あれから翌日の朝、みんなは作戦開始の日までいつものように訓練をしていた。
まず朝の走り込み、みんなが基地の滑走路をランニング。
その訓練にはもちろんマルセイユも加わり、そしてその先頭をマルセイユとシャーリーが走っていた。すると
「なにっ!?」
「一番!マルセイユ大尉!」
マルセイユがシャーリーを追い抜き先にゴールする。
そしてそれに続きシャーリーが2位、洋介とバッキーが同着3位であった。ライバル視するエーリカはビリであった。
「私の勝ちだ!」
マルセイユはガッツポーズをしていた。
そしてその後、みんなで食事を摂る。今日のメニューは扶桑食であった。すると
「もう一杯」
「はい」
マルセイユはお茶碗を芳佳に渡し、芳佳が受け取ったご飯を盛る。
「あ、あの。扶桑の料理、お好きですか?」
「ああ、うちの部隊にも扶桑のウィッチがいるからな」
ご飯の盛られたお茶碗を受け取りマルセイユは再びご飯をかっ込む。
それを見ていた異世界組の洋介と亜弥、バッキーとステラは驚いていた。
「すごい食べっぷりだね…」
「…そうだね亜弥……それにしても久しぶりの日本食ね~♪」
「アメリカ軍時代で食わなかったのか?」
「全く。まぁ、民家で日本食を食べれるのはほんのひと握り…あたしはこのロマーニャにきて全くなの…」
「なるほど…」
「ふふふ……俺はな洋介、トライヤヌス作戦前に、504でほぼメンバーが揃った時、扶桑の陸軍ウィッチさんが鰻重を持ってきてくれたぞ~♪」
「なんだって!?………特攻隊員しか食えない代物を…」
4人はそんな食事事情をしていると
「だが……扶桑料理でもこればっかりはだめだな」
「え?でも納豆は体にいいんですよ?」
マルセイユは納豆を見る。
「なぁ…やはり西欧人ってのは納豆は苦手かな…」
「かも知れんな、俺は納豆は好みだ」
「亜弥も」
その4人は納豆を好んでいる。
するとマルセイユは牛乳を一杯飲むと
「すまんが、ご飯もう一杯頼む」
彼女はお代わりを所望する
「え?も、もうご飯がありません」
「なに?」
芳佳の言葉にマルセイユは、少し驚くがすぐにに笑みとエーリカの方を見て
「私の勝ちだ!…う」
そう勝利を宣告し、無理にご飯をかっ込んだのか顔を青くし、そして、エーリカはどうでもよさそうな顔をしてゆっくりとご飯を食べる。
それを見た洋介とバッキー、ステラは
「さっきからマルセイユ大尉は勝ちだ勝ちだって言っているけど誰と勝負しているのかしら?」
「さぁな…俺たちには関係のないことだ。…ご馳走様」
4人は食器を下げて部屋を出ようとする。だが
「待て桜井大尉、バッキー大尉!私と模擬戦をしろ!」
「…またですか大尉?何度も言っていますが、俺はネウロイと戦い勝つまで、無駄なことをやりたくない」
「俺もです。この後、洋介と基地上空でウォーミングアップの予定が詰まっているので、では!」
マルセイユは昨日からエーリカと同じ部屋になった後、何度も洋介やバッキーに模擬戦を申し込んでいた。
そして今日もマルセイユが模擬戦の申し込みをすると洋介とバッキーはため息をつきながら食堂を出る。
すると
「なら、あたしが二人の代わりに模擬空戦の相手をしていいわよ」
「ステラさん」
ステラが二人に代わってマルセイユに挑んだ。
「なんだと…だが、わたしからしてはあんたとやっても、何の価値がない…」
だがマルセイユでは、ステラも異世界に転移したと言えども、最強のウィッチからすれば無名のウィッチの存在であった。
「価値はあるわよ。あたしはそのウィザードに匹敵する能力があるから、マルセイユ大尉が勝てば、二人のどちらかに模擬空戦を進言するわ」
「………その条件、いいだろう」
その後、ステラはミーナに模擬空戦の許可を進言し、二人はユニットを履き、離陸する。
