翌日、ウィッチたちはブリーフィングルームに集まり、会議をしていた。
「連合軍司令部によると明日にはロマーニャ地域の戦力強化のため戦艦大和を旗艦とした扶桑艦隊が到着する予定です」
「いよいよ到着するのか」
ミーナの言葉に美緒が頷く
「え?大和?」
芳佳が驚いて呟き、無論洋介は内心驚いていた。
「芳佳ちゃん、知ってるの?」
「うん、扶桑の港で見たことあるんだ。すっごく大きいんだよ」
「へ〜おっきいってどのくらい?宮藤?」
「え?え…と……」
エーリカがそう訊き、芳佳は考えると
「……戦艦大和……この世界にも大和が…」
洋介は戦艦大和に思いがあった。
日本海軍を象徴する戦艦大和
フィリピン決戦で敗れ、残存する連合艦隊は、東南アジアの拠点から日本に向けて航海した。
その航海で、洋介は初めて大和を目の当たりにした。
だが、アメリカ軍空母艦載機が襲来する中、解散した筈のラバウル六勇士が集まり、連合艦隊艦を襲来する敵機と奮闘し、護衛した。
その後、沖縄にアメリカ軍が傀儡。陸海軍航空機が特攻隊として出撃する中で、大和を含む10隻の艦艇が水上特攻隊として出撃。
洋介は内地に残った六勇士の一員、沖田進次郎と、大和の零観パイロットの沖田新一郎と金城幸吉と共に護衛した。
だが、激戦の最中で世界最大最強を誇る戦艦大和が沈没した。
今でも、大和を護衛しつつも沈んだことを悔やんでいる。
そんな回想と話をしていると電話が鳴る。そしてそれをミーナが受話器を取り耳に当てる
「はい……え!?大和が事故!?」
「なんだって!?」
「事故…」
ミーナの声にみんなが驚く。そしてミーナは受話器を置くと
「救助要請です。先ほど大和の医務室で爆発があって多くの負傷者が出たらしいわ。大至急、医師を派遣してほしいそうよ」
「よし、すぐに二式大艇で……」
美緒が指示した瞬間、芳佳が立ち上がった。
「私に行かせてください!戦闘は無理でも飛ぶことと治療ぐらいはできます!!」
「私も行きます!包帯くらいなら巻けます!!」
「わたしも行かせて下さい!一人でも助ける手が必要です!」
リーネと亜弥も立ち上がって、志願する。
「そのほうが飛行艇よりも早く着くな…」
美緒とミーナも頷いた。
「わかったわ、宮藤さん、リーネさん、亜弥さん。大至急、大和へ向かってください」
「「「了解!!」」」
ミーナの言葉に三人は返事をし、出撃した。
ユニットを履き扶桑艦隊へと向かった芳佳たちは
「うわっ!?」
順調に飛んでいた三人だが、芳佳のユニットがまたぐらっっと揺れ始める
「大丈夫芳佳ちゃん?」
「お姉ちゃん!?」
「う、うん…」
芳佳のユニットから火が出ていて、今にも止まりそうだった。
「(どうしよう…上手く飛ばないだんだんひどくなってきてる)」
不安な顔をする芳佳。
すると扶桑艦隊が見えていた。そしてその艦隊のど真ん中に巨大な軍艦があった。それが扶桑海軍の象徴であり世界最大の戦艦大和であった。
「大和だ!」
「あれが戦艦大和…」
「大きい…」
三人は大和の大きさに驚きつつも大和の格納庫に降下してユニットを置き、医務室へと向かう。
そして三人は医務室へたどり着き扉を開ける。すると衛生兵の一人が気づく。
「あっ!?宮藤さんとリーネさん、桜井さんですか!?」
「はい!」
芳佳たちは衛生兵のところに行く。すると彼の目の前には重傷を負った患者がいた。
「一番の重患者です。ここの設備ではこれ以上手の施しようがないと…」
「酷い怪我…」
「わかりました!」
そう言うと芳佳は患者の体に向けて手をかざし治癒魔法をかける。すると負傷していた患者の流血が止まった。
「出血が止まった!?」
「よし…リーネちゃんは包帯を!」
「はい」
「お姉ちゃん、追加の包帯です!」
リーネと亜弥は懸命に患者に対し包帯を巻いた。
