不死鳥のヒーローアカデミア   作:ゴマだれ

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今回は個性把握テストです
主人公の万能さが明らかになります。

少し指摘があったので内容を一部書き直しました


嘘とは便利な言葉である

 

第一種目 50m走

 

出席番号順で2人ずつ走る種目。

その為、けで始まる丸越は口田と一緒に走ることとなった。

 

「よろしくな、口田」

 

「...!」コクコク

 

内気な性格ゆえなのか会話こそないが、ある程度は言わんとしている事は分かるためさほど問題はなかった。

「次、口田と幻妖」

 

自分たちの番が回ってきた2人はスタートラインに立つ。すると丸越は個性を発動させ、両腕を翼に変化させる。

ハンドボール投げの事もあり周りからの注目を浴びる。

 

『位置ニツイテ、ヨーイ...ドン!』

 

「ッラァ!」

 

ドコォ!

 

地面を蹴り飛ばし、翼を羽ばたかせながら加速していく。だが、50mという短距離という事もあり思いの外速度が出る前に終わった。計測器には『2秒43』という記録が出されていた。

 

「お前後でグラウンドに空けた穴直しとけよ。」

 

「あ、すいません」

 

走り出しに思いっきり地面を蹴ったせいでスタートラインには直径十数センチほどの穴が空いていた。

 

「早!?まさかの2秒台かよ!?」

 

「スピードには自信があったのだが…」

 

「というか穴空いてんぞ!?」

 

一種目から他とは頭一つ抜けた記録を出した丸越に他の生徒はその差の違いに唖然としていた。

 

「大丈夫か口田?走ってる時に翼とか邪魔にならなかったか?」

 

「…」フルフル

 

「そうか、大丈夫ならよかった」

 

 

 

 

 

 

第二種目 握力

 

増強系でない生徒はそこそこの記録を出す中丸越は個性を使い、足の握力で勝負することにした。

 

「別に手の握力じゃなくてもいいですよね?」

「それで記録が出るなら構わん」

 

念の為、相澤から許可を取り足を不死鳥化。そして万力のような力を込める。

 

「フン!!」

 

バキャァ!!

 

「…あ」

 

蹴りの時点で容易に鉄すらも砕く威力であるため握力もそれに準ずるものである。その為、丸越の握力に耐えきれずに握力計が壊れる。

 

「先生…これどうしよ」

 

「記録は測定不能...つまり『∞』だな」

 

「「「「∞!?」」」」

 

あまりの記録に全員がビビる。当然といえば当然であり、現存している猛禽類の握力は150kg。

鍛えられ、それも人間大サイズの『不死鳥』という幻獣の力はその数十倍にも跳ね上がるのかもしれない。

 

「思いの外あっさり壊れちゃった」

 

「いやいや!壊れちゃったじゃないよ!?」

 

「アンタどんだけ怪力なの…」

 

「丸太とかなら握りつぶせるぞ?」

 

「どういう握力してんだよ!?」

 

 

 

 

 

 

第三種目 立ち幅跳び

 

個性の使い方次第ではそこそこの記録が出せそうなこの競技だったが丸越にとってはむしろ専門分野だろう。

 

「それいつまで飛べる?」

「多分寝ない限り永続的に飛び続けられますよ。」

 

丸越は翼を羽ばたかせながらそう言った。

事実、丸越のスタミナは文字通り無尽蔵であり自身でもその底が測れていない程でもある。もちろん大技を使えばその分体力を使うが飛ぶだけなら容易い事である。

 

「『∞』だな」

 

「「「「また∞!?」」」」

 

結果、本日2度目の∞記録を樹立した。

 

「お前だけ種目違げぇよ!」

 

「え?飛べって言われてただろ」

「それ飛行じゃん!ジャンプ的な意味だよ!」

 

「これじゃ立ち幅飛びだな…」

 

第四種目 反復横跳び

 

これに関しては個性の使いようがなかったため丸越は素の身体能力でやることになった。

 

「92回…やっぱ個性なしだとそんな伸びないな」

 

「個性なしでそれなら結構でしょ…」

 

 

第五種目 ソフトボール投げ

 

丸越は最初の方に1回投げたので2回目を投げる(?)ことになったが一回目にタイミングを掴んだからか記録を少し伸ばし『4967.5m』となった。

 

「俺の5km…」

 

「そんな落ち込むことないでしょ、充分凄いから!」

 

「そうだよ!俺なんか2桁だからな!」

 

ギリギリ5000の大台に届かなかった丸越は目に見えて凹んでおり、響香や順番待ちの際に仲良くなった切島から励まされていた。本人からすればテストで80点を目標にしてたのに79点を取ったようなものであり、下手に低い点数を取った時より落ち込むだろう。もしかしたら麗日が個性で∞を記録した事も拍車をかけていたのかもしれない。

