ストライクウィッチーズ ~蒼空を舞う零の荒鷹~   作:鷹と狼

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第5話 南方の過去

 

 

 

トゥルーデの騒動から数日後、洋介はミーナから御礼として基地の外出許可を頂いた。

 

 

「………よしっ!こんなもんやな~♪」

 

 

洋介は格納庫で、九二式側車付きバイクを整備して整えた。基地と空中でも欠かさずに軍刀と拳銃を装備したその時ー

 

 

「「 洋介さ~ん! 」」

 

 

「ん?芳佳、リーネ?……どうしたんだ?」

 

 

「私たちもミーナ中佐から休暇を頂きました。」

 

 

「私も芳佳ちゃんと一緒に基地が指定する市街地へ行きませんか?」

 

 

リーネの発案で洋介は悩み気味だったが、直ぐに答えた。

 

 

「…そうだな。芳佳とリーネにしても乗りたかった船だ。側車に乗って、501が指定する市街地へ行こう!」

 

 

「「 はい! 」」

 

 

 

 

芳佳とリーネは洋介が運転するバイクの側車に乗車。リーネの案内で彼女たち501が指定する市街地に到着した。

 

 

 

 

 

「ここがブリタニアの、…リーネちゃんが…501が指定する市街地なんだね!」

 

 

 

「良いでしょ芳佳ちゃん。洋介さんもどうですか?」

 

 

「…ん、あぁ。民間人だけじゃなく各国の軍人の兵士も滞在しているんだな。」

 

 

街にはブリタニアの民間人だけじゃなく、各国の軍人と兵士が滞在する。ブリタニアのネウロイ上陸に対しての備えと、欧州奪還に備えていた。

 

 

「洋介さん…町人はそこそこだけど、何だか軍人が多くてちょっと不安…」

 

 

「ん…そうだな…(どいつもこいつも、酒場へ出入り……いざと成れば、ネウロイと戦えるのか……)」

 

 

だが、洋介から見た光景は、ネウロイの備えに緊張感はなく、娯楽に尽くしていた。

 

 

「きゃっ!?」

 

 

そう洋介が心配する時、リーネの悲鳴が聞こえた。

 

 

「おうっウィッチのお嬢ちゃん!」

 

 

「かなりの上玉だな、オレたちと遊ばねぇか!!」

 

 

「やめて下さい!わたしは友達と……」

 

 

「きみは軍曹、オレたちは曹長。階級の下は上官に従うのは当然だろ!」

 

 

柄の悪い3人のブリタニア兵がリーネの手首を掴み、某店に入ろうとした。

 

 

「リーネちゃん!!」

 

「やめろ!!貴様ら、どこの部隊の者だ!!」

 

 

「洋介さん!」

 

 

「なんだ、てめぇは?」

 

 

「501所属。扶桑海軍中尉、桜井洋介だ!!」

 

 

「桜井…?」

 

 

「尉官様がなんで501のウィッチと同行しているんだ?」

 

 

「貴様らに説明している必要はない!そのウィッチを離せ、隊に戻れ!!」

 

 

「ははーん!てめぇは501JFWのウィッチのヒモだな!男に飢えている自ら生け贄に…っ!?」

 

 

洋介は魔法力を発動し、軍刀を手に掛け、ブリタニア兵を威圧した。

 

 

「もう一度言う、ウィッチを離せ!!」

 

 

「わわ…わかった…わかりました…!」

 

 

ブリタニア兵は洋介を恐れてリーネを解放した。

 

 

「リーネちゃん!………リーネちゃん、大丈夫?」

 

 

芳佳はリーネの元に駆け付け、心配した。

 

 

「うん、大丈夫だよ芳佳ちゃん。洋介さん…」

 

 

「ひとまずだが、そこの喫茶店で休もう。」

 

 

洋介はリーネを横抱き喫茶店に入れ、芳佳は治癒魔法でリーネを手当てし回復させた。

 

 

「ありがとう…、芳佳ちゃん…」

 

 

「リーネちゃん、大したことなくてよかった~」

 

 

芳佳はホッと胸を撫でいた。その光景を見て洋介は微笑んだ。

 