その後、芳佳は数十人の患者に治癒魔法をかけ、それを見た衛生兵は驚いていた。
「芳佳ちゃん大丈夫?もう十人以上治療しているけど?」
「うん、大丈夫…まだまだできるよ」
そう述べながら、患者を手当てする
「はいこれでよしっと!次の人は?」
「いません。これで最後の負傷者です」
「最後…」
「はい。三人のおかげで全員無事に済みました。本当にありがとうございます!」
衛生兵は軍帽を取り頭を下げる。
それを聞いた芳佳たちは安心した顔をするのであった。
一方、大和の艦橋では
「そうか…みな無事に済んだか…」
「あれほどの規模で…奇跡です」
大和の艦長であり前回空母赤城の艦長でもあった杉田と副官が話していた。
「今度のお礼は何にしましょうか?」
「あはは。確か前回は陸軍の扶桑人形だったな、桜井大尉の娘さんの亜弥さんには…」
そんな話をしていた瞬間。艦内で非常ベルが鳴る。
「なんだ!?」
「電探室より報告!方位340!距離6万に大型ネウロイの反応あり!」
「馬鹿な!?ここは安全圏なはずだぞ!?」
「艦長!」
「うむ。全艦戦闘準備急げ!!」
艦長の指示で各艦対空戦闘準備に掛かるのであった。
無論その警報は芳佳たちのいる医務室にも伝わった。
「ネウロイ!?」
「なんでこの海に…」
「行こう! リーネちゃん、亜弥ちゃん!」
三人はストライカーのある格納庫へと向かう。
501基地
ネウロイをレーダーで捉えていた。
「ネウロイ出現!」
「場所は?」
「グリットⅮ15、進路方向165」
美緒の問いにレーダを見ていたエーリカがそう言う。それを聞いたミーナが
「待ってその海域って」
「っ!?…大和!?」
「そんな!?ネウロイのある海域から500キロ離れているわ」
「ああ、今までそんな遠くに現れた例はない」
「でもレーダーに映っているよ?」
エーリカが言うとそばにいた洋介は魔法力を発動、波導を感じた。
「…ん…な…これは…?」
「どうした桜井!?」
「マルタ島から飛んだ長距離型…しかし…忌まわしい形のネウロイだ…!…沖田さん…幸吉…ぐるぅ…落としてやる…」
苦虫を噛み潰したように呟いた。
扶桑艦隊を襲うのは、長崎に落とされた原子爆弾型のネウロイ。
波導を感じた洋介は、六勇士の零式水上観測機パイロット、沖田新一郎と金城幸吉の仇を討つ決意を胸に秘めた。
一方、大和では小型空母「千歳」「千代田」から零戦が飛び立ち大和へ向かうネウロイに攻撃するのであったが、大型ネウロイのビーム攻撃で瞬く間に撃墜されていく
「全艦、対空戦闘準備。主砲発射用意!」
「主砲発射用意!!」
杉田艦長の命令で大和の主砲が回りだす
「目標!右70度300!」
大和は主砲を旋回しつつ、砲身を大型ネウロイに向ける。
「ネウロイめ…大和の46センチ砲の威力を見せてやる」
「発射準備良し!!」
「主砲撃ち方始めー!!」
杉田艦長の号令で大和の46センチ砲が火を噴いた。
そして大和の九一式徹甲弾は大型ネウロイに命中し爆発した。それを双眼鏡で見た杉田艦長は
「見たか、これが大和の力だ…」
そう言った瞬間。ネウロイの反撃により強力なビームを放ち大和のすぐ近くに着弾し大和は大きく揺れた。
そして大和も反撃に打ち返し、大型ネウロイに命中。
だが、ネウロイは傷ついてもすぐに再生し巨応力なビームを放ち巡洋艦に命中する。
「高雄、被弾!!」
「くそ!再生が速すぎる!!」
杉田艦長は焦ってそう嘆いた。
一方、芳佳たちは格納庫へと着きユニットを履いてエンジンを始動させる。しかし
「あれ?」
芳佳のユニットが動かない、彼女が思いっきり魔法を込めても、うんともすんとも動かなかった
「なんで…なんで動かないの?」
「芳佳ちゃん?」
「ちょっと待ってね!?」
