今回は人里編ですじゃ♪
あ、その前に、望が椛に勝利した際の現象を説明しますね
それではどうぞ
前回のあらすじ
苦戦の末、椛を撃破した望
その後、椛が目覚めると目の前に天狗の長である天魔が現れる
天魔はいくつか望に質問すると、望を気に入り今回の事態を免除しさらには出入り自由の許可が出るのだった………
「むむむむ………」
難しい顔で唸る椛
そこはいつもの滝の裏の薄暗い洞窟
その視線の先には将棋があり、その先には涼しい顔こちらを覗く望の姿があった……
状況は椛が劣性である
「これで、どうだ!」
椛は駒を動かし戦局を変えたかのように見えたが……
パチッ
「王手」
望はほとんど間を開けず、状況を再びひっくり返す
「あ、…………また私の敗けですか…………」
椛は敗けを悟ると元々垂れていた耳が更に垂れ下がり、尻尾は元気がなさそうになる
「いやいや、そんな事はない……現に何回かヤバそうな場面はあったしな……」
望はそう言うが、基本的に順番が回ってから駒を動かすまでの時間がほぼ一定であった辺り、まだまだって所なのだろう………
望は実際はほとんど将棋をやった事がないのだが、私がやっている所を見ている内に覚えたらしく、最初は私が勝っていたが今では自分に勝つレベルにまで成長した………
「おうおう♪やっとるの~、ちょっと失礼するぞ!」
そこへ酒を片手に上機嫌でいる天魔がやって来た
ここのところ天魔は望が来るとここへやって来るようになった
どうやら余程気に入っているようである
「天魔様、まだお昼なんですからお酒は止めてください……」
椛は注意するが、天魔聞く耳を持たない
「なんじゃ?わしの酒が飲めんのか~!!」
どうやら相当回っているらしく、顔が既に真っ赤でありそして何より酒臭い
「そ、そういう訳では………うぶっ!?」
椛が反論しようとすると天魔は躊躇なく酒を椛の口に入れ込む
「ほれ!飲め飲め!パーっと飲み明かさそうじゃないか!」
天魔は全く止まる気配がなく、更に酒を取り出した
その時、
ズム
「おう!?」
後ろに望が現れ天魔の腰に強烈なダメージを与えた
天魔はなす統べなくもろに喰らい、体をビクつかせながら倒れた
「全く、天魔は飲みすぎるといつもこうなるな……」
後ろにいた望がそう言うと
「…………その通りだな、かなり強いから大人しくするのも大変だな」
するとその隣から全く同じ容姿の望が現れた
この現象は一体何なのか?
これは、望の新たなスペルである
その名も、《幻影 ドッペルゲンガー》
名前の通り自分のソックリさんを闇能力で造り上げ、それを自分の意思で動かしたり喋らせることも可能
フランのフォー・オブ・アカインドに近い技である
現在は最大で三人まで産み出す事が可能であり、この前の椛を仕留めたのもこの技である
望はあの目眩まし攻撃の直後、このスペルを使いドッペルゲンガーを作り上げそれに椛の捜索をさせていたのである
細部の細部まで真似できるので、パット見ただけだとどちらが本物なのか区別不能である
望はドッペルゲンガーを自分の体に戻し、椛の方を向く
椛は先程の天魔の行動により、完全に酔いつぶれていた
「ハァー、全く………」
望はため息をつきながら二人を寝かせ、その場を去っていった……
望が向かったのは人里……
最近特に行ってなかった気がしたので、久しぶりに来てみたくなった……
しかし、なんだかどうにもチラチラ見られている気がするんだが……
すると……
ドン
「痛って~な、おい!」
チンピラらしき連中が通行人の女性の肩に当たる
通行人は怯えた様子で謝るが……
「いいから医者料出せよ!こちとら骨が折れてんだぜ!?」
チンピラは話を聞こうとせず、無理矢理金を取ろうとすると……
パシッ
チンピラは後ろから手を捕まれる
「テメェ、何すんだよ!」
怒るチンピラの視線の先には
「それ以上は止めとけ……ちょっと横暴が過ぎるぞ?」
鋭い眼差しを向ける望の姿があった
「うるせーな、こっちは肩を痛めてんだよ!!」
チンピラは誰を相手にしているか知らず、怒鳴り声をあげる
すると、望はチンピラの体に光を流し込む
「!?テメェ、何しやがった!?」
チンピラは先程とは違い、何だか活力が溢れたような感じがすると……
急ぎ望の体を突き放す
「……本当に折れてんならもう治っている筈だ……だからもう帰れ……」
望はただ一言そう言いつける
「は!いやいや、まだ痛いんですけど~……!?」
