FAIRY TAIL 〜『大地』の滅竜魔導士 〜   作:紅蓮大地

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第九話 いざ、妖精の尻尾へ/最強の男の帰還

 

化猫の宿の真実を知った後の事。戦いが終わり皆それぞれのギルドへ帰っていった。そしてウェンディとシャルル・・・・グランは妖精の尻尾へと向かっていった。

 

「・・・・・・・・・・・・おぉぉ」

 

少々グロッキーになりながら。

 

妖精の尻尾のギルドがあるマグノリアまで行くために、船で移動していた。当然、乗り物に弱いグランは乗って早々に乗り物酔いとなって、倒れていた。では、同じように乗り物に弱いナツはどうなっているのか?グラン同様にぶっ倒れているのか?

 

「あぁ・・船って、潮風が気持ちいいんだな。乗り物っていいもんだなー!オイ────!!!」

 

全く違った。全力で船を・・・・というより乗り物を堪能し尽くしていた。何故ナツだけがこんなにも元気なのか。それはウェンディのおかげだ。ウェンディの平衡感覚を養う天空魔法トロイアをかけたおかげで、こうして乗り物を満喫することが出来たのだ。

 

なら、グランもかけて貰えばいいのでは?という話になるよな。理由は主に二つある。一つは、ウェンディに無理させないようにする為・・・・もう一つは

 

「あ、そろそろトロイアが切れますよ。」

 

「おぷぅ」

 

途中で効果が切れてしまうからだ。効果が切れた途端に倒れてしまったナツ。マグノリアまで道のりは長い、どうせ途中で切れるとわかっていたからかけてもらわなかったのだ。

 

「も・・・もう一回かけ・・・・て・・・・おぷ・・」

 

「連続すると効果が薄れちゃうんですよ。」

 

「放っとけよ、そんな奴」

 

「・・・・・・・・途中・・・からのが・・・・辛い・・・・オェ」

 

「あはははっ」

 

「本当にウェンディもシャルルもグランも妖精の尻尾に来るんだね。」

 

「私はウェンディやグランがついていくっていうから付いていくだけよ。」

 

「楽しみです!妖精の尻尾!!」

 

「・・・・たの・・・・し・・・み・・・・・・・・うぷっ」

 

そんなこんなで一行は妖精の尻尾へと船を進めていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・という訳で、ウェンディ、グラン、シャルルを妖精の尻尾へと招待した。」

 

「よろしくお願いします。」

 

「・・・・フンッ」

 

「・・・・挨拶しとけ、シャルル。まぁ、よろしく」

 

一生懸命頭を下げて挨拶をするウェンディと顔を背けるシャルル、そんなシャルルに一言言ってから挨拶をするグラン。

 

「かわいいーっ!!!」「ハッピーのメスがいるぞ!!」「みんなおかえりなさい」「おジョーさんいく・・・・すいません」

 

新たなメンバーの加入で、妖精の尻尾はいつも以上に沸き立った。シャルルを見てハッピーのメスだと言ったり、ウェンディに年齢を聞いた者の顔をグランが鷲掴みにして、それをウェンディが慌てて止めたりと色々一悶着はあったが、皆、それぞれが楽しそうにしている事が何より印象的だった。

 

「シャルルはたぶんハッピーと同じだろうけど、ウェンディとグランはどんな魔法を使うの?」

 

「シャルル!!本物のミラジェーンさんだよ」

 

「ちょっと!?オスネコと同じ扱い!?」

 

「突っ込むとこそこ?」

 

「私・・・・天空魔法を使います。天空の滅竜魔導士です。」

 

「・・・・俺は大地の滅竜魔導士だ。つっても、ウェンディと違ってドラゴンに教わってねぇがな」

 

ウェンディとグランが己の魔法について話をした瞬間、妖精の尻尾が驚いて静まり返る。

 

きっと信じてもらえていない、と悲しい顔をするウェンディ・・・・だが、彼らの反応は思っていたのとは違っていた、

 

「おぉ!?すげぇ!!」「ドラゴンスレイヤーだー!!」「ナツと同じか!!」「ガジルもいるしこのギルドに4人も滅竜魔導士が!!!!」「一気に四人だぞ四人!!!」「めずらしい魔法なのにな」

 

