活動報告にできない程に忙しかったものですから。
続きです。
「ひ、ひどい目にあった……」
上条はげっそりとして机につっ伏くいた。
朝から妙な奴に絡まれ、遅刻をしてしまった。
その上で小萌先生に叱られた。
「上条さん、大丈夫ですか?」
「良いのよ。全ては遅刻した上条当麻が悪い」
心配をして声を掛けてくれる大天使アーシアと、厳しく言ってくる魔王・吹寄が側へ来た。
「まっ、かみやんのこれはいつもの事やからな~」
「そうそう。おかげで俺達は宿題を忘れたのをバレずに済んだから大助かりにゃ~」
誰がしかの不幸の裏には誰かの幸福がある。
上条の不幸のおかげで馬鹿2人は危機を回避したらしい。
思わず呪詛を唱えたくなる。
「遅刻するなんて……何かあったんですか?」
「あ~っ、何か変な奴に絡まれた」
心配してくれるのは嬉しいが、できれば遅刻した際の事は説明したくない。
と言うか上条の経験上、妙な事件へ進展していくのは目に見える。
アーシアを巻き込みたくないのもあるが、自身の体質を考えて言葉にして現実にしたくない本音もある。
まあ、
実際に口に出して現実味を帯びるよりずっと良い。
「そういう時かみやんは絶対に女の子を引っ掻けるのにゃ~」
「せやで!! 絶対に女の子と出会う素敵イベントを発生させてるに違いないんや!!」
突如として土御門と青髪ピアスが叫び出す。
「お、女の人と……っ!?」
「違う違うから!! 男だよ!!」
彼らの発言を鵜呑みにしたアーシアは顔を青ざめさせる。
上条はと言えば誤解の無いように強い口調で真実を伝える。
「男だと!? まさか……かみやんがそっちに目覚めてしまった!?」
今度はとんでもないベクトルへ話が進展していく。
「どういう事ですか?」
「アーシアは良い子だからそのままで居なさい」
余計な知識をアーシアに覚えさせる訳にはいかない。
上条は先回りして彼女が余分な事を知る必要はないと言った。
「それよか、何でそういう話になるんだよ!!」
「だってね~」
「せやで~」
この馬鹿2人には何を言っても無駄なようだ。
既に上条には言葉を交わして手と手を取り合う選択肢は削除された。
「よぉぉぉぉぉし!! お前らのそのふざけた幻想をぶち殺ぉぉぉぉぉす!!」
「「ぎゃぁぁぁあああああっ!?」」
教室内で行われる醜き争い。
血で血を洗う悲しき戦場が出来上がってしまった。
この戦いは、我がクラスの
時と言うのは流れ去るものだ。
上条は今はその事をありがたいと思いながら帰宅していた。
本日の部活は上条家で行われるらしい。
発案者は部長であり、主であるリアスだ。
上条としても断る理由が思い当たらないので二つ返事でOKを出す。
「っで……全員来た訳だ」
上条は目の前の状況に呆れていた。
上条の自室にて。
今は彼のアルバムの鑑賞会が行われていた。
いつものオカ研メンバーに加え、レイナーレとバイサーも参加している。
ちなみにこの鑑賞会を提案したのもリアスである。
何が何やらサッパリではあるが、上条は考え方を変えた。
上条当麻が“この世界で”過去から存在していると言うなら、その証拠が載っているアルバムに何が映っているのかが気になる。
「これが小さい頃の……可愛い。罵られたい」
「はわ~。小さい頃の上条さん……可愛いです~」
「小さい頃のトウマ小さい頃のトウマ」
バイサーは変な方向へヒートアップしているのは最早いつもの事なので無視。
アーシアは母性を擽られているようだ。
だが、リアスは何度も「小さい頃のトウマ」を連呼する。
何だか恐くなってくる。
そして上条もアルバムを見ているが……全く記憶にない。
と言うか、仮にこれが元の世界で過去にあったものだとしても現在の上条当麻には分からない。
彼は記憶喪失なのだから当たり前と言えば当たり前か。
「それよか一緒に写真に写ってるのって……」
御坂ではないようだ。
こちらでは幼馴染みらしく、ずっとお隣さんらしい。
彼女のものもあり、そちらは御坂の面影が残されていた。
だが、もう1人――上条が出会った中には居ない。
従妹かとも思ったが、以前に見せられた写真の顔と一致しない。
そもそも、格好がかなり男の子っぽいので性別から違うか。
女の子っぽくも見えるが。
「この子は?」
「ああ、懐かしい。幼馴染みのイリナちゃんじゃない」
母親が言うが、やはり上条には聞き覚えがない。
アドレス帳にも載っていなかった。
こちらの世界ではそのイリナとやらは上条のもう1人の幼馴染みのポジションなのだろう。
深く考えるのは止めておこう。
「ねえ、上条君……」
木場に唐突に呼ばれる。
だが、彼は上条の方は見ずに1枚の写真に釘付けだった。
「これなんだけど……」
木場に見せられた写真は上条と件のイリナの映っているものだ。
そして彼の指は写真のイリナが“抱いている剣に注がれていた。”
「この剣がどうかしたのか?」
木場の能力は『
と言うよりは上条不在のレーティングゲームの映像を観ていた時に相手に明かしていたのを覚えている。
その彼の事だからこの剣に興味があるのかと上条が思っていた――が、次に告げられた一言で愉快な思考は粉々に吹き飛ぶ。
「この子が持ってる剣なんだけれどね――
聖剣だよ」
木場の口から出された単語。
悪魔にとっても天敵となる武器の名だった筈だ。
ゲームやマンガの世界でもよく出される名称が上条家のアルバムの1つに残されていた。
何と無く、今後に波乱が巻き起こるのではないか。
上条当麻の不幸センサーがレッドシグナルを点滅させているのであった――。
如何でしたでしょうか?
ヴァーリさん? どっかで犬に噛まれてるんじゃないですかね?
はてさて、特に何もない感じですね。
何か忘れてるんじゃないかって? いえ、何も忘れてないですよ?
そうですよ、御坂やインデックスさんの件を忘れてないですよ
次回は来月の頭の予定です。