いつもPCからなんですが調子が悪くて、遅くなっちゃいました。申し訳無い<(_ _*)>
続きです。
バイサーとレイヴェルは視線だけで火花を散らしていた。
バイサーは木場が、レイヴェルはライザーの眷属の騎士の格好をした女性が羽交い締めにして何とか抑えていた。
「2人が落ち着いたところで話を続けましょう」
グレイフィアが「ふう」と溜め息を吐きながら割って入る。
まだ火花を散らし合う2人を見て「落ち着いた」と評せる彼女の基準がいまいち分からない。
そんな心中など知らず、淡々と話を進行させる。
「今回、ライザー様を呼んだのはリアス様の兄――サーゼクス様の御配慮をお伝えする為です」
リアスの兄――名前をサーゼクスと言うらしい――からの言伝てを預かってきたと言う。
言葉筋から察するに、リアス側にも一方的な措置にならない為の条件か。
「リアス様にはライザー様とレーティングゲームをして頂きます」
「なるほどね」
兄からの伝言を聞いたリアスの表情は訝しさを孕んだものに変わる。
上条はと言えば突然降ってわいた謎の単語に頭を悩ませている。
分からない時は分かる人に聞きましょうと小学生時代に習っただろう言葉を実践する(上条当麻には昔の記憶はないのだ)。
「何ですか? 皆で車にでも乗って競争するんですか?」
「それはレーシングゲームですか……? 違います。レーティングゲームです」
困った時の悪魔知恵袋・朱乃に質問を投げる。
彼女も困惑した表情で上条の問いにやんわりと答えていた。
実はついさっきにライザーにお茶を煎れた際に口説かれて(?)いたので多少の機嫌の悪さがあるかと思ったが無かったのは良かった。
「悪魔の娯楽……みたいなものです。眷属と眷属がルールを決めて戦い合ったりするゲームです」
まだ続きがあるようで、朱乃は一呼吸置く。
「本来このレーティングゲームは“成人した悪魔にしかできないものなのです”」
「その通りです。ですが今回、リアス様にはレーティングゲームを行って頂きます」
グレイフィアが朱乃の疑問に説明を施した。
「レーティングゲームでリアス様が勝利できましたら、婚約の件は白紙に戻して良いと……サーゼクス様、ライザー様から話は窺っております」
「上等じゃない」
兄からの挑戦状とも言える事柄をリアスは真正面から受けて立つ。
(成人した悪魔だけがやれるゲーム……)
一方の上条は、グレイフィアの話を聞いて訝しい気持ちが収まらなかった。
ライザーは見てみれば青年だ。
明らかに成人は済んでおり、レーティングゲームも何度も参加していると読める。
(これはもしかして……)
サーゼクスとやら本人がリアスに“結婚させる為に提案したのではないか?”
上条はグレイフィアを見る……が、その真意は窺えない。
「なあ、グレイフィアさん。こっちはそれなりのハンデは貰えるんだよな?」
臆しない上条はズカズカとグレイフィアに質問を投げまくる。
彼女にしても、上条の質問は受けて立つところなのか嫌な顔1つ見せない。
「はい。レーティングゲーム開催まで10日の猶予を設けます」
「10日ね」
リアスは早速頭の中で算盤を弾く。
その間にできる事を試すだけ試すつもりだ。
10日も貰えるなら――そう考えての事だろう。
しかしながら、“これに物申したい人も居た。”
「“それだけなのか?”」
「はい。これだけです」
グレイフィアは事務的に返す。
一方の上条はと言えば、不安に駆られていた。
恐らくリアスは“敗ける。”
どう頑張っても“経験の差”は埋められない。
あるとするならば“一発逆転の一手を隠し通す。”
圧倒的に経験の少ない上条が勝ち残れてきたのは常に異能に対しての
今回も“そんなビックリする手札が欲しい。”
そうなると必然――上条の『
「もう少し引き延ばす事は?」
「残念ながら出来かねます。サーゼクス様の意向には逆らえませんので」
上条はこれ以上の問答は無理だと悟る。
諦めてその提案を受け入れるしかない。
(何処まで出来るかなんて分からないけど……)
やるしかない。
リアスは困っていた。なら、“立ち上がるには十分な理由じゃないか。”
「レーティングゲームは10日後に行います」
「分かったわ」
リアスも理不尽な事は分かっていた。
だがしかし、それでも家名の力を放ってフェニックス家と事を構えて家族に迷惑を掛けたくないのが本音だ。
それなのに我が儘ばかり言った自分に未来を変えるチャンスをくれた。
だからこそ“こんなにも不利な状況ながらも相当の譲歩を与えられた。”
これ以上の文句を言える立場ではない事をきちんと理解していた。
「開催に当たっての審判の方をお呼びしました。今の内に紹介をしておきます」
部室のドアへ向かって「どうぞ」と声を掛ける。
扉が開き、審判の人が部室に入ってきた。
「え……っ!?」
驚愕の声は上条から。
それもその筈だ。
審判として呼ばれたのは御坂美琴とインデックスだったのだから。
「何、で……っ!?」
上条の言葉は続かなかった。
言いたい事が喉につっかえて出てこない。
格好も上条当麻が知っているものだった。
