少し早いですが更新します。
今回からスマフォを変えたので文体に違いがあります。
2対1という状況。
それは単純な数値だけを見れば数の多い方が有利と取れる。
しかしながら、何事にも“例外”は付き纏う。
例えば1の方が2よりも高い戦闘力を有している事などだ。
そして現在、ガープの眼前には2人の男が倒そうと躍起になっている。
「退け!! オレが倒す!!」
「お前こそ退いてろ!! こいつの相手は俺だ!!」
互いに目の前にぶら下がる獲物を潰そうと声を張り上げていた。
今にも2人が拳を交えんとせんばかりの勢いだ。
競い合うのは良い事ではあるが、時と場合による事位は容易に想像が出来よう。
しかし、何よりも苦戦を強いられているのは……
(パターンが読めない!!)
協力をし合わない事で“逆に読めなくなっている。”
上条当麻の必殺の右が飛んでくる。
それを寸ででかわすものの、次にはライザーの炎が襲い掛かる。
合わせてやっているのではなく、互いが互いに“不干渉を貫く事で”ガープの読みを悉く潰している。
(だ、が……)
それは同時に“好都合でもあった。”
つまるところ、攻撃方法がほとんどパターン化している。
上条は接近戦、ライザーは炎による攻撃。
どちらもパターン化した単調な攻撃だと言わざるを得ない。
加えてコンビネーションを蔑ろにしているなら実質1対1で戦っているようなものだ。
それでも片方の攻撃が来るので連続して戦っている事に変わりない。
ならば、ガープが取る選択肢は――片方を先に潰す事だ。
「ふっ!!」
そこまでの思考に至ると、ガープの身体に変化が生じた。
漆黒の光の塊――そう表記するのが正しいと思える存在となった。
ライザーの身体から出てきた瞬間と同じ形態になった訳だ。
その時の奴の動きは凄まじく速かった。
それを唯一見ていた上条は思い出す。
咄嗟に駆け出したのは上条だった。
その姿の脅威を知るからこその行動であった。
「遅い」
しかし、上条の行動は無意味となる。
ガープは風のように横へ逃げる。
突き出した右手は空を切る。
「まだだ!!」
『Boost!!』
上条の声と共に『
身体能力が強化され、彼は横っ跳びをする。
そちらはガープが逃げていった先だ。
捕まえようと伸ばされた右手。
ガープ自身、上条の右手に捕まる訳にはいかない。
振るわれた右拳を光の塊の形態のままで紙一重で回避する。
そして、反撃を試みようとした――その時だ。
上条はすぐに身を屈める。
彼の背後に隠れるようにしていたライザーが姿を見せたのだ。
「燃えろ!!」
瞬間、ライザーの炎がガープを包み込む。
上条へ反撃を試みようとした所を突かれ、反撃に転じられてしまう。
「が、あああああっ!!」
ガープの悲鳴が辺りに反響した。
黒い光に身をやつしたとは言え、ガープの本体はその中にある。
攻撃が当たりさえするのなら、ダメージは与えられる。
「こっ、のっ!!」
これまでの飄々とした態度から一変し、怒りの感情を露にする。
黒い光のまま、ガープはライザーへと突進していく。
「ふっ!!」
その行動を哀れと思うのか、ライザーは鼻で笑いながら後退をする。
彼と入れ替わるように今度は身を屈めていた上条が前に出た。
「おおおおおおっ!!」
咆哮と共に右拳にありったけの力を乗せて打ち込む。
既に突進を試みていたガープに完全な回避は不可能であった。
パンッ!! という衝撃の後、ガープの身体は黒い光の形態を維持できなくなった。
人の形を模したものへ戻り、地面へと滑り転がった。
(こ、こういう時は……協力し合うのかよ)
これまで連携をしてこなかった2人が今の2度のやり取りだけは連携してきた。
多分計算されたものではない筈だ。
ただの即興。だとしても、2人の息はピッタリだ。
その上、互いが互いの能力を補ってると来た。
実に厄介な事この上ない。
「な、めるなぁぁぁあああああっ!!」
ガープの怒号が轟く。
同時、彼の身体から黒い光が放たれる。
「ちっ!!」
ライザーの前に飛び出して、上条は右手を突き出した。
解き放たれた光は彼の右手によって打ち消される。
「今だ!!」
「分かっている!!」
上条の言葉を受けるよりも先にライザーは飛び出していた。
