ストライクウィッチーズ ~蒼空を舞う零の荒鷹~   作:鷹と狼

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第42話 魔術師、再び501へ

 

 

 

501統合戦闘航空団ストライクウィッチーズ基地

 

 

 

 

「私、ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐以下、坂本美緒少佐」

 

 

 

次に、戦闘隊長である坂本美緒が呼ばれる。

 

 

 

「ゲルトルート・バルクホルン大尉。シャーロット・E・イェーガー大尉」

 

 

 

そして、階級によって大尉のトゥルーデとシャーリーが呼ばれる。

 

 

 

「エーリカ・ハルトマン中尉。サーニャ・V・リトヴャク中尉。ペリーヌ・クロステルマン中尉。エイラ・イルマタル・ユーティライネン中尉」

 

 

その後に、階級が中尉であるエーリカ、サーニャ、ペリーヌ、エイラが呼ばれる。

 

 

「フランチェスカ・ルッキーニ少尉」

 

 

そして、唯一少尉となった最年少、ルッキーニが呼ばれる。

 

 

「リネット・ビショップ曹長、宮藤芳佳軍曹」

 

 

そして、士官の次にさらに階級が下であるリーネと芳佳が呼ばれる。リーネはブリタニアでの功績により曹長へと昇格したが、芳佳は軍規違反による点から以前と階級はそのままである。

 

 

そして、ミーナは全員の名前を言い終わった後、周りを見回した。ウィッチ全員、ミーナの顔をじっと見ており、ミーナは確認を終えると真ん中を見て宣言した。

 

 

 

「ここに、第501統合戦闘航空団『ストライクウィッチーズ』を再結成します!」

 

 

『了解!』

 

 

ミーナの宣言の言葉に、全員が大きな返事をし、次を述べる。

 

 

「尚、この場にはいませんが、桜井洋介大尉も着任します」

 

 

「えっ…洋介さんも!?」

 

 

「やったー!!洋介も来るんだ~!!」 

 

 

「桜井もか、ミーナ!」

 

 

ミーナは何枚か束になった書類のうちの一枚をトゥルーデに差し出す。

 

 

「桜井もここに転属になったのか。これで十二人揃うな!」

 

 

戦友がここに転属になることを知って彼女は嬉しそうにそう言う。しかし

 

 

「トゥルーデ、あと一人配属するウィッチがいるのよ、下を見てちょうだい……」 

 

 

「配属するウィッチ…?」

 

 

そう言い、トゥルーデは下に書かれている文章を見る。

 

 

その夜、執務室でミーナとトゥルーデ、坂本美緒の三人が集う。

 

 

「『桜井洋介大尉の転属と同時に、以下の者を配置に置くこと。ネウロイの極秘計画で転移したウィッチ、桜井亜弥を…』桜井亜弥…?何者だそいつは?」

 

 

「ガランド少将の命令だから、断るわけにいかなかったの…」 

 

 

「上層部はまた厄介ごとを押し付けて…で、桜井とこのウィッチはいつ来るんだ?」

 

 

「明日よ」

 

 

「明日ッ!?」

 

 

「はっはっは!亜弥か!」

 

 

その言葉にトゥルーデは驚き、美緒は笑い出すのであった。

 

 

「笑い事ではないぞ少佐!その亜弥ってウィッチは何者だ!?」

 

 

「それはこのウィッチがやって来た時にだ、紹介するぞバルクホルン大尉。ミーナ中佐、私が宮藤と共に桜井を迎えに行くぞ」

 

 

「えぇ、よろしくお願いします。少佐」

 

 

 

 

 

504統合戦闘航空団アルダーウィッチーズ基地

 

 

 

 

「扶桑からの物資、助かったわ。ありがとう」

 

 

501から回されてきた扶桑の救援物資の引渡しは無事に終わり、坂本美緒は旧友である竹井醇子と話していた。

 

 

「報告書を読んだ。あの内容は事実なのか?」

 

