And The End
「あっつー・・・もうすっかり夏だなァ」
「・・・」
「リーダーは、いい加減、エアコンを新調してくれないもんかねー」
「・・・」
「・・・おい、聞いてんのか、智泉?」
「・・・ごめん、聞いてなかった」
とある繁華街を歩く、二人の少年。一人は、茶髪にジャージという格好で、もう一人は、
白のTシャツにジーパンというお洒落もへったくれもないものであった。周りの人間も
不審そうな目を向けて避けていく。
「お前なァ、いくら、あの『シグマタイプ』ったって、もうちょっと何とかなんねーの?
表情とか、さ」
「分からない・・・そんなことをして、意味はあるのか?」
「意味って、お前・・・」
「人間だった時からそうだった。『置き去り』だった俺は、意味も、意義も見いだせや
しなかった・・・お前と違ってな。浜面」
「・・・俺は、お前が羨ましいよ」
「?」
「『覚醒衝動』に目覚めて、レベル0だった時よりは、能力を使っているって実感が持てて、とても嬉しかった。でも『TeamNeo』じゃあ『体が頑丈になる程度』のチカラは、
レベル0同然だ」
「・・・」
「恋人を助けてくれた涙子さんに、少しでも恩返しがしたいっていうのに・・・本物の
化け物相手に何も出来ない・・・情けないったらないぜ」
「・・・」
「でも、お前は違うだろう、智泉?研究者どもは、お前のことをどう扱っていたかは、
知らねぇけどよ・・・お前は、『TeamNeo』では、誰よりも強い」
「当たり前だろう。そうでなきゃ、今、俺が生きている意味は無い」
「・・・行こうぜ、麦野たちが待っている」
「は~ま~づ~ら~!!てめぇ、来いって言ってから、何分経ってんだよ!」
「痛いイタイいたいッ!!あた、あたまがつぶれるッ」
「浜面、強化の能力者でもない限り、人間に頭を潰すことは、できない」
「言葉の綾だよッ、分かれよ!てかぼーっと見てないで、助けろ、智泉!!」
「超放っておいて構わないですよ、智泉。浜面が大体悪いんですから」
「そんな、はまづらをわたしは応援する」
「で?」と浜面がメロンソーダを一気に飲み干し、麦野を見た「『木原陣形』は、
見つかったのか?」
「日本のどこかにいるのは間違いない」と浜面の恋人の滝壺が、答えた「でも、それだけ」
滝壺の能力は、AIMストーカー。能力者が発しているといわれる不可視の力場『AIM
拡散力場』を文字通り、追跡できる。地球の裏側まで逃げようが、である。
「力場が通常とは異なる故に起きる障害」と麦野「つくづく『レベルx』ってのは不思議なモンだよな」
「1年前に起きた暗部抗争、及び学園都市と『魔術師』を名乗る奴らとの第三次世界大戦の最中に失踪し、TeamNeoは、崩壊寸前」と浜面「九条さんのおかげで、何とか持ち
なおしたけど、以前より規模は縮小しちまった。何としてでも、創立メンバーの一人であるそいつを探し出さないといけない」
「ところで、ハルカさんの行方は?」と智泉。
「そっちもダメだ」と麦野「学園都市のどこかにはいるんだがな」
「進展なしか」
「気持ちはわかる」と滝壺「さわぎは、さてんのこと、本当に大事にしてた」
「頼むが、そちらの方は、続けて探してくれ。涙子さんも報酬は、上げるって言っていた」
「バーカ。私たちだって、佐天には世話になってんだ」と麦野「そんなこと気にしなくて
良いから、説教の準備でもしておけって言っとけ。見つけたら首に縄つけてでも引っ張って来るからよ」
そのとき、ファミレスの窓ガラスが砕けるような音と――何かが店内に突っ込んできた。
「!・・・九条さん!!」
「浜面に智泉か・・・久しぶりの全休で悪いが、手伝え、お前ら!」
[爆走、バイク!!] [ギリギリ、チャンバラ!!]
「3速、変身」
[(ガッチャーン!レベルアーップ!!)ばくそう、バイーク!!(アガッチャ!)
ギーリギリチャーンバラァー!!]
「智泉・・・」
「浜面、麦野たちと一般市民を――俺は」
ネオ アマゾンズドライバーを腰に装着し、インジェクターをセットした。
「・・・アマゾン」[—Neo-]
赤い爆発と共に、涙子と同じ配色の――しかし、その姿は、禍々しい、獣というより、
化け物の類いであった。
目線の先に――ある、それを見据えた。
「使命を果たす」