ぐらんぶる〜とあるカップルとPaBの物語〜   作:あーくこさいん

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2.バカとオタクと新歓コンパ

俺は北原伊織…

 

男子高校を卒業し、この春から晴れてこの伊豆大学に入学した。

 

親元を離れて暮らす海辺の街、希望に満ちた新たな出会いと新たな生活は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー入学と同時に灰色に染め上げられていた。

 

モブその1

「あれが講堂前で酔い潰れていたっていう…」ヒソヒソ

 

モブその2

「パンイチとはすげぇ男だぜ…」ヒソヒソ

 

モブその3

「初日からとんでもねぇ野郎だ。」ヒソヒソ

 

北原伊織は悪い意味で皆の注目の的になっていた。

そんな中、俺は伊織の隣の席に座り()()()を読んでいた。

 

伊織

「…お前なんでガイダンス初日から堂々とエロ本読んでんだよ…!」

 

志郎

「好きだから。以上。」

 

伊織

「よくそれで彼女出来たな…」

 

なんてやりとりをしていると、

 

モブその4

「ねぇねぇあの人…」ヒソヒソ

 

モブその5

「うわ、ちょっとカッコ良くない?」ヒソヒソ

 

モブその6

「えー…で、でも…」ヒソヒソ

 

何やら女子達がヒソヒソ話をしているので俺と伊織はそちらの方を向く。

そこには1人の美形男子がいた。

まさしく“イケメン”といえる端正な顔付きをしていた。

 

ただ、萌えキャラがプリントされたTシャツを着ている事から生粋のオタクなのだろう。

俺はそいつに既視感を覚えた。

俺もそいつも周りの目を気にせず好きな事に熱中出来るのだ。

 

するとそいつがこちらを向き、俺達を見ると冷笑する。

伊織も冷笑し、こう決心する。

 

伊織&???

((こいつとだけは関わるまい))

 

 

 

 

 

教授

「ーーー説明は以上です。選択科目の希望は七日までに提出してください。」

 

モブその7

「サークル見学行こうぜ。」

 

モブその8

「どこから行く?」

 

教授の説明が終わり他の学生がサークル見学なり何なり行くと、俺は伊織を置いて仁美と千紗の所に行く。

 

志郎

「どうする?伊御の奴、放っておくかそれとも一声掛ける?」

 

千紗

「放置で。知り合いと思われたくないから。」

 

伊織

「おーい千紗、仁美、志郎。お前らはサークル見学に行かないのか?」

 

千紗

「そんな格好で話しかけてこないで。」

 

志郎

「サークル見学って言ってもお前はPaBに入会するだろ?」

 

伊織

「それはそうだが、掛け持ちってダメなのか?」

 

志郎

「ダメって訳じゃ無いが……先輩達が逃してくれると思うか?」

 

伊織はしばらく考え、

 

伊織

「はなから逃げ道が存在しなかったのか…!」

 

と打ちのめされた。

 

志郎

「それに今日は新歓コンパだから帰れないぞ。」

 

伊織

「お前も行くのか?」

 

志郎

「そのつもりだが…それがどうした?」

 

伊織

「いやいや、昨日お前のおかげでたくさん飲めたからな。今日はそのお返しをしようと思ってな。」

 

志郎

「…感謝される覚えは無いが?」

 

伊織

「ちげーよ。お前のせいで俺は今パンイチなんだよ!」

 

志郎

「もし一声掛けたりしたら、俺まで捕まるだろ。」

 

伊織

「思いっきり俺を売りやがって…まぁ、相談なんだがこれを聞いてくれれば昨日の事は水に流そう。」

 

志郎

「なんだ?」

 

伊織

「千紗に言われた通りこの格好は流石にまずいと思う。そこでだ…着ているものを俺にくれ。」

 

伊織は追い剥ぎしようとしたが、

 

志郎

「警備員さーん。パンイチの人が追い剥ぎしようとしてまーす。」

 

俺はすかさず警備員に通報した。

 

