ぐらんぶる〜とあるカップルとPaBの物語〜   作:あーくこさいん

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7.男コンと逆襲、そして暴露(カミングアウト)

???

「……私と…付き合ってよ。

 

突然の告白に俺達は固まる。

 

耕平

「付き合うって……俺とお前が?」

 

???

「そうよ、文句ないでしょ?」

 

耕平

「待ってくれ、名前も知らん相手に…!」

 

耕平はもっともな事を言うが…

 

愛菜

「吉原愛菜!青女の一年、これでいい?」

 

と自己紹介した。

 

耕平

「いやいやいや、まったく良くない!」

 

まぁこれ以上巻き込まれたく無いので…

 

志郎

「そうか…これで耕平も晴れてリア充の仲間入りか。」

 

伊織

「おめでとう耕平。末永く幸せにな。」

 

俺達はお祝いの言葉を送って退避しようとするが…

 

耕平

「とこへ行こうというのかね?」ガシッ

 

伊織

「あとは若いお二人でと思って…」

 

そうは問屋が卸さなかった。

 

耕平

「テメェらこの状況で置いていくなんて人の心を持っていないのか!」ヒソヒソ

 

伊織

「ついさっきミスコンで俺を平然と切り捨てた人間が何を言う!」ヒソヒソ

 

なんてやりとりをしていると…

 

愛菜

「……もういい!」

 

志郎

「あっ、おい!」

 

女の子は何処かへと行ってしまった。

 

志郎

「…行っちゃった。」

 

耕平

「なんだったんだ?」

 

伊織

「昼に会ったテニサーの女だよな?」

 

時田

「お前らこんなところにいたのか。」

 

振り向くと時田先輩と寿先輩がいた。

 

寿

「何していたんだ?」

 

耕平

「何をしていたと言われても…」

 

伊織

「…青春ですかね。」

 

時田

「なんだそりゃ。」

 

志郎

「先輩達こそなんでここに?」

 

時田

「ああ、飲み会に誘おうと思って…」

 

こうして俺達は飲み会の会場に行った。

 

 

 

 

 

志郎

「先輩、俺達男コンに出るんですからウーロン茶で。」

 

先輩その1

「分かった、伊織と耕平は?」

 

伊織

「……俺もウーロン茶を。」

 

耕平

「……同じく。」

 

先輩その2

「ほらよ。」

 

先輩からウーロン茶を渡され俺達は飲む…

 

伊織

「‼︎? バカな…っ‼︎!」

 

耕平

「普通のウーロン茶だと‼︎?」

 

志郎

「明日槍でも降るのか‼︎?」

 

先輩その1

「何故そこで驚く。」

 

先輩その2

「要求に応えただけだろうが。」

 

てっきりアルコール入りのウーロン茶を渡されると思ったから普通のウーロン茶を渡されてとても驚いた。

 

先輩その1

「毎度毎度バカ飲みばっか出来ねぇよ。たまにもこういう飲みもやらんとな。」

 

伊織

「おお!」

 

耕平

PaB(パブ)メンバーが自重を知っているとは……」

 

志郎

「感激しました!」

 

時田

「何気に失礼だなお前ら。」

 

寿

「いつもなら粗相コールが始まるぞ。」

 

先輩その1

「まあそんな固い事は言いっこなしだ。」

 

先輩その2

「楽しく飲もうや。」

 

時田

「そうだな。」

 

寿

「俺もビールでも貰うか。」

 

伊織

「あ、じゃあ俺も軽いので。」

 

耕平

「俺も。」

 

そんな感じで飲み会が始まった。

いつものはっちゃけるにも程がある飲み会では無く、ドラマで見るような…まさに青春といえる飲み会……

 

学園祭って良いもんだな………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…と思ってた時期が俺にありました。

 

時計が6時ちょうどを指した時間にスピーカーのスイッチが入り放送が始まる。

すると先輩達の動きが止まった。

 

アナウンス

『6時になりました。只今を以て一般公開は終了致します。』

 

そんな内容のアナウンスが響いたその瞬間ーーー

 

時田

「リミッター解除ぉ〜〜〜〜〜〜っ‼︎」

 

先輩達

「っしゃオラぁーーーーーー‼︎」

 

