ストライクウィッチーズ ~蒼空を舞う零の荒鷹~   作:鷹と狼

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第64話 静寂の日

 

 

 

 

桜井佐助の葬儀の2日後、息子でありウィザードの桜井洋介は上官であるミーナ・ディートリング・ヴィルケ中佐により待機命令を下され、滑走路に居座りながら、軍刀の『鷹狼』を右側に置き、地中海と空を見上げた。

 

 

「……」

 

 

「あの、洋介さん!」

 

 

「……ん…芳佳か…」

 

 

「えっと…練習しますか…?」

 

 

芳佳が二本の木刀を持って、洋介の元に赴いた。

 

 

「そうだな、やるか!」

 

 

芳佳の言葉で洋介は立ち上がり、芳佳の練習に付き合った。

 

芳佳が新型の震電を受領後、芳佳は以前より強くなるために、洋介の娘の亜弥と共に剣術に参加した。

 

 

「てやっ!!」 シュッ  「はぁっ!!」 シュッ

 

 

「…っ…やるな!!……そこっ!!」 

 

 

芳佳の刃を払い、洋介は彼女の頭を当てた(寸止め)。

 

 

「…あはは…また、やられちゃった……」

 

 

「踏み込みとかまだまだや、しかしながら以前より腕を上げたな」

 

 

「本当ですかっ!?」

 

 

「あぁ。だが、実戦では坂本さんの刀は愚か、僕と亜弥の刀を使うのは止すんだ。」

 

 

「あ…うん、そうですよね…」

 

 

洋介の言葉で、芳佳は自身の剣術の未熟さに気づくのであった。

 

洋介は床に居座り、空を見上げた。

 

 

「ネウロイとの決戦前だが、ちょっとした昔話をしようか。」

 

 

「え…昔話?」

 

 

「僕と亜弥の世界にて、中国と言う国があった。」

 

 

「え……ちゅうごく…?」

 

 

「昔、中国のある町に妙な商人が武器と装備を販売していた。」

 

 

「うんうん…それでどんな武器と装備を…?」

 

 

洋介が語ることに、芳佳は興味を示した。

 

 

「なんでも防備を貫ける矛、どんな武器を防げる盾。」

 

 

「…へぇ…だけど…その装備で…お互いに……」

 

 

「そうなんだ、その矛で盾を貫けたらどうだと、客が商人に説いたが話はそこで終わった。」

 

 

「あはは…そうなんだね…その矛と盾、わたしと坂本さんみたいだね…」

 

 

芳佳は自身の放つシールドと、坂本美緒の烈風斬みたいだと語る。

 

 

「…なるほどな…どんなネウロイを切り裂く烈風斬、どんなネウロイの攻撃を防ぐシールド。やはり、どんな戦況でも魔法力は左右するな…」

 

 

「洋介さん…そうだね…」

 

 

「お父さんと芳佳お姉ちゃんの魔法力はいつ見ても凄いよ。」

 

 

「ふふふ…亜弥もな。ヴェネツィアの決戦まで、この魔法力をぶつけよう。」

 

 

「「うん!」」

 

 

 

 

 

 

 

「…矛盾か…その決戦まで…魔法が持っていてくれたら……」

 

 

ある格納庫の柱からある人物が、洋介が述べていた言葉を呟いた、

 

洋介は司令室に赴き、ミーナに外出許可を申請する。

 

 

「ミーナ中佐、半日のみですが、亜弥と外出許可をお願いします。」

 

 

「桜井さん、いいでしょう。」

 

 

ミーナは洋介に、書類荷物を整えながら許可をする。

 

 

「ありがとうございます。しかし、中佐はどちらへ行かれるのですか…?」

 

 

「えぇ、これから私はブリタニアのロンドンにてウィッチ会議に出席します。」

 

 

「…(そうか、あの時の書類整理にてか)そうですか、道中お気をつけて下さい!」

 

 

洋介はミーナに対し、敬礼しながら部屋から退室する。

 

 

格納庫で洋介は亜弥と共に扶桑のサイドカー付きバイクに乗車、向かうは首都ローマ。

 

 

「…お父さん……ネウロイとの決戦が近いのに…なんでお出かけするの…?」

 

 

側車の座席にて、亜弥が質問する。

 

 