伊織

「待ってくれ!もう一度チャンスを…」

 

警備員A

「分かりました。君、立ち話も難だから場所を…」

 

伊織はすぐさま逃げた。

 

志郎

「…よし、先輩方と合流するか。」

 

仁美

「志郎君ったら、えげつない事するわね…」

 

 

 

 

 

一方その頃ーーー

 

警備員A

「すみません。この辺で半裸の怪しい男を見かけませんでしたか?」

 

モブその9

「えー知らなーい。」

 

モブその10

「何それきもーい。」

 

警備員A

「お気をつけください。」

 

伊織は草むらに身を潜めていた。

 

伊織

(何故だ…俺が一体何をしたっていうんだ……)

 

???

「…お前、何やっているんだ?」

 

伊織

うおぅ!⁉︎

 

突然声を掛けられ驚くが、そこにいたのはさっきのオタクだ。

 

伊織

「…ってなんだお前か。」

 

???

「なんだとはなんだ、失礼な奴め。」

 

伊織

「すまん、これには色々と事情があるんだ。」

 

???

「ふぅん?事と次第によっては助けてやらんでも無いが。」

 

伊織

「え?マジで?」

 

思わぬ助け舟に伊織は驚きながらも喜ぶ。

 

伊織

「お前実は良いヤツだったんだな!」

 

耕平

今村耕平(いまむらこうへい)だ。……で何があったんだ?」

 

伊織

「聞いてくれ耕平!志郎の奴俺をこの状態にしたくせに服すら脱いでくれないんだ!」

 

耕平

「警備員さーん。」

 

伊織

「ワンモアチャンスプリーズ‼︎」

 

耕平

「バカ言うな。矯正わいせつする奴に話を聞く余地すら無いだろ。」

 

伊織

「だから!それには事情があるんだよ!」

 

耕平

「ならその事情ってヤツを留置所で話すこった。じゃあな。」

 

耕平は立ち去ろうとするが、伊織が止める。

 

伊織

「待った、話はもういい。その代わり…」

 

耕平

「な、なんだよ…」

 

伊織

着ているものを脱いでくれ。

 

耕平

おるあぁぁぁぁぁ‼︎ドゴォ‼︎

 

伊織

「ぐはっ‼︎」

 

耕平は咄嗟に伊織を殴った。

もちろん伊織は抗議するが、耕平はその間に警備員を呼び彼はまたもや逃げた。

 

 

 

 

 

警備員A「どこ行った?」

 

警備員B「くそー」

 

警備員が増え伊織(半裸の怪しい男)を探している。

 

伊織

(やばい、増えやがった…それにしてもあの野郎、人の事殴り飛ばした挙句に警備員まで呼びやがるとは……)

 

そう思いながらも彼はこの状況を打開する為に考えを張り巡らした。

そして、一つの答えに辿り着く。

 

伊織

「背に腹は代えられないか…」

 

 

 

 

 

奈々華

「ダイビングサークル“Peek a Boo”で〜す。」

 

寿

「興味ありませんか〜?」

 

志郎

「よろしくお願いしまーす。」

 

モブその11

「なぁ、あの人美人じゃないか?」

 

モブその12

「スキューバダイビングって良い感じ。可愛い女の子との出会いとかありそうだし。」

 

寿

「すみませんね、手伝ってもらって。」

 

奈々華

「いいのよ。」

 

モブその11

「リア充っぽいよな。それにほら、隣の人もイケメンだs」

 

と言いかけたが、寿が着ていた股間部に白鳥があるスーツを見て2人はそそくさと立ち去った。

 

志郎

「寿先輩、何ですかその服は?」

 

寿

「どう見てもウェットスーツの代用品だろ。何せうちはダイビングサークルだからな。見てわからないのか?」

 

志郎

「…普通の服は着ないんですか?」

 

寿

「なぜわざわざ服を着る必要があるんだ?どうせこの後のコンパで脱ぐんだから。」

 

志郎

「…脱ぎませんからね。」

 

