ぐらんぶる〜とあるカップルとPaBの物語〜   作:あーくこさいん

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更新が遅れてしまい申し訳ございません。


18.ボートダイビング

とうとう俺達は宮古島に着いた‼︎

 

志郎

「ここが宮古島…!」

 

仁美

「結構遠かったね!」

 

同じ県内で飛行機に乗るとは中々新鮮なものだ。

 

志郎

「ところで…なんでアイツらぶっ倒れてんの?」

 

千紗&愛菜

「「………」」

 

伊織

「ず…ずびません……」

 

耕平

「づい無意識で……」

 

仁美

「なんでもこれから潜るのに酒飲もうとしてたからよ。」

 

志郎

「PaBに染まるの早すぎん?」

 

俺も酒は好きな方だがこれからダイビングするってのに酒を飲むという愚は犯さない。

 

「おーい、お前らー!」

 

横手

「無事着いたみたいだな。」

 

時田

「お?」

 

寿

「迎えに来てくれたのか。」

 

すると先に来てた他の先輩達がレンタカーで迎えに来た。

俺達もレンタカーに乗る。

 

志郎

「わざわざ来てもらってすみません。」

 

横手

「いいって事よ。」

 

「俺達は先に着いていたからな。」

 

伊織

「先にっていつ頃こっちに?」

 

横手

「昨日の晩だな。」

 

耕平

「随分早いですね。」

 

「今日は朝から潜るからな。」

 

横手

「前日入りしとかないと間に合わないだろ。」

 

志郎

「なるほど…てっきりオトーリが楽しみで前乗りしたのかと。」

 

「宮古島式のイッキか。」

 

横手

「楽しみではあるがどんなものか知らないからなあ。」

 

酒好きの先輩達なら真っ先に食いつきそうなんだかな。

 

耕平

「そういえばネットで噂を見かけたんだが…」

 

伊織

「うん?」

 

耕平

「『宮古人お断り』なんて看板出してる看板があるとか。」

 

志郎

「オトーリってやつが凄すぎてか。」

 

「流石にそれは都市伝説だろ。」

 

横手

「そんな酷え飲み方する連中がいるもんか。」

 

志郎&伊織&耕平

「「「ですよね。」」」

 

なんて思いながら居酒屋の前を通ると…

 

『PaB関係者お断り!』

 

と書かれた看板を発見した。

 

志郎&伊織&耕平

「「「アンタら昨夜何やったんですか。」」」

 

東&横手

「「あっはっはっ!」」

 

案の定、前日の内にオトーリをやってたようだ。

 

「まあそれはそれとして…」

 

横手

「いよいよお前達のダイバーデビューだな。」

 

伊織

「ああ、それなんですけど実は…」

 

耕平

「コイツ昨日熱出して寝込みまして…」

 

志郎

「伊織だけライセンス取れなかったんですよ。」

 

「マジか…しかしなんで熱なんか出したんだ?」

 

横手

「気合の入りすぎか?」

 

伊織

「ははは…ちょっと楽しみにし過ぎちゃいまして…」

 

「なんだそりゃw」

 

横手

「遠足で熱出す子供かw」

 

伊織

「なので俺は一緒に潜れないんですよ。」

 

「そうか…」

 

横手

「それは残念だな。」

 

耕平

「後で写真見せてやるからな。」

 

志郎

「お前が撮る訳じゃないからな。」

 

こうして俺達は昨日の海洋実習ぶりに船に乗った。

今日は2階があるタイプの船だ。

俺達は潜る地点までくつろいだ。

 

志郎

「おおーっ!すげぇスピード‼︎」

 

仁美

「風がすっごく気持ちいいね‼︎」

 

俺と仁美は船首の方で座ってたのでそこから見える景色と風を堪能していた。

初めて船に乗った伊織もはしゃいでいた。

 

潜る地点に到着すると奈々華さんのミーティングが始まる。

 

奈々華

「…という感じのスポットです。」

 

内容は最大深度は17m、潜水時間は40分だそうだ。

 

奈々華

「それじゃ皆さん準備をお願いします。」

 

男子全員

『うぉーっす。』

 

愛菜

「はいはい!更衣室で着替えましょうね‼︎」

 

先輩達がその場で着替えようとしたので愛菜が更衣室で着替える様に促す。

 