しかし、チンピラは意味のない嘘を放つ
「いいから、テメェはすっこんでろ!!」
チンピラは声を荒げ望に殴りかかる
だが、そこら辺のチンピラの拳など望にとっては止まって見えるに等しい
当然当たるはずもなく、逆に避けられ首筋にカウンターの手刀が叩き込まれた
チンピラは何が起こったのか分からないまま、そのまま倒れていった……
「…………下らない事をするからこうなるんだ……」
望はチンピラに向けそう言うとその場を離れようとする
すると……
「あ、あの……助けてくれてありがとうございます……失礼ですがお名前は?」
先程助けた女性が話しかけてきた
その質問に周りのギャラリーも反応する
「別に気にするな……それと、俺の名前は神崎 望だ……」
望そう言うと一斉にギャラリーが望を囲った
「な、なんだ!?お前ら……」
望は突然囲まれ警戒する
すると周りの者達は……
「あんた、やっぱり神崎 望だろ?新聞で見たぜ!異変を博麗の巫女と一緒に解決してくれてるんだって……」
「今、人里じゃあんたはちょっとした有名人だ!」
「もう少しお話いいですか?」
ワイワイと皆が問い詰めるが、望にとってはちょっとした迷惑である
「いや、あの、通してくれないか?」
望は困ったような表情を浮かべる
ハッキリ言うとその気になれば、これくらいの人数なら楽に吹っ飛ばせる
しかし、人里でそんな事をする訳にも行かない為、望は瞬間移動で切り抜けようとした
誰の元に行こうか悩む望
この人里であったことがあって、行ってみたい奴は………
……………
決まりだな………
望は場所を決めると瞬間移動である場所へ向かった
「…………ハァー、最近は異変が多くて物騒です……それに幻想郷縁起がなかなか進みませんし…………こんな時に誰か妖怪の知り合いが多い人が居れば……例えば、望さんとか………」
あるお屋敷にて、一人の少女がそう呟くと……
「お、いたか!阿求」
「ふぁ!?」
いきなり望が目の前に現れた
「え?あ、の、望さん…………?」
目を丸くしてこちらを覗くのは、稗田 阿求
前に望が女装で買い物をしてきた際に出会った少女である
あの時とは姿も雰囲気も違うが、顔が全くあの時と一緒の為気がついた
「どうされたんですか?藪から棒に……」
阿求は驚きつつも床に腰掛け、望を反対側に座らせた
「いやー、それがな……人里で名前を言ったら急に人が集まってきてよ……」
阿求はそれを聞くとクスリと笑う
「そうでしょうね、今や望さんは人里の有名人ですから……しょうがないと思いますよ………あ、そうだ!」
阿求はそう言うと目を輝かせこちらを見つめる
「望さん、この後用事がなければでいいんですが……幻想郷縁起を作るお手伝いをしてくれませんか?」
「幻想郷縁起?妖怪の辞典か何かか?」
幻想郷縁起という聞きなれない単語に首を傾げる望
「まぁそんな感じですかね……私は妖怪の達の事を纏めた書物を書くのが仕事みたいな物なんですよ……けれどですね、私はそんな仕事ながら実際の妖怪にはほとんど会ったことがなくて……これじゃ不味いな、と思っていたんです……」
「………それで、妖怪の知り合いが多い俺に頼ってきたって訳か」
「そういう事です………ダメ、ですか?」
阿求はいつの間にか前のめりとなっており、望の手を挟みながらこちらを上目使いで見つめてくる
大抵の男性ならこれを見れば、誰でも協力的になるだろうが……
望にはそれが全く効かないので意味がない……
尤も、望の場合は最初から断る気ないのだが……
「………まぁ、俺の知っている範囲で良ければな………」
望は当然受け入れ阿求は嬉しそうな表情を浮かべた
「あ、ありがとうございます♪………って、ご、ごめんなさい………手を掴んでしまって………」
阿求は冷静になると状況に気づき、直ぐに手を離し顔を羞恥の色に染める
「???」
当然の如く、望は何を謝っているのかサッパリ理解できなかったのであった……
どうもリルルです♪
久しぶりのあっきゅんですじゃ♪
予定では友達のあの子も登場させるつもりでいやすぜ!
まぁね、あくまで予定ではですが……
それじゃ、次回予告
次回予告
阿求に再会した望は、早速幻想郷縁起の手伝いをする
その途中で望は阿求の能力を知ると、阿求にある質問をするのだった……
次回
【破幻神 アルテマの歴史】
お楽しみに~♪
To be continued~