 

「あの…洋介さん…助けてくれてありがとうございます///」

 

 

「いやいや、……昔、フィリピンで味方が現地人を襲っていたことを思い出し、現地人をほっとけなくて助けた。僕の上官と部下と共に…」

 

 

「凄いなぁ…」

 

 

「……芳佳とリーネ、仲が良くて良いな。」

 

 

「えへへ…///」

 

 

「洋介さんの世界でも、仲が良いお友達はいたのですか?」

 

 

「あぁ、いたよ。予科練などの教育と精鋭部隊。これがその写っている写真だ!」

 

 

洋介の胸ポケットから写真を取り出した。幾つかの写真の中で教育時代や呉での三姉弟と仲間。そしてラバウル時代、写っているのは中央の最前列に隊長の厚木十三中尉と沖田新一郎少尉、原住民の少女サン。右側に沖田進次郎二等飛行兵曹と金城幸吉三等飛行兵曹、左側に桜井洋介飛行兵曹長と大賀虎雄一等飛行兵曹。後ろには零戦と零観、翼には双子の兄妹、秋山敏郎と敏子兵曹長。

 

 

「へぇ~皆、笑顔で写っていいな」

 

 

「この人が洋介さんの仲間さんなのね!訊かせて下さい…!」

 

 

「……そうだな…良いだろう…!」

 

 

洋介は一時躊躇ったが、話すことを決意した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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西暦1943年3月2日 ダンピール海峡上空にて5機の日本の戦闘機と水上戦闘機、観測機が日本の輸送船団を襲う米軍の戦爆連合と交戦。

 

その内の一機の零戦22甲型が闘っていた。

 

 

「墜ちろ!!」 ギュイィィン ダダダダダ 「よしっ!B-24撃墜!!」

 

 

桜井洋介がまだ未成年だった頃、小隊の一員で飛曹長に昇進。ラバウルに着任して以来の空戦で幾つもの敵機を撃墜した。

 

 

「『桜井、沖田!燃料がそろそろ危うい、ラバウルに帰投するぞ!』」

 

 

「了解!!」

 

 

洋介と仲間の沖田進次郎二等飛行兵曹と隊長である厚木十三中尉の元に集い、ラバウルに向けて飛行する。その途中で零観と二式水戦が合流してきた。

 

 

「『十三!俺たちが乗船した輸送船がやられた!!』」

 

 

「『なに!?』」

 

 

「『そうか、なら共にラバウルへ帰投しよう新一郎!なにかのよしみだ!』」

 

 

「『すまん!!』」

 

 

「厚木隊長、俺は反対です!足の遅い下駄履きの連中と敵機の…」

 

 

「『遅くて悪かったな飛曹長!沖田少尉!ワシもこんな空母組と胸くそ悪いですよ!!』」

 

 

洋介と悪口で言い争っていたのは大賀虎雄一飛曹、二式水戦のパイロット。

 

そして、ニューブリテン島ー ボルゲン湾上空に到達した時だったー

 

「『ぐ……あぁっ!!』」

 

 

「大賀、どうしたんだ!?」

 

 

虎雄の二式水戦のエンジンが火を吹き、ボルゲン湾を目掛けて落下した。

 

 

「『エンジン不調!!沖田少尉、墜落します!』」

 

 

「『大賀!!』」

 

 

「『沖田少尉、厚木中尉!お世話になりました!!』」

 

 

虎雄は敬礼して、みるみる落下していく中、洋介の脳裏にあることを思い出した。あの水災害で多くの洋介の被災者が呑み込まれ、彼の両親も犠牲になった。

 

 

「馬鹿野郎!!」

 

洋介は落下していく虎雄を追い掛けた。

 

 

「『桜井飛曹長……?』」

 

 

「機首を上げろ!!俺と年齢の変わらない奴が命を散らすな!!」

 

 

「……あぁっ!?」

 

 

洋介は愛機の右片翼で虎雄の二式水戦を持ち上げようと、見事に着水させた。

 

 

「ほっ……こちら、桜井!編隊に戻っ……!?」 ガクッ 「しまった!?…調子に乗って翼が……せめて、砂丘まで!!」

 

