新約? ハイスクールD×D   作:ゼガちゃん

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お待たせしました。

ええ、すいません。

完全に続きを書くのを忘れておりました。

愚かな作者めをお許し下さ――あれ? 頭が痛くなるぞ?


身近なところに意外なものはある

「はぁぁぁ~~~~」

 

「どうした? 溜め息を吐くと、不幸なお前に更なる不幸が舞い降りるぞ」

 

「止めて!? 何故『幸福』の二文字が出てきてくれないの!? 上条さんにこれ以上は鞭打たないで!!」

 

 木場からの衝撃的発言の翌日だ。

 今日は昨日と違って起きれた。

 と言うか、母親に頼み込むという第三者を巻き込む手法を取った訳だ。

 

 朝っぱらから溜め息マックスの上条へオティヌスが「やれやれ」と言った様子で告げた。

 現在、オティヌスは『元の世界』での事を忘れている。

 上条との出会いは当たり障りがないと言った内容に変更済みだ。

 『幻想殺し(イマジンブレイカー)』を使ったところで断続的に起こる記憶改編には無意味なので止めておく。

 

「トウマ。準備はできた?」

 

「上条さん? もう大丈夫ですか?」

 

「ああ、今行く」

 

 準備万端。

 上条は鞄を掴み、部屋の外で待つリアスとアーシアと共に登校するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 時は進む。

 上条が昼飯を食べ損ねた話や階段から転げ落ちて相撲部に踏まれたりする不幸話はまたの機会に。

 今、リアス部長に言われて部室へ集まっている。

 

 入った瞬間に足を止める事となる。

 ソファーにはまたも見知らぬ人物が座っていた。

 第一印象としては厳しそうで知的でクールな女性だ。

 スレンダーで、日本人離れした美貌を兼ね備えている。

 

「初めまして。あなたが上条当麻くんで、そちらがアーシア・アルジェントさんね?」

 

「え? そうですけど――」

 

「どちらさんでせう?」

 

 アーシアは戸惑い、上条は助け船を求めて首を周囲に巡らせる。

 

「アーシアはともかく、トウマが知らないのはどうかと思うわ」

 

 そんな上条の様子を見たリアスが目に見えて嘆息した。

 見ればアーシアを除いたメンバーも呆れ返っている。

 

「私は支取蒼那(しとりそうな)。この学園で生徒会長を務めているわ」

 

 そして――と、彼女は言葉を紡ぐ。

 

「支取蒼那とは仮の名。ソーナ・シトリーと言うのが私の本当の名前です」

 

「どうして別の名前を使っているのですか?」

 

「それは人間としての生活を成り立たせる為だ」

 

 ソーナ・シトリーに付き従うように立っている男子生徒がアーシアの疑問に答えた。

 

「人間として……って、もしかしなくても生徒会長は悪魔でございまして!?」

 

「語尾がとても気になる言い方ですが……その通りです」

 

 上条の悪ふざけにしか聞こえない発言を気にしつつもソーナはしっかりと教えてくれた。

 

「んで? こっちはどちらさまで?」

 

「俺は匙元士郎(さじげんしろう)だ。2年で会長の『兵士(ポーン)』をしている。生徒会では書記も務めている」

 

 匙と名乗った男子生徒。

 年は上条と同じだ。

 

「そうか。俺は上条当麻だ」

 

「知ってる。世界を見渡してもお前以上に不幸に愛された奴も居ないと評判だと聞いている」

 

「よくご存知で!!」

 

 匙の言葉に上条は悲しくもないのに涙が溢れる。

 何も好き好んで不幸に誘われる己の体質を恨みたくなる。

 以前に父親に「不幸でよかった」と言ったが、それはそれ。これはこれだ。

 やっぱり、幸せを感じられるならそんな信念を曲げてしまいそうだ。

「と言うか、俺はお前が悪魔になったなんて気付かなかったぞ。アーシアさんはすぐに分かったけれどな」

 

「そうですね。私も気になっていました。こうしていても上条くんからは“悪魔の気配を一切感じませんから”」

 

 匙の発言に同調してソーナまでも疑問を投げ掛けてきた。

 

「悪魔の気配とか分かるものなのか?」

 

「そうです。それがどういう訳か上条君からは感じないのです」

 

 朱乃が上条の疑問点を晴らしてくれた。

 そういえばフリード似たような事を言っていたのを思い出す。

 だが、その後で確かに「悪魔の気配がある」と明言していた。

 

(何かしらのトリガーがあるって事か?)

