ストライクウィッチーズ ~蒼空を舞う零の荒鷹~   作:鷹と狼

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第51話 空より高し 後編

タワー型ネウロイ、通称バビロンの塔に備えるために訓練が始まった。

 

だが

 

 

「よっ!」

 

 

 

しかし、エイラはエイラで再び固有魔法で弾丸の位置を未来視してしまい、すべて避けてしまう。そのため、弾丸は全部ペリーヌの元へ飛んでいく。

 

地上で見ている者たちも、その光景を見ていた。

 

 

 

「うわ~…あんなの私にも出来ないよ…」

 

「その才能が仇になるとはな…」

 

「…」

 

 

 

エーリカはとんでもない光景に驚き、トゥルーデはエイラの才能の弱点である点を見ながら呟く。

 

一方洋介は、その光景をじっと見ながら黙っていた。

 

 

 

「エイラさん!何度言ったらわかるんですの~!!」

 

「ご、ごめんなさ~い!」

 

 

 

上空ではペリーヌがエイラに大声で怒鳴り、特に悪いことなどしていないリーネが何故か謝ると言う不思議な光景が繰り広げられるのだった。

 

 

 

「全く…あの午前の特訓は何だったのやら…」

 

 

その午前中、洋介はエイラのシールドを張る特訓に付き合った。

 

 

格納庫

 

 

「…ぐくく……」

 

 

「そうだ…やれば出来るじゃないか…!」

 

 

エイラは他のウィッチ達に内緒で、ストライカーユニットを履く前に、片手でシールドを張っていた。

 

 

「バカにするなよ…ワタシは…サーニャを守るタメに…」

 

 

「よしっ…そのままシールドを翳し…受け止めろ!!」

 

 

「わっ!?…たぁっ…とぉっ!」

 

 

洋介は丸めた書類の紙くずを投げ、エイラは防いだ。

 

 

「よし、この調子でやればサーニャと亜弥を守れるな」

 

 

「洋介大尉…ありがとう…絶対にサーニャと亜弥を守ってみせル!」

 

 

エイラは洋介に対して感謝の言葉を述べた。

 

だが、午後のペリーヌとリーネとの訓練でシールドを貼れず、回避行動のみだった。

 

 

そして、洋介はユニットを履いてあるところに外出した。

 

 

結局シールドを張れなかったエイラは、自分とサーニャの共用の部屋に戻る。

 

 

「あれ?」

 

 

エイラは部屋に入ったとき、ソファーに掛かっていた物に目が行く。そして、それを手に取ってみた。

 

 

「これは…」

 

 

「エイラのコートでしょ?」

 

 

エイラの言葉にサーニャが答える。サーニャは、部屋のクローゼットの中で何かを探している様子であり、顔だけを出しながらエイラに言った。

 

 

「成層圏は寒いから」

 

 

「そっか!そういやこれも久しぶりだな!」

 

 

エイラはそう言って自分のコートを見る。エイラ自身も寒さに慣れている点からコートを着る機会があまりなかったため新鮮な気分だった。

 

 

「で、どうだったの?」

 

 

「え?」

 

 

突然サーニャに聞かれてエイラは何のことか分からず聞き返す。しかし、次に返ってきた言葉はエイラを動揺させた。

 

 

「洋介さんとペリーヌさんの特訓」

 

 

「な、なんだ…知ってたのか」

 

 

エイラはサーニャに秘密で特訓をしていたつもりだったが、サーニャはエイラが午前に洋介、午後にペリーヌと共にシールドを張る特訓をしていることを知っていた。

 

 

 

「上手くできた?」

 

 

 

そして、サーニャはエイラがシールドを張ることができたかを聞く。

 

しかし、サーニャに帰ってきた言葉は簡潔だった。

 

 

「洋介大尉はできたが、ペリーヌとはムリ、駄目だった」

 

 

「そう…」

 

 

その答えは少し予想外だったためか、サーニャはしょんぼりしたように反応した。

 

その様子に気づかず、エイラはサーニャの方を見る。そして、サーニャが手に沢山のマフラーを持っているのに気づいた。

 