彼女はさらに魔法力を注ぐがユニットは動かないままだった。
「(お願い…動いて)」
芳佳はそう願う時、大きな揺れと爆音がした。
『重巡洋艦高雄。大破!』
艦内アナウンスが流れ、報告を聞いたリーネと亜弥は
「芳佳ちゃん…私先に行くね」
「芳佳お姉ちゃん、行きます!」
二人は先に発艦するのだった。
「リーネちゃん、亜弥ちゃん!?待って!待ってて!!リーネちゃぁーん!亜弥ちゃーん!」
芳佳が嘆く時、リーネと亜弥は振り替えもせず発艦するのであった。
一方、外ではネウロイの攻撃を受けた高雄が黒煙を噴いていた。
「いかん!高雄の行き足が止まる!!」
「このままじゃ的にされます!!」
杉田艦長と副長が嘆く時、ネウロイのビームが高雄に向かって行った。
すると間一髪のところでリーネがシールドで高雄を守った。するとリーネは無線で応答した。
『みなさん!聞こえますか!?私が攻撃を防いでいる間に避難してください!!そんなに時間はかかりません!早くお願いします!!』
『必ず、お守りします!!』
リーネと亜弥の言葉を聞いた芳佳は
「リーネちゃん……亜弥ちゃん…何を言ってるの?」
驚いた顔をしていた。
すると大和は旋回し始め、海域を離脱しようとした。
それを感じた芳佳は格納庫に戻り、ユニットを再度履いた。
「お願い動いて!お願い…私を飛ばして!!」
芳佳がそう叫ぶ中、殿に出たリーネと亜弥は大型ネウロイの攻撃をシールドで防ぎつつ対戦車ライフルで攻撃するが弾かれた
「嘘…効かない!?」
「リーネお姉ちゃん…わたしが突っ込みます、援護をお願いします!!」
「亜弥ちゃん!?」
「はっ…ネウロイ…!?」
亜弥の行動でリーネが驚く中、原爆型ネウロイが飛来した方向から別のネウロイが飛来した。
「人型……この…」
スパアァァン
亜弥は人型ネウロイに向けて機銃を向けた時、瞬時に機銃を真っ二つに斬られた。
「銃が……」
人型ネウロイが直ぐに反転、右腕の刃で亜弥を斬ろうと飛来。
「ぐっ…!」
亜弥は常に腰に装備する短剣を鞘から抜き、止めた。
「このネウロイ…今までのネウロイとちがう…ヤツをくい止めなければ、リーネお姉ちゃんが!」
亜弥は人型ネウロイを落とすことを考えておらず、リーネを守ることを第一に、短剣を構えた。
戦艦大和の格納庫にて、芳佳は座り込み泣いていた。
こんな時に友達を、仲間を救うことができないことに泣いていた。
「どうして…どうして飛ばせてくれないの?」
すると芳佳の頭に幼い頃、父親と約束したある言葉が浮かんできた。
『芳佳、お前には母さんやおばあちゃんに負けない大きな力がある。その力でみんなを守るような立派な人になりなさい』
「…ごめんなさいお父さん…私は約束を守れない…もう飛べないの!もう誰も守れないの…リーネちゃん…亜弥ちゃん…」
涙を流しながらそう述べる芳佳、ポケットの中に容れていた桜の御守りを握りしめる。
すると
「なんで…泣いてるの?」
「え?」
格納庫の通路から声が聞こえ、芳佳が振り返るとそこには海軍の従軍看護服を着た、美しい黒髪の女性が立っていた。
「あ…あの…看護婦さんは?」
「私のことはいいわ、それよりもあなた…芳佳ちゃんはなんで泣いているの?」
芳佳と初対面の筈が、優しい声で芳佳に訊く。
「わたし…わたし…」
「…諦めるの?」
「え?」
「芳佳ちゃんは…ここでただ泣いて、諦めるの?」
「だって…わたし…飛べなくなっちゃたから…」
「…芳佳ちゃんはなんで…そこまでして空を飛ぼうとしたいの?」
その看護婦がそう訊くと、芳佳はその人の目を見た。
「誰かを守るためです」
「守る?」
「うん…わたし…小さい頃お父さんと約束したんです。『傷ついた人、病気な人、沢山な人のために私の力を役立てる』ってそう約束したんです!!」
