ストライクウィッチーズ ~蒼空を舞う零の荒鷹~   作:鷹と狼

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第56話 選ばれた刀

 

一方、磯辺の方で、洋介は擬似餌で釣れた魚類を次々とバケツに入れた。

 

 

「今夜は何がいいかな~♪」

 

 

バケツが満たされ、洋介は今夜の献立を考えながら亜弥のいる崖の方へ向かうのであった。

 

 

「ん?ミーナ中佐、何かあったのか?」

 

 

するとそこには美緒やミーナたちが集まって何やら話をしていた。

 

 

「ルッキーニさんがいない?」

 

 

「あぁ、魚を取るからって岩場のほうへ行ったきり、戻ってこないんだ…」

 

 

「そう言えば、確か宮藤たちも訓練後に岩場へ行ったはずだが…」

 

 

ミーナの言葉にシャーリーがそう述べ、美緒がそう呟いた所で洋介がやって来た。

 

 

「どうかしたんですか?」

 

 

「桜井さん、それがルッキーニさんがいなくなったのよ」

 

 

「ルッキーニが?」

 

 

 

「えぇ…そう言えば桜井さん。亜弥ちゃんはどこにいるの…?」

 

 

「亜弥か?亜弥ならさっき岩場の方にいる芳佳のところに行ったと思いますが…?」

 

 

「わかりました…とにかくその岩場に行きましょう」

 

 

洋介は、ミーナたちと芳佳たちがいるはずの岩場へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、芳佳たち5人のウィッチたちはペリーヌの言った左の洞窟の先へ先へと進んでいた。

 

 

「奇麗ですね」

 

 

「本当だ壁が光ってるね~」

 

 

亜弥とリーネは両脇にある壁を見てそう言う。すると芳佳がその壁を見て

 

 

「この壁、苔が光っているんだね〜大丈夫?地図見える?」

 

 

「ペリーヌさん頑張って、地図が読めるのはペリーヌさんだけだから」

 

 

「頑張ってくださいペリーヌさん」

 

 

「ガンバレ~♪」

 

 

みんなが応援する中、ペリーヌは地図を睨み、そして納得したかのように頷くと

 

 

「わかりましたわ、ここからまっすぐ進めば安全と書いてありますわ」

 

 

「まっすぐ?」

 

 

「ええ」

 

 

「でもペリーヌさん。わたし502の本で読んだことがあるんたけど、こういう秘密の通路って必ず罠があるんだと?」

 

 

 

「大丈夫ですわよ亜弥さん。さ、行きましょう」

 

 

 

そう言った途端、ペリーヌは一歩前に踏み出すと突然、足元が崩れ落ちペリーヌは落ち始める。

亜弥が心配していた通りにペリーヌは罠にはまり落とし穴に落ちた。しかもその落とし穴のしたには毒蛇がいた。

 

 

「うわぁー!?」

 

 

「「ペリーヌさん!!」」

 

 

「落とし穴だ!」

 

 

「危ない!!」

 

 

 

芳佳が驚く中、亜弥は手を伸ばしてペリーヌの手を掴み、芳佳とリーネは亜弥の脚を掴んだ。

 

 

「大丈夫ですか、ペリーヌさん?」

 

 

「あ、亜弥さん……助かりましたわ」

 

 

ペリーヌは亜弥にお礼を言う。

 

 

「……安全じゃないじゃん…」

 

 

それを見ていたルッキーニは呟くのであった。

 

 

 

その間にも、美緒達は例の岩場へと到着をし、それぞれ分かれて周辺を捜索する。

 

 

「しかし一体あいつら何処に行ったんだ?」

 

 

「おーい!」

 

 

周辺を散策している時、岩の向こう側からシャーリーの声がする。

 

 

「こっちに穴があったぞ!」

 

 

「本当か!?」

 

 

続けて放たれたシャーリーの言葉に全員が移動する。すると、シャーリーの指している場所に人が通れそうな穴があった。六人は海に入りその穴をくぐっていく。

 

 

「うわ~…すっげぇ!」

 

 

「あそこにまた穴があるよ?」

 

 

 

海面から顔を出したシャーリーが洞窟の天井を見て感想するが、エーリカがその奥にもさらに穴があることに気づいた。

 

そして海から出た一行は穴の前に行く。

 

 

「どう?」

 

 

「ちょっと前に誰かが歩いている…この奥に入っていったんだろう」

 

 

そう言って足元を調べていたトゥルーデは穴を見た。そこは穴の中でさらに右と左に分かれていた。

 