基地の滑走路には、501部隊のウィッチが見物する。
「いいぞ~、ステラ頑張って~!!」
「ステラの異世界のP-51ユニットは見ものだね~♪」
ルッキーニはステラを応援し、シャーリーはステラの異世界で使用するユニットを興味津々であった。
「はっはっは!確かに、ステラはどんな技法を出すのが楽しみだ♪」
「さて、ステラはどんなテクニックを出すのやら……」
「見ものだな」
美緒は目を子供の様に輝かし、バッキーと洋介も興味を懐いていた。
基地上空
『「試合開始!!」』
審判するミーナがホイッスルを鳴らしたと同時に2人は空中停止から機動に移った。
「喰らえ!!」 ダダダダダダ
先にブローニング機銃を撃ったのはステラであった。
「おっと、危ない!」
マルセイユはステラの弾丸を回避、彼女はMG34機銃を構え、狙いを定めたにも関わらず、ステラはその空域から離脱する。
「この……」
マルセイユはステラを追い、照準を定め、発砲した時に彼女は素早く回避した。
ステラもマルセイユの背後に取り付き、照準を定めた。
「そこだっ…!?」
マルセイユは素早く旋回し、機銃を発砲した。
危機を感じたステラは自慢の速度で回避し、
離脱した。
マルセイユはメッサーシャフルBf109G-2。
ステラのユニットはノースP-51ムスタングH型、そのユニットの速度が優れていた。
だが、30分近くも勝負が続いた時ー
「「( 弾切れだ… )」」
地上
「両者の機銃が切れたな…」
「ステラも凄いな…カールスラント4強のウィッチ相手に互角とは…」
マルセイユはステラの実力に、ただ唖然としているのであった。
そしてその後、作戦成功のためまた訓練が始まるのであった。
そしてその訓練が終わった後、マルセイユは何事もなかったかの様に、エーリカとともに露天風呂に入っていた。
「今回の訓練も私の日勝だな」
「勝負してないってば」
「勝利はすべてにおいて優先される」
「だから勝負していないってば」
「…たく、お前はそんなんだからいつまでも中尉のままなんだ」
「そんなのどうでもいいよ~」
そんな話をしているとマルセイユは腕大きく伸ばす。
「やっぱ風呂はいいな。固まった筋肉がほぐれる」
「アフリカにはお風呂ないの?」
マルセイユの言葉にエーリカが首を置かしげるとマルセイユは頷き
「ああ、アフリカじゃ…」
「水の一滴は血の一滴でしょ?」
「…っ!?」
「あ、ステラ」
エーリカが振り向くとそこにはステラがいた
「ごめんなさい。二人の時間邪魔しちゃったかしら?」
「いや、そんなことはないさ」
マルセイユの言葉にステラは微笑みながら湯舟に入る
「ねぇマルセイユ、先の模擬空戦。大丈夫…?」
「いや、なんともないよ。けどさすがに驚いたよ。まさか私が抑え込まれるなんてね。どうやったらあんなに強くなる?」
「ん?そうね…強いて言えばくぐった修羅場の数の違いかな?」
「ん?修羅場?」
マルセイユはステラの言葉に疑問を感じたがエーリカが質問する。
「あ、ステラ。さっきアフリカのこと詳しく言ってたみたいだけどアフリカにいたことがあるの?」
「いいえ、アメリ…いや、リベリオンでまだ訓練生時代はアリゾナ砂漠で行軍訓練のみだったけど。でも砂漠はいい思い出だったわね。ねぇマルセイユ大尉?」
「ああ、確かにあそこはいい」
「上層部がうるさく言わないし」
「怪しい連合の上層っ部がかかわってこないしうるさい上官もいない」
ステラとマルセイユは腕を組んでうんうんと頷き合いながら呟く。
「じゃあ、なんでハンナは今回の作戦に参加したんだよ?」
「ま、上層部の人気取りぐらいなら付き合ってやるさ」
そしてマルセイユは湯舟に浮かぶ形で寝っ転がり
