥…するとこの子がネウロイの秘密実験に巻き込まれた少女か?」

 

 

 

「「 っ!? 」」 

 

 

亜弥がネウロイの秘密実験に巻き込まれたことを知っていることに驚愕した。

 

洋介は彼女の前から一歩下がりそして帯刀する軍刀に手をかける

 

 

「そう警戒するな大尉。お前の娘に危害を加えるつもりはない」

 

 

「「 …… 」」

 

 

「それにな。この前、この基地に行く前にペテルブルグに行ったんだが、彼や君の娘のことを聞いた時にグンデュラやエディータに釘を刺されてな」

 

 

「ラル隊長に?」

 

 

「ああ、『桜井の愛娘である彼女を実験研究所に送ったら、ウィザードを敵に回すことになるぞ』ってな。だから君の娘には手を出さない。約束する。もし上の連中が彼女に手を出そうとしたら全力で止めるつもりだ」

 

 

両手を挙げてそう言ったガランド少将、洋介は刀から手を離した。

 

 

「あなたが亜弥に手を出さないっていうことはわかった。で…少将殿。いったい何の用だ?単に俺とバッキー、亜弥に会いに来て顔を見に来たんじゃないですよね?」

 

 

「ああ、鋭くて助かる桜井大尉、五十嵐大尉。お前たちは何者だ?」

 

 

「「っ!」」 

 

 

「お前たちの戦歴には不審なところが多い。それに決定的なのはこのユニットについてある国籍マーク。私が知る限り白い縁取りに赤い丸と星の白い横線国籍マークの国は存在しない。もう一度言う大尉。貴様たちはこの世界の人間か?」

 

 

洋介とバッキーは頭を掻き、この人物に嘘は通じなさそうに見えた。

 

 

「…今言うことは他言無用ですよ」

 

 

二人は、ガランド少将に自身のことを話した。

 

 

「なるほど…つまり君たちは…異世界から来たことになるのか信じられない話だが。大尉たちのユニットや性能がその証拠だな。高野長官から聞いたことは半信半疑だったよ」 

 

 

「っ!…高野長官と…!?」

 

 

「少将、くれぐれも…」

 

 

「わかってる。誰にも言わないよ大尉」

 

 

そう述べると、少将は亜弥の前に立ち、しゃがんだ。

 

 

「怖がらせてすまなかったな」

 

 

「い、いいえ…」

 

 

ガランドはそう述べるが、亜弥はいまだに洋介にしがみ付いていた。

 

 

「え…と君は」

 

 

「あ、桜井亜弥です。軍曹です!」

 

 

亜弥は緊張しながら恐る恐る紹介する。するとガランドは優しく微笑んだ。

 

 

「そうか、では亜弥君。君はお父さんのことは好きか?」

 

 

「はい!」

 

 

「ははは!そうか。」

 

 

そう述べ、ガランドは亜弥の頭をゆっくり撫でる。

 

 

「では、桜井大尉、五十嵐大尉。私はこれにて、次の任務頑張れ。もし何か困ったことがあれば言ってきてくれ。できる限りの協力はするつもりだ」

 

 

 

そう言って、彼女はその場を後にした。

 

 

「しかし亜弥ちゃん…君のお母さんは…この世界にいるのか…?」

 

 

バッキーは亜弥の母親の存在について質問した時、その言葉に反応して悲しげな顔になった。

 

 

「…いいえ…お母さんは……北海道で亡くなりました……」

 

 

「…そうか…気の毒なことを聞いて済まなかった…亜弥…」

 

 

「そんなことないよ、バッキーさん!わたしには…この世界で新しいお母さんと出会えたから…///」

 

 

「そうか…って…えぇ!?」

 

 

頭を下げたバッキーに、亜弥は気を落とさずに言った。そして、ある言葉に気が付いた。

 

 

「洋介…お前…」

 

 

「ま…まぁな…俺もあるウィッチとある関係になった……///」

 

 

「そうかぁ〜!がんばれよ!!」

 

 

洋介は頬を掻き、バッキーは洋介の背中を叩き、応援した。

 

 

「あ…ありがとう…///…それに、ステラって娘は、バッキーとなんの関係だ…?」

 

 

 