志郎

「そういえばお前はどうするんだ?」

 

仁美

「最大深度17mはライセンスが無いと潜れないんだけど……」

 

伊織

「ああ、それなら大丈夫だ。1・2本目は体験ダイビングに交ぜてもらう事になった。」

 

耕平

「3本目はどうするんだ?」

 

愛菜

「皆今日3本潜る予定みたいだけど…」

 

伊織

「俺は船の上で待機だな。」

 

志郎

「…なんかそれは寂しいな。」

 

愛菜

「私もそっちに交ぜてもらおうかな…」

 

伊織

「は?なんでだ?」

 

愛菜

「だって上手く潜れる自信ないし…」

 

伊織

「何をバカな事を。奈々華さんも先輩達もフォローしてくれるし、千紗(コイツ)だっているだろ。」

 

そう言って千紗の手を掴む。

 

伊織

「こんな綺麗な海なんだから行けるところまで行ってこいよ。」

 

愛菜

「……うん。」

 

耕平

「なんなら俺に頼ってもいいぞ?」

 

愛菜

「アンタは絶対にイヤ。」

 

ガイド

「体験ダイビングの方、集まって下さーい!」

 

伊織

「おっと…んじゃそっちはそっちで楽しんでこいよ!」

 

志郎

「…分かった。楽しんでくる!」

 

こうして沖縄の海へとダイブする時がやってきた。

 

奈々華

「ゆっくりと落ち着いて耳抜きしながらね〜。」

 

一年全員(伊織以外)

『分かりました。』

 

いざ、海に潜ると………

 

 

 

 

 

志郎

(き…綺麗だ……‼︎)

 

宮古島の海は一言でいえば“幻想的”だ。

日の光が差し込む程澄んだ青い海の中を独特の形をした岩の合間を縫って泳ぎ、沢山の色とりどりの魚達も一緒に泳ぐ光景はまさに幻想的な世界だ。

 

その美しさに見惚れていると、奈々華さんが何かを見つけて指差す。

指差された方向を見るとそこにはウミガメが泳いでいた。

しかも親子連れという珍しいものに俺達は感激し千紗がしっかりと写真を撮っていた。

 

この世界を見た俺はずっとこの世界の中に居たいと思ったが、この感動を仁美や他の皆と共有したいという思いが断然強かった。

 

船の上に上がった瞬間、それぞれが感想を述べ合っていた。

 

仁美

「すっごく幻想的だった‼︎」

 

志郎

「ああ!色とりどりの魚も合わさってとても綺麗な海だ‼︎」

 

時田

「ウミガメが近くまで来てくれたな。」

 

愛菜

「凄かったですよね!」

 

「親子連れとはついてたね〜。」

 

耕平

「二次元の様な素晴らしさだった…」

 

寿

「次元が下がるのか。」

 

「伊織の所からは見えなかったの?」

 

伊織

「残念ながら。」

 

寿

「写真なら撮ったぞ。こんな感じだ。」

 

寿先輩はウミガメの写真を伊織に見せる。

 

伊織

「おお…!出来れば近くで見てみたかったですね。」

 

寿

「なに、ライセンスを取ればまたチャンスはあるさ!」

 

耕平

「次は頑張れよ後輩!」

 

志郎

「何かあったら俺達先輩を頼ってもいいからな!」

 

伊織

「お前らに言われると異様に腹立つな。」

 

…それにしても伊織の様子が何か変だ。

まるで落ち込んでいる様な………

 

千紗

「伊織、大丈夫かな…」

 

仁美

「やっぱり皆と一緒に潜れなかった事が相当応えたのかな……」

 

千紗

「次の回が終わったら声を掛けてみる。」

 

志郎

「ああ、お願いする。」

 

そんな不安を抱えながらも俺達は2本目のダイビングに向かった。

 

 

 

 

 

2本目のダイビングを経て頭の上まで水に覆われた世界に俺は見覚えがあった。

それは去年の夏休み、仁美との水族館デートの際に海中トンネルで見た光景と似ていた。

あの時見た光景は記憶に残る程綺麗なものだが、今回の宮古島の海の光景はあの時よりも素晴らしい世界だ!

 

志郎

(やっぱりこのサークルに入って良かった……!)