 

「…ええ」

 

 

「あっ?」

 

 

醇子はハンガーの一角、入り口付近に目をやる。そこには

 

 

「坂本さん!」

 

 

洋介と亜弥がやってきたのだ。

 

 

「おぉー!桜井か、かれこれ数日ぶりか?」

 

 

「ええ、お久しぶりです」

 

 

「お前も元気そうで…ん?」

 

 

美緒は洋介に挨拶する。そして、彼の背後に亜弥が現れた。

 

 

「お久しぶりです、坂本さん!あの…横須賀以来ですね!」

 

 

「無事だったか亜弥!訓練学校のみんなは、あの作戦でお前を心配していたぞ!」

 

 

「あ…ごめんなさい…」

 

 

「ははははっ! なに、無事であればそれでいい!」

 

 

美緒は亜弥の頭を撫でながら笑った。

 

 

 

「さて、そろそろ帰るか。宮藤!」

 

 

「あ、はい!」

 

 

荷物の運び込みを手伝い、軍に復帰した宮藤芳佳が、こちらに駆け寄ってくる。

 

 

「久しぶりだな、芳佳!」

 

 

「芳佳お姉ちゃん!」

 

 

「はい!洋介さん!亜弥ちゃんも無事でよかったよ~!」

 

 

芳佳と亜弥が再会するのは、彼女の横須賀の実家以来であり、互いに抱き締めた。

 

 

美緒と醇子が何か話しているが小声のため、あまり聞こえなかった。

 

そして、出発する前に、バッキーが挨拶にきた。

 

 

「洋介、501に行ってもくたばるな。お前を討つのは、このバッキー・五十嵐だ!」

 

 

「お互いになバッキー、この空が平和になったらな!」

 

その後、芳佳と美緒がバッキーと挨拶。そして、彼も洋介と同じく、ウィザードの存在を聞いて驚いた。

 

しばらくして会話も終え、洋介と亜弥、そして二人のユニットを積み、美緒と亜弥はトラックに乗車、504を後にするのだった。

 

そしてトラックの中は3人乗りになっていて運転は美緒、真ん中は芳佳。そして、亜弥は洋介の膝の上に座っている。

 

 

「しかし芳佳、君が軍に復帰するとは…」

 

 

「実は洋介さん…私の家に、お父さんからの手紙が来たの…」

 

 

「芳佳の…お父さん…宮藤博士からの手紙…?」

 

 

宮藤芳佳の父、宮藤一郎は扶桑のストライカーユニットの研究技師。

 

ある境で扶桑からブリタニアに渡り、ネウロイの奇襲で帰らぬ者となった。

 

だが、命を落とす前に手紙を送っていたが、検閲のトラブルにより遅れていた。

 

封筒の中身が、研究の設計図らしき書類が同封。そして坂本美緒と再会し、技術班に譲渡した。

 

 

「そうだったのか……お父さんからの手紙か…」

 

 

戦時の洋介も、南方の最前戦ラバウルへ向かう物資を積んだ輸送船がことごとくアメリカ潜水艦により、沈められた。

洋介も姉の志帆と、恋人で、のちの妻となる雪の手紙を心より待っていた。

 

そして、ドイツに留学した弟の勇介にも手紙を送った。だが、勇介からの一通の手紙も無かった。

今は亡き、父親の宮藤一郎の家族への手紙を受け取り、洋介は少し羨ましかった。

 

 

「桜井」 

 

 

「はい?」

 

 

「トライヌス作戦の時、なぜ、ネウロイがネウロイを攻撃したんだ?」

 

美緒が洋介に質問した。彼女は消滅した人型ネウロイから色々と聞いた。

 

 

「報告書に書いてあったな。攻撃、防御、戦術。すべてが、今までのネウロイより優れている、と」

 

美緒が運転をしながら呟く。

 

 