「うっ…///…さて、整備の再開だ~!」

 

 

「こらっ!誤魔化すな、待てぇ~!」

 

 

洋介は鷹狼を鞘から抜き、逃亡するバッキーを追いかけた。

 

 

「…ふふふ…お父さん…バッキーさん…ちょっと、子供っぽいなぁ〜!……ガランド少将…不思議なウィッチだな…」

 

 

 

 

 

 

一方、JG52に搭乗し、作戦本部に帰路につくガランド少将は

 

 

「桜井大尉と五十嵐大尉、亜弥か…彼らならこの世界に良い風を吹かせてくれるかもしれないな…」

 

 

 

 

そう笑みを浮かべたアドルフィーネ・ガランドだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日、食堂で洋介は新聞を読みながらコーヒーを、亜弥はルチアナが作ってくれたお菓子を口にしていた。すると

 

 

「大尉、亜弥ちゃん、ちょっといいかしら?」

 

 

醇子が赴いてきた。

 

 

「竹井さん!」 

 

 

「この記事を読んで欲しいの」

 

 

机の上に、新聞の一面を広げ、ある項目を目にした。 

 

 

「なになに?…501……再結成!?」

 

 

「501…?」 

 

 

桜井洋介が魔女の世界にて、解散するまで大変世話になった第501統合戦闘航空団、ストライクウィッチーズだった。

 

見出しの記事にはそう記してあった。

 

 

「今、504は機能していないでしょう?だから、501再結成の話があがったのよ」

 

 

「…この数日で、11人全員が揃うとは驚きだ!」

 

 

新聞の写真には、こじゃれた基地をバックにして、横に並んだウィッチ11人が写っていた。

 

 

その中に、不名誉除隊した戦友の宮藤芳佳も写っていた。

 

 

「…竹井大尉」

 

 

「そうだと思ったわ。もう手筈は済んでるの」

 

 

醇子は一枚の書類を晒せる。

 

 

「…俺の名前が書いてある…もしや!」

 

 

「えぇ、ガランド少将があなたに、501への転属命令がでてるわ。もちろんあなたの娘である亜弥ちゃんも501の指揮に入るように、と」

 

 

「そうか…あの時にか…竹井さん、感謝します!!なぁ、バッキー!お前も501に行くか?」

 

 

洋介は醇子に敬礼した。そして、洋介はバッキーと501転属の話を聞いた。

 

だが、バッキーは首を横に振った。

 

 

「いや、俺はここの504部隊に残る。ここに居ないと、ステラの帰りを待たないとな。それに、フェデリカ隊長に残地する書類をサインしたからな……」

 

 

「ん…?」

 

 

バッキー・S・五十嵐はこの魔女の世界で、愛機ベアキャットと共に504部隊基地に不時着。そして、愛機がユニットに変形し、ウィザードに覚醒した。

 

目の当たりにしたフェデリカは、部隊に滞在する同意書にサインをした。

 

 

「…全く…隊長らしいわ…」

 

 

この件で、醇子は片手に顔を抑えた。

 

 

「そうか…残念だが…離れても同じ、ロマーニャにいるんだから、共に戦うことに変わりはない!」

 

 

「そうだよバッキーさん!バッキーさんも、この504でも凄いウィザードだから、やっていけるよ!」

 

 

「…二人とも、ありがとう!」

 

 

「ステラさんがくるまで、504を頼むぜ!」

 

 

「あぁっ!!俺たちは、この世界で唯一無二のウィザードだ!」

 

 

洋介とバッキーはお互いに手を握りしめた。

 

 

「お父さん…?」

 

 

「ああ、俺と亜弥は501に行くことになったんだ。横須賀で会った、芳佳に会えるぞ」

 

 

「本当に、芳佳お姉ちゃんと!」

 

 

洋介の言葉を聞いて亜弥は喜んだ。

 

 

「(ふふふ、美緒と徹子を思い出すわ)後日、501から補給部隊が来ることになってるの。彼らの車に便乗して、あちらの基地まで行きなさい」

 

 

「わかりました。それまでに準備をしておきます。亜弥、行こうな!」

 

 

「うん!」

 

 

こうして、洋介と亜弥は501に転属することになった。

 

 

 

 

 

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