新約? ハイスクールD×D   作:ゼガちゃん

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お待たせしました。

気が付けば閲覧数が10万超えていて嬉しいですo(^o^)o

いよいよクライマックスです!!


譲れない

「これで終わりだな」

 

「そうだな」

 

 ガープの消滅を目の当たりにし、上条もライザーもその確信を得ていた。

 

「なら、“続きといこうか”」

 

 ライザーは大きく上条との距離を取る。

 上条の方も彼の意図を汲み取った。

 この試合は“リアス・グレモリーを連れ戻す為に行われたものだ。”

 ガープという邪魔者が消えたのならば……本来の目的に立ち返る。

 

 お互いにコンディションは最悪であるし、何よりも――

 

「ライザー、これはお前を操っていたガープが始めた事だ。なら、お前には戦う理由は無いんじゃないか?」

 

 上条の言う通りだ。

 これを受けたのはガープが乗っ取られていた際のライザー。

 彼に決闘を受ける義務はない。

 

「ふん、確かにリアスがオレの手にある以上は無闇に戦う意味もない」

 

 だが――と、ライザーは言葉を繋げる。

 

「しかし、オマエにはガープから救って貰った恩がある。本来ならば、無条件でリアスを返してやっても良いのだが……」

 

 ライザーはそこで言葉を区切った。

 彼にとって、これは“大切な事でもある。”

 

「これでフェニックス家に迷惑を掛けたくない。その為にリアス・グレモリーの力が必要なのも事実だ」

 

 幸いにしてか、カメラを壊した事によりライザーとの戦闘位しか映像としては残されておるまい。

 リアス・グレモリーとの縁談の成功は、フェニックス家の為のものだ。

 

「お前自身はどうなんだ?」

 

 上条当麻にとって肝心なのはライザー・フェニックスという一個人の意思だ。

 彼がフェニックス家という大きな纏まりの為に縁談を成功させたいのか?

 はたまた――

 

「オレにはリアス・グレモリーが必要だ。グレモリーとしての力だけじゃない……オレを助けようと縁談を“何も明かさずに了承した彼女の意思に惚れ込んだ”」

 

 ライザーの異変はレーティングゲームの参加者であるリアスが一番に理解していた。

 だというのに、誰にも告げずに縁談を了承した彼女へは感謝の言葉しかない。

 

「そうか」

 

 ライザーの譲れない意思は確かに伝わった。

 上条当麻も彼の弁は理解した。

 多分、以前までの彼であれば真っ直ぐな心を突いてくるライザー相手に怯んだろう。

 

 だが、今の上条当麻は“自身の我が儘を貫き通してもきた。”

 だから――上条当麻はライザーの気持ちを理解できる。

 同時に、リアスを慕う仲間の気持ちも汲み取れた。

 

「なら、あとは……決着を付けるしかないな」

 

 上条当麻は固く拳を握ってライザーへ突き向ける。

 彼もリアスを助けたい――そう思い、仲間の想いを背負ってやって来た。

 

 もし、ライザーが上条と同等の想いを背負って戦っていた場合の覚悟も決めていた。

 

 誰かの幸せの裏には誰かしらの不幸がある――それをオティヌスから嫌という程に見せ付けられた。

 

 今、誰が一番に不幸を背負うかは決まっている。

 リアスだ。

 彼女は心から納得などせず、結婚してしまう。

 幸せの代名詞である結婚が、彼女にとっては真逆の意味合いを持たせていた。

 

 

 

 

 

 上条当麻は、その幻想(ふこう)をぶち壊す為にここに立っている。

 

 

 

 

 

「悪いがリアス部長は渡さない。例え、お前の幸せを踏みにじってでも!!」

 

「元よりそのつもりだ」

 

 ライザーは上条から距離を取る。

 上条当麻の宣言を真っ向から受け止める。

 互いに長期戦は無理だ。

 

「まだ行けるよな? ドライグ」

 

『当たり前だ』

 

 やせ我慢な発言なのは分かってはいた。

 だとしても、上条は『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』の力を発動させる。

 

『Boost!! Boost!! Boost!!』

 

 水晶が輝き、3回の強化を行った。

 それが今の彼にできる精一杯だ。

 

 一方のライザーは両腕に炎を纏わせていた。

 

「「――――っ!!」」

 

 そして沈黙の後に一気に駆ける。

 先手を取ったのはライザーだ。

 上条当麻の奇怪な右手の事は承知している。

 

 だが、『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』の能力とは併用できていないようにも見受けられた。

 なればこそ、彼の特異な能力を使わせない事から考えねばなるまい。

 

「せっ!!」

 

 能力を打ち消せるなら大技は自殺行為。

 何にしても、そこまでの体力はライザーに残されてはいなかった。

 炎を纏わせた右の正拳突きを放つ。

 当たればよし。当たらずとも、上条当麻は回避運動か籠手で受け止める筈だ。

 彼にとって右手は生命線。

 そちらを自由にしておくのは極めて正しい判断だ。

 

 だが、ライザーにとっては美味しくもなる。

 結局は左を取り続ける形となれば、彼の右手は飛んでこない。

 そう考えたのだ。

 

 

 

 

 

 次の瞬間、パリンッ!! と鳴り響く音が全ての考察を粉々に打ち砕く。

 

 

 

 

 

 一瞬……何が起きたのかを理解できなかった。

 上条当麻の右拳がライザーの突きに合わせられていた。

 

「やるな……が!!」

 

 まさかこんな機転を利かせてくるとは思わなかった。

 いや、考えられた事だ。

 ライザーの身体能力に元より追い付けない上条は強化を“ライザーの動きに追い付かせる為に使用したのだ。”

 しかしながら、こんなものは無意味だ。

 彼が右手を使ったのならば、そこから回り込んで残る左を叩き付けるのみ。

 

 ライザーが行動に移す――それよりも先に“上条は動いていた。”

 

「おっ、おおおおおっ!!」

 

 雄叫びと共に“ライザーの懐へタックルをかました。”

 まるで喧嘩さながらの戦法だ。

 しかし、ライザーの頭の中からこぼれ落ちていたものであった。

 故に、彼の意表を突くには十分過ぎた。

 

 不死身――だとして、痛覚が一切ない訳ではない。

 上条はタックルの際に肘打ちをする。

 消耗しているライザーに堪える一発。

 

「おおおおおっ!!」

 

 怯んだところを上条は見逃さずに右手を伸ばし、ライザーの左腕を掴む。

 それだけで十分。

 掴むだけで、彼の纏った炎は瞬く間に霧散していった。

 

「こ、のっ!!」

 

「させるか!!」

 

 ライザーが再び行動を起こすよりも前に上条は前へ踏み出す。

 彼のおでこめがけて、頭突きをプレゼントしてやった。

 

「がっ!?」

 

 どちらもダメージは負うが、予期していなかったライザーの方は余計に大きかったろう。

 

「これで……」

 

『Boost!!』

 

 行えたのは1回こっきり。

 それでも十分だ。

 

 左手で彼の肩を掴み、ライザーの左を掴んでいた右手は拳を作っていた。

 

「終わりだ!!」

 

 全てはこの一撃を叩き込む為に――

 

 ドゴッ!! 上条当麻の拳はライザーの頬を強く殴り付ける。

 強化された事により、ライザーの身体は一回転して地を転がる。

 

 

 

 

 

 

 




如何でしたでしょうか?

上条当麻とライザー・フェニックスの一騎討ちはこれにて終了です。

ここで一旦区切って申し訳ないです。

こちらも時間があまり取れなくなって来てしまったので(^^;

次回は1ヶ月後の更新予定です。
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