「俺の魔力で感じた勘だと、抗戦派の中でも精鋭中の精鋭で楽には倒せません…」

 

 

洋介が珍しく表情を若干険しく呟いた。

 

洋介とバッキーも激戦地ヴェネツィアで危うかったのも事実だった。

 

504の報告では、かなりの手練れで、強いことを予想する。

 

 

「桜井、504は今、再編途中だったな?」

 

 

「はい、俺ともう一人のウィザード、バッキー・五十嵐大尉との共同で幸い死人は出ませんでしたが重症を負って、後送になったウィッチの代わりを集めています。ですが、バッキーだけでは時間が…」

 

 

「地上勢力の抵抗もいつまで持つか…」

 

 

「今、ヴェネツィアにいる抗戦派を抑えられるのは501だけだよ…」

 

 

亜弥が洋介を向く

 

 

「亜弥…」 

 

 

すると芳佳が

 

 

「…坂本さん、私、戦います!」

 

 

「!」

 

 

「戦って、このロマーニャを守ります!」

 

 

彼女は上官の美緒に決意する。その目には強い決心と信念が感じられた。

 

 

「よく言った、宮藤!それなら早速帰って訓練だ!」

 

 

「はい!」

 

 

「…芳佳お姉ちゃん。共に戦おう!」

 

 

「うん!」 

 

 

芳佳と亜弥が共に手を繋いだ。

 

それから数時間後、501統合戦闘航空団基地に到着した。

 

 

執務室

 

 

「亜弥、大丈夫か?」

 

 

「だ、大丈夫だよお父さん…」

 

 

亜弥は何処と無く緊張し、身体が硬直している。洋介は深呼吸をして、そしてドアをノックする。

 

 

「入りなさい」

 

 

ドアの向こうでミーナの声が聞こえた。

 

 

「失礼します」

 

 

洋介はドアを開け中に入りそして敬礼する

 

 

「桜井洋介大尉、本日付けで501基地に到着しました」

 

 

「ご苦労様です。そして、以前の502部隊の任務もご苦労様です。それで、書類にあった、ネウロイの計画でやって来たと言うのは…?」

 

 

「はい、この娘です」 

 

 

「はわわ…」

 

 

亜弥は洋介の背中に隠れている。

 

 

「ミーナ隊長…すいません…」

 

 

「いいのよ…だんだん、時間をかけて、ここの雰囲気に慣れていけば良いわ。よろしくね」

 

 

「…よ…よろしくお願いします」

 

 

 

ミーナの母性あふれる笑顔。それを見て、亜弥は少し落ち着かせ、洋介の前に出て、緊張していて強張っていた顔が少し緩んだ。

 

 

そして

 

 

「…私は桜井亜弥…です…ミーナ隊長」

 

 

「…良い名前ね亜弥さん」

 

 

「あ…ありがとうございます…」

 

 

亜弥は少し嬉しそうな顔をする。

 

 

「亜弥さんの紹介は、夕食前にやってもらいます」

 

 

「はい!」

 

 

挨拶を終えた二人は、執務室から退室。

すると、カーテンに隠れたトゥルーデが出てきた。

 

 

「ミーナ、あいつがネウロイの計画に利用されたスパイだとは考えないのか?」

 

 

「本物のスパイなら、人を洗脳してスパイ代わりにするわ。それにスパイにしても彼女はまだ小さいしね…」

 

 

「確かにそうだが…」

 

 

「やっぱり信用できない?」

 

 

トゥルーデとて本当はその娘を信じたい。だが、ネウロイにカールスラントを破壊されたことがあって、すぐに信じることができない。

 

 

「大丈夫よトゥルーデ。あなたの戦友がついているんだから」

 

 

「だといいが…」

 

 

トゥルーデは心配そうにドアの先を見つめるのだった。

 

 

執務室を後にした洋介と亜弥は自分たちの部屋へと向かい歩いていた。

 

 