寿

「まぁそれはそうと伊織、お前はいつまでそこで隠れているつもりなんだ?」

 

伊織

「ふぅ………助かりました。」

 

そう言うと伊織が物陰から姿を現す。

 

寿

「まったく…通報されるなんて何やっているんだ。」

 

志郎

「…先輩方に言われたくないでしょうな。」

 

伊織

「そうだな…それに、何お前警備員呼んでんだ志郎‼︎」

 

志郎

「追い剥ぎされそうになって呼ばない方がおかしいだろ。」

 

奈々華

「ダメだよ伊織くん。そんなことしたら。」

 

伊織

「くぅ…奈々華さんに言われれば仕方ない。」

 

俺らが言うことは聞くつもりは無いんかい。

 

伊織

「それよりちょっと頼みがあるんですけど……」

 

寿

「ん、なんだ?」

 

伊織

「服を貸して貰えませんか?」

 

寿

「おいおい、いきなり変な事言い出すヤツだな。」

 

伊織

「いや変じゃないですよ。俺こんな格好のせいで警備員に追われたんですから。」

 

寿

「しかしこの後飲みに行くなら二度手間になるだけだろう?志郎、伝え忘れたか?」

 

志郎

「伝えた筈ですが……」

 

伊織

「あれ?今俺が酒を飲む上に服まで脱ぐことを前提に話を進めてませんか?」

 

寿

「違うのか?」

 

伊織

「違うでしょ。」

 

寿

「今日は新入生歓迎コンパだ。俺達の奢りだぞ?」

 

伊織

「奢りというのは魅力的ですが、とりあえず服を何とかしないと…」

 

寿

「貸してやりたいところだが俺もTシャツ一枚だけになってしまうからな。」

 

伊織

「講堂前で全裸で寝てた人が今更何を…?」

 

寿

「じゃあこうしよう、誰か新人を一人でも引っ張って来たら服を貸してやる。どうだ?」

 

伊織

「そうですね……(先輩方ならグランブルーの場所も教えてくれるだろうし悪くないかな…)よし乗った!」

 

寿

「交渉成立だな。ところでアテはあるのか?」

 

伊織

「ええ、任せてください。」

 

そう言うと伊織はその場を後にした。

 

寿

「上手くいくと思うか?」

 

志郎

「う〜ん、ちょっと見て来ますね。」

 

寿

「頼んだぞ。」

 

俺も伊織の跡を追う。

 

 

 

 

 

跡を追っていると、先程のオタクがいた。

 

耕平

「くそ…っ!どうしてだよ…っ!」

 

そのオタクは崩れ落ちていた。

 

耕平

どうして俺を中心にした女子高生美少女ハーレムサークルが無いんだよ…っ‼︎どうして…どうしてっ!

 

いや、大学に女子高生がいる訳ないだろ。

そう思っていると、伊織はそのオタクに話しかける。

 

伊織

「なぁ、耕平。」

 

耕平

「お前?」

 

伊織

「なぁ耕平諦めるなよ。諦めなければ夢は叶う…世の中そんなもんだろ?」

 

耕平

「…だが現実は冷たいんだ。どいつもこいつも、やれ寝ぼけるなだの、大学に女子高生がいるかだの、漫研に行けだのと、訳の分からない事ばかり……‼︎」

 

いや、正論言っただけな?

おかしいと思うの俺だけだろうか?