 

「あれ?マフラーそんなに持ってくのカ?」

 

 

「うん、これ?」

 

 

エイラに言われてサーニャは視線を手元に向ける。

 

 

 

「エイラと私と芳佳ちゃん、それから亜弥ちゃんのだよ」

 

「亜弥と宮藤?」

 

 

エイラは芳佳と言う単語に驚く。

 

亜弥にはサーニャが貸してあげることを知っていたが、芳佳に貸してあげることは聞いていなかったからだ。

 

 

「芳佳ちゃんと亜弥ちゃん、扶桑からなんも用意をしないで来ちゃったから、貸してあげようと思って」

 

 

サーニャは説明をして、そして少し下を向く。

 

 

「でも、エイラも張れるようになるといいね。シールド」

 

 

「無理だよ…」

 

 

「え?」

 

 

 

しかし、エイラから返ってきた言葉はサーニャの予想外の物だった。

 

 

 

「やっぱり、慣れないことはするもんじゃないな」

 

 

 

エイラは僅かに弱く、そう言った。しかし、サーニャはそんなエイラに聞いた。

 

 

「エイラ、諦めるの?」

 

 

「出来ないことをいくら頑張ったって、仕方ないじゃないか…」

 

 

 

エイラはそう言って、サーニャから目を背ける。これでは、エイラはまるで逃げているだけである。

 

そんなエイラに、サーニャは述べた。

 

 

「出来ないからって、諦めちゃダメ!」

 

 

「なっ」

 

 

「諦めちゃうから…出来ないのよ」

 

 

サーニャはエイラに言う。諦めるからこそ、逃げているからこそシールドを張ることができないのではないかと。

 

しかし、エイラはそんなサーニャの言葉に癇癪を起こしてしまった。

 

 

「じゃあ最初からできる宮藤と亜弥に守ってもらえばいいだろ!」

 

 

エイラはこの時、カッとなってしまった。そして、サーニャに強く当たる。

 

自分の力では無く、最初からシールドを張ることができる芳佳と護衛の亜弥に頼めばいいだろと。

 

 

「エイラのバカ!」

 

 

「サーニャの分からずや!」

 

 

 

サーニャの大声に、エイラも言い返した。その時、エイラは未来予知であることに気づく。

 

目の前に、何かが飛んできてエイラに直撃する。それは、サーニャが愛用していたクッションだった。そしてエイラは、自分に当たったクッションなど気にせず、サーニャを見た。

 

サーニャは、懸命にエイラの方を見ていた。今にも泣きそうな表情をしているサーニャに、エイラは何も言えなかった。

 

そして、サーニャは走り出すと、黙って部屋を出て行ってしまった。

 

 

 

「あ…」

 

 

 

残されたエイラは、どうすることもできずに部屋の中で立ったままになるのだった。

 

その時、サーニャの出ていったドアから新たな声がする。

 

 

 

「何があった、エイラ?」

 

「よ、洋介大尉…アンタには関係無い事ダ…」

 

 

 

基地に帰還し、突然現れた洋介にエイラは驚く。しかし、エイラは洋介には関係の無いことだと言って説明しない。

 

 

「…サーニャ、泣いてたぞ」

 

 

「っ!」

 

 

その一言で、エイラは動揺する。自分がサーニャを泣かせてしまったと言う事実に。

 

 

 

「君がシールドを張れないのは仕方ない…だが、お前が頑張って守ろうと思うサーニャに、癇癪をぶつけてどうする?」

 

 

「だ、だけど…」

 

 

 

洋介の言葉にエイラは尻すぼみになる。その様子を見て、洋介は溜息を一つ吐くとエイラに背を向け、そして話し始めた。

 

 

 

「…正直な話、出来る事なら俺が亜弥とサーニャを守りたいとだって思ってる。だが、俺は第一段階のグループに配置する指示が下り、それが出来ない。正直に言うと、まだチャンスのあるエイラが羨ましいと思う」

 

 

「…」

 

 

