新約? ハイスクールD×D   作:ゼガちゃん

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お待たせしました。

少し早いですが続きです。


人は変われるんだ……って、変わりすぎじゃない?

「ここね」

 

リアス達一同も目的の場所に着いた。

今夜、これからはぐれ悪魔の討伐をしなくてはならない。

これまでも何度かやってきた事だ。何度も「生」を懇願する悪魔の願いを踏みにじり、得意の「消滅」の力で敵を消滅させてきた。

 

(だけど……何か“モヤモヤ”としたものを感じる)

 

本当に良いのか?――先程、新参したばかりの上条と通話していた時の事だ。

彼は「討伐……ですか?」とただ聞き返してきたのだと思っていたが、少しばかりに出来た間に戸惑いが出ていたような気がしてならない。

誰かの「生死」に関し、彼は敏感なのだ。事情を呑み込みきれておらず、いきなり敵を討伐と言われて嫌な顔をしない人はいない。

そう思ったが最後、リアスも上条の影響を色濃く受けていた。今まで“心の奥底にし舞い込んでいたものが沸き上がる。”

 

(でも、バイサーは止めなくちゃ)

 

この街で悪事を働く者をリアスが放っておけるものか。

 

「ところで上条君は何処に?」

 

祐斗が気になっていた事柄を発し、ようやくに気付いた。

部室から出たオカルト研究部のメンバーよりも上条の方が近かった。

必然、彼の方が到着が早いのは間違いないのだが……

 

「まさか!?」

 

リアスは懸念していた事柄と照らし合わせてみた。

彼には場所を伝えており、この場には居ない――リアスが目線をやったのは廃墟の方だ。

 

 

 

 

 

「離せぇぇぇえええええーーーーっ!!」

 

 

 

 

 

唐突に、上条の叫び声がリアス達に届いた。

彼女の懸念の通りに、廃墟へ単独で乗り込んだのだ。

 

何を思っての事かは上条に直接に問い掛けねばならない。

 

「行くわ。トウマを助けるわよ」

 

王の一声に一同は頷いた。

はぐれ悪魔バイザーの情報は予め頭の中に入っている。

上条を除いた眷族の皆にはリアスからの説明があった。

 

「小猫。お願い」

 

「分かりました。部長」

 

廃墟の入り口は扉で閉ざされている。

だが、敵の待ち伏せを考えて眷族の中で力が一番ある小猫に頼る。

 

「行きます」

 

無表情はいつもの事、しかし彼女は拳を腰まで引いてから――一気に解き放つ。

 

ドゴォンッ!! と騒音を響かせながら扉が粉々に破壊された。

 

「祐斗!! 前をお願い!!」

 

「はい!!」

 

リアスの指示に従い、何処からか出したのか両手持ちの剣を携えて廃墟に突撃した。

小猫も彼に続いて廃墟に侵入を試みる。

 

「えっ!?」

 

「これは……」

 

しかし、次に聞こえたのは祐斗と小猫の驚きを孕んだ声音。

待機していた朱乃を伴ってリアスも慎重に廃墟に足を踏み入れた。

 

「なっ!?」

 

「あら」

 

リアスも朱乃もほぼ同じ事を思った。

 

 

 

 

 

上条の右腕に引っ付いて、頬をその腕にスリスリとさせるバイサーの姿を目撃したからだ。

 

 

 

 

 

おかしい。自分は夢でも見ているのか?――一同が抱いたのはそんな事だった。

どうして、命を奪おうとしていた敵と上条が仲良くしているのは何故か?