先輩達は瞬時に全裸になりいつものテンションではっちゃけた。

 

伊織

(ああ、やっぱりな………)

 

耕平

(所詮はこういうサークルか………)

 

志郎

(淡い希望は抱くもんじゃないな………)

 

俺達は落胆した。

 

伊織

「まあいいかいつもの飲み会だと思えば…」ポンッ

 

伊織の肩に手が置かれたので振り向くと…千紗と仁美がいた。

 

伊織

「…人違いです。」

 

千紗

「まだ何も言って無いんだけど。」

 

明らかに怒っている。

 

志郎

「あっ仁美、例のものは?」

 

仁美

「ちゃんと持ってきたよ。ほら。」

 

仁美はトランクを見せる。

その中には男コンで使う衣装や()()()()()が入っている。

 

伊織

「違うんだ千紗!あれはお前の魅力を引き出す為で…つまり可愛い千紗を見せたいというーーー」

 

伊織は弁明をする中、

 

千紗

「はぁ…もういいわ。」

 

伊織

「…へ?」

 

あっさり許してくれた。

 

伊織

「許してくれるのか?」

 

千紗

「貸しにしとく。」

 

伊織

「マジか!ありがとう千紗…!お礼に今度もうちょい色気のある下着買ってやるからな!

 

おい。

火にガソリンぶち込む失言しやがって…

 

耕平

「あーあ、折角許してもらったのに…」

 

志郎

「つーか、見るとこ見てたんだなこの助平が!」

 

ドンッ‼︎

 

伊織の失言に堪忍袋の緒が切れたのか、千紗は何やらでっかいボトルを見せる。

そこには『原液焼酎 徳用4ℓ』と書かれていた。

 

伊織

「……千紗?」

 

千紗

「飲んで。」

 

伊織

「………もしかしてすっげぇ怒ってます…?」

 

千紗

「それ返事が必要?」

 

伊織

「…………イタダキマス。」

 

伊織は観念して飲む。

数分後ーーー

 

伊織

「こ…これくらいでどうかご勘弁を…」

 

耕平

「2ℓくらい飲みやがった…」

 

志郎

「流石だな…」

 

すると千紗は手拍子した。

 

千紗

「ちょい残し、ちょい残しー」パンッ パンッ

 

伊織

「千紗ぁ‼︎?」

 

耕平

「全然“ちょい”って量じゃないぞ‼︎?」

 

志郎

「…鬼だ。」

 

あろうことか飲みの催促をした。

 

耕平

「いやいや、流石に冗談だろ?」

 

伊織

「こんなもん飲み切れるわけが…ん?」

 

千紗は一枚の紙切れを見せる。

そこには…

 

『梓 オススメ!

 絶対潰せる一気飲みコール

 〜エンドレスリピート編〜

 ※相手が吐いても止めないぞッ⭐︎』

 

とんでもない事が書かれていた。

 

ダッ!(命の危険を感じて逃走する伊織)

 

ガシッ!(ボトルを持って追いかけようとする千紗)

 

ガシッ!(それを阻止する俺達)

 

耕平

「落ち着け古手川‼︎」

 

仁美

「伊織君死んじゃう‼︎」

 

時田

「千紗ちゃんのコールとは貴重だな。」

 

寿

「これで散るなら本望だろう。」

 

なんてやりとりをしていると梓さんが帰ってきた。

何やらため息を吐いている。

 

志郎

「どうしましたか?」

 

「いやーそれがさ…」

 

梓さんが言うにはティンベルの会長でもある工藤先輩がナンパしてきたという。

そこで男コンにて最前列で応援すると言ったら会長は登録しに行き、その隙に逃げてきたのだ。

 

流石梓さん、ナンパ男のあしらいに慣れている…

 

時田

「で、応援するのか?」

 

「するわけないじゃん、あんなウザいの。」

 

まあ応援する訳ないか…あんな奴。

 

時田

「まあ無事で何よりだ。」

 

寿

「集合にも間に合ったしな。」

 

「そだね〜」

 

伊織

「へ?集合?」

 

耕平

「何のです?」

 

バキッ‼︎

 

何やら音がしたので振り向くとーーー

 

ゴツい先輩

「よう、遊びに来たぞ。」

 