「休息も大事な任務だ、亜弥も人類の為に訓練を施し、ネウロイと戦うのは凄くありがたい。だが、亜弥もまだ子供だ、子供らしく遊ぶことも、人として大切なことを忘れるな。」

 

 

「…あ…うんっ!!」

 

 

久しぶりに親子でのお出かけであった。行く先の喫茶店にて、ステラは腕と脚に包帯を巻かれ、負傷を受けていたバッキーと再会した。

 

 

ローマ 喫茶店

 

 

「…そうか、…俺たちが504に帰隊した後で洋介の親父さんが…」

 

 

「…あの…洋介さん…亜弥、御愁傷様です…」

 

 

「バッキーさん、ステラ姐さん、ありがとう。…あの時が最初で最後になるなんて…」

 

 

「ちょっとだけでも、亜弥はまだ幸せな方だ。俺の祖父母は遥か彼方の日本だったから、会いたくても会えなかった…写真を眺めるのみだったからな…」

 

 

「あたしも、……父方がアメリカ人であたしが生まれた1週間後に、交通事故で死んだ…母方は日本人、日本で会ったきり、それっきり……」

 

 

亜弥の悲しげな言葉でバッキーとステラは、祖父母に関しての思い出に感傷に浸った。

 

 

「……まぁな…辛くないと言えば嘘になる…洪水の災害で亡くなった父さんと母さん。俺たち姉弟は母方の祖父母の家に引き取られ、陸海軍と看護婦に志願するまで、ちょっと世話になった。だが、志願してそれっきり会っておらん…俺はつくづく不孝者だ…」  クイッ  「しかしバッキー…その腕と脚の包帯、大丈夫か…?」

 

 

遅まきながら、洋介はバッキーの負傷に質問する。

 

 

「この間、504部隊に帰隊した後、タラント軍港の防空の任務に就いたんだ…」

 

 

「ん…タラント軍港か、俺たちウィザードの扱いは過酷だな。次の決戦までの艦隊の防空か……お疲れだ。」

 

 

「あぁ洋介、…前に爆弾型ネウロイの襲来、あったよな。」

 

 

「ん……あぁ、あの忌まわしいピカの爆弾型ネウロイか、また襲来したのか…!?」

 

 

「いや、亜弥の報告で、あの爆弾型ネウロイを護衛していた人型ネウロイ、現れたんだ。」

 

 

「「 え…? 」」

 

 

バッキーの言葉に二人が反応する。

以前、扶桑の連合艦隊旗艦大和以下の艦艇がロマーニャに向けて航行中、原子爆弾型ネウロイが襲来。

原爆型ネウロイの護衛を担っていたのは人型ネウロイ。

リーネが原爆型ネウロイの襲来で艦艇を防空、亜弥も協力するも、人型ネウロイと交戦するも、宮藤芳佳が原爆型ネウロイを撃墜。

亜弥は人型ネウロイを逃したが、のちに報告。

人型に関して、連合軍司令部に知れ渡った。

 

 

 

 

昨日 タラント軍港 上空

 

 

ギュイイィィィン

 

 

「フェル、マルチナ、ルチアナ!この人型は任せろ!!」

 

 

「うん、バッキー…頑張って!!」

 

 

「フェル隊長、別報告から大型ネウロイです!!」

 

 

「とうとうおでましね!さぁ、わたしたちも戦うわよっ!!」

 

 

「「 了解っ!! 」」

 

 

フェルトたち赤ズボン隊はタラント軍港にて、微力ながらも防空の任務に就いていた。

 

人型ネウロイを前にバッキーは12.7ミリ機銃のグリップを握り締め、空戦に突入した。

 

 

ダダダダダダダ スッ

 

 

「(…くそっ…あの人型、洋介程では無ぇが手強い……)わっ!!」  バシュッ  「痛てぇっ!」

 

 

人型はバッキーの攻撃を何度も躱され、そして人型の激しい攻撃で幾つかかすり傷を負った。

 

 

「(さすがに流血が……もう少し持ってくれよ、身体……)」  

 

 

人型ネウロイを相手に、バッキーの身体は流血と魔法力が危うい状況に瀕し、機銃の弾丸が尽き、M-1小銃とガバメント拳銃で対応する。

 

 

バァン バァン バァン シュッ

 

 

「……今だっ!!」

 

 

「てやあぁぁぁ~!!」 ダダダダダダダ 「留めだっ!!」

 

 