 

「どっちに行ったんだ?」

 

 

「二手に分かれるか」

 

 

「別れるのは危険だわ、右に行きましょう」

 

 

 

美緒の言葉に待ったをかけたミーナが、ペリーヌたちの向かった方とは逆の右側を選択した。

 

 

 

「全く手間かけさせるな~」

 

 

「でも、探検みたいで楽しいな~」

 

 

「遊びじゃないんだぞリベリアン」

 

 

エーリカの言葉にシャーリーが面白そうに言うが、トゥルーデはそんなシャーリーに注意をする。

 

 

「まぁまぁトゥルーデ、こういう洞窟は子供の頃、弟と探検したのが懐かしい~」

 

 

洋介がトゥルーデを宥めた。

 

6人がしばらく歩いていくと、周辺の景色は変わっていった。先ほどまでゴツゴツとした岩がせり出していた壁が、次第にレンガを重ねたような造りに変わっていった。

 

 

「人工の洞窟のようだ」

 

 

「私たちが基地にしているところは元々は古代のウィッチの遺跡だったから、この洞窟もその一部なんじゃないかしら?」

 

 

「ほう…おっ」

 

 

ミーナの説明に美緒は納得したように反応したが、ある物が目に入り再び反応した。

 

そこには、大きな暖炉のようなところの上に乗っていた巨大な壺があった。

 

 

「これは…随分立派な壺ね」

 

 

「我々の大先輩の業か…素晴らしいな」

 

 

ミーナの言葉に美緒も同意した。

 

その壺は、古代ロマーニャ人が陶器作りでも見事な職人技を持っていることを知らしめる一品であった。

 

 

「は~…そんなのどうでもいいじゃん…」

 

 

しかしエーリカは壺などに興味は無く、疲れた様子で暖炉の横の板にもたれかかった。

 

 

「っ!」

 

 

その時だった。もたれかかったエーリカの体が大きく傾いた。それと同時に、暖炉の上ではまるで何かが動いたかのような音がする。それは古代人の作り出した罠だった。

 

 

「危ない!」

 

 

いち早く洋介が気付き、横に居た美緒がミーナを突き飛ばした。

 

ミーナは突然のことに驚いて横を見ると、そこには衝撃の光景が見えた。

 

 

「少佐!」

 

 

「なにこれ!?っ!美緒!」

 

 

「あわわわわわ」

 

  

「坂本さん!!」

 

 

先ほどまで美緒のいた場所に、暖炉の上にあった壺が降ってきていた。

 

同時にミーナには赤い液体が飛んで来ており、彼女の体を大きく染めた。

 

シャーリーとトゥルーデは少佐が壺に押しつぶされた瞬間を見たため慌てる。

 

ミーナは自分に掛かった赤い液体を見て少佐の身を案ずる。そして、事の原因となったエーリカはその光景を見て歯をガタガタと震わせていた。

 

 

「急いで救助を!!」

 

 

トゥルーデが魔法力を発動、怪力を使って壺を思いっきり殴りつけた。

 

 

 

「そりゃあああ!!」

 

 

「やった!」

 

 

トゥルーデのパンチによって壺は粉砕され、そして中から美緒が現れた。

 

そしてミーナは美緒の姿を見て急いで駆け寄った。

 

 

「大丈夫、美緒!?しっかり!美緒!」

 

 

「ちょっと待て!」

 

 

ミーナが美緒の体を懸命に揺らしている時、トゥルーデが何かに気づいた。

 

そして、自分の腕にかかった液体の匂いを嗅いだ。

 

 

「なんだ?この匂いは」

 

 

「…あれ?血じゃない?」

 

 

トゥルーデの言葉にミーナも気づき自分の腕にかかった赤い液体を嗅ぐ。

 

この液体からは血の匂いが感じられなかった。

 

 

「まさかこれ…」

 

 

「ああ…」

 

 

 

シャーリーも嗅いでみる。すると、シャーリーはすぐさまその答えに到達したようだった。続いてトゥルーデもその液体の正体に気づいた。

 

 

「…ワインだね」

 

 

そして、とどめにエーリカが地面に広がった液体を見て言った。

赤い液体の正体は美緒の血では無く、只の赤ワインだったのだ。

 

  

「…かなりの年代物でいい味だ、勿体ねぇが…クルピンスキーも嘆き悲しむな…」

 

 

洋介が赤ワインを舐め、502の戦友を呟く時だった。

 

 

「み、美緒…?」

 

 