志郎&伊織&耕平

「「「いやぁあーーー‼︎?」」」

 

いかにもゴツい体型の先輩達が押しかけてきた。

扉も破壊されている…

 

ゴツい先輩その1

「そう嬉しそうな声を上げるな伊織、耕平、志郎。」

 

ゴツい先輩その2

「男コン終わるまでは手加減してやるからよ。」

 

耕平

「絶対嘘だ‼︎」

 

伊織

「“手加減”って言葉が全く信用出来ない‼︎」

 

男コン本番で酔い潰れるのはシャレにならねぇ…

 

時田

「じゃあまずは洗面器飲みからいくか。」

 

寿

「負けたサークルが一発芸な。」

 

ゴツい先輩

「おう!」

 

伊織

「洗面器⁉︎」

 

耕平

「それ飲み物入れる容器じゃありませんよね⁉︎」

 

そうこうしながらも俺達は外に出た。

 

志郎

「しっかしいつも以上にすげぇ飲み会だな…」

 

耕平

「男コン出場がなければ全力で付き合わされていたかと思うとゾッとする。」

 

伊織

「そういう意味では男コンに救われたのかもな。」

 

耕平

「そういえば仁美が持ってきたトランクは一体…?」

 

志郎

「ああ、あのトランクには様々な衣装とメイク道具が入っているぞ。」

 

伊織

「…お前どんな格好で出るんだ?」

 

志郎

「それは秘密…ん?」

 

俺は座り込んで酒を飲んでいる女の子を見つける。

格好といいメイクといい俺達は見覚えがあった。

 

愛菜

「アンタら…」

 

耕平

「こ…今度はなんだ?」

 

伊織

「また飲みのお誘いじゃないか?」

 

耕平

「マジかっ⁉︎」

 

耕平は露骨にイヤそうな反応をする。

 

愛菜

「ちょ〜〜〜アンタぁ〜〜〜」

 

その愛菜という女の子は耕平に近づく。

 

耕平

「待て待て待て‼︎」

 

愛菜

「なん?」

 

耕平

「な、なんで俺なんだよ?あのテニサー連中と、飲んでればいいだろう⁉︎」

 

耕平はもっともな事を言うが…

 

愛菜

「ああ?なんでて?なんでアンタに告ったかちゃ〜?」

 

耕平

「い、いやそうじゃなくて…それもだが。

 

志郎

「つーか、酒くさ!」

 

愛菜

「アンタがイケメンやからに決まっとろうもん〜」

 

耕平

「はぁ⁉︎」

 

愛菜

「あのティンベルだっちゃそうたい〜イケメン揃いやけん入ったっちゃん〜〜イケメンの彼氏は作ったら幸せになれるけん、本で見たごたぁバラ色の大学生活たい〜」

 

彼女は酔っ払っているが大学生活に憧れているのは確かだ。

…だがなんでケバい化粧をする必要があるんだ?

 

愛菜

「やけど…アンタ〜〜教えてぇ〜〜なんでウチはいっつもこげなと〜〜?」

 

伊織

「か…絡み酒か。」

 

耕平

「絡みつく程にケバいな…」

 

するとさらに近づき…

 

愛菜

「ウチ頑張っとうやろ?ね?ものすごく頑張っとうやろ?」

 

伊織

「お、おう。」

 

耕平

「確かにもの凄かったな…悪い意味で。

 

愛菜

「化粧もくさウチなりに研究して…慣れん服装もして…一所懸命ノリも合わして……なんや!コールやらSOSOやらって!映画とかドラマにゃなかったやんそげなもん‼︎」

 

伊織

「まあ…」

 

耕平

「そうだろうな…」

 

方向性はともかく彼女なりに頑張っているのが分かるな…

 

愛菜

「やのになんで皆にバカにされないかんと〜〜〜っ⁉︎」

 

志郎

あの連中(ティンベル)か…」

 

伊織

「まぁ、あの格好じゃなあ…」

 

耕平

「色物扱いでも仕方ないケバさだろ…」

 

愛菜

「ばってがみんな最初は可愛か〜って‼︎」

 

志郎

「いや思いっきり笑われてたからあれ……あっ。」

 

本音を言ってしまい、彼女はショックを受ける。

 

志郎

「あの…なんだ…ごめん。」

 