 

耕平

「大学に来たら新世界が広がって夢のような生活が待っていると思っていたのに……」

 

伊織

「…あるさ。」

 

耕平

「…え?」

 

伊織

「あるに決まっている。新世界も夢の生活も、ただお前はその入り口に気付いていないだけなんだ。」

 

耕平

「そう…なのか……?」

 

伊織

「ああ、どうだ?一緒に夢の入り口に踏み込んでみないか?」

 

耕平

「…ああ!」

 

そう言うと二人は手を取り合う。

その光景を見て俺はこう思った。

 

志郎

(ようこそ、夢の入り口………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………じゃなくて地獄の入り口へ。)

 

時田&寿

「「うぇぇーるかぁぁーむ!!」」

 

耕平

謀ったな貴様ぁーーーッ⁉︎

 

伊織

「ふぅ、服は人類の叡智の一つだなぁ…」

 

時田

「さて、それでは新入生諸君、ダイビングサークル“Peek a Boo”へようこそ!」

 

寿

「早速だが席を決めるので皆さっきテープを貼った腕を出して並んでくれ!」

 

新入生がぞろぞろ並んでいく。

因みにアルコールパッチテストの結果、俺はAテーブルになり仁美はBテーブルになった。

 

時田

「よし、Cテーブルに行ってくれ。」

 

寿

「お前は向こうのBテーブルだ。」

 

伊織

「何やっているんですか?」

 

時田

「ああ伊織。お前は分かっているから大丈夫だ。安心してAテーブルへ行け。」

 

伊織

「…?はあ…」

 

志郎

「そういえば各テーブルの違いは何ですか?」

 

時田

「アルコール度数の違いだな。Aは20%以上、Bは3〜8%、Cは0%のソフトドリンク類だ。」

 

志郎

「なるほど…」

 

そんなやり取りをしている中、伊織はAテーブルに向かう。

 

伊織

「えーと、Aテーブルは…」

 

ウィスキーとウォッカ

 

「お!昨日の新人か!こっちこっち!」

 

安西

「今日は楽しく飲もうじゃないか!」

 

横手

「よーし今日の野球拳は負けねぇぞ!」

 

伊織

「チェーンジ!Bテーブルにチェンジで!」

 

横手

「それで伊織、何飲む?」

 

伊織

「とりあえずウーロン茶で…」

 

横手

「よし分かった。」

 

と言いながら、ウォッカ:9、ウィスキー:1をグラスに注ぐ。

 

横手

「ほい、ウーロン茶。」

 

伊織

「これは俺の知ってるウーロン茶じゃない‼︎」

 

横手

「何言ってるんだ。きちんとウーロン茶の色が付いているだろう?」

 

「そうだぞ新人。しかも色だけじゃなくて火までつけられるんだぞ。」

 

そう言うと先輩はウーロン茶?にライターの火を近づける。

すると火がついた。

 

伊織

「火がつく時点でそれはもう大部分がアルコールだ‼︎」

 

時田

「おいおいお前ら、あんまり新人を苛めるなよ。」

 

寿

「ほら伊織。水だ。」

 

伊織

「あっ、どうも。すみません。」

 

渡された水にライターの火を近づけると火がついた。

 

伊織

「…どうしてこの水に火がつくんですかね?」

 

時田

「可燃性なんだろ。」

 

寿

「色はきちんと水なんだ。気にするな。」

 

伊織

「貴方がたは飲み物を色でしか判別できないんですか⁉︎…こうなったらせめてあいつだけでも潰れるまで飲ませてやる‼︎」

 

そう言うと伊織は水?を持って志郎の所へ行く。

 

因みに……

 

Cテーブル アハハハハ 普通

 

Bテーブル ウフフフフ ほろ酔い

 

Aテーブル うおぉぉぁああ!! …カオス

 

時田

“杯を乾す”と書いて‼︎

 

寿

“乾杯”と読む‼︎

 

PaBの皆様

せーのー、かんぱーい‼︎

 

伊織

「おい志郎!これを飲め!」

 

志郎

(来たか…)

 

俺は伊織に渡されたウォッカを普通に飲み干す。

実のところ、俺はお酒に強い。

次にある酒をコップにいれる。

 

志郎

「…ほい。」

 

伊織

「お前ウォッカを何知らぬ顔で……それウォッカか?」

 

志郎

「いいや、別の酒にした。」

 

伊織

「サンキュー、じゃあ…」

 

そう言って伊織はその酒を飲む。

 

伊織

ああああぁぁぁあああ‼︎なんだごれ‼︎

 