「それにしてもこの前の基地も広かったけど。今回の基地もまた随分と広いな~!」

 

 

ミーナによると、この基地は昔の遺跡の跡地に構築された。

 

石畳に階段、ドアの出っ張り、つまづきそうな床がいっぱいあった。

 

 

「…おっと…亜弥、段差とかあるから転ばないようにな」

 

 

「うん…お父さん」

 

 

洋介はつまづき、亜弥の手を握りながら歩いた。

 

 

「お父さん、お部屋はどこだろう?」

 

 

「確か…宿舎の一番端だな。急ごうか」

 

 

「うん」

 

 

洋介と亜弥は手を繋ぎながら部屋へと向かい、たどり着いた。

 

 

「ここかぁ~!」

 

 

「お父さん、いい部屋だね!」

 

 

部屋の中は大理石の床と石壁と窓が張っていたシンプルな部屋だった。

 

 

「あぁ、ベッドと棚があればな…トチローさん程じゃないが…なんとかするか~!」

 

 

洋介と亜弥はベッドと棚を作る為に、基地内の廃材を回収した。

 

 

 

夕方 格納庫の一角の仮食堂

 

 

 

まだ基地の設営が終わっておらず、格納庫の一角を食堂代わりにしている。

 

美緒が話を始める。

 

 

「皆揃ってるな。今日は食事の前にちょっと話しがある」

 

 

「話?」

 

 

「入って来い!」

 

 

「呼ばれた、行くぞ亜弥」

 

 

「うん…」

 

 

亜弥が存じているウィッチはサーニャ・リトヴァクとエイラ・イルマタル・ユーティライネン、芳佳に会って落ち着いたと思った。

 

だが、緊張しながら震えていた。

 

 

「…大丈夫、怖かったら俺の背中に隠れてれば良いから」

 

 

「うん…」

 

 

亜弥が洋介の背中に隠れる 。そして、洋介はみんなの前に出た。

 

 

「皆さん、お久しぶりです」

 

 

「洋介、久しぶりっ!」

 

 

「おおー!洋介!久しぶりだなっ!」

 

 

「おひさー♪」

 

 

「お久しぶりですわね中尉…いや、昇進して…大尉に」 

 

 

洋介の前でエーリカ・ハルトマン中尉、シャーロット・E・イェーガー大尉、フランチェスカ・ルッキーニ少尉、ペリーヌ・クロステスマン中尉が嬉しそうに呟いた。

 

 

「洋介さん、お久しぶりです。ところで、後ろのその子は…」

 

 

リネット・ビショップ曹長は洋介の後ろにいる亜弥に気付いたのか、洋介に聞く。

 

 

「ああ、そう言えば芳佳とサーニャ、エイラ以外はみんな初めてだったけな。ほら亜弥、みんなに挨拶!」

 

 

洋介は亜弥の背中を押した。 

 

 

「うん、お父さん……始めまして。あ…桜井亜弥です」

 

 

洋介の背中から出てみんなの前に出ると、礼儀良く頭を下げる。

 

 

「亜弥さん、始めまして。あの、幼いけど、もしかして新人のウィッチさんですか?」

 

 

「あ、あの……」

 

 

亜弥は緊張し、辺りをちらちらと見て。そして目線を芳佳とエイラ、サーニャのほうに向けると芳佳は『大丈夫』っていうような顔で無言で頷いた。 

 

 

「あ、あの…わたしはネウロイの計画で転移させられたウィッチです!」

 

 

「はい?」

 

 

「へ?」

 

 

「うにゃ?」

 

 

亜弥の言葉にその場にいたウィッチたちが固まる。

 

 

「ちょっと、桜井大尉!その娘は…」

 

 

そして、沈黙を破ったのはペリーヌだった。

 

 

「ペリーヌ、亜弥は例のネウロイ秘密計画に転移した…大事な娘だ!」

 

 

「娘…?もしかして……」 

 

 

「俺の…実の娘の桜井亜弥だ」

 

