最弱無敗の神装機竜 天より舞い降りし蒼白の翼   作:SOLUNA

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第一話です。
ルクスと出会った後が描かれます。
ではどうぞ!


第一話

【数年後・・・・・・】

 

 

「それにしても、女王様から招集がかかったけど、どんな用件なんだろう?」

 

廊下を歩きながら、悠遠は一人呟きながら廊下を歩いていた。

 

青森悠遠は、ゼルレウス(頼れる相棒)と共に転生してからもう数年が経過していた。

 

悠遠はふと昔のことを思い出していた。

 

 


 

 

 

悠遠SIDE

 

「あのー、ルクス?俺なんか犯罪犯した?手錠は聞いてないよ?」

 

「ごめんね。僕も本当はそうしたくないんだけど。」

 

現在俺はルクス・アーカディアと出会った後、ルクスと共に馬車で王宮へと連行されていた。

 

俺が焦っていうと、ルクスも申し訳なさそうに言った。

 

「そういえばこの世界について知らないんだったんだよね?」

 

「ああ。ぜひ教えてくれると嬉しいかな。」

 

「僕が住んでいるアティスマータ新王国は、以前存在していたアーカディア帝国という大国がクーデターで滅んだ後に建国されたんだ。」

 

「クーデターで?!(まるで昔のフランスみたいだな。)そのアーカディア帝国ってのはどんな国だったんだい?まあ、クーデターで滅んだんだから、碌な国じゃなかったことは何となく分かるが。」

 

俺がそうルクスに聞くと、ルクスは少し俯いて話を切りだした。

 

「アーカディア帝国はかつて世界の5分の1を支配した世界最大の大国だったんだ。でも政治は腐敗し、圧倒的な軍事力を背景に圧制が敷かれていたんだ。男尊女卑の考えが浸透しており、平民の女性は扱いはひどく、貴族の女性でも政略結婚の道具となることが一般的だったんだ。」

 

「男尊女卑か・・・。確かに力がある印象の強い男が上に見られるのは分かるけど、女を人ではなく道具扱いか・・・。俺も許し難いな・・・。」

 

「それでね、・・・・・・僕はその旧帝国の第七皇子だったんだ。」

 

「え?!ルクス、お前が?!」

 

「うん。でも僕は王族の中ではよく思われてなかったけどね・・・。」

 

「じゃあ、お前、今も苦労してるんじゃないか?旧帝国の王子っていうレッテルが貼られる以上、白い目で見られたんじゃないか?」

 

「まあね、でもとある事情があってそこまでなかったんだけどね。」

 

「そうか。でもよかったよ。ルクスはそんな悪い人物じゃなさそうだし。お前さんが旧帝国の皇族だったとしてもね。」

 

「気にしてないの?」

 

「勿論。ルクス。俺がいうことでもないけど、旧帝国の皇族として生まれてきたことを絶対後悔するな。人間は生まれてきただけでも十分特別なんだ。人はいくらだって変われる。そして生きていけば必ず何か意味が見つかるからさ。」

 

「そっか。ありがとう、悠遠。」

 

「どういたしまして。当たり前なことを言っただけさ。」

 

そう言って顔をクシャッとしながら笑う俺を見て、ルクスも笑った。

 

すると、ルクスが話を切り替えた。

 

「そういえば装甲機竜(ドラグライド)について話してなかったね。」

 

「ああ。装甲機竜(ドラグライド)って何なんだい?」

 

装甲機竜(ドラグライド)は、遺跡という場所で発見された古代兵器なんだ。10余年前に発見された世界に7つある遺跡から発掘されたんだ。」

 

「へえ。発掘された古代兵器か。」

 

「そして、さらにその装甲機竜(ドラグライド)の内、神装機竜と呼ばれるものは世界でそれぞれ1種しか存在しない希少種で、汎用機竜を遥かに凌ぐ性能と神装と呼ばれる特殊能力を持っているんだ。」

 

「つまり特別製のものってやつか。」

 

「そうだね。もう少し説明したいところなんだけど、もう王都に着くところだから準備して。」

 

「わかった。ところで聞くんだけど王都のどこに行くの、この馬車?」

 

そう俺がルクスに聞くと、ルクスはこう答えた。

 

「王宮だよ。」

 

悠遠「ああ、王宮か。

 

 

 

 

 

 

 

・・・・って、ええ!!