 

俺は改めて大学生活の醍醐味であるサークル活動を満喫出来てると実感した。

 

再び上がると伊織が居ない事に気付いた。

いつもはうるさい伊織がやけに大人しい。

 

志郎

(伊織の奴どこに行ったんだ?やっぱり落ち込んでいるのか……)

 

昼飯食いながらそう思っていると、千紗が耳を押さえていた。

 

仁美

「千紗、どうしたの?大丈夫?」

 

千紗

「ちょっと耳やっちゃって………だから3本目はやめとく。」

 

仁美

「そっか、それは残念だね…」

 

確かにダイビングインストラクターの中には耳が聞こえなくなった人もいるらしい話を聞いた事がある。

 

志郎

(俺も気を付けないとな……)

 

千紗

「まあ、私は伊織の所行ってくるから皆は気にしないで潜ってて。」

 

志郎&仁美

「「分かった……」」

 

こうして本日最後のダイビングへ向かった。

 

 

 

 

 

伊織と千紗の様子が気になりながらも、本日最後のダイビングにて海の光景を堪能していると仁美が興奮した様子で指差す。

その方角には……

 

志郎

(………っ‼︎)

 

背鰭が大きいカジキが泳いでいた。

他の人も気付き驚いている。

カジキは数秒の間の遭遇でそのままどっか遠くへ行ったが、俺達が驚くのは当然だった。

 

こうして本日最後のダイビングは終了した。

 

船へと上がった俺達は千紗から伊織の事情を聞いた。

どうやら伊織は皆と一緒にダイビングが出来なかった事に落ち込んで………おらず、ただ単に船酔いで気分が悪くなっただけだった。

 

愛菜

「…ただの船酔い?」

 

耕平

「心配して損したな。」

 

伊織

「ただのとはなんだ。めっちゃキツかったんだぞ。」

 

志郎

「あ〜分かる!」

 

仁美

「えっ、志郎くんも船酔いするの?」

 

志郎

「いや、中学の修学旅行の際に乗り物酔いで地獄を見た経験があるからな…それからは酔い止めの薬は必ず所持するよう心掛けている。」

 

伊織

「分かってくれるか!」

 

まぁ、お前が落ち込んでいたわけじゃ無くて安心した。

 

奈々華

「では皆さん。以上でボートダイビングは終了です。陸に戻りましょう!」

 

全員

『うぉーーーっす‼︎』

 

こうしてボートダイビングは終了した。

ダイビングの疲れから陸に戻るまで俺達は船首の方で寝た。

 

 

 

 

 

陸に戻り宴会場にPaBの面々が集まっていた。

 

時田

「さて、皆聞いてくれ。」

 

時田先輩と寿先輩は神妙な面持ちで話す。

 

時田

「皆も知っての通り宮古島に来た理由の8割を占めるオトーリ体験だが…」

 

寿

「予定していた店が何故か臨時休業になった為断念する事になった。」

 

え”え”え”え”え”‼︎ウソだろォォォ‼︎

 

オトーリの中止が発表され先輩達の嘆きに満ちた叫びが宴会場に響く。

十中八九先輩達の所為なんだが。

 

愛菜

「オトーリってエンドレス一気飲みの事だよね?」

 

仁美

「宮古島特有って聞いたけど…」

 

志郎

「ああ。」

 

耕平

「終わりのない世界線から逃れられたか。」

 

伊織

「いや〜これで平和な宮古島の夜が…」

 

とんでもない飲みイベントが中止になって俺達は安堵していたが………

 

時田

「だが折角宮古島まで来たんだ…」

 

寿

「せめて()()()()()()()()()をやってみようじゃないか‼︎」

 

うおおおおおーーーッ‼︎

 

ダッ‼︎(とんでもない提案に命の危機を感じて全力で走る志郎、伊織、耕平)

 

ヒュバッ‼︎ズルッ‼︎(先輩の一人がサンオイルを床にぶち撒け三人は足を滑らせる)

 

ドン‼︎(そして先輩達に取り押さえられる三人)

 

PaB(先輩達)なりのオトーリ開催に逃げようとしたが先輩達に捕まってしまう。

 

寿

「おいおい、そうはしゃぐなよ一年坊。」

 

時田

「さあ、始めようか。」

 

こうして地獄の祭典が始まってしまった………




次回、PaB式オトーリ編

乞うご期待ください。
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