愛菜

「…ウチもわかっとうよそんくらい……最初はネタ扱いでもいいと思ってた…仲良く楽しく出来るならそれでもって…」

 

伊織

「そうか…」

 

耕平

「なら本望だろ。」

 

愛菜

「でもあの連中…ミスコン終わって飲み会になったら…「もう充分笑ったから帰っていいよ」って………やっぱり無理に変わろうとするんじゃなかった…結局私は何をしても笑われる側でアイツらは笑う側なんだ…」

 

はっきり言って怒りが込み上げてきた。

彼女は自分なりに変わろうと必死に努力してきたというのに……

 

耕平

「ケバ…お前…」

 

伊織

「何言ってんだ…人を笑うだけ、人に笑われるだけなんてヤツいる訳ないだろ。

 

愛菜

「だけど……!」

 

すると伊織は愛菜を指差してこう言う。

 

伊織

面白いもんを見せてやる。

 

コイツ、たまにいい事言うからな…

 

志郎

「伊織、何か策があるんだな?」

 

伊織

「ああ。」

 

耕平

「俺も手伝うぞ。」

 

俺達はティンベル会長に対する逆襲の為、作戦を練る…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして始まったミスターコンテストで…

 

ゴツい先輩その1

「今年は何を企んでいる?」

 

時田

「俺達の可愛い後輩がネタを考えたらしい。」

 

寿

「せいぜい楽しんでやってくれ。」

 

ゴツい先輩その2

「ろくな事じゃなさそうだな。」

 

話している内に工藤会長の番がやってくる。

 

司会

「次はこちら!」

 

工藤

「テニスサークル『ティンカーベル』会長の工藤です。どうも!」

 

観客(主に女性)

「キャアアア‼︎工藤さ〜ん‼︎」

 

特に女性からの歓声が上がる。

 

司会

「んじゃ勝手にPRどうぞ〜」

 

工藤

「テキトーだなぁ。」

 

司会

「男相手っすから。」

 

女子学生その1

「工藤さ〜ん、頑張ってー!」

 

テニサー部員その1

「会長ーっ!」

 

テニサー部員その2

「今年も優勝余裕っすよー!」

 

男子学生その1

「すげぇ人気だな…」

 

男子学生その2

「今年も優勝はティンベルか?」

 

工藤

(当ったり前だろ、他とはレベルが違うんだよ。)

 

そんな感じで周りを見下す。

 

司会

「では、次の方!」

 

司会に呼ばれてステージに上がる。

そこには黒を基調としたゴスロリ調のドレスを着た女性…否女装した男性が出てきた。

黒髪ロングストレートのウィッグを付けメイクも綺麗な男性に観客は見惚れた。

 

女子学生その2

「わ…!」

 

女子学生その3

「綺麗…!」

 

男子学生その3

「すげぇ…一瞬女かと思ったよ。」

 

男子学生その4

「ドレス似合ってるなぁ。」

 

工藤

ピーカブー(全裸バカ)にいたか?あんな奴…まあいい、俺の優勝は変わらない…)

 

志郎

「ダイビングサークル『PaB(ピーカブー)』所属の天風志郎です。よろしくお願いします!」

 

そう、女装した天風志郎だった。

仁美が持ってきたトランクはゴスロリ調のドレスやメイク道具の他に様々な衣装が入っている。

彼はこうやってたまに女装しているのだ。

 

司会

「んじゃ、PRを…」

 

志郎は司会の声を無視してステージの前に出る。

やがて1人の女性の前に立つと…

 

志郎

「浜岡梓さん…俺と付き合ってください‼︎」

 

突然告白をした。

その事に観客は驚く。

 

司会

「おーっと!これは天風さん、突然の告白です!」

 

司会が興奮気味に実況する中、今村耕平が出てきた。

 

耕平

「おいおい志郎よ、それは無理な話だ…何故なら俺の方がお似合いだからだ!」

 

そう言うと耕平は志郎が告白した相手に近づき…

 

耕平

「浜岡梓さん、コイツやティンベルの工藤会長なんかじゃなくこの俺、今村耕平と付き合ってください‼︎」

 

司会

「なんと!今村さんも突然の告白です!しかもティンベルの工藤会長の名前も出てきました!果たしてこのバトル、どうなるのでしょうか⁉︎」

 

工藤

(チッ、目立ちやがって…何勝手に人の名前使ってんだよ…!)