 

 

 


 

 

場所は変わって、王宮の会議場。その中央に悠遠が、その隣にルクスがいた。その周りには悠遠のことを聞こうと大勢の貴族が集まっていた。そして悠遠の目の前の高い場所に絢爛な衣装を纏い王冠を被った女性が座っており、その隣には宰相であろう人物が隣に立っていた。その女性が悠遠に話しかけてきた。

 

「名前は青森悠遠でしたね?」

 

「はい。」

 

「私はアティスマータ新王国の女王ラフィ・アティスマータです。率直で申し訳ありませんが、その神装機竜はどこで入手したのですか?」

 

「遺跡だと思うのですが、何処の遺跡かは分からないんです。」

 

「分からないとはどういう事だ?」

 

「このゼルレウスを得た瞬間、別の場所に転移されてしまったんです。それとなんですが、ルクスから聞いたのですが、本来、機竜というのは本体と機攻殼剣の二つで1対となるそうですね。しかし、ゼルレウスは少し勝手が違うんです。」

 

「勝手が違う?」

 

「それって、どういう事?」

 

「ゼルレウスの場合はこの二つに加え、俺の右腕についたガントレットも含めて1対となるんです。このガントレットにはゼルレウスの人格が宿っているため、会話が可能なんです。」

 

「え?!」

 

「何だって?」

 

「機竜に人格?!」

 

機竜に人格があるという言葉に驚いたものもいれば、笑うものもいた。

 

「青森悠遠といったか、冗談も程々にしたまえ。機竜に人格なんてあるわけが【ほお。先入観と思い込みに凝り固まった貴族たちがよくいったものだ】・・・・だ、誰だ?!」

 

貴族がどこからともなく聞こえてきた言葉に貴族たちが辺りを見回す。するとルクスが、

 

「そ、そこからです。今聞こえました。」

 

ルクスは恐る恐る悠遠の右手のガントレットに指を指して答えた。ナルフ宰相は呟いた。

 

「ま、まさか?」

 

そして、また議場内にいる全ての人間に聞こえるようにゼルスが喋った。

 

【ふふ。やはりルクス君はすぐに気づいたか。流石と言うべきかな。】

 

「やっぱり!本当に機竜が喋った!」

 

「では、本当に機竜に人格が?!」

 

この世界でそれぞれ一種しか確認されていない希少種で、性能が凄まじい故に扱いも難しいという神装機竜でもあるゼルレウスが人格を持ち会話ができると改めて理解し、ルクス、ラフィ王女、ナルフ宰相、その他貴族が驚愕を禁じ得なかった。

 

するとさっきゼルス達を馬鹿にした貴族が

 

「それを扱うのに最も適任な者へ譲渡させます。そのゼルレウスを渡しなさい。」

 

と悠遠にゼルレウスを渡すよう言ってきた。これを聞いた悠遠は即座に

 

「嫌です。お断りします!」

 

と反論した。当然ゼルレウスも

 

【ほう。さっき私たちを小馬鹿にした奴がこんな簡単に掌返しか。随分と生意気なものだな。】

 

といい、

 

(悠遠、少し体を借りるぞ。)

 

(え?わかった。)

 

そう頭の中で会話すると、ゼルクが悠遠の体を借りて、右手を貴族に向けた。すると、手から青い衝撃波を発して貴族を吹き飛ばしたのだ。

 

「うわっ!!」

 

ゼルレウスに吹き飛ばされた貴族は尻餅をついた。

 

ルクス・ナルフ・ラフィ「「「!!」」」

 

【私の主人は私自身で決める!元より私が主と決めているのは悠遠だけだ。お前は論外だ!】

 

「!?・・・・悠遠の声がゼルスさんの声になってる!」

 

【ああ。今は悠遠の体を使って会話をしている。私はこういう風にガントレットを通じて、悠遠の体とリンクすることもできる様になっている。】

 

「そ、そんなことが・・・?」

 

【目の前で起こっていることが何よりも真実だろう。改めていうが、私の主はこの青森悠遠だけだ。この男以外の言う言葉は聞くつもりなど毛頭ないと思え。もしこの男に手を出せば誰だろうと容赦はしない。】

 

この言葉に貴族たちは黙り込んだ。その沈黙を破ったのはラフィだった。

 

「分かりました。では、悠遠君とゼルス君、あなたたちの身柄は一時私とルクス君に預からせてもらいたいのですが、よろしいですか?」

 

悠遠とのリンクを解除したゼルスは

 

【良いだろう。分かりました。】

 

「私もです。そうさせてもらいます。」

 

 

 


 

 

悠遠SIDE

 

こうして議場では色々とあったものの、ゼルレウスは俺のものとして認められることになった。

 

最初はラフィ女王の命令で女王の手先の監視の元にルクスと共に生活することになり、ルクスからはこの世界での土地や通貨、常識などのいろはについて教えてもらった。今では俺は女王様の命で【エセリアル家】の養子として身を置くことになった。エセリアル家の人々とはすぐに良好な関係となり、またルクスがエセリアル家の人とも面識があったのか、時々仕事帰りに招き入れ、安らぎの時間を共にすることもあった。

 

俺はラフィ女王の専属騎士として女王様からの任務の元にゼルレウスを纏って幻神獣の討伐などの任務へ赴く事もあれば、機竜の訓練やルクスの依頼の手伝いをしたりした。また、たまにだが、ルクスの生活の足しになると思い、依頼などで得た報酬をルクスに送ったりもした。