渡された酒は度数が高いなんてレベルじゃ済まされない代物だった。

飲んだ伊織は悶絶する。

 

志郎

「スピリタスだ。」

 

伊織

「なんだ、それ?」

 

志郎

「アルコール度数96%の世界最高峰の酒だ。」

 

仁美

「何やっているの?」

 

千紗と仁美がアルコール度数の低いお酒(“氷○”や“ほろ○い”など)を持ってやってきた。

 

志郎

「酒を飲んだこいつが勝手に脱落した。」

 

千紗

「何飲ませたの?」

 

志郎

「スピリタス。」

 

仁美

「流石に無理じゃない…?」

 

志郎

「まぁ、俺としてはうまいがな。」

 

そう言うとスピリタスをゴクゴク飲む。

 

千紗

「志郎は平気なの?」

 

志郎

「一応。大々うちの家系は酒に強くてね…特に親父に至ってはスピリタス20本以上飲んでも酔い潰れるどころか赤面することが無いからなぁ……こればかりはご先祖様に感謝だな。」

 

伊織

「あんたの親父は化け物か⁉︎」

 

耕平

「ほら、水も飲まないと倒れるぞ。」

 

伊織

「ああ、どうも。」ゴクゴク

 

すると飲んだ水がただの水では無い事に気づく。

ライターの火を近づけると、火がついた。

 

伊織

ウォッカぁぁああああーーー‼︎

 

耕平

「良い飲みっぷりだな北原伊織。」

 

伊織

「こ、耕平!これは復讐のつもりか⁉︎」

 

耕平

「いや、そんなつもりは無い。ただ…一人くらい潰して入会させないと脱出できないように見えてな。」

 

伊織

「そうか…確かに誰かが犠牲になればいいんだよな?」

 

耕平

「分かってくれたか?」

 

伊織

「ああ、お前を連れてきたのは俺だ。責任とって俺が酒飲むからお前はウーロン茶でも飲んでくれ。」

 

耕平

「おお、なんと美しい自己犠牲の精神なんだ…」

 

と言って飲むが、違和感に気づいた耕平がライターの火を近づけると見事に火がついた。

 

志郎

「…草。」

 

耕平

「貴様ぁぁぁ‼︎」

 

伊織

「別に犠牲になるのは俺である必要はないよな‼︎」

 

二人は取っ組み合いの喧嘩を始める。

すると時田先輩が嗜める。

 

時田

「こらこら喧嘩はいかんぞ。どうしても揉めるんなら勝負をしろ。」

 

伊織&耕平

「「勝負?」」

 

時田

「ああ、代々伝わるPaB式のにらめっこだ。」

 

○ルール説明

 口に含んだお酒を噴いたらイッキ

 以上‼︎

 

その勝負に二人とも乗り、耕平が先行として伊織を変顔で笑わせる。

 

志郎

(…伊織の奴、中々粘るな〜)

 

だが、伊織は笑わない。

すると時田先輩がアドバイスをする。

 

時田

「耕平、真面目な話をしてみるのも一つの手だ。」

 

耕平

「真面目な話ですか?」

 

時田

「ああ、笑っちゃいけない状況では意外と真面目な話で笑っちまうもんだ。」

 

耕平

「なるほど、じゃあ俺の悩みでも話してみます。」

 

時田

「おう、それがいい。」

 

すると耕平は真剣な表情になり、こう告げる。

 

耕平

「ここだけの話なんだけどさ。実は俺……こう見えて昔はオタクだったんだ。

 

伊織&志郎

「「ぶふぉ⁉︎」」

 

衝撃の発言に伊織だけでなく俺まで噴いた。

 

耕平

「ふっ、驚きを隠し切れなかったようだな。」

 

伊織

「そりゃ驚くさ‼︎お前がその事実を隠し切れていると思っていた事実にな‼︎」

 

時田

「伊織、志郎、粗相だな。」

 

PaBの皆様

「S!O!SOSO!そ・そ・う!そ・そ・う!」

 

※粗相とは?

