今回で妖怪の山編が終わり、次は人里へと向かいます♪
天狗の長と聞いて大体の方が誰か察してしまったと思いますが……
まぁ、そんなのでも良ければゆっくりしていってください
前回のあらすじ
突如として襲いかかってきた弾幕に、楽しみつつも的確に対処していく望
一方、攻撃を仕掛けている白狼天狗・犬走 椛は、遠距離専用スペルを使う事にプライドが傷つくが、望の想像を遥かに上回る戦闘力を前にして、そうせざるを得ないという状況まで追い込まれていた
攻撃を軽々と避ける望だったが、ここでまさかの非常事態が……
なんと、チルノ達が作ってくれた腕輪が風で流されてしまったのである
望はそれにより油断してしまい、弾幕の雨に飲まれてしまう
倒したと思い油断した椛だったが、なんと望は無傷で椛の元へとやって来た
椛は驚きつつも襲い掛かるが、望に簡単に気絶させられてしまうのだった………
「………………う、う~ん……」
椛が目を開けるとそこは先程と同じ洞窟だった……
体には黒い服のような物がかけられており、自分の剣と盾は眠っていた場所の側に並べられていた
何があったのかと椛が思い出していると……
「お!起きたか……思ったよりは早かったな……」
けろっとした様子で望がやって来た
望を見た瞬間、椛は先程の事を思いだし斬りかかろうと剣を取るとするが……
そこへ予想外の人物が………
「これ!……椛、止めておけ……こやつは悪い奴ではないぞ」
「!?て、天魔様!?」
望の背後から、天狗達の長・天魔が現れたのである
文と椛と同じ山伏風の帽子を頭に乗せ、服は文に近い格好をしているがスカートが長めである
背中には文と同じ漆黒の翼があるが、文とは大きさが比べ物にならない
顔は鏡火と似たように凛としており、その姿は文と同じような格好をしてはいるが天狗の長として風格を漂わせていた
しかし、本来……天魔は滅多に人間の前には姿を現さず、基本的には天狗達が住む里でゆっくりしているのだが………
何故このような場所にいるのか?
それが椛には理解できなかった……
「天魔様!!退いてください!その男は侵入者ですよ!?」
椛は天魔に訴えるが、天魔は首を横に振る
「まぁまぁ、落ち着け……椛……今、わしがこやつに理由を聞いとる所じゃからな」
天魔はそう言うと望に視線を向ける
「さて……神崎 望、じゃったかのう?お主に一つ聞きたい事があるんじゃが……よいか?」
「…………ああ」
望も真剣な表情となる
正直に言うと望は天魔の強さをその眼差しから感じ取っているのだが……
その戦闘力は天狗の長というのを納得させる物で、ひょっとするとあの時のキルトと同じくらい強いんじゃないだろうか?と望に思わせる程だった……
「まず、一つ目……お主はこの妖怪の山に何しに来たんじゃ?」
側で聞いている椛は唾を飲みつつ、こちらを覗いている
天魔の視線もより鋭い物となり、望も少しだけ無言となる
しかし、特に隠しても意味もないので、望は正直にここに来るまでの経緯を話した
青年説明中~♪
「―――というわけで、文のカメラという物を取りに来たんだが……」
望が最後まで説明すると天魔は込み上げ来る笑いを抑え、椛に至っては呆れたような表情を浮かべた
「???」
望は首を傾げ天魔たちを見つめる
すると、天魔は笑いを抑えつつも理由を話始めた
「望よ……それは文が嘘をついておる……あやつがカメラを忘れるなんて失態を一度でもしたことはない………」
「へ?」
当然望は惚けたような声をあげた
「全く、文さんらしいと言えば文さんらしい手口ですね……」
それを聞いた椛は額に手を当て途方に暮れる
「まぁ、お主の事情はよく分かった!お主は単に騙されてここに来たってことがな………じゃが………」
天魔は再び視線を鋭くする
「妖怪の山に人間が入るのはあまり好ましい事ではないんじゃ……例えいかなる理由でもな……お主だけを差別する訳にもいかんしの……」
「……………」
望はそれを聞くとじっと天魔を見つめる
「……………まぁ、流石に騙された者を始末するのは気が引けるからな……どうするべきかの………」
天魔は少し唸りながら考えていると先に望の方が口を開く
「………それについては本当にすまなかった……まさかそんな掟が山にあったなんてな……すまない……」
天魔が口を開くより先に望は頭を下げる
それを見た天魔はちょっと驚いたような表情を浮かべると、望にこんな質問をした
「………望よ………もし、お主はこの後文に会ったらどうするつもりじゃ?」
「は?」