こちらに向かってきていた障害は消し去った。
ならば、次は機動力のあるライザーが攻撃の一手を仕掛ける。
まるで自身を矢とし、身体に炎を纏わせてガープへ突進する。
いくらガープが油断しているとは言え、避けれないものではない。
ライザー渾身の体当たりをガープは難なくかわした。
「甘いぞ!!」
回避される事など想定内だ。
ライザーは右側へ向けて炎を放つ。
「ぐっ!?」
余裕を持って回避した安心感があったのだろう。
ガープはまともに炎をその身に受けた。
最初のいがみ合いは何だったのかと疑問を投げ掛けたい程だ。
上条当麻とライザー・フェニックスの息はピッタリである。
「だが……こんな炎ごときでやられるか!!」
ガープが叫んだ直後、炎は突如として消えた。
手品の種はガープが散々に撒き散らしてもいる光が原因だ。
全身から光が放出されると、纏われていた炎も掻き消えたのだ。
「なら、こんな右手ならどうだよ?」
気付けば上条当麻が背後に回り込んでいた。
『
「おっ、らぁぁぁあああああっ!!」
上条の咆哮と重なって振るわれる必殺の右。
「っ!!」
ガープの行動も迅速だった。
上条の右拳が叩き込まれる寸前に身体を反転させる。
それで攻撃を回避し、お返しとばかりにガープの蹴りが上条の腰を打ち付ける。
「なっ!? がぁぁぁっ!?」
身体が右側にねじ曲がる。
肺から酸素を撒き散らしながら上条の身体は地面を転がる。
「ふんっ。でしゃばるからそうなるんだ!!」
ライザーは上条の行動を鼻で笑って入れ替わる形で特攻を仕掛ける。
上条と連携を取っていたように見えはしたが、その場しのぎでガープの攻撃をかわす為のものだったらしい。
助けるつもりがあるなら最初から上条の右手を当てさせる為に動く筈だ。
(それに……)
ライザーの動きも褒められたものではない。
この無謀にしか思えぬ行動に突破口があるとは到底考えられない。
「はぁぁぁあああああっ!!」
雄叫びと共に右腕に炎が纏う。
拳を繰り出す動作をしながら炎が一直線に向かってくる。
「無駄な――」
『Boost!!Boost!!』
嘲笑しようとした刹那、ライザーの後方から音声がする。
それは能力を向上させる為のもの。
焦ったのは一瞬であった。
上条当麻とは距離が離れすぎている。
ライザーを対処してからでも接近してきた上条の攻撃を受け流す事はそう難しくない。
その筈だった。
『Transfer』
直後に聞き覚えのない音声が届く。
『
こちらは強化した力を他人へ譲渡する。
つまり、それが何を意味するのかと言えば――
「いっけえええええっ!! ライザー!! 」
赤い光が迸り、ライザーに当たる。
すると、彼の放った炎が“肥大化した。”
ガープを呑み込んでしまう巨大な炎の津波。
瞬きをする暇すら無く、炎の津波に呑まれる。
「がっ……あああああっ!?」
ガープの悲鳴がコロシアムに木霊する。
「ぐっ、おの……れぇぇぇえええええっ!!」
ガープの雄叫びと彼の身体から“黒い炎が吹き出した。”
それが巻き付いたライザーの炎を消し飛ばす。
「ああ、そうだと思った……」
その光景を眺め、ライザーは呟く。
しかし、そこに浮かぶ表情は笑みだった。
何を――ガープが疑問に思う前に答えは出た。
これまでの行動。
全ては計算されたものだったのだ。
全ては
上条当麻――ガープに対しての必殺を持った少年が今一度、横を取った。
既に彼は右手を振りかざしていた。
「これで……終わりだぁぁぁあああああっ!!」
「くっそぉぉぉおおおおおっ!!」
ライザーに気を取られ、回避に移れなくなっている。
ドゴンッッッ!!
上条の右拳がガープに叩き込まれる。
「なっ……あっ……」
ガープの声がか細くなっていく。
身体も砂のように崩れていき、やがて消滅した。
如何でしたでしょうか?
仕事が始まってしまったので以前よりペースが遅くなるかもです。
仕事をしてるとフリーターに戻りたくなる……
さて、愚痴を溢して申し訳ないです。
本編ではライザーと上条当麻の共闘。
大覇星祭編での上条とステイルのものを参考にしてます。
ほら、何となく似てそうだし
さて、次回の更新は来月の予定です。
ではまた。