芳佳が述べると、看護婦は微笑んだ。
「ふふふ…そう…それなら行きなさい。芳佳ちゃんを待つ仲間たちと娘がいるあの空に…」
「え…娘…?でも、私飛べなくなってしまったんですよ?」
芳佳がそう述べた瞬間だった
『芳佳、大丈夫だお前は飛べなくなったわけじゃない』
「え?」
急に父の声が聞こえ宮藤がその声のするシャッターの方を向く。
すると、また父の声が響いた
『これがお前の新しい翼だ』
すると芳佳の目の前にあるシャッターが開き、そこには深緑のストライカーがあった。
「これは…ストライカーユニット?」
芳佳が驚いていると、看護婦が背中を優しく押し出した。
「さあ、早くいきなさい」
「はい、ありがとうございます!」
看護婦の言葉に芳佳は頷き、ユニットに近づく
「あ、あの…あれ?」
芳佳は先ほど看護婦がいた所を見るが、そこには誰もいなかった。
「あの人…どこかで…」
まるで初めから誰もいなかったかのように消えた。
「…今行くよ…リーネちゃん、亜弥ちゃん!」
芳佳は、そのユニットを履くのであった。
一方、リーネと亜弥が殿戦をしている間、501のウィッチたちは全速力で大和のいる海域へと向かって行った。
すると無線からミーナの声が聞こえた。
『艦隊は進路を変更した模様、ネウロイから遠ざかっているわ』
「回避できたのか?いったいどうやって!?」
美緒がそう訊くと、無線から気まずそうにミーナが連絡する。
『それが…リーネさんと亜弥さんが囮になって、亜弥さんは新たに飛来した人型ネウロイと交戦中よっ!』
「えっ!?」
ミーナの言葉にペリーヌが驚きの声をあげる
「まずい!急ぐぞ!!」
「了解っ!!亜弥…、無茶な真似を…」
「宮藤、亜弥!!」
美緒たちはさらに加速し全速力で、芳佳たちのいる海域へと急ぐのであった。
扶桑艦隊、大和
「ネウロイとの距離約3海里。射程圏外へ出ます」
「そうか…」
見張り員の言葉に杉田艦長はそう呟く。だがその顔は悲しい顔をしていた。
「大和を守るためとはいえ、ウィッチを二人残して戦線を離脱…扶桑皇国軍人として…心より恥じる」
杉田艦長はそう悔やみ呟くと、見張り員の一人が声をあげる。
「っ!?…艦長!後部格納庫が開いています!!」
「なんだと!?」
杉田艦長は後部格納庫を見る。
すると大和の後部格納庫が開いて、さらにその格納庫のエレベータが稼働し、そしてそのエレベータに一人のウィッチが乗っていた。
それは先ほどの深緑のユニットを履いた宮藤芳佳であった。
「待ってて、リーネちゃん亜弥ちゃん。今行くから!」
芳佳は大和のカタパルトに乗り、それを見た副艦長と杉田艦長は
「あれは…あの機体は試作型の!?」
「宮藤さん危険だ!その機体はまだ試験飛行が済んでいない!!」
杉田艦長がそう述べる時、芳佳はそのユニットに魔法力を注ぐと、芳佳の身体から大きな魔方陣が現れる。
その魔方陣は大和を包み込むぐらいの巨大なものであった。
「発進っ!!」
芳佳は大和のカタパルトから発進、ものすごいスピードで親友のいるあの海域へと向かった。
「リーネちゃん、亜弥ちゃん…無事でいて」
リーネは原爆型ネウロイにただひとり立ち向かい、亜弥も人型の剣術で、ネウロイの猛攻で次第に体力も消耗し押されて行っていた。
「(芳佳ちゃん達…ちゃんと逃げられたかな…)」
息を切らしながら、もはや体力の限界が来ているリーネと亜弥。すると大型ネウロイが彼女の前に立ちはだかる。
「どうしよう…もう、シールドが…」
すると、人型ネウロイも何かを察したのか、空域を離脱した。
「…あいつ…なんで……魔法力が…リーネお姉ちゃん…ごめんなさい…ごめん…」
魔法力も消耗し、リーネと亜弥がそう思ったその時、原爆型ネウロイは彼女に向けて強力なビームを放つのだった。