美緒は座ったまま沈黙をしているのだろうか。一同がそう感じた時だった。

 

 

「わっしょおおおおおおいっ!!!」

 

 

『っ!?』

 

 

突然、美緒が大声を出して起き上がった。

 

その声に全員が驚く中、ミーナは美緒の様子が気になり確認した。

 

 

「み、美緒…いや少佐、大丈夫?」

 

 

「…勿論…らぁいじょうぶらぁ!」 

 

 

「っ!?」

 

 

美緒はそう呟き、突然ミーナの唇を奪った。突然の行動にミーナは驚き、そして次には頬を赤くし目をとろんと細めた。

 

 

「しょ、少佐!?」

 

 

「な、な、な…///」

 

 

「わ…///」

 

 

一連の光景を見てシャーリーとトゥルーデ、洋介はどうしたらいいのか分からずにただ見ることしかできなかった。

 

その間に美緒はミーナから唇を放した。

 

ミーナはその場で倒れるが、美緒は洋介を見て笑いだした。

 

 

「わっはっはっははは!桜井!!」

 

 

「な…なんですか…?」

 

 

洋介は恐ろしい予感がした。

 

 

「おまえ〜いい唇だな〜!…そこでだ!」

 

 

妖艶な顔で洋介にどんどん近づき、彼は後ずさる。

 

かつてラバウル基地やトラック基地で天沼司令に無理やり女装させられたときと同じ感じがした。すると

 

 

「お前はいろいろとよく頑張っているし、ご褒美をやろう~!!」

 

 

「うわっ!?結構です!!」

 

 

いきなり美緒が飛び着き、洋介は回避した。

 

 

「むぅ…逃げるろか」

 

 

「お、落ち着いてください!坂本さん!!」

 

 

「私から逃げるなろ許さん…褒美からお仕置に変更ら~」

 

 

そう言う美緒の目が怪しく光った。

 

 

「くそっ…逃げるが勝ち!!」

 

 

「待て逃げるら~!!アハハ!!ワッショーイ!!」

 

 

洋介はその場から未開の地奥へ逃げ出し、美緒が暗闇の奥へ追いかけるのであった。

 

 

「あ、洋介!!」

 

 

「しょ、少佐!!待て少佐!!」

 

  

「どうする、ミーナ!!……ミーナ?」

 

 

シャーリーとトゥルーデが美緒と洋介を呼び止めるが、美緒は止まらずに暗闇の奥へと消えて行った。

 

 

トゥルーデはどうしたらいいか分からなくなり、ミーナに指示を求めた。

 

 

「…ミーナはちょっと無理…」

 

 

しかし、先ほどのキスで完全に伸びてしまったミーナに変わってエーリカが答えた。

 

 

「ああ…」

 

 

「あ~…もはや指揮不能だな…」

 

 

「洋介はどうする…?」

 

 

「あいつは案外、足が速いからな…はぁ…」

 

 

そんな姿のミーナを見てトゥルーデはぐったりとし、シャーリーはどうしたものかと思うのだった。

 

 

 

一方、隠された宝を探すペリーヌたちは地図を見ながらどんどん進んでいた。すると

 

 

『ひいいいぃぃぃ~!!!』

 

 

『アーハハハハ!!!』

 

 

洞窟中に不気味な笑い声が響いた。それを聞いてみんな顔を青くし震えた

 

 

「な、なんですの!?あの不気味な声は!?」

 

 

「わかりませーん!!」

 

 

そういう中、笑い声はどんどん近づいてくる

 

 

「ち、近づいてくるよ!?」

 

 

「うにゃにゃにゃ!!」

 

 

「み、みんな!とにかく隠れよ!」

 

 

亜弥やルッキーニが震える中、芳佳がみんなにそう述べ、すぐそばにあった小さな穴に入り隠れる。

 

 

『ひいいいぃぃぃ~!!!』

 

 

『アハハハァ~!!!』

 

 

先ほど通った道から先ほどの不気味な笑い声とともに、何者かの影が通るのを芳佳たちは見た。

 

 

「み、見た?」

 

 

「う、うん……人間?」

 

 

「ま、まさか、古代人の怨霊?」

 

 

「怨霊!?」

 

 

「ひゃぁ!もう帰ろう!!」

 

 

「こ、怖いよ~!」

 

 

「あ、亜弥ちゃん。ルッキーニちゃん!大丈夫だから私たちがついているから!!」

 

 

怯える二人を芳佳は励ます。

 

 

「ね、ねえ、ペリーヌさん!二人の言う通りに帰りましょう!」

 

