言い訳を聞いてください。
別作品の新原紲の魔法相談室の投稿後、仕事の合間にえっちらほっちら原作見返しながら書いていたのですがね……体調崩しました。
もう、連絡掲示板に書くことが億劫になる位に熱酷かったです
また2年前みたいに熱が下がらないんですよ。
ちなみにこの状態はまだ続いてて、かれこれ3週間以上で。
休めずに仕事行ってたり、休日に病院行ってたらこんな事に……
今は開き直って書いてます。書かないのがストレス溜まります。
ではでは、続きです。
上条が部室を訪れた時には傘は既に見るも無惨な姿に変貌していた。
骨組みはひしゃげ、穴も空き放題。
最早傘としての役割は担えていない状態だった。
「うおおお……どうやって帰れば良いんだ……」
全身ずぶ濡れになった上条は、部室に何故かあった予備の体操服を着用している。
そして、今はどう帰宅しようか項垂れていた。
「あ~~~、トウマ? 私の話を聞いてる?」
「お、おお……何だっけ?」
リアスの問いに「聞いてなかった」と暗に返す。
それを見て「はあぁぁぁ~~~」と呆れる。
「あの……上条さん、さすがに聞かないのはどうかと思います」
「いや、大丈夫。話は聞いていたから」
アーシアも心配そうに言う。
当の上条は「聞いてた」と返答した。
今ホットな話題は木場の事だ。
彼の身の上を話してもらっていた訳だ。
「木場の事だろ? それにそれならあいつからもさっき聞いたばかりだしな」
上条には2度目となる。
木場がどのように過ごしてきたのかを――少しばかり、耳にした。
「祐斗から話を聞いていたの?」
リアスは驚いた顔を向ける。
彼女の知る限り、木場がおいそれと過去を語る真似はしない。
なのに上条は知っているのだと言うものだから、驚くのも無理はないだろう。
「さっきだけど。リアス部長と喧嘩したみたいな話をして、何か流れで……」
上条の話を聞いて、口が開いたのはリアスの方だ。
辛い過去を打ち明ける――言葉にする程に簡単なものではない事は誰にでも分かる。
ましてや、それを仲間となったばかりの相手へ打ち明ける事の難しさたるや想像に難くない。
その殻を、上条は破ったのだ。
盗み聞きしたとかそういうのではなく……本人から「聞かせても良い」と思わせる程の信頼を勝ち得た。
「それにしても……教会がそんな非道な真似をしていたなんて……」
リアスと上条のやり取りを終えたのを見計らい、話を聞いたアーシアは言葉を漏らす。
言葉にして吐き出したくもなろう。
何せ、自分の信じたものが非人道的な実験を行っていたのだから。
「お前のせいじゃないさ。アーシア」
「トウマの言う通りね。あなたは何も悪くないわ」
自身の所属する団体が非道な行いをしていた事実はあるが、それをアーシアが責任を感じる必要はない。
上条とリアスはアーシアに理解して貰う為に言った。
「ありがとう、ございます」
十全の納得とまではいかなかろう。
それでも、2人からの励ましは何よりの薬である。
アーシアは嬉しく思ってくれたようで、笑みを浮かべていた。
「それにしても、祐斗がそこまで聖剣に固執していたなんてね」
続けて、リアスが自身の内をさらけ出す。
同時に目に見えて落胆の様子を臭わせる。
事情を知らなかったとは言え、上条もまさかここまで木場の復讐心が高いとは思えなかった。
「大丈夫さ」
リアスの不安をかき消すように上条は告げる。
「木場と約束したんだ。あいつが復讐にばかり目が行って、引き返せなくなりそうならぶん殴ってでも、元のレールに引き摺り戻すってさ」
木場へ告げたものと、同じ内容を伝える。
それを聞き、リアスは笑いを溢す。
アーシアも上条の言葉に、それだけの力があると感じた。
「復讐する時には俺も呼ぶように言ってあるし、大丈夫だよ」
「それなら、少しは安心できるわね」
上条が木場とそんな約束をしていたとは思わなかった。
でも、彼なりに木場の事を心配してくれていた。
それを嬉しく思わない訳がない。
これで、胸のつかえは多少は省かれた。
このままの勢いで、リアスは伝えられるものは伝えておこうと考えた。
それは話題の渦中にある聖剣の事である。
これは悪魔になった者であれば、避けては通れぬ道だ。
「ちょうど良い機会だから伝えておくわ。聖剣は対悪魔にとって最大の武器よ」
「ゲームに出てくるようなものか。悪魔が斬られると消滅は免れない――って考えて良いんだな?」
天敵の武器と告げたのだ。
裕斗が目の敵にしている聖剣――なかでも親しみのあるエクスカリバー等が良い例だろう。
出自は様々だが……神の領域まで達した者が魔術や錬金術などを用いて創りあげた聖なる武器が聖剣である。
