「悪事というものは上手くいかないものだな」
血塗れで地面に倒れ伏し、浅い呼吸を繰り返すローグだった男に陣形は驚愕する。
「唐木・・・お前だったのか」
「久しいな、陣形・・・もっとも、私からすれば久しぶりに会ったような感覚だったがね」
「何?」
「1年前、君たちが倒した『ルシフ』というのは、火星に存在する神だった。私と奴が出会ったのは数年前のことだ。パンドラボックスも、凪も、全てはルシフという存在がこの学園都市に降り立ったから起きた、学園都市で起きた化学で唯一、アレイスター・クロウリーのプラン外の存在だった、異星の神・・・私は、その神の力に呑まれた、哀れな男だ」
「・・・」
「許してくれとは言わない。だが、これだけは信じてほしい・・・わたし、は、かが、く、を–––––––––––––––」
「・・・・・・・貴利矢たちのところへ行くぞ」
「はい」
「・・・」
「ブゥえあああッ!!」
ゲンムが、ガシャコンバグバイザーで攻撃を仕掛けるが、簡単に跳ね返される。
「くそ、何か、強くなってねぇか!?」
「所詮、貴様らはこの世に巣食うウイルス。だが私は、パンドラボックスにも匹敵するパワーを秘めた魔神だ・・・勝てると思うことが烏滸がましい!!」
「グッ、おおおおおお!?」
「チィっ!!」
魔神の放った衝撃波を辛うじて受け切ったものの、ヒットポイントがお互いに残りわずかとなった。
「まだまだっ・・・ぐぅああああああ!?」
再びルシフに挑もうとする貴利矢だったが、遂に限界を迎え、強制的に変身が解除された。
「くそ・・・ここまでか」
絶望的な状況にさしもの檀黎斗も諦めかけた時だった。
突然、どこからともなく蔦が現れ、ルシフを拘束した。
「「!?」」
「状況は見ていた・・・例え違う世界でも、ここが地球なら、俺は戦う」
貴利矢達を庇うように現れたのは銀色の鎧武者の青年だった。
「貴様・・・何者だ」
「通りすがりの・・・神様ってやつかな?」
「ほざけ!!」
蔓を弾き飛ばし、衝撃波を放つルシフ。だが・・・。
[メロンディフェンダー]
突如現れた盾がそれを防いだ。
「貴様は確か・・・仮面ライダー鎧武!」
「アンタが檀黎斗神か」
「檀黎斗だ!!」
「そうか、檀黎斗・・・そして・・・はっ!」
鎧武が貴利矢に手をかざすと貴利矢は仮面ライダーレーザーレベル0に変身した。
「え!?何で!?」
「そうだなぁ・・・神の恵みってやつかな?」
「おぉ・・・これが本物の神の恵みか!」
「どういうこと意味だ、九条貴利矢ああああああああああああああああ!!!!!!!!」
「くだらん」とルシフ「大して強くもない神が増えたところで、この私には勝てない!」
「お前はそうやって、ずっと一人で生きてきたんだな」
「何?」
「俺たちひとりひとりは弱い。だけどな、仲間の力が合わされば、無限大なんだよ!」
「群れることの何が、力だ」
「見せてやるよ」
「ここからは俺たちのステージだ!!」
「くっ・・・」
変身解除に追い込まれ、膝をつく一哉に大剣を突きつけるドラグナー。
「勝負あったな」
「・・・」
「浜面、だめ。殺さないで」
「殺しはしねぇよ」
「情けのつもりか?」
「ローグは倒された。ルシフとかいう神様も何とかなるそうだ。もう俺たちが争う意味はないんじゃないか?」
「関係ない!!俺は・・・俺は・・ッ!!」
「凪を殺しても何の意味もない」と智泉「アンタも本当は分かっているんだろ?」
「・・・そうだ。この人形を殺したところで・・・俺の家族は帰ってこない」
「・・・」
一哉は立ち上がり、フラフラとその場を立ち去ろうとするが・・・その手を凪が掴んだ。
「・・・ごめんなさい。私はあなたも、あなたの家族も見たことがないけれど、でも」
「・・・温かいんだな、お前」
「?」
「人形なんて言って悪かったな・・・じゃあな」
凪の手を振り解き、一哉はそのまま去って行った。
「これから、どうするんだろうな」
「さぁな・・・そんなことより」
「あぁ!貴利矢さん達のところに行かなきゃ!!浜面、凪を頼んだ!!」
「まかせろ」
「はぁッ!!」
鎧武の放つ斬撃がルシフの攻撃を防ぐものの・・・未だ決定打には至らない。
「ダメか・・・こいつの攻撃を防ぐことができても、こいつを倒すには俺にはない力が必要みたいだ」
「クロノスを倒したムテキゲーマーなら・・・でも、永夢はここには・・・」
「宝生永夢はここにはいない・・・だが、忘れていないか、九条貴利矢」
・・・・・・
「!」
「あん?何かが落ちてくるのか?」
・・・・・・・・・・
「この学園都市に生まれた、この都市にいる学生の力の集合体・・・彼女であれば使える!」
「まさか・・・完成したのか!?」
「仮面ライダーセラフを作ったのも、全てはこの日のためのデータ収集よ・・・この世界に降り立つ彼女こそ・・・」
「ハイパー・・・大変身!!」
ズドンっ!!という音と共に突如、地面に降り立ったのは黄金の戦士。
「風斬氷華。またの名を・・・仮面ライダーエグゼイド、ムテキゲーマーレベル100!」
「また・・・貴様か・・・ッ!!」
「ルシフ・・・貴方を今度こそ、攻略する!!」
[ハイパークリティカルスパーキング]
必殺技を発動したエグゼイドは、連続キックを一気に叩き込んだ。
「グオあああああああああああああああ。またしても・・・またしても、私が、このような矮小な人間どもにいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!」
爆発四散し、クロノスの力も「攻略」されてしまったことで、今度こそ、ルシフはこの世界から消滅した。
「矮小なんかじゃないさ」と鎧武「俺たち神様なんかよりも凄い可能性を持っている。それが人間なんだよ、ルシフ」
「本当に行ってしまうんですか、佐天さん、騒さん」
数週間後、学園都市の入り口に立つハルカと涙子・・・それを見送る仲間達。
「私たちは檻の中で飼われる獣じゃない」と涙子が腕の中の我が子に慈愛の眼差しを向ける「それでも、この子がここに戻りたいかどうか、それを決めるのはこの子自身だよ」
「寂しくなります」
「・・・めそめそするなって、うーいーはーるーッ!」
涙を浮かべる親友に、なんて声をかけていいのかしばらく考えた涙子は・・・突如、初春のスカートを捲って見せた。
「なっ!?///」
「おー。初春も中々、エッチな下着をつけるようになりましたなぁ」
「もー!母親が何をやっているんですか!!」
「いや、初春さん、みんなの前でスカートめくりされたことには怒らないんだね・・・」
「仲良しだね」
「うん」
仲間達が戻る中、池泉と凪は小さくなるハルカたちの背中を見送っていた。
突如、凪が智泉の手をそっと握った。
「凪!?」
「・・・私も、仲良くしたいな。みんなと、智泉と・・・出来るかな?」
「・・・うん、出来るよ」
「俺たちは、こうして生きている・・・そして、これからも、この世界で一緒に生きていくんだから」