 

リーネがペリーヌに進言する。

 

 

「いいえ!私は行きますわよ!…待ってなさいお宝~!!」

 

 

「あ、待ってください!ペリーヌさん!」

 

 

「あ、ペリーヌさん!亜弥ちゃん!」

 

 

「まって~」

 

 

「おいてかないで~!!」

 

 

ペリーヌは走り出し、それに続き芳佳たちも追いかけるのであった。

 

 

 

 

そして、洋介は

 

 

「アハハハ!!待て~!!」

 

 

「待ちません~!!てか、そのわっしょいの掛け声は祭りの神輿でも担いで下さい~!!」

 

 

「アハハハハ~!!」

 

 

「くっ…そうだっ…忍法、壁掛けの術!!」

 

 

洋介は魔法力を発動し、かつてペテルブルグで脚に魔法を注ぎ、塔を登っていた。

 

 

「へへっ…これなら…なっ!?」

 

 

「アハハハハ~!!」

 

 

美緒も魔法力を発動し、壁を掛けていた。

 

 

「こうなったら、天井を掛けてのインメルマンターン!!」

 

 

洋介はあらゆる空中戦の方法で回避行動を行うも、美緒に追われ続けていた。すると目の前の壁が行き止まりになっていた。

 

 

「やべ!」

 

 

洋介が立ち止まった瞬間、美緒に捕まった。

 

 

「アハハハ~!!捕まえた~!!」

 

 

「ひいぃぃ~!さ、坂本さん!俺は子連れであり、何人か妻の候補者がいます!」

 

 

洋介が酒に酔う進言する時、美緒は洋介の顔を両手でガッチリ捕まえて固定し、そしてどんどん顔を近づけさせた。

 

 

「ぐへへ~♪桜井~♪」 

 

 

「お、おい…坂本さん…冗談だよな?」

 

 

「手間をかけらせて~それじゃあいたらきまぁ~す♪︎」

 

 

洋介は万事休す、そう思い足元の岩を踏んだ時

 

 

カチッ

 

 

「ああぁ~!!!」

 

 

洋介は岩のスイッチに接触し、床が開き美緒は落下した。

 

 

「へっ…?坂本さん…坂本さん………」

 

 

「桜井!」

 

 

「洋介、無事だったか!」

 

 

「よ…洋介~」

 

 

美緒がいなくなったタイミングで、トゥルーデとシャーリー、ミーナを背負ったエーリカと合流した。

 

 

「なぁ、桜井…少佐はどうしたんだ…?」

 

 

「そ…それがトゥルーデ…俺が…俺が…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

芳佳たちは、幾つもの罠を乗り越え、歩くとさすがにみんな疲れの色が見えて来た。

 

 

「ね~どこまで行けばいいの?」

 

 

「頑張ってルッキーニちゃん」

 

 

「もう少しですわ。この光の先に必ず…」

 

 

「ほんと?…でもまた罠だったら…ねぇ亜弥ちゃんさっきから透視能力で疲れてない?」

 

 

「まだまだ大丈夫…」

 

 

「そっか…でも、無理しないでね…」

 

 

そう言い、光が差し込む空洞に入る5人。するとそこにはかなり広い遺跡があり、正面には鎧を着た大きな石像が座っていた。

 

 

「うわ~広ーい!!」

 

 

「ここが地図にあった宝の部屋?」

 

 

「間違いありませんわ!遂にたどり着いたんですの!」

 

 

そう言いペリーヌは宝のある広場にたどりついたことを喜ぶ。

 

すると芳佳たちは正面にあった大きな石像を見て驚いていた

 

 

「おっきな石像、鎌倉の大仏くらいあるよ」

 

 

「なんかよっと怖いね」

 

 

「今にも動き出しそう……」

 

 

そういう中、ペリーヌは地図を確認する

 

 

「あそこですわ…あの石像の奥にお宝が眠っているはず!…行きましょ!」

 

 

ペリーヌはその石像に向かう

 

 

「どこ?どこですのお宝は?いいえ、子供たちの橋」

 

 

 

ペリーヌは石像の周りをうろうろして宝を探しているが宝物どころか宝が隠されているような部屋も見当たらない。

 

一方ペリーヌが宝を探している間、4人は

 

 

「ディッディディーン!!どう?かっちょいい?」

 

 

ルッキーニは偶然見つけたレイピアや楯を手にポーズをしていた。

 

それを見た芳佳とリーネと亜弥は

 

 