人型ネウロイがバッキーの小銃弾を躱した時、哨戒飛行を終えたステラが上空を飛来、急降下をしながら機銃弾を放ち、魔導レーダーでコアを確認、常備していた銃剣をコアに目掛けて突き刺し、人型ネウロイは粉砕。

 

 

「やったか!……っ!?」

 

 

粉砕したネウロイが元通りに修復、人型の両腕が刃に変形、二人を襲った。

 

 

スパアァァン

 

 

「き…機銃が…くっ…こいつ…!!」 バァン バァン

 

 

スパアァァン 「拳銃が……」 シュッ スパアァァン

 

 

「…あ…ああぁ……」

 

 

機銃を人型に斬られ、更に拳銃を発砲するも、斬られ、ステラはシールドを張るにもシールドを真っ二つに斬られ、風前の灯だった。

 

 

「やめろおぉぉ~っ!!」 ガキイィィン

 

 

バッキーはM-1小銃をひっくり返し、人型の後頭部に銃床を殴らせた。

 

 

「俺を忘れるなよ、人型っ!!」

 

 

「…………」

 

 

バランスを崩した人型は、ヴェネツィア方面に引き返した。

ヴェネツィアに向かって飛行した人型を見計らったバッキーは、ステラの元に向かった。

 

 

「…大丈夫か、ステラ…」

 

 

「……えぇ大丈夫…ありがとうバッキー…」

 

 

「おぉ〜いバッキー!!ステラ~!!」

 

 

「バッキーさぁ~ん、ステラ~!!」

 

 

フェルナンディアとルチアナは、ストライカーユニットを失ったマルチナを支えながら二人の元に飛来した。

 

 

「フェル、ルチアナ!」

 

 

「マルチナ、ユニットは?」

 

 

「あはは~、さっきネウロイのコアにストライカーユニットをぶつけてやった!」

 

 

「そうか、お疲れだったな…お疲れ……」

 

 

「バッキー!」 

 

 

バッキーは流血にふらつき、ステラが支えながら、赤ズボン隊と共に504基地に帰還した。

 

帰投した後、バッキーはフェルナンディアの治癒魔法で回復、暫く出撃停止を下された。

 

 

「バッキーさん、身体大丈夫なの?」

 

 

「あぁ、フェルの治癒魔法でなんとか身体が回復したぜ。」

 

 

「まぁね、亜弥。本当に世話が焼けるよ~ねぇ洋介さん…」

 

 

「全くだな……あの人型…二重コアを備えていたとはな……」

 

 

洋介は以前オラーシャのペテルブルグ、グリゴーリの戦い、ロマーニャの501結成以前に坂本美緒が烈風斬で斬り落としたネウロイの報告を受けていた。

 

 

「ねぇ洋介さん、お父さんをどうしたの…?」

 

 

「あぁ、父さんの遺体を荼毘し、俺と亜弥、501のウィッチと骨を骨壺に納めた。」

 

 

「そうなんだ…」

 

 

「骨壺を二つに納め、一つは日本…いや、扶桑に。もう一つは異世界のドイツ…カールスラントの首都ベルリンに、弟の勇介と戦友の妹、晴香さんの代用骨として納骨するつもりだ。」

 

 

ステラの質問で、洋介は父親の佐助の骨を二つに納め、もう一つの分骨した骨壺を、勇介と晴香の骨として、納骨することを考えていた。

 

 

「そうなんだ、ねぇ洋介さん。その洋介さんのお父さんの骨、あたしにも納骨してもいいかしら…」

 

 

「ん…ステラもか…友達かなにかベルリンでか…?」

 

 

「うん…あたしの友人もベルリンで死んだ…だから、友人の骨としてベルリンに埋めたい…!」

 

 

「……他人事じゃねぇな……わかった。」

 

 

「…洋介さん、ありがとう…」

 

 

ステラの友人は同じ日本人ハーフ、アリシアとパウラはドイツ軍人、戦車兵としてベルリンで戦死。

 

その事情を知った洋介は納得し、勇介と晴香、アリシアとパウラの骨としてベルリンに納骨することを承諾するのであった。

 

茶菓子をしながら談話、情報交換を終えた。

 

 

「じゃあな、バッキー。ゆっくり身体を治せよ。ステラも504を任せた!」

 

 

「うん、洋介さん。504は任せて!またね、亜弥!」

 

 