「俺は、自分の為すべきことをして亜弥とサーニャを守ろうと思う。エイラ…お前はサーニャの力になりたくないのか?」

 

 

「違う!」

 

 

洋介の言葉に、エイラは思い切り否定した。その言葉に、洋介は顔を見せないが微かに微笑む。

 

 

「なら簡単だ、サーニャを守れ。悔いのない内にな」

 

 

 

そう呟きながら、洋介は部屋から出て行った。

 

 

 

その夜、サーニャはただ一人水浴びをしていた。

 

月の光がただ無言で彼女を照らし、水の流れる音が彼女の耳にささやいていた。

 

すると

 

 

 

「…サーニャお姉ちゃん…」

 

 

 

「亜弥ちゃん?」

 

 

 

サーニャが振り向くとそこには亜弥がいた。

 

 

「どうしたの?こんな夜中に?」

 

 

「…お姉ちゃんが心配だから…」

 

 

「そう…」

 

 

「サーニャお姉ちゃん…何かあったの?」

 

 

「え?」

 

 

「…なんか、元気ないね…」

 

 

 

そう言い亜弥は足を水につける。

 

 

「サーニャアアアアン!!」

 

 

「「っ!?」」

 

 

 

と、何者かがくるくると回転し水に思いっきり水に飛び込み水しぶきをあげる

 

 

 

「は、ハルトマンさん?」

 

 

「エーリカ・ハルトマン選手、飛び込み80点!」

 

 

「いったぁ〜...ねぇ亜弥。なんで80点…?」

 

 

 

「着地が失敗したから…」

 

 

 

水に飛び込んできたのはエーリカだった。

 

そしてその後、サーニャは二人に自分の悩みを話した。

 

 

「にゃはは、そんなことがあったんだ」

 

 

「笑い事じゃありません…」

 

 

「ねえ、サーニャお姉ちゃんは、エイラさんと、飛びたいの?」

 

 

「私は…」

 

 

「もしかしたら、エイラさんにどうして欲しいのかっ言ってないんですか?」

 

 

「あ…」

 

 

 

亜弥の言う通りだ。自分はただ励ますだけで彼女に自分がどうして欲しいのか、一言もちゃんと告げていなかったのだった。

 

 

 

「サーニャンは優しいからね…ねぇ亜弥ちゃん」

 

 

「うん」

 

 

「私は…」

 

 

「で、サーニャンはどうしたいの?」

 

 

「私…」

 

 

「任務じゃ仕方ないか…」

 

 

エーリカがそう言うと。サーニャは複雑そうな顔をするのだった

 

 

 

 

「本日未明に、ロマーニャの艦隊と航空部隊が接触したそうよ」

 

 

 

翌日、基地の部隊長室でミーナが美緒に届いた伝令について話していた。

 

今回のネウロイ撃退には、ウィッチーズだけでなく、ロマーニャ軍も作戦に加わっていた。

 

尤も、ウィッチ達が作戦を組み直している間、ロマーニャ軍がネウロイを引き受ける形であったが。ロマーニャ軍も、ウィッチーズだけに戦果を取られるのを焦っていたのだ。

 

 

 

「結果は?」

 

 

 

美緒がミーナに聞くが、ミーナは首を横に振って説明した。

 

 

 

「返り討ちに遭って、重巡洋艦ザラとポーラが航行不能、それから航空兵力も損失したわ」

 

 

 

ロマーニャ軍はネウロイに対して、戦闘機による機銃攻撃、巡洋艦艦隊による艦砲射撃、爆撃機による反跳爆撃によって、例の超巨大ネウロイに攻撃を加えた。

 

しかし、ロマーニャ軍の攻撃はネウロイの進行を低下させることができず、逆にネウロイの攻撃によって戦力を喪失する羽目になってしまった。

 

 

 

「…我々の出番だな」

 

 

 

坂本美緒はそう言って、座っていたソファーから立ち上がるのだった。

 

 

 

 

格納庫

 

 

 

「ふふ~ん、似合ってるじゃないか、ルッキーニ」

 

 

 