いや、リアスが見ている限りでは上条がバイサーに一方的に引っ付かれているように見える。

 

「あ、あの……あなたはバイサーかしら?」

 

「そうだけど……あなたは誰?」

 

上条に引っ付いたまま、バイサーはリアスを睨んだ。

 

「お、おい……俺の主様なんだから睨まないでくれよ」

 

「ダーリンがそう言うなら」

 

ピキッ!! と上条とバイサーを除いた全員にブリザードが吹き荒れた。

 

Q バイサーは上条を何と言った? A「ダーリン」と呼んだ。

 

Q2 バイザーとは何だ? Aはぐれ悪魔で排除する対象。

 

それがどうして悪魔に成り立ての新人悪魔君にこうも御執心……というより、ベッタリではないか。

困惑する一同を置いてけぼりに、バイサーは上条への過剰なスキンシップを止めない。

この状況を推理してみて……結論、訳が分からないよ。

 

「あの、バイサー……トウマとはどういう関係なの?」

 

ひょっとしたら、上条とバイサーは昔からの接点があったのではないかと推測した。

であれば、これ程までに彼女が上条を気に入っている理由も納得出来なくは……

 

「ダーリンとは~、さっきまで命のやり取りをしてました」

 

きゃっ!! と頬を赤く染めながら上条の腕から離れ、まるで恋する乙女のような反応を見せる。

いや、いくら(うぶ)なところを見せても「命のやり取りをしてました(ニコリ)」と言われて示せる反応な訳はない。

 

リアスは自分の可愛い仲間達を見回した。その全員が頭にクエスチョンマークを浮かべている。

最後に上条を見てみる。彼も何がなんやらサッパリのようだ。

こちらが混乱の中、バイサーが顔を上げて“嬉しそうに教えてくれる。”

 

「さっきダーリンに思いっきり殴られて……目覚めたんです」

 

「目覚めた?」

 

「はい。痛みに快感を覚える事に」

 

雪崩だ。今度は雪崩が発生した。

バイザーの言う事は即ちMに……いや、これ以上は言わないでおくのが吉と判断した。

 

「そして、それを教えてくれた彼に私は忠誠を誓う事にしたの!!」

 

凄く目を輝かせながら言うバイサー。

これが真っ当な理由だったら良かったのだが……何がどうしてこんな斜め上の結論に至ってしまったのか。頭を悩ませてしまう。

 

「上条先輩は変態でしたか」

 

「ごはっ!? 俺にはその気はないっての……」

 

身に覚えのない言われように上条の精神は蝕まれる。

おまけに小猫は無表情なのが辛すぎる。

冤罪なのに上条は何故か罪悪感に苛まれる。

 

「演技にも見えません」

 

「この様子なら討伐の必要もありませんね」

 

祐斗、朱乃の見解を口にし、リアスもほぼ同じ回答だった。

 

「トウマ。あなたにやってもらう事があるわ」

 

「何となく予想ができてしまうのですが……何でせうか?」

 

「トウマの家にバイサーを住まわせて頂戴。もっと言うなら監視よ」

 

「やっぱり……」

 

デジャヴを感じた瞬間これである。

 

「これからダーリンに監視……いえ、監禁されてしまうかもしれない。も、もしかしたら縄で縛ってあられもない姿で晒されて滅茶苦茶にされたりして――グヘヘ」

 

涎を垂らしながらバイザーは妄想の世界に浸る。

もう突っ込む気力も起こらない。

 

「リアス部長!! 俺には荷が重すぎます」

 

「耐えなさいトウマ。そうしたら彼女は人を襲わずに済むのよ」

 

そのような事を言われては、上条もこれ以上は口を挟みづらい。

元々、彼女を殺さずに悪事を止める為に勝手に突っ走ったのだ。

上条自身に何のお咎めもないのが不思議な位だ。

それに……他意はないとは言え、彼女がこんな風になった一端は上条にも関係している。

 

「わ、分かりました……」

 

母親がOKするか次第だが、仮にOKしたとしても未だに妄想爆発のバイザーの姿を見ていて不安しか沸かない上条だった……。




何がどうしてこうなった……バイサーさん、Mに目覚めるの巻。

いや、バイサーの性格とか完璧に忘れてたんで良いと言えば良いとは思いますし、これくらいのキャラ崩壊させないと他のキャラが濃すぎて埋もれちゃいますって。

ではでは、次回の更新予定は来週の金曜日です。

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