「洋介も501の戦いで、ネウロイにやられるなよ!亜弥も決戦に気をつけてな!」

 

 

「バッキーさん、ステラ姉さん。ありがとう!!」

 

ブロロロロロ

 

洋介と亜弥は側車付きのバイクに乗車。501基地に帰投した。

 

 

501基地

 

 

「うじゅ…洋介と亜弥、ずる〜い!!あたしも行きたかった~!!」

 

 

「ごめんなさい、ルッキーニさん。」

 

 

「あぁ、すまんなルッキーニ…」 

 

 

「まぁまぁ、落ち着けルッキーニ!」

 

 

ローマから帰ってきた洋介と亜弥。帰ってきた途端、ルッキーニから剣幕を張られていた。

シャーリーは、彼女の肩を掴みながら抑えていた。

 

 

「亜弥とお父さんは、バッキーさんとステラ姉さんと会う約束を交わしていたから…」

 

 

「…うじゅ……あたしもバッキーとステラに会いたかった~!!」  

 

 

「落ち着けよルッキーニ、あたしだってバッキーとステラに会いたいさ、次の機会まで我慢我慢。」

 

 

「…う~ん……」

 

 

亜弥の言葉でルッキーニは益々苛立ち、火に油を注いでしまった。

ルッキーニもまた、ローマでバッキーとステラの異世界人に懐いたウィッチになった。

 

洋介は頭を搔きながら、閃いた。

 

 

「…まぁまぁ…ルッキーニ…シャーリーの言う通り、また今度、君に案内して貰ってもいいかな…?」

 

 

「…ぐすっ………うん、わかった!また今度ね。約束だよ!!」

 

 

「すまーん、洋介。」

 

 

洋介の言葉に二人は納得した。

 

食事が始まる前、ブリーフィングルームにて、洋介は亜弥に教鞭をとっていた。

 

亜弥の身分はまだ小学児であり、異世界から

来ても、少しでも学力を付けさせる為に、洋介は教師代理として指導をしていた。

 

 

「俳句などの短歌は、四季と短い節句により、想像を浮かばせ詩になる。」

 

 

「……うん!」

 

 

亜弥は洋介の言葉をメモ帳に書き記す。

 

 

「桜井!亜弥!」

 

 

「おーい洋介、亜弥!」

 

 

ミーティングルームにトゥルーデとエーリカが入室する。

 

 

「ん、トゥルーデとハルトマンか。どうしたんだ?」

 

 

「ふふふ~♪︎実はトゥルーデが用があるんだ!」

 

 

「…お、おい、ハルトマン…!///」

 

 

「今二人に言わないと、いつ言うの~?」

 

 

「…う……///」

 

エーリカはトゥルーデの背中を押し呟きながら、トゥルーデは赤面する。

 

 

「…この間の休暇で、入院している妹のクリスと面会したんだ。」

 

 

「…あぁ、妹さんのクリスさんが…」

 

 

「トゥルーデ姉さん、クリスさんと会ったんだね。」

 

 

 

「あぁ!」

 

 

亜弥の言葉で、トゥルーデは笑みを浮かべた。

 

 

「…じ、実は…私の妹のクリスに話したんだ……えっと…その…」

 

 

「…もぅ、トゥルーデ…、この戦いが終わったら、洋介と亜弥は、妹のクリスと会って欲しいって、言いたいのトゥルーデは!」

 

 

「こ、こら!」

 

 

クリスのことを話していると、トゥルーデはたじろぎ、エーリカは彼女に代わり、真実を述べた。

 

 

「ははっ、そんなことか〜。言われなくとも、君の妹さんのクリスさんと会いに行くよ。」

 

 

「わたしも、トゥルーデ姉さんのクリスさんと、会うのを約束するよ。」

 

 

「桜井…、亜弥。ありがとう。」

 

 

トゥルーデは、二人が妹のクリスと会いに行くことを約束し、深々と感謝を述べた。

 

洋介と亜弥にしても、妹のクリスに関して耳にタコが出来るほど、トゥルーデから聞かされていた為に、これは行くしかないと、共感するのであった。

 

 

食堂 

 

 

「あの、桜井さん、亜弥さん。」

 

 

「は…はい。」

 

 

「どうしたんだ、ペリーヌ?」

 

 

「あとで、リーネさんとブリーフィングルームにて、お茶を飲みません?」

 