御坂美琴は上条の世界にあった学園――正確には常盤台中学の制服を着ていた。
インデックスはいつもの(ただし、安全ピンの無くなった)修道服を身に纏っていた。
推測だがインデックスの修道服には『
「とうま……?」
「うそ、何で当麻が此処に居るのよ?」
インデックス、御坂美琴は揃って上条の存在に口をあんぐりと開いていた。
「知り合いだったのですか?」
「私とは幼馴染みで、インデックスとはホームステイする関係で知り合いました」
御坂が説明をしてくれた。
「ところであそこの2人は何で羽交い締めにされてるのかな?」
インデックスが未だに牙を向け合うバイサーとレイヴェルを発見した。
何も知らなければ気にもなろう。
「それはですね、こちらの殿方を巡っての争いをしているそうで」
グレイフィアは自然とした動作で上条を指差した。
瞬間、ガィィィンッ!! と耳につんざく音が届く。
更には、御坂美琴から迸る電撃……。
「ちょ、ちょっと待て!! 何を言って……」
火に油どころじゃない。もはやピンの抜けた手榴弾を投げられた気分だ。
「上条様は私と生涯の愛を誓うのです!!」
「ダーリンは私を躾けるのに忙しいのです!!」
アウトな発言がそれぞれから飛び出した。
手榴弾なんて生温かった。
衛生からの回避不可のレーザーを撃たれてしまった。
「とうまぁぁぁぁぁあああああーーーーっ!!」
「おんどれは何をしてんのよぉぉぉぉぉおおおおおーーーーっ!!」
「誤解だぁぁぁぁぁあああああーーーーー!!」
インデックスに頭蓋骨を割らんばかりの噛み付きをされ、美琴の電撃を右手で消す。
「落ち着いてください」
そこへグレイフィアが割って入った。
噛み付かれる前に助けてくれても――愚痴を溢すのは無駄と思ったので止めた。
「あなた方の間で齟齬があるのは分かりますが、今はレーティングゲームの話です」
ピシャリと言い切ったグレイフィア。
上条は助かったものの、これ問題が先送りになっただけだ。
美琴とインデックスは佇まいを直した。
汚れを落とし、騒いだ際にズレた衣服を直す。
「今回、審判役として超能力陣営の常盤台から配属された御坂美琴です」
「魔術師陣営のイギリス清教第零聖堂区『
超能力、魔術師――上条の知る単語が出てくる。
だけどもこの世界には魔法使いなんかも居ると言っていた。
この話は聞いていないので、分からない事尽くしだ。
あとでリアスに根掘り葉掘り聞こうと心に決める。
「では10日後にレーティングゲームを行いますので、リアス様は今のお話を忘れないようにお願いします」
グレイフィアはレイヴェルの頭を鷲掴みした。
「帰りますよ」
「何をなさるのですか? 私はまだ――」
レイヴェルがグレイフィアに物申そうとして顔を向けるなり恐怖で顔がひきつっていた。
無言でコクコクと頷いていた。
バイサー、木場、騎士の格好をした女性も硬直している。
どんな恐ろしい顔をしているのかが気になる。
「では、次はレーティングゲームにて」
グレイフィアが仕切り、終始空気になっていたライザーと睨みあっただけのライザーと眷属を率いて、魔方陣を床に展開して一堂は姿を消した。
「さてとうま。どういう事なのか話して貰いたいかも」
「そうね。じっくりと、時間を掛けて……ね」
それは俺の台詞だ――と、インデックスと美琴に返そうとしたが止まった。
お2人とも、ご立腹の御様子で青筋を立てていた。
先送りになった問題が今になって返ってきた訳だ。
拳を作って指を鳴らす美琴。
口を開閉させて噛み砕く準備を整えるインデックス。
さあ、叫ぼう。
上条さんのお決まりの一言を。
「不幸だぁぁぁぁぁあああああーーーーっ!!」
如何でしたでしょうか?
今回はまさしく「扉を開けたらそこにはサプライズ」といった趣向です。
美琴とインデックスの件は次回に問題送りです(まあ、どういう事かは決まってますが)
リアスの御兄様はサーゼクスで合ってましたっけ?記憶が混濁している……
さて、今回の件で以前にさらりと流した御坂美琴が電撃を放った件にも繋がる訳です(バイサーを倒した翌朝に弁当を上条に玄関前で渡した時の回です)。
細かいところは次回に補足で。
はてさて、質問が多く寄せられていた件について、今回からある程度答えていきますよー。
Q1:一誠は出ないんですか?
はい。この質問は実に多かったので答えていきます。
一誠はタグにもあるように“一切登場はしません。”
顔出しとかもさせません。あくまで上条当麻に視点を絞ったものです。
なのに幾つか疑問点が前々回にあったと思います。
楽しみにされている方には申し訳無い。
残念ながら一誠は出てこないんです。
実はこの質問作者的に“答えづらいんです”というスペシャルなヒントを残しておきます。
この二次創作のわりと根幹にあたる部分やもしれません。
言う事ではないでしょうが二次創作ですし言っちゃいます。
伏線は“既に書いてあります。”
そして、絶対に1度は目にしています。
という意味深な言葉を読者達への宿題にして、待て再来週の月曜日!!