「それでアフリカ部隊が守れるのなら安いもんだ」
「ふ~ん」
「そう言うこと」
マルセイユの言葉にハルトマンとステラが少し感心した声を出すとマルセイユは立ち上がり
「それに501にはエーリカハルトマンがいたからな」
「……何だそれ?」
「随分とエーリカに拘っているみたいだけど何か因縁があるの?」
ステラがそう訊くとマルセイユはエーリカとの関係を話した。
「なるほど…決着をつけるためか…それならバッキーとと少しだけ似ているわね」
「え?」
「それって洋介のこと?」
「えぇ……」
「だが、あいつは私との模擬戦を何度も断っているぞ?そんなに凄腕なのか?」
「まぁ、あいつは洋介さんと一、二を争う超一流よ。だからバッキーはこの手で倒さなければならない。ほかの誰でもないバッキーの手でね。」
「ふーん」
その後三人は黙って星空を眺め、のぼせそうになったため風呂から出るのであった。
そして風呂から出ると三人はシャーリーたちと会う。
「あ…マルセイユさんとハルトマンさん。それにステラさんも」
「お~♪」
芳佳は呟き、ルッキーニは何やら楽しそうな声をあげる。
「どうだった?初めての風呂は?」
「ああ、なかなかよかった…///っ!?」
シャーリーの質問でマルセイユがそう述べかけた時、ルッキーニがマルセイユの背後を取って胸をもんだ
「揉めた~♪」
「おのれ!いつの間に私の背後を!」
マルセイユは驚く
「う〜ん大きい!……でもやっぱシャーリーの勝ち、あ、それとステラは二位!」
「ふっふん♪」
ルッキーニの言葉を聞いてシャーリーは胸を張る。
それを聞いたマルセイユは悔しそうな顔をする。
「なっ!?私が三位で負けだと!?……みろ!形は世界一だ!」
「形なんて好みだろ?」
「形がマルセイユが一位なら、あたしはハーフと弾力が一位よ!」
「て、なにステラまで張り合ってんだよ!?」
シャーリー、ステラ、マルセイユは胸の大きさや質、ハーフとかで張り合う。
そしてその中で
「うわ~///♪」
「…芳佳ちゃん……」
芳佳は目をキラキラさせて三人の胸を見る、そしてその隣ではリーネがジト目で見るのであった。
ロマーニャ タラント軍港 扶桑海軍艦隊
洋介とバッキーは、エーリカとマルセイユに先駆けて扶桑海軍の潜水艦が停泊するタラント軍港に到着した。
「ここがタラント軍港か~」
「マルタ島の作戦で、各国海軍の艦隊が集結とは、爽快だな~!」
「あぁ…そうだな…」
「ん…洋介、驚かないんだな…」
「まぁな、以前はオラーシャのペテルブルグ、502部隊の一員としてフレイヤー作戦に従事、扶桑はもちろんカールスラントとブリタニアの主力も作戦に投入していたからな」
「あぁ~、そうなんだ!」
「桜井洋介大尉とバッキー・S・五十嵐大尉ですね。」
二人の背後に、将官が現れた。その声に洋介とバッキーは振り向いた。
「はい、あなたは…?」
「(肩章から見て…将官か…)」
「扶桑海軍少将。潜水艦隊司令、前原一征です。」
「少将...し、失礼しました!!」
「今作戦の潜水艦隊司令官自らの出迎え、大変恐縮です!!」
前原一征の地位が少将、司令官の立場であることに慌て、二人は敬礼する。
「うん、そんなに慌てなくても大丈夫ですよ」
「は、はぁ……」
「高野さんや杉田艦長の言う通り、世界初のウィザードの桜井大尉ともう一人のウィザードのバッキー・五十嵐大尉と会えてとても光栄です。今回のマルタ島作戦、よろしくお願いします。」
「「 はいっ!! 」」
「それに今作戦の主力ウィッチ、マルセイユ大尉ハルトマン中尉は…?」
前原少将の言葉で、洋介は気まずそうな表情になった。
「あ…それが、少し遅れますがもうすぐやって来ます」
紺碧の艦隊、前原一征海軍少将が出演なされました。