望はきょとんとした表情を浮かべ、天魔を見つめる
天魔は鋭い視線を崩す事なく話を続ける
「お主は文に騙されてここに来たという事を知ってどう思ったんじゃ?」
「……………」
望はその質問を聞くと少しの間無言となり、側にいた椛は質問の意味を理解しないでいた
「…………どうって、そりゃ…………」
普通の人間の場合、こんな風に騙されたと知れば当然怒るか、文の事を追い詰めて何かをするのが自然であろう……
しかし望は………
「………カメラを忘れてなくてよかったと思ったが?」
「…………ほう……どういう意味じゃ?」
ある意味予想外の回答が返ってきたが、天魔は慌てず理由を聞く
「理由なんかない………ただ文がカメラを忘れてなかったならそれでよかったじゃないか………それに、文のおかげって言ったら何だが………俺もこの妖怪の山で結構楽しめたし、満足してるんだ………」
「……………そうか」
天魔はそれを聞くと少し間を置いて答え、椛は望を不思議そうな目で見つめた
「(こんなにも純粋で、強い者も珍しいの………)」
天魔はそう思うと決断を下した
「うむ………お主、気に入った!という訳で今回の事は無かったことにしよう!」
「て、天魔様!?」
天魔は満足げな表情でそう言うが、椛は当然止めにかかる
「この人が妖怪の山に入った事に変わりないじゃないですか!?それなのに無効って………」
椛は言葉を続けようとするが天魔は望に視線を再度向ける
「それと、望よ………これからは自由にここに来ても構わんぞ!わしの友人として招待するように天狗たちには言っておいてやる」
「いいのか?」
椛はガミガミ叱るように言うが、天魔は無視して話を進めていく
「うむ!……好きに来るとよいぞ♪」
「すまないな………許してもらった上に、そこまでしてもらえて……」
望は申し訳なさそうに言うが、天魔はそれを聞くと笑う
「はっはっは♪……気にするな!あくまでわしが気に入ったから勝手にやってるだけの事………お主が気にやむ事もない………まぁ、強いて言えばここに来る際は酒を持ってきて欲しいかのう……」
「…………わかった、それくらいなら任せておけ!」
望は表情をニヤつかせそう応えた
「ちょっと聞いてますか!?」
最早完全に置いてかれた椛
すると望は椛の方を向く
「それと椛……なかなか楽しめたからまた今度ここに来てもいいか?」
「え!?あ、いや、その……」
椛は突然の質問に答えられず戸惑う
すると天魔は妙にニヤニヤした表情で横やりを入れる
「椛よ……お主が気絶しておった間、望はずっとお主の側で看病しておったらしいぞ?」
「え!?」
椛はそれを聞くと声をあげ少し顔を赤くする
確かによく見ると最初にかけられていた黒い服は望のものであり、その証拠に望の服は脱げていた
「まぁな、ちょっと強めにやり過ぎたしな……」
望は少し申し訳なさそうにする
それを聞いた椛は言葉を失うが、やがてゆっくりと返事をした
「しょ、しょうがないですね……そもそも天魔様の意向なら反論できませんし……で、でもいいですか!?また暴れたりなんかすれば、問答無用で斬りかかりますからね!?」
なんか何処か焦った様子で椛は答える
「分かった……ありがとな、椛……」
望は特に気にする事なくお礼を言うと椛から服を貰い着用する
「じゃあな!また遊びにこさせてもらうぞ!それと、俺が吹っ飛ばした天狗たちにはすまないって言っといてくれ!」
望はそう言うと来た道を戻った
「……………行ったのう……」
天魔は望が見えなくなるとそう呟く
「そうですね……」
椛もそれに吊られるがように答え、しばらくの間その方向を見つめるのだった……
ちなみに……
あの後、望は霊夢に遅いと散々怒られた挙げ句、文には異変についてをタップリとインタビューされ、かなり精神的なダメージを食らったんだとか………
あ、当然……文は妖怪の山に帰った後、天魔に尋常じゃないお仕置きを喰らわされてしばらくの間、文々。新聞は謎の休業を遂げましたとさ……
どうもリルルです♪
これで望君に新たな行き場所が出来ました
行動範囲がドンドンと広がります♪
さて、次回は前にも言った通り人里編です♪
まずは、第二章では少ししか登場出来なかったあっきゅんが登場しますぜ♪
それでは次回予告
次回予告
平和な日常を過ごす望は、暇潰しがてら人里へと向かう
望は人里ではちょっした有名人となっており、周りに囲まれつつも適当に歩いていると久しぶりに阿求と出会うのだった……
次回
【のんびり人里歩き】
お楽しみに~♪
To be continued~