 お酒や料理をこぼす、先輩に無礼を働くなどの行為をした際に行われるペナルティの一気飲みのこと。

 類似型に「ちょい残し」や「ご馳走様が聞こえない」などがある。

 

伊織

「こんちくしょー」

 

俺と伊織は一気飲みをする。

 

時田

「さて今度は伊織の番だが…伊織?」

 

伊織はかなりフラついていて、安西先輩の前に四つん這いになった。

 

安西

「おい、大丈夫か?」

 

伊織

「…! バスケが…したいです…」

 

耕平

ぶふぉ⁉︎ゲホゲホ

 

今度は耕平が噴いた。

俺は何とか耐えた。

 

伊織

「おっしゃ!さぁ、お前も飲んでもらうぞ、耕平‼︎」

 

志郎

「ああ、()()もな。」

 

伊織

「えっ?」

 

振り向くと若干キレている安西先輩が……

 

時田

「お前も粗相だな、伊織。」

 

PaBの皆様

「ハイ、飲ーんで飲んで飲んでの・ん・で!」

 

伊織&耕平

っしゃ、オラァー‼︎

 

伊織

「やってくれるじゃねぇか…!」

 

耕平

「貴様こそな…!」

 

伊織

「こうなりゃトコトンやってやらぁ!」

 

耕平

「上等、白黒はっきりさせてやる!」

 

「いいぞ一年ー」

 

横手

「死なない程度になー」

 

志郎

「大丈夫かあいつら…」

 

千紗

「ほっときなよ…」

 

すると志郎は仁美をじっと見つめる。

 

仁美

「えっと、どうしたの?」

 

志郎

「…いつ見ても綺麗だな。」

 

※志郎は酒に強いとは言っても、酔うことはある。

 酔うと思ったことを口にする。

 

志郎の不意打ちに仁美は赤面する。

 

仁美

「えっ⁉︎な、何言っているの?///」

 

志郎

「いや…実際そうだから。」

 

仁美

「…ありがとう///」

 

一方この後も二人のにらめっこが続き、

 

伊織

「み…水…っ」

 

二人ともダウンし、耕平に至っては思いっきり吐いていた。

 

「やっぱりこうなったか。」

 

横手

「言わんこっちゃねぇ。」

 

寿

「まったくお前らは…ほれ、水だ。」

 

耕平

「す…すみません。」

 

伊織

「ありがとうございます。」

 

二人は渡された水を飲む。

すると何か違和感がーーー

 

寿

「いやはやそれにしても意外だった。」

 

伊織&耕平

「………………」

 

寿先輩の手に持っているのは、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スピリタスだった。

 

寿

「お前らがそんなにシャイボーイだったとはなぁ。強い酒が欲しいなら次からは遠慮せずに最初から言えよ?」

 

伊織&耕平

「「水じゃねぇぇぇええええええ‼︎」」

 

 

 

 

 

 

 

〜翌日〜

 

奈々華

「伊織君も志郎君も仁美ちゃんもお友達と一緒にサークルに入ってくれるみたい。」

 

登志夫

「おっ、そりゃ良かった。ダイビングに興味を持ってくれるのは嬉しいもんだな。」

 

奈々華

「そうね〜でも、伊織君は二晩連続で外泊なんて、今度注意しなきゃ。」

 

一方その頃大学ではーーー

 

耕平

「てめぇのせいだ……」

 

伊織

「いいや…お前が悪い…」

 

伊織と耕平はパンイチで出席していた。

 

千紗

「本当にあのバカは……」

 

教授

「では講義を始める。」

 

伊織&耕平

「「はーい。」」

 

仁美

「今教授スルーしてなかった?」

 

志郎

「まさかこのような学生が前にも居たのか…?」

 

ダイビングサークルにオタクも加わり、この先賑やかな予感がする。

 




次回、伊織達が奈々華さんに一人前の大人として認められるように部屋作りに励みます。

乞うご期待ください。
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