 

「「「「 っ!? 」」」」

 

 

洋介の言葉で芳佳、美緒、トゥルーデ、ミーナ、エイラ、サーニャ以外、501のウィッチ達は絶句する。

 

 

「そう言えばさっき桜井のことをお父さんって…桜井、どういうことか説明しろ!」

 

 

トゥルーデは洋介の軍服の襟首を掴んで顔を引き寄せる。

 

 

「あはは…、これには深い理由がある…」

 

 

「桜井さん?どういうこと?」 

 

 

ミーナも黒いオーラを出しながら訊く 

 

 

「え?あ、そのこれはですね……前に話したじゃないですか~!」

 

 

確かにブリタニア時代、洋介が既婚者だったのは芳佳と美緒、トゥルーデとミーナ。

 

ペテルブルグではサーニャとエイラ以外、口にしていなかった。

 

 

「みんな、この娘…桜井亜弥は502で桜井に保護された娘だ」

 

 

「坂本さん、助言ありがとうございます」

 

 

「その娘もウィッチ...?私たちと共に大丈夫なの?」

 

 

「その件なら大丈夫よフラウ。さっき、502のラル少佐やロスマン曹長。そしてクルピンスキー中尉からこの子は短時間の育成で、中型を撃墜したとの報告が来ていたからそのことなら問題ないわよ」

 

 

「先生と伯爵から!?」

 

 

ミーナはやや頬を膨れながら、恩師である二人の名を聞いてエーリカは驚く。

 

 

「亜弥が洋介の世界から来たってことは、いつの時代から~?」

 

 

「どんな場所から来たの…?」

 

 

エーリカとシャーリー、ルッキーニが食事しながら色々と亜弥に質問した。

 

 

そして、談話室に移動しても質問の最中、亜弥の使い魔のエゾオオカミ、発動した時に髪が白髪に変色。固有魔法は影分身、目の当たりにしたみんなは驚愕した。

 

そして、ネウロイによる副作用で人の記憶を覗く力を利用し、映画みたいに映せる能力にみんな興味を持つ。

そこでまず誰の記憶にするか話し合っていると

 

 

「おもしれ~能力だな~♪」

 

 

「はいはいはい!私、洋介の奥さんと、亜弥ちちゃんと再会した時のが見たいっ!」

 

 

エーリカが手をぶんぶん振ってそうリクエストする。

 

 

「なにっ!?」

 

 

「ねぇ、洋介。いいでしょう~!」

 

 

「ちょっと、興味があるんだよねぇ~♪」

 

 

シャーリーはニヤけながら洋介に付き添った。

 

 

「まぁ、…ある程度は…///」

 

 

洋介は頬を掻きながら赤面した。

 

 

「それじゃあ、亜弥ちゃんその時のこと見せてくれる?」

 

 

「うん…」

 

 

洋介は亜弥の肩に手を置き、亜弥は片手を翳し、談話室の内部が変化した。

 

 

「こ、これは…?」

 

 

「この世界が、異世界の扶桑…日本か!」

 

 

「あっ、あれが洋介さんだね!」

 

 

映し出されたのは、洋介が少尉に任官したばかりの時代。

1944年9月、場所は広島。

 

東洋一の軍港の呉、その繁華街に並ぶ旅館で洋介が上官の厚木十三大尉との喧嘩。だが、喧嘩を制止した人物が柚子と雪。

従軍看護婦で美しい女性、妻となる雪と、厚木十三と柚子と同時の婚礼式。

 

翌年の7月。娘の亜弥が生まれ、休暇を取って家族水入らずでの散歩。だが、ガラの悪い警官と喧嘩してある家族を助けた。

翌日の空襲で、洋介は雪と幼き亜弥。妻子に短剣を渡して戦場に。これが、家族と過ごした最後の日だった。

 

その空襲で雪は意識不明になり、目が覚めたのは8月18日。

洋介が北方の戦場で命を落とした日だった。

 