「かっこいいですルッキーニさん」

 

 

「ほんと似合う似合う!」

 

 

「ルッキーニちゃん、かっこいい!」

 

 

そう言い笑ってルッキーニのかっこいいポーズに拍手していた。すると

 

 

「きゃあ!」

 

 

「「「 っ!? 」」」

 

 

ペリーヌの悲鳴が聞こえ4人はそこに顔を向けると、そこにはさっきまで座っていた戦士の石像がいきなり動き出し、ペリーヌに襲い掛かって来たのだ。

 

 

「せ、石像が!?」

 

 

「動いた!?」

 

 

「ペリーヌさん!逃げて!!」

 

 

芳佳たちがそう言がペリーヌは

 

 

「だめですわ!橋を架けるまでは諦めるんなんてできませんわ!」

 

 

そう言いペリーヌはその石像の攻撃を躱す。しかし丸腰だといささかペリーヌの方が分が悪い。

 

どうすれば考えていると

 

 

「ペリーヌ!」

 

 

ルッキーニがそう言い、そしてペリーヌにさっき自分の持っていたレイピアを投げ渡す。

 

そしてペリーヌはジャンプしてそのレイピアを受け取ったのだった。

 

だが、ペリーヌ単独で挑んでも状況が悪く、その瞬間石像はペリーヌに向けて拳をふるう。

 

 

「くっ……」

 

 

「必技、弁慶の泣き所!!」

 

 

「「 亜弥ちゃん!! 」」

 

 

亜弥もレイピアを掴み参戦、石像の向こう脛を当て、バランスを崩した。

 

 

「ペリーヌさん、今だ!!」

 

 

「亜弥さん!!(お父様!お母さま!そしてガリアの皆!私は負けませんわ!)」

 

 

 

ペリーヌは亡き両親や仲間にそう呟き、その石像の攻撃を躱し使い魔を発動させ、レイピアを石像に向けて突撃しその胴体を刺し、そして

 

 

「トネール!!」

 

 

必殺技であるトネールを発動させた。電撃が石像に走り、石像は粉々に砕けたのだった

 

 

「やった!勝ちましたペリーヌさん!」

 

 

「ペリーヌさんすごーい!!」

 

 

「亜弥もすごーい!!」

 

 

「はぁ…はぁ…やったんだ……」

 

 

芳佳たちは大喜びをした時、その石像が座っていた椅子の像の所から扉が開く

 

 

「あんなところに扉が…お宝!」

 

 

ペリーヌは扉の方へと走りだす。

ガリアにいる子供たちが渡る橋を直すためにお宝を探して、ようやく念願の宝部屋についたのだった。

 

しかしその宝の部屋が入って言うはずの部屋に入ってみるとそこには

 

 

「これが宝の間?」

 

 

その部屋には金銀財宝はなく、あったのは奇麗な園庭であった。そしてペリーヌはそこに咲いてある草を見る

 

 

 

「これはハーブ…クローブにローリエ…オレガノ、ソフラン…それにこれは胡椒?…まさかこれがお宝?」

 

 

お宝の正体を知ったペリーヌはがっくりと腰を垂れる。

 

その園庭に植えられていたのは数々の香辛料となる草や実であった。

 

大昔では香辛料、胡椒などは金銀よりも値打ちがあり、ローマ帝国時代では彼の皇帝、カエサルも胡椒を一粒づつ銀の入れ物に細かく数えて厳重にしまうほど高価なものだった。

 

ペリーヌが項垂れていると

 

 

「ペリーヌ!」

 

 

草原から坂本美緒少佐が現れた。

 

 

「しょ、少佐!?え?どうして少佐がここに!?」

 

 

ペリーヌは驚いた。出入口があの門だけだったのにどうやって入ったのか、それ以前に浜にいるはずの美緒がいたことに彼女は驚いたのだ。

 

 

「…ん?ペリーヌ?泣いているのか?」

 

 

そう言われペリーヌは頷き、その理由を伝える。

 

 

「だって…これがわたくしの探していたお宝だったなんてどれもただの香辛料。昔なら貴重な財産だったかもしれませんが、今では簡単に手に入るものばかり……これではガリアの復興支援には到底なりませんわ!」

 

 

そう言い涙をこぼすペリーヌ。すると美緒は手をペリーヌの肩に置き、こう優しく述べた。

 

 

「泣くんじゃないペリーヌ。大切なのは気持ちだ。お前のそのガリアを思う気持ちが一番大切な宝なんだ」

 

 

「少佐…」

 

 