ただ、そんな丸越には2つほど気がかりなことがあった。

 

(さっきから轟とかいう奴だっけか、あいつの見る目が他と違う気がするんだよな…)

 

具体的には個性を発動させた時。

理由としてはおそらくだが個性関連、轟の個性が『氷結』である以上俺の蒼い炎に対して敵対心を持っていてもおかしくないし、主席という肩書きがある以上ヘイトを買っている事も考えられた。事実、それっぽい視線は感じていた。しかし丸越はどことなく違和感を感じていたがこれ以上轟の事情に足を踏み込むのは今のところは辞めにした。

そして、もう一つは緑谷のことである

 

「緑谷のやつ大丈夫か?…今のところいい感じの記録も出てないぞ」

 

今まで個性を使った様子がなくこのままでは最下位は必至である。ここに来てまだ個性を使ってないということは考えられるのは『使いどころが限定的』なことか心操のように『対人に特化した能力』、そして『使用時のデメリットが大きい』場合だろう。

 

「次、緑谷だ」

 

緑谷の出番が回ってきた。このあとの種目のことも考えるとここで何か記録を残しておかないと最下位が濃厚になってくる。

 

「なんか緑谷、めちゃくちゃ緊張してない…?」

 

「ああ、どう言うわけか個性を使う素振りもないこうなるとデメリットが大きいタイプか…?」

 

今まで立てた仮説からボールを持つ緑谷の考え込む様子からここで勝負に出てあとの種目は捨てるという考えが読み取れた丸越。それでもこの状況を打破できるのかという不安は丸越以外の生徒も感じ取れた。

 

「あの地味目の人まだ良い記録出せてないよ…大丈夫かな?」

 

「ああ、このままだと緑谷君はマズいぞ…」

 

緑谷を心配する飯田と麗日が声を上げる。

 

「ハッ、出来なくてたりめーだ。デクは無個性のザコなんだぞ!」

 

「無個性!?キミは彼が入試時に何をなしたのか知らんのか!?」

 

相澤に爆豪と呼ばれた少年が嘲笑うかのようにそう言うが飯田はすかさず反論した。そんな中、緑谷はボールを投げようと腕を振っていた。しかし丸越は1人だけ相澤が個性を発動させたのに気づいた。そして投げられたボールは大して飛ばずに『46m』という記録だけが残った

 

「え…な、なんで…今確かに、使おうって…」

そう呟きながら自分の手を見る緑谷、やはり個性を使おうとしたのは間違えないだろう。

 

「個性を()()()…ったく、つくづくあの入試は合理性に欠くよ。お前のような奴も入学できちまうんだからな。」

 

そして首元にかけられたゴーグルを見て緑谷は相澤の正体に気づく。

 

「消した…あのゴーグル…そうか…!抹消ヒーローイレイザーヘッド!」

『イレイザーヘッド』という聞き覚えのないヒーローにほぼ全員が首を傾ける。

 

「ねえ丸越、知ってる?」

 

「ああ、アングラ系のヒーローだからメディア露出が少ないんだ。ただ個性は強力で見た者の個性を消す『抹消』を使うヒーローだ。」

 

「へえ…よく知ってるね」

 

「まあ親の関係でな…」

 

緑谷を除いて唯一知っていた丸越が説明をする。その間、緑谷は相澤と何か話していたが丸越たちには何も聞こえなかった。

 

「飯田、今のうちにさっきの話少し聞かせてくれないか?」

 

「ああ、緑谷くんは実技試験の際に0Ptを拳ひとつで破壊したんだ」

 

「…は?デクは無個性だろ!?んなこと出来るわけがねぇ!」

 

「でも腕とか凄い腫れ上がってたし…それに、飛び上がった時だと思うけど両足とかありえない方向に曲がっとったよ」

 

「やっぱ個性の反動を気にして今まで使えなかったタイプか」

 

飯田の言葉にありえないと否定する爆豪だが麗日も見たと言ってる以上事実だろう。そんな会話をしていると周りの空気が変わり緑谷がボールを投げる。

 

「SMASH!」

 

そんな掛け声とともにボールが空高く飛んでいく。緑谷を見てみると腕は腫れ上がっておらず、代わりに人差し指が腫れ上がっていた。

 

「まだ…動けます…!」

 

「コイツ…!」

 

(成程、腕じゃなくて指一本の力で投げて最小限の怪我で最大の記録を出したのか!)

