あれは嘘だ。
新刊読んだら勢いで書いてましたwww
続きです。
上条当麻とライザー・フェニックスの決闘が終結した後の事を話そう。
まるでこちらの終わりを見計らっていたかのようなタイミングでリアス達が現れた。
移動する為の魔方陣を組み直していたらしい。
レイナーレが上条の為に扉型の移動式のものを用意してくれた。
来たのはレイヴェルとレイナーレだ。
さしものレイヴェルも上条に一声掛けた後は兄の元へと駆け足になる。
肉親を放っておくだなんて彼女には出来ないのだ。
レイナーレは「お疲れ様」とだけ言うと上条に肩を貸す。
ライザー、上条の両名共に身体がズタボロなのだ。
迎えが必要だったので助かる。
扉を潜れば、パーティー会場へと戻ってきた。
フェニックスの力を有するライザーでさえ、負った傷をすぐに治せずにいた。
リアスは上条に告げたい事があったが、彼の姿を見てまずは病院へ搬送するのが良いと判断した。
そして、ライザーはフェニックス家の特有の病院へ。
上条(にとって)は顔馴染みとなるカエル医者のいる病院へ連れて行かれた。
カエル医者の腕が余ほどに立つのか、はたまた上条当麻の回復力が異常であるのか――1週間と掛からずに彼は退院した。
「えーと、これはどういう事でせう?」
そして、退院した上条は困惑していた。
彼は今リビングの食事で使うテーブル席にいた。
向かいには両親が、上条の右隣にリアスが座っていた。
上条の頭の中で「Why!?」が駆け巡る。
その理由はすぐに判明した。
「今実家が改装を始めてしまいまして、終わるまでの間にこちらでお世話になれないでしょうか?」
はて? そんな話は聞いた覚えがない。
それに何故上条家なのだ?(厳密にはここが本来上条家なのかも怪しいが)
「なるほど、お話は分かりました。こちらとしても構いませんよ」
両親も好意的だ。
リアスも悪魔の力を用いて言わせている訳でも無さそうだ。
しかし、今発言した父である上条刀夜は言葉とは裏腹にリアスのダイナマイトボディに目を奪われていたのを真正面にいる息子は見逃さない。
「あらあら刀夜さんったら」
そんな刀夜の耳を隣に座る母は引っ張る。
「い、痛い痛い痛い!? ちょっ、母さん!? 耳を引っ張らないで!! 取れる取れる取れる!!」
「大丈夫です。そんな事で人の耳は取れやしないですから」
そう言って、母は父を連行していった。
「あっ、リアスさんが住む事に母さんは賛成ですから。当麻さんは2階の空いてる部屋を案内してあげて下さいね」
部屋を出る間際、母――上条詩菜は上条刀夜の耳を引っ張りながらこの場を後にした。
「楽しい家ね」
リアスにとっては微笑ましい光景なのだろう。
母も本気で怒っている訳ではないし、特に問題はない。
まずはリアスの居候を許可してくれた。
両親の言った通りに、上条はリアスを空いてる部屋に案内する。
「荷物は無いんですか?」
「後でグレイフィアが持ってくるわ」
まさしく手ぶらで来たらしい。
「それにしてもリアス部長が家に来るなんて……何があったんですか?」
「ふふ、トウマと住みたくなったのよ」
うおおおおおおぅ!? 上条は心の中で叫ぶ。
そんな風に言って貰える日が来るなどとは思わなかった。
しかもこんなダイナマイトぼでーの持ち主からのお言葉だ。
「ちょっと!? 何で泣いてるの!?」
どうりで視界がボヤけていると思っていたら、どうやら涙を流していたようだ。
あまりの嬉しい発言に上条は知らぬ間に号泣していたようだ。
「ついに、ついに俺にも不幸を脱する時が――」
上条が勢いよく立ち上がろうとした……時だった。
脛を強く打ち付けて、痛みに前屈みになろうとしたが椅子が倒れた拍子にアキレス腱に椅子の脚が激突した。
「ぐおおおっ!?」
一瞬の内に起きた出来事はそれだけで終わらない。
上条はそのまま床に激突する筈だったのだが、テーブルの脚が上条の側頭部を打ち付ける。
そして床に投げ出された時には顔面から思いっきり飛び込んでいた。
「だ、大丈夫!?」
「へ、平気で……せう」
力ない言葉ではあったが上条は無事なようだ。
ライザーとの戦闘でボロボロになっていたのにすぐに退院した辺り、彼のタフネスさが窺える。
「そうだトウマ。お礼がまだだったわよね」
リアスは思い出したかのように言った。
「え? お礼って?」
鼻を抑えながら立ち上がった上条は首を傾げながら問う。
「ほら、私を連れ去ったという形だけど……助けてくれたじゃない」
「あれは俺の我が儘でやった事だから」
「でも私が泣いていたから助けてくれたって言ってたじゃないの。だとしたら、トウマの行動は決して我が儘なんかじゃないわよ」
上条当麻の行動はリアス・グレモリーを助けた。
けれど、それは同時に……
「俺は……ライザーを不幸にした」
宣言し、覚悟をしたとは言え――やはり、上条には負い目があった。
「ふふ、そう思ったからライザーから伝言を預かってるわ」
「伝言?」
鸚鵡返しする上条。
リアスは「ええ」と頷く。
「『このオレ様にあれだけ豪語をしたんだ。リアスを大切にしろよ』だって」
「ライザーが……」
「そうよトウマ。だから今回、不幸になった悪魔なんて誰も居ないの」
ライザーからの激励は特に上条に届いた。
誰も不幸にならない結末――上条当麻にとって、これ程に嬉しい展開はなかった。
「そっ、だからお礼をさせて」
「お礼って言っても……」
上条はお礼が欲しくて戦った訳ではない。
ただ女の子が泣いていたから助けた――そんなヒーローみたいな動機だ。
「無いのはトウマらしいわね。なら、何か考えておいてね」
それもそれで上条当麻らしい。
リアスは苦笑し、今しばらく考えるように告げた。
その日の夜。
上条はベッドで寝についた。
部屋は月明かりで微かに照らされている。
「寝てるわよね?」
その部屋にリアスは忍び込む。
「面と向かって言う勇気がない私を許してね」
リアスはぼやく。
「あなたが助けに来てくれて嬉しかった」
そう、リアスは既に諦めていた。
誰も助けには来ないと――だが、その前提を覆すかのように上条当麻は現れた。
それはまるでヒーローのようだった。
マンガやアニメで憧れていた存在に見えた。
「ありがとうトウマ」
寝ている彼の頬に顔を近付けて――
そこへ口付けをした。
寝ている間にやるのは卑怯かとも思ったが、面と向かうには少し気恥ずかしさもあった。
こうして不意討ちとは言え、リアスの心臓は今にも跳び跳ねそうだった。
深呼吸を1つして、寝ている彼に告げる。
「助けに来てくれて嬉しかったわ。ありがとう。あなたは――」
その先は言葉にはせず、心の中でこのようにも付け足した。
私にとっての
如何でしたでしょうか?
本音を言うと、さっさと3巻の内容に入りたいので今の内に作ってしまいました。
そこまで長くもありませんでしたから。
原作と相似しつつも、多少の違いを入れてみました。
最初の展開は駆け足気味で申し訳ないです。
他の作品や作者の都合がありまして……
今度こそ来月の更新予定です。
それではまた。