 

そんな感じで数年間の毎日を過ごしてきた。現在俺は女王様に招集され、王室の前までやってきていた。

 

 

「失礼致します。ユウト・エセリアル、ただいま参上致しました。」

 

俺がノックして自分の名前を言うと、向こうから扉の施錠が解かれると、俺は王室の中に入った。

 

「ユウト、貴方を待っておりましたよ。」

 

「ナルフ宰相も。お久方ぶりです。」

 

「うむ。」

 

俺はナルフ宰相の方にも会釈した。 

 

王室にはラフィ・アティスマータさんが椅子に座って待っていた。その隣にはナルフ宰相もいた。現在この国は王家の力が確立しておらず、四大貴族の支えなしでは政治が全く成り立たない状態だった。だが国民からの信頼は新王国確立の立役者アティスマータ伯のこともあるかもしれないが人柄もあり、厚いものになっている。四大貴族もそこに注目しているのは分かりきったことだろう。

俺もラフィさんにはエセリアル家の紹介などで色々と助けてもらったこともあり、ルクスと同様に恩人として非常に感謝していた。

 

「近頃の調子はどうですか?」

 

「お陰様で。ゼルレウスと共に頑張ってます。もちろんエセリアス家の人々との関係も良好です。」

 

「それは何よりです。」

  

「それで用件は何でしょうか?」

 

「ナルフ、例の書簡を。」

 

「はい。これを読んでみればわかる。」

 

そういってユウトはナルフからある書簡を渡された。封を開け、中のものに目を通してみた。

 

「ラフィ王女様、ナルフ宰相。これは?」

 

「言うまでもない。その書簡に書いてある通りだ。」

 

ナルフがそう言い、ラフィはユウトをみて頷いた。

 

「ユウト・エセリアル、貴方には明日から王立士官学園(アカデミー)に入学してもらいたいのです。」

 

「ラフィ王女様。俺の認識が間違いではなければ、確か王立士官学園(アカデミー)は正真正銘の女子校のはずでは・・・・?」

 

「ええ。今回の入学は後の共学化のことも考えての試験運用も兼ねています。それに、王立士官学園(アカデミー)に行く事は貴方のためにもなります。知識と技術両面のね。」

 

「ユウト・エセリアル。確かにお前はラフィ王女殿下の専属騎士としての腕は上がっている。技術の方はほぼ問題はないだろうが、知識は些かまだまだのはずだ。」

 

「確かにそうですね。」

  

あれから数年が経過し、俺の年齢は17歳を迎えていた。

 

ルクスに知識を学んでいたとはいえ、俺に知識がやや不足しているのは否めない。だが、王立士官学園(アカデミー)に入学するというのは流石に気後れした。

 

それにナルフ宰相の言う通り、機竜に関しては技術も知識も十分だが、他の知識はすこし不安な面もあるのも事実だった。

 

『何縮こまっているんだ、主?情けないぞ!』

 

ゼルスに言われて、俺は右腕のガントレットのゼルレウスを見つめる。

 

「ゼルス、いける?」

 

『無論だ!何年主と共にいた?主となら何処までもお供して、支えるさ。』

 

ゼルレウス(頼れる相棒)が強く断言した。穏やかで、時に積極的だったゼルレウス(頼れる相棒)がこれなら不安は何一つ無かった。

  

「書簡の旨了解致しました。準備が整い次第、王立士官学園(アカデミー)へ向かいます。エセリアス家の方々にも報告します。ラフィ王女殿下、全力を尽くして参ります。」

 

「ふふっ、いえいえ。活躍を期待していますよ、ユウト。」

 

俺の言葉を聞いてラフィさんの顔には微笑ましい表情が見えた。

 

「はい!ラフィ王女殿下、本当に感謝しています。では失礼致します!!」

 

そう言うと、ユウトは王室から退出したのだった。

 

 

 


 

 

 

ユウトが退出した後、ナルフ宰相がラフィに話しかけた。

 

「宜しかったのですか?彼を王立士官学園(アカデミー)に入学させて?」

 

「ええ。少しリーシャのことが心配ですからね。何かあった時は彼が何かしらの形で支えてくれると思いますし。」

 

「それに、最近聞いた話ですが、ルクス君も仕事との関係で王立士官学園(アカデミー)に向かうそうですから。二人なら大丈夫でしょう。」

 

「確かに。なら大丈夫でしょう。」

 

そうナルフは納得した。だが、

 

「実は私が心配しているのは、また別の件でして。」

 

「別の件?」

 

「ええ。エセリアル家と王立士官学園(アカデミー)に所属している【騎士団(シヴァレス)】の()()()()が過去の一件で揉めなければ良いですが・・・。」

 

「ああ、ええ。確かに少し気掛かりですね。わだかまりが解けていれば良いですが・・・。」

 

ラフィはそう呟くのだった。




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