 

会長は突然の事に苛立ちながらも、()()()を思い付く。

 

工藤

「いや!俺の方にお願いします!」

 

司会

「なんと!工藤会長も続いて告白だー‼︎」

 

工藤会長も乗ってきた。

ここまでは作戦通り…

 

司会

「さぁ…一体誰を選ぶのか⁉︎」

 

告白してきた3人に対し、彼女は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

工藤会長の手を取った。

 

司会

「工藤会長だーーーッ‼︎」

 

告白合戦の結果に女性陣からは歓声が鳴り響いた。

工藤会長は振られた2人の方を向く。

 

工藤

「悪いね〜こんな事になっちゃって…でもさ…人にはそれぞれレベルがある訳だし、君達には君達なりのお似合いの人がいるんじゃないかな〜w

 

会長は勝ち誇った表情で馬鹿にする…が、それも()()()()だった。

俺達は余りに滑稽な会長に笑いが込み上げた。

 

耕平

「お似合いの人…ねぇw」

 

志郎

「だってさ…良かったですねぇ…()()()?」

 

そう、告白の相手は浜岡梓だと言うのに志郎は別の苗字を口にした。

工藤会長は何の事かさっぱり分からずにいると…

 

梓?

「くっ…くくく…」ガッ

 

告白相手の梓さん?も笑いが込み上げ、自分の髪を掴むと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()を脱ぎ捨てた。

そう、ステージの最前列にいた梓さんの正体は北原伊織だった。

 

志郎&伊織&耕平

「「「ウヒャハハハハハ‼︎」」」

 

伊織

「残念でした‼︎男ですぅ〜〜〜〜‼︎」

 

俺達は大爆笑しながらネタばらしをする。

会長も非常に驚いている。

 

伊織

「いや〜そうですか!まさかこんなボクが天下のティンベル会長さんとお似合いだなんて!」

 

耕平

「良かったな北原!お前の女装はこの人の魅力と同格らしいぞ!」

 

志郎

「おめでとうございます、工藤会長!まさか貴方の好みが女装した男性だなんて、全国の腐女子達が喜びそうな展開ですね〜w」

 

伊織

「というわけでピーカブー所属一年北原伊織、男コンに飛び入り参加します‼︎俺の長所はこの通り、美形の3人にお付き合いを懇願される程の美貌です‼︎」

 

伊織が考えた作戦はテニサーの会長を大人数の前で恥をかかせる事だった。

 

耕平

「いや〜w」

 

志郎

「それほどでも〜w」

 

工藤

「!? !?」

 

会長はさらに困惑する。

 

時田

「ぶっは!」

 

寿

「やりあがったあいつら!」

 

その茶番に先輩達も笑った。

 

工藤

「お…おい、ちょっと待て俺は……」

 

会長は弁明しようとするが、そうは問屋が卸さない。

 

伊織

「いや〜ん♡どうしよ〜私会長さんに告白されちゃった〜♡」

 

耕平

「悔しいけど俺は身を引くさ…2人は同じレベルでお似合いなんだし……」

 

志郎

「もっとも同じなのはレベルだけじゃなくて性別もだけどな‼︎」

 

伊織

「会長さん、末永くお付き合いしてくださいねーーー‼︎」

 

会場からは歓声が鳴り響いた。

余程ウケたのだろう。

 

女子学生その1

「ちょっと何アイツ⁉︎」

 

女子学生その2

「工藤さん、どういう事⁉︎」

 

女性陣からは大ブーイングだったが。

 

工藤

「ち、違うんだこれは…」

 

伊織

「あ、そうそう会長…」

 

志郎&伊織&耕平

「「「もう充分笑ったんで…帰っていいですよ?w」」」

 

トドメの一言を掛けた。

会長が固まっていると、伊織は愛菜の方を向く。

 

伊織

「な?笑えるだろ?」

 

愛菜はとても嬉しそうだった。

これで男コンは終了…と思った矢先、

 

工藤

「て…テメェエエ‼︎」

 

なんと工藤会長が伊織に殴りかかってきた‼︎

 

伊織

「なっ⁉︎」

 

耕平

「おい、北原⁉︎」

 

このままだと伊織が殴られる…だが俺は咄嗟に会長の後ろに回り、腰に手を回す。

 

工藤

「なっ⁉︎」

 

志郎

「ふんぬぅぅぅ‼︎」

 

ブオオオオッ‼︎ドゴオオンッ‼︎

 

工藤

「ぐへぇっ⁉︎」

 

女子学生その1

「キャアアア!工藤さん‼︎」

 

そのまま会長にジャーマンスープレックスを喰らわせた!