 

 突如として上条へ降って沸いた謎。

 只でさえ『幻想殺し(イマジンブレイカー)』なんて御大層な謎を背負っているのだ。

 これ以上の謎を抱えるのはこちらとしてもオーバーフローしてしまう。

 

 そんな考察に没頭する上条へ匙が釘を刺してくる。

 

「とにかくとして、俺の邪魔はすんなよ?」

 

「邪魔って? はっ!? まさか購買で販売しているコッペパンの争奪戦の事を言っているのか!?」

 

「ちげえよ!! と言うかコッペパンってそんなに人気なのか!?」

 

「当たり前です事よ!! コッペパンには無限の可能性が秘められている!!

 学食で調味料を使ったり、食べない野菜や漬物で味付けして更なる可能性を見せてくれるのだ!!」

 

「なんと言うか……それって裏を返せば味に彩りが出て腹に入れば一緒なだけじゃ?」

 

 上条の謎の力説を匙は冷たく切り伏せる。

 しかし、上条当麻はそんな事ではへこたれない。

 

「そんなんじゃ『兵士(ポーン)』を4つ消費した俺と渡り合うなんて無理だな」

 

「? どういうこった?」

 

 匙のハナタカさんに、しかしながら上条は首を傾げる結果となる。

 

「駒の消費量が多ければ多い程、その人の強さが伺えるんだ」

 

「つまり、匙が自慢気にしてるって事は……結構凄いの?」

 

 木場が即座に追加の説明を行ってくれる。

 上条からするとピンと来るものではない。

 

「止めなさいサジ。あなたでは彼――上条くんには勝てないわ」

 

「どうしてですか!?」

 

 ソーナの指摘に匙は当然の事ながら不服になる。

 上条は「?」となってばかりだ。

 

「聞けば彼は結果的に『兵士(ポーン)』を8つ全て消費しています。更には今代の『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』の担い手です」

 

「な、はっ!?」

 

 匙は上条を見て呆けた声を上げる。

 彼にとってはそれ程までのとんでもない事柄なのだろう。

 上条は朧気ながらに理解した。

 確か『悪魔の駒(イーヴィルピース)』はチェスを参考にしているのだと。

 『女王(クイーン)』は元より、『兵士(ポーン)』もまた数を消費するならそれだけの“格”がある。

 そう考えるなら匙の反応も納得いく。

 

「ライザーを倒したのも彼です」

 

「なっ!? 俺はてっきり木場か姫島先輩だとばかり……」

 

 匙はこの短時間に2度も驚きに襲われる。

 やはり、それだけの事なのだと今更ながらに上条は知った。

 

「さて、顔合わせも済んだ事です。生徒会の案件も溜まっていますのでこの辺りで」

 

「悪いわねソーナ」

 

「構いません。私とあなたの仲なのだからね、リアス」

 

 リアスもソーナも随分と親しげだ。

 気の良い友人と言うのが当てはまろう。

 

「仲が良いんだな」

 

「2人は幼馴染みです」

 

 上条の呟きを拾った小猫が解説してくれた。

 なるほど、それならば気安いやり取りも頷ける。

 

「では上条くんとアーシアさんも。何か困った事があれば頼って下さい」

 

「はい。ありがとうございますです」

 

「は、はい!!」

 

 丁寧に話そうと思って上条は言葉遣いが変になっている。

 アーシアは緊張の面持ちでソーナと向き合っていた。

 

「サジとも仲良くして下さい」

 

「アーシアちゃんなら熱烈歓迎だ」

 

「おいこら!! 俺は不服ってか!!」

 

 匙の物言いに上条は指差して叫ぶ。

 

「ふっ、野郎と馴れ合いたいと――お前は思うのか?」

 

「っ!?」

 

「いや、何その『確かに言う通りだ』みたいな顔をしてるの?」

 

 匙の物言いに雷を打たれる上条。

 それらを見て木場はツッコミを入れる。

 

「どうやら仲良くなったみたいね」

 

「そのようです」

 

「「そんな訳ない!!」」

 

 各々の主様の言い分に上条と匙は声を揃えて反論した。

 全員が思っただろう――良いコンビと。

 

 知らぬは当人ばかりかな。




如何でしたでしょうか?

今回は原作通りに匙、ソーナ回です。

ここのところはやっておかないと後々に響いてしまいますからね(^_^;)

さてさて次回は来月中にできたらな~と思っています。
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