 

洋介の愛機の右片翼がもがれてバランスを崩して砂丘に不時着した。

 

 

「はぁ…はぁ…、危ない……ニューブリテン島の西側、ボルゲン湾のどこだ……ナタム……向こうが……グロスター…?」

 

 

「おーい!!おーい!!」

 

 

洋介は愛機から降りて地図を開くと、海上から虎雄は二式水戦を漕いで砂丘の海岸に漂着させた。

 

 

「おい、飛曹長!!」

 

 

「…ん?……なんだ?」

 

 

虎雄は個人装備の二式テラ銃と南部十四年式拳銃を置いて、拳を構えた。

 

 

「……このあいだの酒保の喧嘩の続きだ!」

 

 

「良いだろう!!……はぁっ!!」

 

 

洋介も南部十四年式拳銃と軍刀の鷹狼を置いて、喧嘩の続きを始めた。

互いに顔面の頬や腹部、痣や吐血が出るまで殴り続け夕日が水平線に沈むまで決闘が続いた。

 

 

夕方ー 洋介と虎雄の決闘を終え、密林で確保したマンゴーをかじりながら夕日を眺めた。

 

 

「……マンゴーは美味いが、傷が沁みるなぁ~…」

 

 

「こっちの台詞だ、…お前…柔道は何段だ…?」

 

 

「柔道5段、それに空手も5段だ」

 

 

「………通りで凄腕だな……」

 

 

「あんたも剣道で鍛えたんだな……あの手刀が効いたぜ…「ぷっくくく……わっはっはっはっは!!」」

 

 

ナタム岬で不時着した二人のパイロットが笑いあった。

 

 

ラバウルへ帰還するために二人の機体を調べたが、洋介の愛機の零戦、エンジン部分と20ミリ長身機関砲2挺以外は使用不能。

 

虎雄の二式水戦、エンジンとプロペラが使用不能。

 

二人は協力して洋介の零戦22型エンジンを分解して、二式水戦のエンジン部分に移植、エンジンと本体にパイプやコードを繋ぎ合わせ、機銃の交換作業を徹夜して終えた。

 

 

 

 

翌朝ー

 

 

 

 

「はぁ~やっと終えた……」

 

 

「……直したのはいいが、燃料が足りない……」

 

 

「だな………ラバウルまで飛行どころか……エンジンを移植した機体のテスト飛行すら難しい……ガソリンでもあれば……」

 

 

「そうだな……さっき上空で対岸のグロスター岬に米軍の拠点を確認……侵入する価値がある。少なくとも、ガソリンくらいは………」

 

 

「……そうだな、………行くタイミングからして夜間でだ!」

 

 

三日月が照らされる夜、ジャングルで歩行をするのは米軍に見つかる可能があった為、小銃と拳銃、軍刀の装備でボルゲン湾の海を泳ぎながらグロスター岬へ向かった。

 

 

 

 

深夜。グロスター岬、海岸ー

 

 

 

「ぷはぁっ………鉄条網がない……」

 

 

「……海からの侵入は正解だったな……」

 

 

「……必要なのは燃料、糧食だな…」

 

 

「そして、この拠点を爆破する!」

 

 

米軍がニューブリテン島を上陸して以来、ラバウルに侵攻した。

 

日本軍の侵攻を阻止するために損害が相次いでいる。洋介と虎雄はラバウル侵攻を阻止、爆破して延滞させることにチャンスがあった。

 

米兵が就寝時、監視をすり抜けて備蓄集積所を探した。

 

 

 

 

米軍 備蓄集積所

 

 

 

「……違う……この箱じゃないな…」

 

 

「……これは?衣類かよ…」

 

 

二人は集積所で燃料が入ったドラム缶とポンプ、ジープを確保、そのあと食料を探しながら積み荷の箱を確認する。するとー

 

 

「……ん?……小銃……?アメリカ軍の最新式半自動小銃か……トチローさんの土産として持って帰るか。」

 

 

洋介はアメリカのM-1半自動小銃と弾薬を鹵獲した。それから1時間ー

 

 