その言葉にペリーヌは感動する。すると部屋の外では

 

 

「おっ!ルッキーニがいたぞ!」

 

 

「宮藤や亜弥もいるぞ!行くぞハルトマン!桜井!」

 

 

「お、重い…手伝って洋介~」

 

 

 

「はいはい…亜弥!」

 

 

 

シャーリーたちがやって来た

 

 

「あ、シャーリーさん!」

 

 

「お父さん!」

 

 

「しかしなんだ…、この瓦礫は…?」

 

 

「ん…あれは…?」

 

 

「亜弥…?」

 

 

亜弥は、瓦礫と化した石像から桐の箱を見つけた。

 

亜弥はその箱に近づき、箱を開けると蝋に包まれた太円筒だった。

 

 

「蝋の棒…?」

  

 

魔法力を発動し、円筒を触りながら透視し、確認すると鉄の棒が入っていた。

 

亜弥は蝋の円筒を砕き、油に浸った和紙を破いた。

 

 

「…これは…刀…?」

 

 

「刀…日本…いや、扶桑の刀だ…?」

 

 

その日の夜、洞窟を探索した芳佳とリーネ、ペリーヌの三人は部屋に集まって話をしていた。

 

 

「あそこは古代の遺跡で、ウィッチが宝を守る為に掛けてあった魔法がまだ残っているんじゃないかって、ペリーヌさんを襲ったのもそれかも」

 

 

「全く迷惑な話でしたわ」

 

 

リーネの言葉にペリーヌはあの出来事を思い出しうんざりとした様子で返す。

 

その時、芳佳がペリーヌにある物を差し出した。それは便箋の入った封筒だった。

 

 

「はいこれ、ペリーヌさんに手紙が届いていたよ」

 

 

ペリーヌはそれを受け取って中身を見る。

 

 

「あら?ガリアからですわ?」

 

 

ペリーヌはその手紙の送り主がガリアからであることを知り、中を急いで確認した。

 

 

「これは!」

 

 

そしてペリーヌは、手紙と共に送られた一枚の写真を見て驚く。

 

 

「橋だ!」

 

 

「わぁ!皆で造ったんだね!」

 

 

芳佳とリーネもその写真を見る。

そこには、崩れた橋の上に新たに木で造られた橋が出来ており、その上にガリアの子供たちがカメラの方を向いてポーズをとっている写真だった。そう、ガリアの子供たちが復興している人達と協力して、崩れた橋を直したのだ。

 

ペリーヌは中に同封された手紙を読んでいく。そして、その手紙を読み終わるとギュッと胸元で握りしめた。

 

 

「(皆で力を合わせて作った橋…これが本当の復興なのかもしれませんわね)」

 

 

「良かったねペリーヌさん」

 

 

「ええ、私も一刻も早くネウロイを倒して、そしてまたガリアに…!」

 

 

リーネの言葉にペリーヌは決意を新たに言う。

 

 

「私も行きたいな!ガリアに!」

 

 

「うん、行こうよ!」

 

 

「まあ、その時は道案内ぐらいさしてあげましてよ?そして、桜井さんと亜弥さんにも…」

 

 

芳佳とリーネの言葉にペリーヌが言う。そんなペリーヌの言葉に二人は笑顔になる。

 

 

「ありがとう、ペリーヌさん!」

 

 

芳佳がペリーヌにお礼を言った。そのお礼の言葉に、今度はペリーヌも笑顔になるのだった。

 

丁度その頃、レクリエーションルームで美緒が窓の外を見ながら口を開いた。

 

 

「そうか…謎の多い基地だ」

 

 

そう言って美緒は月を見た。

 

 

「しかし、この基地にかなりの年代物の扶桑刀が眠り…そして、亜弥が手にしたとは…ふっ…羨ましいな」

 

 

先ほど美緒は刀を見て酔いが覚めた。

だが、彼女が刀を確認しようと手にしたが、刀が重く、所持ができなかった。

 

 

その時、ふとあることを思い出した。

 

 

「そういえば、中佐はどうしたんだ?」

 

『え?あ~…』

 

 

 

先ほどから見えないミーナの姿に美緒が疑問に思い聞いた。

 

しかし、エーリカとシャーリーは互いに顔を見合わせ、トゥルーデは何も覚えていない美緒に困った様子だった。

 

その頃、基地の浜辺では

 

 

「………はぁ~……」

 

 

浜辺で一人、両膝を抱えながら月夜を眺めているミーナの姿があったのだった。

 

 

 

 

 

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