 

「やっとヒーローらしい記録出た!」

 

「指が腫れあがっているな…入試の件といい、おかしな個性だ」

 

「スマートじゃないよね」

 

「うっわ、痛そう…」

 

「指一本であの威力か、凄まじいな」

 

緑谷の機転に相澤だけでなく丸越も笑みを浮かべる。

ただ、この状況を快く思わないものが1人。

 

「どういうことだコラ!ワケを言え!デク!」

 

「うわああ!!」

 

何も知らない爆豪が緑谷に問い詰めようと掌に火花を弾けさせながら近づくが

 

「んが!?何だこの布…硬ぇ…!!」

 

「炭素繊維に特殊合金の鉱線を編み込んだ『捕縛武器』だ」

 

それを黙って見ている訳もなく相澤が爆豪を捕える。

 

「ったく、何度も個性使わすなよ。俺はドライアイなんだ」

 

(((((個性すごいのに勿体無い!)))))

 

最大の武器にして最大の弱点である相澤の目の事情に全員の心の声が一致した。

 

「時間がもったいない。次準備しろ」

 

爆豪の拘束を解き、相澤はそう告げる。

 

「緑谷、面白いもん見せてもらった礼だ。怪我した指出せ。」

 

「う、うん」

 

何をするのか分からず取り敢えず緑谷は内出血で腫れ上がった指を丸越に見せる。そして丸越は指に手をかざし

 

「ほいっと」

 

手から出した蒼い炎で指を燃やした

 

「「「「指燃やしたぁ!?」」」」

 

その様子を見ていた他の生徒が驚くが

 

「わあああ!熱…くない!?」

 

「「「「…え?」」」」

 

まさかの熱くないという緑谷の発言にポカンとする一同

 

「俺の炎は火力こそないが他人の傷を癒す効果があるんだ。流石に次の種目までにその指を完治させることはできないがな。」

 

「でも凄いよ、痛みとかもほとんど無いし!」

 

「パワーも機動力もある上にヒーラーとか万能すぎだろ!」

 

「くそ…羨ましい…」

 

丸越の万能さに羨む者もいたがこの後は特に大きな問題も起きることは無くソフトボール投げは終わった

 

 

第六種目 上体起こし

 

反復横跳びの時と同じようにここでも個性の使いようがなかったのでここでも丸越は素の身体能力で挑んだが割と上位にくい込んだ

 

第七種目 長座体前屈

 

戦闘スタイルの関係上、しなやかな動き作りに柔軟を欠かさずやっていたため体操選手もビックリの柔らかさを見せ、さらにそこから腕を翼に変化させ『4m31cm』の記録を出した。ただこの種目にはライバルが多く、順位は伸び悩んだ。

 

「響香の耳のイヤホンめっちゃ伸びるな。俺もあれくらい出来たらな…」

 

「アンタは他で記録出てるからいいでしょ」

 

第八種目 持久走

 

スタミナとスピードに自身のある丸越にとって立ち幅跳び並のボーナスタイムだった。50mの時と変わらぬ加速力で終始低空飛行を続け、他との追随を許さない速度でゴールした。

 

「丸越君は速いな!あそこまで差をつけられるとは…」

 

「飯田も中々の速さだったぞ。というか八百万の方が凄いだろ、バイク創れるとかなんでもありじゃん」

 

「いえ、私の個性は無機物以外を作ることはできません。終始全速力で走りきる丸越さんのスタミナの方が凄いですわ。」

 

こうして全八種目の個性把握テストは幕を閉じた

 


 

「んじゃ、パパっと結果発表するぞ」

 

遂にやってきた運命の結果発表。

待っているのは除籍か残留かのどちらか片方。

一帯を緊張感が包み込む中、生徒の心もお構い無しに相澤の端末から順位が投影される。

そこには1位には丸越そして最下位には緑谷の名前があった。いくらソフトボール投げで記録を出したとはいえ他での記録が足を引っ張ってしまった結果だろう。緑谷が絶望に打ちひしがれていると

 

「ちなみに除籍はウソな、君たちの力を最大限を引き出す為の合理的虚偽」

 

「「「「はああああ!?」」」」

 

その言葉に全員が驚きの声を上げる。

嘘にしてはあまりに心臓に悪い発言に一体全員どれほど不安にさせられたのだろう。

 

「あんなのウソに決まってるじゃない...ちょっと考えればわかりますわ…」

 

「ま、そういうわけだ。これにて終わりだ。教室にカリキュラムなどの書類あるから目通しとけ。その後は自己紹介するなり好きにしていいぞ。それと緑谷、リカバリーガールのとこ行って、指治してもらえ。明日からもっと過酷な試練の目白押しだぞ」

 

そう言って相澤は校舎に戻っていく1人だけ嘘だと気づいていたのか八百万がそんなことを言うが丸越は嘘ではないことを察していた。

 

(あれが最初から嘘だって?あの気迫が嘘なわけがない…単純に除籍されるような奴がいなかっただけだろ)

 

そんな事を考えながら初日の入学式とは思えない疲労感に包まれながら丸越は教室に帰って行った。

 





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本当にありがとうごさいます。
しかも評価バーがオレンジ色になっとる…ウレシイ…ウレシイ
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