「あった!糧食だ!」

 

 

「こっちも粉火薬を見つけた!これを導火線の代わりに……」

 

 

虎雄は缶詰を背嚢に詰め込み、洋介は粉火薬で集積している物資に燃料を掻け、地面に線状に書いた。

 

 

「飛曹長、ワシは糧食を積み終えた。そっちはどうだ?」

 

 

「あと少し、我々はこの拠点を抜けるまでは爆発して貰いたいからな………」

 

 

 

 

 

「……ジャップ!!」

 

 

「っ!?しまった!!見つかった!!」

 

 

「ずらかれ曹長!!」

 

 

洋介は導火線作りに夢中になり、米軍3人の監視兵に発見された。二人は逃走用に燃料を積んだジープへ向かった。だがー

 

 

バババババッ 「ぎゃっ……」 バタッ

 

 

「……!?…虎雄…!!」

 

 

虎雄は短機関銃の掃射を受けて倒れた。

 

 

「…虎雄……しっかりせい、虎雄!!」

 

 

「stop!!holdappu!!」

 

 

「………っ!!貴様ら!」 スパアァン

 

 

 

「「「 ヴアァ…… 」」」

 

 

 

洋介は軍刀の鷹狼を鞘から抜き、米兵が彼に小銃を向けて発砲する中で洋介は斬り倒し、返り血を浴びて立っていた。

 

 

「はぁはぁ……ざまぁ見ろ...! ……うぅ……」

 

 

洋介の手と鷹狼は血に染まり立ち往生した。

 

 

「(……これが……戦争なのか…………)」

 

 

銃声の騒音で兵舎から次々と武装した米兵が出てきた。

 

 

「(もう……ここまでか………志帆姉さん、勇介……雪………父さん………母さん………)」

 

 

この状況で洋介は死を覚悟した。

 

 

「行くぞ、洋介!!」

 

「……っ!?虎雄!!」

 

 

倒れていた虎雄が立ち上がり、洋介の飛行衣の胸ぐらを掴みジープに乗車した。

 

 

「虎雄……運転は任せろ!」

 

 

「わかった、なら射撃はワシに任せろ!」

 

 

「あの導火線を狙え!!」

 

 

「よしっ!!」 バアァン

 

 

虎雄はテラ銃で洋介が設置した導火線に命中した。洋介と虎雄は背中を合わせ、エンジンを発動。逃走しながら検問を突破、米軍の拠点から脱出。ジャングルに突入して身を隠した直後に、拠点が大爆発を起こした。

 

 

「拠点からいい花火が上がったな~♪」

 

 

「ははっ♪全くだ!……しかしながら、背嚢に詰め込んでいた缶詰で命拾いしたとは……お前は運が強いな~」

 

 

「…まぁな、ワシが幼い頃に海で…不思議なことに………青い人魚に助けられたんじゃ…」

 

 

「……青い人魚…?」

 

 

二人は水上戦闘機の元に到着、略奪した米軍の燃料を戦闘機に給油、急いで糧食の缶詰を食事を食した。

 

 

「……美味いな~♪」

 

 

「だな、洋介……それ以上食うなよ。機体の重量や厚木中尉や沖田少尉たちの土産として持って帰るんだからな~♪」

 

 

「洋介か……ふっ……」 カアァン

 

 

「「 !? 」」

 

 

虎雄の言葉で洋介は微笑んだ。すると一発の弾丸が洋介が持っていた缶詰を弾き飛んだ。

 

 

「追ってだ!」

 

 

「早いな!!虎雄、とっとと下駄履き戦闘機のエンジンを回せ!!」

 

 

「言われなくともやるぜ!!」

 

 

虎雄は二式水戦に搭乗、洋介は鹵獲した小銃で敵兵に向けて乱射して援護した。

 

 

バアン バァン バァン カキイィン 「弾切れだ!」

 

 

M-1小銃の弾薬クリップが跳び出し弾切れになった時、戦闘機のエンジンが発動した。

 

 

「洋介、乗れ!!」

 

 

「わかった!!」

 

 

「行け行け行け!飛べぇ~!!」

 

 