ただ、“聖剣自体が”持ち主を選定するらしく、使いこなせる人間も数十年に1人出るかどうか――程の事らしい。
「リアス部長、気になってたんですけど木場は魔剣を創る『
上条の『
ただ『
生み出されたという点において、上条の『
「ないわけじゃないわ。現存する聖剣と比べると聖なる『
無論、それが=弱いという事には繋がらない。
なかには上条の持つ『
「そう言った点ではイエス・キリストを殺した者が持っていた『
さらっと、歴史の謎がネタバレされている。
上条は聞かなかった事と受け流そう。
神の天敵という点では上条には『
「エクスカリバー、デュランダル、日本の
それは魔剣の方も同様であるらしい。
上条には分からない部分もあるが、おおよそは掴めた。
「話を戻すけど、裕斗は聖剣――特にエクスカリバーと適応するために人為的に養成を受けた1人なのよ」
「じゃあ、やっぱり……木場は“聖剣に適応できなかった”」
上条の辿り着いた答えにリアスは無言で頷く。
木場は尋常じゃない程に聖剣を憎んでいる。
そこのところも障りは聞かされている。
だから、辿り着けたのもある。
「もしかして……木場さんと一緒に居た人達は……」
「同時期に養成された者も……全員適応できなかったそうよ」
アーシアが訊ね、リアスも無言を貫ける訳がないので話す。
全員、木場と同じだった訳だ。
そして、上条が木場本人から聞かされた――憤怒の根源の前まで来た。
更には、先程にアーシアがショックを受けた話へ繋がる。
適応できなかった者達の末路の話――
「だから、そのような理由だけで……主に仕える者が……人を、殺めたと?」
事実から目を背けたくなるのを必死に堪え、アーシアは自ら信じたものの裏切りを刻み込む。
その覚悟を、決意を、想いを、リアスは真摯に受け止めて――肯定の意味を込めて首を縦にする。
「教会の者達は悪魔を『邪悪な存在』と言うけれど、人間の悪意こそが『邪悪な存在』だと思うわ」
上条もまだリアス達と出会って日は浅い方ではある。
けれど、彼女の行いに非人道的な陰は見受けられない。
彼女だけではない、アーシアも姫島朱乃も塔城小猫も……そして木場裕斗も、悪魔とは名ばかりの気心の知れた連中だ。
「私が裕斗を悪魔にした時は瀕死だった」
それでも聖剣への強烈な復讐を誓っていた。
聖剣によって狂わされた才能だったからこそ、悪魔としての生で有意義に使ってもらいたかったそうだ。
「裕斗の持つ剣の才能は、聖剣にこだわるには勿体無いもの」
実は、アーシアを助けに行った際とフェニックス家とのレーティングゲームの映像以外で木場が剣を振るう姿を見たことが無かった。
あれだけだが、上条には彼の剣の才能が嫌という程に伝わった。
そして……願わくばその才を聖剣にこだわる形で使って欲しくなかった。
ただ、悪魔として力をふるって生きてくれと願いを込めた。
それでも、それでも木場は忘れられなかった。
「今でもあの子は恨み続けている。聖剣を、聖剣の関係者を、教会の者を――」
自分の人生を好き勝手され、挙げ句には踏みにじられ、蔑まれ、用済みだからと捨てられ――怨恨を持つのはおかしくない。
当たり前だと、上条だって思う。
「あとは様子を見ることにするわ」
どうこう言ったところで、どうにかなる訳ではない。
ほとぼりが冷めるのを待つしかない。
「そうだ。リアス部長、多分木場が聖剣のことを思い出したのってこれが原因だと思うんですよ」
上条は今回の原因となろう上条と聖剣を抱いている子との写真を渡した。
残念ながら彼自身には身に覚えがないが、親に聞いたところ近所にクリスチャンの子が居たそうだ。
「なるほど、これが原因ね」
リアスの反応からも本物っぽいことが窺える。
何やら考えを始めた。
「リアス部長、そろそろ帰りませんか?」
今、上条家に住んでいる。
外は雨も小雨程度になってきた。
今なら帰宅もスムーズに行えよう。
「そうね。そうしましょうか」
今日は他には誰も来ないようだ。
部室の鍵を閉め、上条達は帰宅を開始する。
御坂美琴がその現場に居合わせたのは全くの偶然であった。
中学生と高校生とでは純粋に授業の時間の長さが違う。
授業が終わり、部活に所属していない御坂はインデックスと帰宅し、母親から土砂降りの雨の中で買い物を頼まれた。
着替えるのも面倒なので、傘をさして制服のまま出掛けた。
その矢先、曲がり角の辺りでグレモリー眷属のナイトと頭のネジが何本か外れている神父が剣を交えている現場に直撃した。
普通なら人払いの結界も貼っていそうなものだが、あの2人にはそれをするだけの考えに至らないらしい。