そしてリーネと亜弥はシールドを出して防ぐのだが、あまりにも強力なためシールドは破られその衝撃で二人は海へと真っ逆さまに落ち始める。
「「(芳佳ちゃん)」(お姉ちゃん)」
リーネがそう思った瞬間。
「リーネちゃん、亜弥ちゃん!」
そこへ新しいユニットを履いた芳佳が到着し、二人を水面ギリギリのところで救い上げる。
そして二人は芳佳の顔を見て安堵した。
「よ、芳佳ちゃん…?」
「リーネちゃん、亜弥ちゃん。遅れてごめんね。まだ飛べる?」
「うん…」
「…ありがとう…」
芳佳はリーネと亜弥が無事だということを確認すると少し安心した顔をする。
すると先ほどのネウロイが彼女の背後に現れ、嘲笑うかのような声を出しそしてビームを放とうとする。すると芳佳は親友であるリーネと、妹分の亜弥を傷つけたことに怒りの顔をした。
「よくも…よくもリーネちゃんと亜弥ちゃんをぉぉー!!!」
芳佳は原爆型ネウロイの攻撃を巨大なシールドで防ぎ、そして機関銃を手にネウロイへと突っ込む。
芳佳はシールドを最小限にしネウロイの中へと突っ込み
「はあぁぁぁー!!!」
芳佳はネウロイの中で機銃を撃ちまくり、そしてその弾丸の一発が原爆型ネウロイのコアに命中し、ネウロイは爆散し白い破片となって砕け散ったのだった。
「芳佳ちゃん!!」
リーネが芳佳に抱き付いた。
「リーネちゃん…」
「やったね芳佳ちゃん!また飛ぶことができたね!」
「うん!」
「芳佳お姉ちゃん…凄い…」
三人は再度抱き合って喜んだ。ちょうどその時、援軍である501も到着した。
「あれは…ネウロイの破片か!?」
「ああ、ネウロイは消滅したようだ」
「少佐!三人は!?」
トゥルーデの問いに美緒が答え、ペリーヌが心配そうに訊く
「大丈夫だ、三人とも無事だ!」
そう答え、ペリーヌは安心した顔をする。すると美緒は魔眼であるものを見た。
「ん?…あれは震電!?完成していたのか!?」
芳佳の履いているストライカーを見てそう呟いた。
しばらくして、戦艦大和は無事ロマーニャの軍港に入港することができた。
その夜
501基地格納庫では、ミーナと美緒が新型のストライカーユニットを見て話し合っていた。
「これが扶桑の新型機?」
「ああ、J7W1震電。一時は開発が頓挫したと聞いたが、宮藤博士の手紙のおかげで完成したそうだ」
「博士が?まるで宮藤さんの専用機みたいなものね。お手柄の三人は?」
「帰ってきてすぐに寝たよ、魔法力を限界までつかったんだ。無理もない」
そう言い二人は震電を再び見る
「でもすごいわね…前のストライカーでは強くなりすぎた宮藤さんの魔法力を受け止めきれなかったてことでしょ?」
「ああ、やはり桜井の言った通り魔導エンジンの損傷を防ぐためリミッターが働いていたようだ」
「桜井さんって、妙にそう言うことの勘がいいわね…ある意味恐ろしいわ」
「それは私も思う。まぁ、とにかくこの震電なら大丈夫だ。宮藤の力をフルに引き出せる」
「もう、ひよっこ卒業かしら?」
ミーナがそう呟くと、美緒は浮かない顔をするのであった。
「美緒?どうしたの?」
「え?ああ、ちょっとな。宮藤が話していた従軍看護婦のことを考えていた…」
「大和の格納庫で会ったっていう人?扶桑艦隊の乗組員に、看護婦は存在しないって言っていたけど?」
「ああ、不思議な話だ…宮藤が言うにはその人は急にいなくなったそうだ…それに、亜弥が交戦した人型ネウロイは…」
「亜弥さんの報告で、トライヤヌスや以前のブリタニアとは違うみたい。恐らく、マルタ方面から飛来したネウロイのようわね…亜弥さんの報告でまるでお父さん、桜井さんとトレーニングした様に戦ったと」
「桜井だと!?」
芳佳はリーネと一緒に部屋で寝ていたのだった。
そして、亜弥は
「はぁ…はぁ…たあぁぁーっ!!」