シャーリーは赤いコートと黄色のマフラーを着たルッキーニを見て嬉しそうに言う。

 

だが、ルッキーニはというと

 

 

「暑いよ~…」

 

 

分厚いコートを着ていたためか暑がっていた。

 

 

 

「我慢だルッキーニ、成層圏は無茶苦茶寒いんだぞ?」

 

 

 

「うっ、寒いのやだ~」

 

 

 

「ははは、じゃあこれも付けてっと」

 

 

 

シャーリーはルッキーニに耳当てを追加する。

 

一方、芳佳は 

 

 

「バルクホルンさんのコート、ちょっと大きい」

 

 

「無いよりはマシでしょ?」

 

 

少しぶかぶかのコートを気ながらそう言うまあ、トゥルーデとは身長差が10センチ近くあれば、そうだろうな。

 

すると芳佳は亜弥の方を見る。

 

 

「あれ?そう言えば亜弥ちゃん、その服って…?」

 

 

「うん、これ?極寒の世界に行くんだから、お父さんから借りたの」

 

 

「ぶかぶかだね~」

 

 

亜弥が着ていたのは、この世界で洋介が杉田艦長から頂いた外套だ。

 

 

 

すると、トゥルーデが机を見る

 

 

 

「ん?何だコレは?」

 

 

 

机の上に、お茶の入ったカップとポットが置かれている。匂いがいつもと違う

 

 

「ジンジャーティーを作ってみました。体が温まりますよ。お砂糖たっぷり入れたから飲みやすいと思いますよ」

 

 

 

「ふむ、いただこう」

 

 

そういって、みんな紅茶を口に運ぶが、 みんな少し渋い顔をする

 

 

「まじ~…」

 

 

「いや、それでもなかなか…ウグッ」

 

 

「お代わり~♪」

 

 

 

「あ、後から来る…」

 

 

 

「だが、薬だと思えば、どうということは無い」

 

 

 

「…お茶は飲みやすいのが一番ですよ」

 

 

 

と、みんな反応はそれぞれだったが、ミーナには好評だった。

 

 

 

「(なんでお前がサーニャのマフラーしてんダヨ…)」

 

 

その中でエイラはジンジャーティーを飲みながら芳佳の方をじっと見ていた。

 

結局二人ともあのことがあってから、仲直りの話を切り出すこともできずそして時間となりウィッチたち全員が滑走路に集まる。

 

そして滑走路に巨大な魔方陣が浮かび上がり、ウィッチ12人ウィザードが1人、計13人が、三段ピラミッドの形になっている。

 

後は空へと上がるだけだ。今回の作戦の内容は数分前ブリーフィングルームで坂本美緒に説明されたその内容は

 

 

 

「作戦はまず、5人からなる第一打上げ班による通常動力によって高度1万まで上昇する。限界高度1万までの到達後、第一打上げ班は直ちに離脱。そして第二打上げ班は速やかにロケットブースターを点火。宮藤、亜弥、サーニャの突撃班を高度2万メートルまで打ち上げる。そして亜弥、宮藤、サーニャ3名はブースターに点火。ネウロイのコアがある。33333mまで上がりさらに上昇。そして弾道飛行に移行する。コア破壊へ向かう」

 

 

 

作戦内容だった。

 

高度三万の世界は-70℃の極寒の世界。宇宙の入り口でもあるがそれと同時に魔法がなければ一瞬にして死に至る死の空間だ。行けて無事に帰れる保証はない。

 

「出撃します!」

 

 

「了解!!」

 

 

作戦開始のカウントダウンが始まった。

 

そしてカウントゼロと同時に13人が高度3万まで上昇をし始めた。それはまるでロケットのようだった。そして段々出力を上げていく第一打ち上げ班。高度は順調に上がり、間もなく1万にさしかかろうとしていた。サーニャは魔導針を展開し、ネウロイのコアの位置を探ろうとする。

 

フリーガーハマーで一撃で倒すには敵の正確な位置を把握しなければいけないからだ。そして第二班がロケットブースタでさらに上昇し高度2万を目指す。

 