 

「行きたいのは山々だが、俺は今夜は基地の周囲を見張らねばならん。亜弥、行ってくれるか。」

 

 

「うん。」

 

 

ウィッチーズの皆で夕食を終え、亜弥はブリーフィングルームにて、ペリーヌとリーネ共に、お茶を飲みながら、交流を深めていた。

 

 

「ガリア復興のため、この子たちはがんばっているんだね。」

 

 

亜弥は、以前にペリーヌ宛に手紙が送られ、同封された写真を目の当たりにする。

 

 

「亜弥さん、このロマーニャの戦いが終わったら、ガリアにお越しになってくれませんか?」

 

 

「ペリーヌさん、いい考えだね。亜弥ちゃんが、ガリアの子供たちといい交流になれたらいいね。」

 

 

「ペリーヌさん、リーネお姉ちゃん。色々と忙しいけど、お父さんと必ずガリアに行くよ!わたしもちょっと、ガリアのお洒落に興味あるの~♪︎」

 

 

「あら、楽しみにしてますわよ♪(亜弥さんも、お年頃ですわね。)」

 

 

ペリーヌの期待に応えて、いつか行くことを約束する。

異世界からやってきた亜弥も、年相応な年に成長しているのであった。

 

 

「そう言えば亜弥ちゃん、亜弥ちゃんのお誕生日はいつなの?」

 

 

 

「あ…えっと7月23日です。リーネお姉ちゃん。」

 

 

リーネの質問で、亜弥は自身の誕生日を教えるのであった。

 

 

「その日は亜弥ちゃんを、盛大に祝うね。」

 

 

「あ…うん、ありがとう!」

 

 

亜弥にとって、この世界にきて、初めての誕生日を祝って貰うのを楽しみにしていた。

 

一方、洋介は一人で基地の見張りを担当し、自然と格納庫へ赴いた。

 

 

格納庫

 

 

「おっ!サーニャ、エイラ。」

 

 

「洋介さん!」

 

 

「洋介大尉!」

 

 

洋介はストーカーラックにて、夜間哨戒に出撃する順を行うサーニャとエイラと会った。

 

 

「しかしサーニャ、僕の感だが、いいことあったのか?」

 

 

「オイっ洋介大尉、サーニャのプライベートに質問スルな!」

 

 

「おっと、すまんすまん。」

 

 

エイラの言葉で、洋介は口ずさみながら言ってしまったことで、謝罪する。

 

 

「もぅエイラ、そうですね。私の両親から、手紙が送られてきたのです。」

 

 

「そうか、両親からの手紙が送られてきたんか…良かったな。」

 

 

「はい、このロマーニャの戦いが終わったら、一度はチェリャビンスクへ行こうと思っています。」

 

 

「そうか。ちょっと早いが、両親と再会することを祈っているぞ。」

 

 

「はい!」

 

 

「ワタシも、サーニャを守るタメに、ツイテ行くゾ!」

 

 

「えぇ、エイラ。」

 

 

「頼もしい相棒だな。おっと二人とも、夜間と云えども、気をつけてな!」

 

 

「任せとケ~!」

 

 

エイラとサーニャはストライカーユニットを履き、滑走路を掛けて、夜間哨戒に出撃した。

 

 

 

「しかし、サーニャの両親の手掛かりを見つけた大木田虎三郎、一体何者なんだ……」

 

 

 

洋介は以前の502ペテルブルグ時代にて、大木田虎三郎を調べるににも関わらず、扶桑人以外の調査はゼロに等しい。

 

基地の見張りを終えた後、洋介は部屋に戻り、彼より先に亜弥がベッドに眠っていたため、静かに自身のベッドに寝転がりこんだ。

 

 

「…亜弥……自身の人生を犠牲にして、ネウロイと戦っているなんて…いつもながら、すまん…」

 

 

洋介は、亜弥がウィッチに覚醒し、娘の人生を犠牲にしているのを、心の中から謝罪する。

 

 

「……進次郎、トチローさん、トチコさん、澪さん、志帆姉さん。……厚木隊長…沖田さん…虎雄…幸吉…純子さん…晴香さん…勇介…雪…お父さん…」

 

 

洋介は、ラバウル六勇士の戦友、呉で会った戦友の妹と姉弟、女手一つで亜弥を育てた妻、父たちの名前を呟くのであった。

 

 

 

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