洋介は急いで風防にしがみ付き、水戦が水上を走り蹴り飛んだ。

 

 

「飛んだ……飛んだな!!」

 

 

「以前の速度とは桁違い、流石は22型のエンジンだ!」

 

 

「虎雄、頼みがある!」

 

 

「ん……?」

 

 

二式水戦は上空で急旋回、逃走に使ったジープと洋介の零戦22型が機銃を掃射して大破した。零戦22型が敵の手に届かない様に破壊させた。

 

 

「ありがとう!」

 

 

「礼を言うのはワシの方じゃ、ワシの愛機に最新式のエンジンの搭載と命、友人が出来たことじゃ洋介♪」

 

 

「………そうだな、俺もいい友人ができて嬉しいぜ!虎雄……ほれ、呉での写真だ、虎雄の妹さんがいるなら譲る……」

 

 

「え…?いいのか…?ありがたいがこの写真に洋介の姉弟…が…」

 

 

「いいんだ、あの時の酒保のお詫び。また呉に帰投したら現像して貰うぜ!」

 

 

 

朝日が昇り、水戦はラバウル基地へ向けて帰投した。

 

 

 

 

 

帰投する中、二人は煌めく海の岩礁を目の当たりにした。その岩礁は、花の様に咲いていた。

 

ラバウルの原住民、少女のサンに聞いた話によると、海に咲く花を見た者は必ず死を招く。古くからの伝説だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……と、言う訳だ」

 

 

「「…………………………………」」

 

 

洋介の回想で芳佳とリーネは驚愕し、言葉が出なかった。

 

 

「……洋介さんの世界は人同士、醋慄の地上で恐ろしいところから生き延びたんだね!」

 

 

「まぁな、……虎雄の共同がなければ、いや……ストライクウィッチーズの様なラバウル六勇士を結成しなければ……あの戦争を生きることが出来なかった……それに、あのラバウル帰還後、僕の愛機を紛失、虎雄の愛機を改造して、トチロー整備班長が怒り、スパナで殴りに掛かって来たから、怖かった……」

 

 

「へぇ~……(恐ろしい……)」

 

 

「そして、虎雄さんは?他の皆さんは……?」

 

 

「……あの戦争で……虎雄は45年の7月、シンガポールのマラッカ海峡上空で戦死した……」

 

 

「え…?」

 

 

 

リーネの言葉で芳佳は基地を思い出し、洋介は深刻な顔をした。

 

 

 

「虎雄だけじゃない、……45年2月で厚木隊長はフィリピン。8月に沖田さん、幸吉は長崎上空で。僕の姉弟の姉さんは6月の沖縄で行方不明……弟は5月にドイツ、いやカールスラントのベルリンで虎雄の妹さんの晴香さんが戦死……まして、上官や先輩、同期や後輩、部下。民間人が戦火の中……僕も多くの敵を殺し、屍の上に立っている。」

 

 

「……洋介さん……」

 

 

「……僕はこの世界に彷徨ってきたのは、神が与えた罰なのか……」

 

 

その一言の後で洋介はコーヒーを飲み、空を見つめた。

 

 

「落ち込まないで洋介さん!」

 

 

「そうだよ、洋介さん!」

 

 

「……洋介さんはこのウィッチの世界にきたのは、洋介さんが神様に与えられたチャンスかも知れないよ!」

 

 

「このネウロイが侵略する中でも闘って、洋介さん!」

 

 

「芳佳……リーネ……(厚木隊長!)」

 

 

洋介は芳佳とリーネの前に、上官だった厚木十三の幻影が浮かび上がった。

 

 

「(厚木隊長……そうですね!)ありがとう、芳佳、リーネ。この喫茶店のお茶代と、あとの買い物を僕がご馳走するよ。」

 

 

「「 ありがとうございます 」」

 

 

 

芳佳とリーネの表情が明るくなり、喫茶店で済ませ、残りの買い物で必須の水着を購入して基地へ帰投した。側車付きバイクの側車で眠りこけ、リーネは洋介の後部座席で背中にしがみ付いて眠っていた。

 

 

 

「(洋介さん……暖かい……///)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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