 

「亜弥、芳佳、サーニャ!健闘を祈る!!」

 

 

その班で洋介は亜弥たちと別れ、落下した。

 

 

「時間ですわ!!」

 

 

高度2万に差し掛かった時ペリーヌの合図で芳佳と亜弥、サーニャのロケットブースターが点火されて未知の空間である高度3万へと向かう。

 

その中、エイラはじっとサーニャを見ていた。第二打ち上げ班であるエイラが、彼女についていけるのはここまで、エイラはだんだん遠ざかっていく親友をひたすら見ていた。その時だ。サーニャがエイラの方を振り向き、目が合う。そしてエイラは以前、洋介に言われたことを思い出した。

 

 

『手が届くうちに手を伸ばせ』

 

 

「はっ!?」

 

 

エイラはその瞬間目を見開き、そして

 

 

 

「…嫌だ!」

 

 

 

その声を聞いてみんなが驚きそして

 

 

 

「私が…私が……サーニャを守るっ!!」

 

 

 

そう言いエイラは弱まりかけたブースターに再び点火し、サーニャの所へと追いつこうと急上昇する

 

 

 

「何してるのエイラ!!」

 

 

 

「サーニャ言ったじゃないか!諦めるからできないんだって!私は諦めたくないんだ!私がサーニャを守るんだぁー!!!」

 

 

そう言い彼女は魔法力を絞って上昇しようとするが、離されていく。

 

 

 

「く…ここまでか………宮藤!」

 

 

 

「はい!エイラさん、行きましょう!」

 

 

 

 

芳佳はエイラの手を取り、サーニャのところまで運んだ。

 

 

そして、芳佳は亜弥と交代してエイラの手を繋ぎ、ブースターを加速させ、遂にサーニャの手を握り、エイラはサーニャのところにたどり着いたのだった。

 

 

 

「芳佳ちゃん、亜弥ちゃん!」

 

 

「無茶よ!魔法力が持ちませんわ!帰れなくなりますわよ!!」

 

 

 

リーネが驚きペリーヌも嘆いた。

 

 

 

「…私が、エイラを連れて帰ります」

 

 

 

「え?」

 

 

 

「必ず連れて帰ります!」

 

 

 

と、サーニャが無線でそう答える。

 

 

 

「む、無茶苦茶ですわ…」

 

 

 

「行っけー!サーニャ!エイラ!」

 

 

 

そして二人は互いをしっかり支え合い高度三万を目指すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

そして、エイラをサーニャの元に送り届けた芳佳は、二人の行く末を見守りゆっくりと降下していくのだったそしてそれを見たエイラは

 

 

「(洋介…亜弥…宮藤…ありがと)」

 

 

心の中で三人にお礼を呟いた。

 

その途中、サーニャの魔導針が反応し、25000に別の中型ネウロイが出現した。

 

 

「くそっ…こんな時に…」

 

 

「エイラさん、サーニャお姉ちゃん!行ってください!ここは亜弥が引き付けます!」

 

 

「亜弥ちゃん!」

 

 

「亜弥、ここまでありがとう!お互い必ず地上で会おう!!」

 

 

亜弥は背負っていたロケット弾を装備した九九式機銃を構え、自ら二人の楯になった。

 

 

そして二人はタワー型ネウロイ、バベルの塔のコアがある高度3万にたどり着いた。

 

そこは何もない未知で不思議な空間、そして二人はバベルの塔を発見し、そして向こう側も二人に気付きその先端部分が割れて展開し、ビームを放つ。

 

しかしそのビームが二人に当たることはなかった。

 

その時、この瞬間。エイラは、実戦ではじめてシールドを晒し使った。小さくも大きくも無いそのシールドは、なにものにも破られない強力なシールド。愛する人を、大切な人を守りたい。エイラのその強い思いがシールドを強固なものにしていたのだ。

 

 

そして、ネウロイはビームを撃ち尽くすとサーニャはその瞬間を見逃さずフリーガーハマーで攻撃。

 

そしてその弾丸はコアに命中し、バベルの塔は爆散する。

 