普段通りに歩いていて現場に出会したのだから、当たり前か。
テレビクルーよろしく、取材したい訳ではない。
だが、御坂の生来の正義感が見て見ぬふりを許さないのも事実であった。
(しょうがない)
これ以上、人払いの結界がない状態で続ければ一般人が迷い込むのは目に見える。
御坂は意を決し、広げていた傘を畳んで濡れるのも構わずに剣戟を繰り広げる場に身を出した。
「そこまでよ!!」
両者の間に“文字通りに”雷を落とす。
正確には電撃ではあったが、地面を破壊しながら落ちてきたのだから然程の違いはあるまい。
「なんだ? なんですかぁ!? せっかく気分良く殺し合っていたのにさぁぁぁ!! 邪魔するお馬鹿さんは何処のどいつかぁぁぁ!?」
「私よ」
神父とは思えない発言をかます不良神父に、御坂は臆せずに返した。
それどころか、神父の態度に若干の苛立ちを覚える。
まるで人が殺し合う様を当たり前だという言動に良い感情は持てなかった。
「君は……あの時の」
ナイトの少年――名前は木場裕斗だったと御坂は覚えている。
彼は御坂に気付き、冷静さを取り戻してくれたようだ。
彼の隣まで行き「やっ」と軽く挨拶を交わす。
「テンションがハイになってきたところに、雷を落とすってのは不粋の極みじゃないですかねぇぇぇ~???」
「そういうのは人払いの結界を張るっていう、こっちの業界の常識を理解してから言ってくれない?」
勝負を邪魔された神父の癇癪が激しさを増すも、御坂は何処吹く風と彼の言葉を両断した。
一般人を巻き込む可能性があるのに、それを考慮しない彼の馬鹿さ加減に御坂は飽き飽きとしていた。
「べっつに~。そんな常識を説かれたところで、僕ちんには関係無いですから~ 」
「ああ、そうなの」
分かってしまった。
この神父とは決して相容れない。
根本的な思考がまず違っているのだから。
こちらが出来る限り巻き込みたくないのに対し、向こうはどれだけ巻き込もうが関係無いというスタンスなのだ。
交わらない平行線のやり取りをしていたのだと、御坂はようやくに思い知った。
それならそれで……別に構わなかった。
むしろ、“そっちの方がシンプルで分かりやすい。”
「なら、覚悟は良いわね?」
バチバチバチィィィッ!!
周囲にけたたましく響く。
さしもの神父も御坂の全身から発せられる、目に見える程の放電を前に驚きを露にしていた。
「一般人を巻き込むつもりだっていうなら……私は容赦しないわ」
「面白い面白い面白いですよぉぉぉおおおおお!!」
御坂の発言を聞いているようには全く思えない。
神父は壊れたラジオのようにひたすらに笑う。
今度は御坂も闘争の矛先に加える。
「け・どぉぉぉ~~~」
だが、当人は剣を肩に担ぐ。
「残念ながら、こっちにも用事があるもんでね~。そろそろおいとまするよ~ん」
「待――――っ」
木場がきっと制止の声を掛けるだろう事は読めていた。
だが、これ以上の戦闘続行は被害が他へ飛び火する可能性を考慮すると得策ではない。
その前に御坂は彼の前に手を出して止めるように促した。
既に冷静さを取り戻したように見えたが、今は木場の方も癇癪のスイッチが入りやすくなっている。
何があったか分からないが、このまま追い掛けさせて続きをやらせても返り討ちにあう可能性は低くない。
ならば、原因を可能なら取り除いておくのが吉であろう。
そうこうしている間に神父は背を向けて、とっとと逃げ出した。
本当に逃げたと表現できるかは分からない部分ではあるが。
「あんたも一旦帰りなさい。今ひどい顔になってるわよ」
「…………すまない。そうさせてもらうよ」
呼び止められるかとも思っただろう。
御坂は何かがあったのだと敏に察し、木場に1度時間を置くように伝える。
「助けてくれてありがとう」
思い出したように礼を告げて去る。
彼の背中を眺め、どうにも気まずさは残る。
「はあ、この事はリアスさんに伝えておかないとね」
御坂は呟く。
これも正義感が強い彼女だからこそ、お節介だと思いつつもやってしまうのであろう。
その前にずぶ濡れの制服を着替えに戻り、再度買い物へ向かう事を最優先事項へ繰り上げたのは秘密である。
如何でしたでしょうか?
原作でも木場がどうやってフリードから逃げおおせたのか疑問だったので、せっかくキャラ数は多いのでこんな風にしてみました。
ただ、フリードも訳なく去るとは思わないですよ。戦闘狂の変態ですしね
はてさて、次回までに熱下がるだろう
他の作品込みでしばらくゆっくり書いてきますんで、次回また2か月とか過ぎてしまうかもf(^_^;
構想は、既に構想は出来てるんだ……完結も頭の中だとしてるんだよぉぉぉ……