 

伊織

「助かったぞ、志郎‼︎」

 

耕平

「北原、カウントだ!」

 

伊織

「了解‼︎」

 

伊織はカウントを取る!

 

観客

『1、2、3‼︎』

 

そのままカウントが進んでいき…

 

観客

『…9、10ー‼︎』

 

司会

「決まったーッ‼︎見事なジャーマンスープレックス‼︎」

 

観客の歓声は最高潮に達した。

 

男子学生その1

「いいぞー!」

 

男子学生その2

「もっとなんかやれー‼︎」

 

仁美

「凄い…」

 

「やってくれたね〜というか志郎くんあんな趣味があったなんてね。」

 

仁美

「元々私の友人が志郎君に女装させてたんですけど、私はともかく本人も気に入って…たまに女装した姿でデートに行く事があるですよ。」

 

なんてやり取りをしていると、千紗は不満げな表情で会場を後にした。

 

仁美

(あれ、千紗ちゃん…?)

 

(……あ…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先輩達

「祝‼︎男コン・ミスコン、二冠達成ーーー‼︎」

 

飲み会の会場で二冠達成のお祝いが始まった。

ミスコンの優勝は千紗で、男コンの優勝は伊織だった。

尚仁美は2位、俺も2位という結果になった。

 

ゴツい先輩その2

「よっしゃ乾杯しようぜ乾杯‼︎」

 

伊織

「また洗面器⁉︎」

 

耕平

「これ乾杯できる器じゃないんだが⁉︎」

 

なんてバカ騒ぎをしていると…

 

愛菜

「あ、あのさ…」

 

志郎&伊織&耕平

「「「ん?」」」

 

愛菜

「その…えっと…なんて言うか…」

 

志郎

「もしかして…混ざりたいのか?」

 

愛菜

「う、うん!仕返ししてくれたお礼に…」

 

すると伊織と耕平はあるものを渡す。

酒が並々注がれた洗面器だ。

 

愛菜

「…何コレ?」

 

伊織

「見ての通りだが?」

 

耕平

「もっとデカい器がいいのか?」

 

志郎

「…流石にキツいから“ほろ○い”か“氷○”にしなさい。」

 

なんてやりとりをしていると、彼女は伊織の隣に座る。

その後、伊織と耕平は洗面器の酒を一気に飲んでバカ騒ぎした。

俺は愛菜のメイクを見てこう思った。

 

志郎

(ああいうメイクもアリだな…)

 

仁美

「こーら、志郎君!」

 

するとやきもちを焼いたのか仁美が俺のほっぺをつねってきた。

 

仁美

「なーに見惚れてんのよ!」

 

志郎

「あっすまん…ただあのメイク、悪くないなと思って…」

 

仁美

「…志郎君ってああいうメイク好きなの?」

 

志郎

「最初見た時はギョッとしたが、あれはあれでアリかもしれん。現にゴスロリ調の服を着ている人でああいうメイクする人がいるってテレビで言ってたし…」

 

仁美

「…まぁそういう事なら許すわ。」

 

俺達も楽しく飲んだ。

ただ千紗が不機嫌なのが気になるが…

 

ゴツい先輩その1

「良い一年だな。」

 

寿

「だろ?」

 

ゴツい先輩その2

「ウチにくれよ。」

 

時田

「寝言は寝て言え。」

 

そんな俺達を見て先輩達も楽しく飲んでいた。

 

寿

「でもあれだけ出場を嫌がっていたのにな。」

 

「私も頼まれた時は驚いたよ。」

 

時田

「最高の結果だよな。」

 

「……どうだかねぇ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜翌日〜

 

男子学生その5

「キミ、ミスコンの子でしょーマジで可愛いね!」

 