 

それから9年後、1954年12月北海道。

 

 

妻の雪が洋介の帰りを待つ間に亡くなった。

 

ショックの余り亜弥は家を飛び出し、エゾオオカミのひびきと吹雪に遭遇、そして、辺り一面の暗黒に飛び入り、どうやって脱出したのか覚えていなかった。

 

猛吹雪が舞う雪原にて亜弥は倒れた。

 

亜弥が目を覚ましたのは鋼鉄の中、内部に下原定子少尉とジョーゼット・ルマール少尉、雁渕ひかり。

502時代、父親の桜井洋介が気付いた時、再会に泣いた。

 

502基地で健康検査のレントゲン写真でネウロイのコアが確認された。

 

それを知った亜弥は基地から逃亡。翌日、彼女はペテルブルグ近郊の雪原に引きこもっている時、エディータ・ロスマン曹長たち5人のウィッチに発見された。

 

その時、ペテルブルグを襲うネウロイと戦いの最中で定子とジョゼに基地へ避難する時、ネウロイのビームで二人は落下、ネウロイが定子に狙いを定めた時、亜弥は定子を庇おうとした瞬時に、エゾオオカミのひびきが彼女に接触。

シールドを張り、髪が白く変化して、ウィッチに覚醒した。

 

それを目の当たりにしたウィッチ達は青ざめた。

 

 

「…亜弥は…恐ろしい戦乱で暮らし、そして皮肉にも桜井の後に付いて往くように、この世界へ……」

 

 

「洋介さん………奥さんと離れて…悲しくなかったのですか…?」

 

 

リーネが洋介に問いかけた。

 

 

「…当たり前だ…雪の死を知った時はどれだけ胸が痛む程…僕は…悲しかった…一時は自決を考えた程だ…!」

 

 

「あっ…ごめんなさい…」

 

 

リーネは洋介に謝罪した。

 

 

「こちらこそ…ごめん…」

 

 

「桜井さん……理由はどうあれ、亜弥さんは私たちの家族です。この娘と共に戦い、生きるのよ。」

 

 

「中佐……」

 

 

「そうですよ!私たちが、亜弥ちゃんの家族になります」

 

 

「あたしも」

 

 

「あたしも~♪」

 

 

「わたくしもですわ。孤児の面倒は見慣れてますわ」

 

 

「わたしも」

 

 

「はっはっはっ私もだ!異世界からきたウィッチを育てたいな!」

 

 

「ありがとう…皆さんありがとう…」

 

 

洋介はお辞儀して、目元から一筋の涙が流れた。

 

 

「皆さん、わたしはまだ未熟ですがよろしくお願いします!!」

 

 

亜弥は、501ウィッチ部隊の前でお辞儀をした。

 

 

「ねぇ、洋介さん。仮に亜弥ちゃんの母親代わりは誰なんですか…?」

 

 

「えっ!?///それは……」

 

 

「桜井!!」

 

 

「っ!?」

 

 

口を閉じていたトゥルーデは洋介の前に出て述べた。

 

 

「いくら年端が往かない娘で、お前は戦場で絶対に命を粗末にするな!」

 

 

「百も承知だトゥルーデ、…ぬちどぅ宝、俺の戦陣訓だ!」

 

 

「桜井亜弥!」

 

 

「はい…えっと、バルクホルンさん…」

 

 

「死にたくなければ、扶桑に帰れ…」

 

 

「ひっ……」

 

 

トゥルーデは談話室から出て行った。亜弥はやや涙声で洋介に聞いた。

 

 

「お父さん……バルクホルンさんはなんであんなことを…?」

 

 

「あの娘も、亜弥と年齢が変わらない妹がいるんだ」

 

 

洋介はトゥルーデの気持ちを充分に分かっていた。

彼女の妹、クリスの意識を取り戻し、命ある限り、母国を取り戻すまで戦うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

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