しかしその瞬間その爆風でサーニャの体は吹き飛ばされそうになる。

 

このままだと宇宙空間へと頬りだされてしまう。しかし寸前のところへエイラが彼女の手を握った

 

 

「(離さない…絶対に離さない!)」

 

 

そう言い聞かせエイラは彼女を引き寄せシールドで爆風から彼女を守った。

 

そして爆風が収まるとそこには撃破したネウロイの破片が散らばり、流れ星の光のごとく光り輝いていた。するとエイラはサーニャに何かを語るが音のない真空空間のため声が聞こえない。そこでエイラはサーニャの肩に手を当て少し抱き寄せお互いの額を当てる

 

 

「聞こえるか?」

 

 

骨伝導によって声の振動ができ、エイラの声が聞こえた。

 

 

「…うん」

 

 

「ゴメンナ…」

 

 

「…ううん、私も。見て、エイラ…オラーシャよ」

 

 

「うん…」

 

 

二人の視線の先には、広大な土地を有するサーニャの祖国、オラーシャを目の当たりにする。

 

 

「ウラルの山に、手が届きそう…」

 

 

そういって、サーニャは片手を前へと伸ばす。ウラル山脈の向こう側、東オラーシャのどこかに、サーニャの両親が居るするとサーニャは

 

 

「このまま、あの山の向こうまで飛んでいこうか…」

 

 

サーニャはそう言うとエイラは驚いた顔をしたが何の迷いもなくこう答える

 

 

「いいよ……サーニャと一緒なら、私はどこへだって行ける」

 

 

エイラの頬を一筋の涙が伝う、それを見たサーニャは首を横に振りそしてエイラを抱きしめた。

 

 

「…嘘……ごめんね…だって今の私たちには帰るところがあるもの」

 

 

「ああ……会わなきゃいけない奴もいる」

 

 

「うん…」

 

 

「あいつが、誰かを守りたいって言う気持ちが、ちょっとだけ、分かった気がするよ」

 

 

と、二人は涙をこらえてはお互いをしっかりと支えあい、サーニャはブースターに再び点火。そしてそのまま地上へと帰るのであった。

 

地上へ帰る途中で、中型ネウロイと戦い、撃墜した亜弥と合流した。

 

 

「亜弥ちゃん!」

 

 

「亜弥、一人でよく頑張ったナ!」

 

 

「うん!」

 

 

「一緒に基地へ帰りましょう!」

 

 

亜弥とサーニャ、エイラの3人はロマーニャに向けて落下した。

 

すると、サーニャの魔導針が反応、その落下地点に中型ネウロイ1体が待ち構えていた。 

 

 

「ネウロイ!?」

 

 

「こんな時に限って…!!」

 

 

3人は既に、バベルの塔にて弾薬と魔法力を使い果たした。

 

もうここまでか、そう思った時に中型ネウロイが爆発した。

 

 

「な…なんダ…?」

 

 

「あれは…!?」

 

 

「バッキーさん、ステラ姐さん!」

 

 

ネウロイを撃墜したのは、504部隊のウィザードのバッキー・S・五十嵐大尉、魔導針を放つナイトウィッチのステラ・A・エヴァンス中尉。

 

 

「あれが、洋介ともう一人のウィザード…バッキー・五十嵐…」

 

 

「何で…私たちのことを…?」

 

 

サーニャの質問に彼女は笑みを浮かべた。

 

 

「501の要請で待機してたのよ~♪」

 

 

「万が一、武装していて正解だったぜ!以後、お見知りおきを~!」

 

 

 

「バッキーもいいけど、私たち赤ズボン隊も忘れないでよ!」

 

 

二人に続き、赤ズボン隊のフェルナンディア・マルヴェッツイ中尉とルチアナ・マッツェイ少尉、マルチナ・クレスピ曹長が亜弥とサーニャ、エイラを空中回収した。

 

 

最後に、ロマーニャ公国空軍の航空映画部長のカルラ・ルースポリにより写真が撮られ、宣伝効果を得られた。

 

 

 

 

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