男子学生その6

「あ、千紗ちゃんだ。」

 

男子学生その7

「え?ミスコンの?」

 

千紗

「…ご注文は?」

 

男子学生その8

「俺らさ向こうで焼き鳥やってんだけど、後で遊びに来ない?」

 

千紗

「遠慮します。」

 

男子学生その5

「おい、俺らが先に声かけたんだぞ!」

 

仁美

「すいませんが、ナンパならお断りします。」

 

男子学生その9

「そんな〜釣れない事言うなよ〜」

 

志郎

「彼氏の目の前でナンパとはいい度胸だな、お前ら…!」

 

案の定他のサークルの男子に言い寄られてしまった。

店番している俺で何とか撃退しているが、数が多くて捌き切れない。

しかも、伊織と耕平は二日酔いで行動不能…

だからあれほど酒は控えておけ言ったのに…

 

時田

「おうお前ら、うちの後輩に何か用か?」

 

寿

「嫌がっているように見えるんだがねぇ?」

 

ここで先輩達が助太刀に来る。

皆揃って体格がいいからボディーガードとして最適だ。

 

時田

「オラ散れ散れ!!」

 

そう言って追い払う。

 

「大丈夫?」

 

千紗

「…はい。」

 

そう言っているが、声や表情からして大丈夫では無いだろう。

 

寿

「まったくアイツらは何の為にいるんだ。」

 

時田

「おいお前ら起きろ、表彰式の時間だぞ。」

 

俺達は酔い潰れている2人を連れて表彰式の会場へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

表彰式が始まり俺達準優勝組の表彰を終えた後、いよいよ優勝者である伊織と千紗が登壇した。

千紗はミスコン時のワンピース姿で登壇したが、伊織はクーラーボックスにもたれ掛かりながらパンイチで酔い潰れている。

先輩達は会場の観客席にて見ているが、俺達準優勝組は別室のモニターでステージの様子を見ている。

 

仁美

「千紗ちゃんなんか不機嫌だったけど、もしかして伊織くん達酔い潰れてて守ってくれなかったから?」

 

志郎

「それもあるが、伊織達の為に仕方なくミスコンに出たのに当の本人達は事情があったとはいえ愛菜の為に頑張ってたからな。千紗としては腹が立つだろう。」

 

仁美

「言われてみれば確かに。」

 

そんなやり取りをしていると、司会が千紗に質問する。

 

司会

『それではミスコン優勝者の古手川さんに賞金が贈られますが、この喜びを誰に伝えたいですか?』

 

すると千紗は笑顔で隣を指差す。

 

千紗

『はいそうですね、そこの………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 酔い潰れている……私の彼氏(伊織)に伝えたいです‼︎』

 

仁美

「…えっ⁉︎」

 

志郎

「…は⁉︎」

 

まさかの彼氏発言に司会は困惑し、観客達も驚愕した。

 

仁美

「なるほど…千紗ちゃん男除けに伊織くん使ったんだよ!」

 

確かに伊織が彼氏になれば言い寄ってくる男は減ってくるだろう。

 

志郎

「だがこの後大変じゃないか…伊織の奴。」

 

仁美

「確かに…うちの学科、男女比141:4だったよね…」

 

現に観客からはブーイングと“殺せ”コールが会場に鳴り響いていた。

 

志郎

「…まぁ少なくともこの程度で済んで良かっただろう。」

 

仁美

「どういう事?」

 

志郎

「想像してみろ、もしこの光景を奈々華さんが見ていたら…」

 

(※奈々華さんは昨日店番をサボりミスコンを見に来ていた事がバレ、今日は強制的に店番をしている。)

 

仁美はしばらく考え、真剣な表情で答える。

 

仁美

「…樹海の奥、もしくは湖の底…いや東京湾に沈んでいるかも……‼︎」

 

志郎

「ああ、奈々華さんならやりかねん‼︎」

 

準優勝組の皆様

(何の話してんだこの2人…⁉︎)

 

果たして伊織の運命は如何に………




次回、学科の男共から嫉妬と殺意を向けられる伊織(巻き添えで耕平も)。

そしてとうとう志郎が彼女持ちだという事が遂にバレる。

果たしてPaBトリオの運命は如何に………

乞うご期待ください。
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