驚きこそしたもののあっという間に静けさがなくなり先程以上に沸き起こる。

何はどうあれ、信じてもらえたことにウェンディは笑顔になり、その笑顔を見て、グランも自然と笑みをこぼす。と、そんなグランに近づく者がいた。

 

「……おい」

 

「あ?・・・・あぁ、あんたは確か・・・・ガジルだったか?」

 

そう、ガジルだ。同じ滅竜魔導士として話がある・・・・というわけではなさそうだった。だが、その表情は真剣そのものだった。

 

「・・・・・お前もネコがいねぇのか。」

 

「はぁ?・・・・あぁ、シャルルの事か?・・・・まぁシャルルはウェンディが卵で見つけてきたし・・・・相棒的な意味でのネコはいねぇな」

 

「・・・・・・・・そうか、ならいい。」

 

「・・・・え、それだけ?」

 

思ってた内容とは違う事を聞かれ、一瞬頭がハテナになるも、自分にもいないと告げると、何故か安心したように去っていく。よく分からなかったが、あまり深く考えないようにした。めんどくさそうだし

 

「今日は宴じゃあー!!」

 

そして、マスター・マカロフの一言により急遽宴が始まるのだった。ウェンディとシャルルとグランの歓迎会だと言いながら、各々が個人個人で好きなように騒いでいる。やれ飲んで、やれ食って、やれ歌って・・・・だが、とても楽しい気分になるのは、間違いない。

 

「楽しいところだね、二人共。」

 

「私は別に……」

 

「まぁ、退屈はしなさそうだよな」

 

こうして、ウェンディ、グラン、シャルルの3人は無事妖精の尻尾のメンバーとなった。

 

「・・・・・・・・」

 

そんな三人・・・・特にウェンディとグランを陰で見ていた者・・・・ミストガンは、そのまま何も告げずに去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、数日がたったある日。

 

「どお?このギルドにも慣れてきた?」

 

「はい。」

 

「女子寮があるのは気に入ったわ。」

 

「まぁ、楽しくやってるよ。」

 

ウェンディとシャルルは妖精の尻尾にある女子寮に住み、グランは近場にある借家に住んでいた。まぁ初めは一緒に住むとウェンディが言っていたが、それは色々まずい、という事でウェンディ達は女子寮に、グランは借家に住むことになった。

 

「そう言えば、ルーシィさんはなんで寮じゃないんですか?」

 

「寮の存在最近知ったのよ。てか、寮の家賃って10万Jよね・・・・もし入ってたら払えなかったわ。今頃・・・・」

 

「大変だー!!」

 

そんな時、ギルドに飛び込んで来る妖精の尻尾の1人がいた。そして、その直後、マグノリアの鐘の音が響く。

 

「何!?」

 

「鐘の音……?」

 

「・・・・つか、なんかさわがしくないか?」

 

この鐘の音が響いた直後から、妖精の尻尾のメンバー達が何やら騒ぎ始めた。騒いでいないのは、主に最近入った者達だけだった。

 

「ギルダーツが帰ってきたァ!!」

 

「あいさー!!」

 

「ギルダーツ?」

 

「私もあったことないんだけど・・・・妖精の尻尾最強の魔導士何だって・・・・」

 

「うわぁ!」

 

「・・・・最強・・・・か」

 

最強と聞いてウェンディはワクワクしていた。一方のグランは口元に手をやってニヤけそうな口を抑えていた。どれくらい強いのか、どんな魔法を使うのか、グランもグランでとても楽しみにしていた。

 

「どうでもいいけどこの騒ぎよう何!?」

 

「お祭りみたいだねシャルル、グラン。」

 

「ほんと騒がしいギルドね……」

 

「・・・・流石に騒ぎすぎじゃね?」

 

「無理も無いわよ。」

 

「ミラさん。」

 

何故こんなにも騒いでいるのか理由を知らないグラン達の様子に気づいたのか、ミラが近づいてくる。

 

「だって三年ぶりだもん、帰ってくるの。」

 

「3年も!?何してたんですか!?」

 

「勿論仕事よ。S級クエストの上にSS級クエストっていうのがあるんだけど・・・・そのさらに上に10年クエストって言われる仕事があるの」

 

「なら、ギルダーツはその10年クエストに行ってたのか?」

 

気になったグランがミラに聞くと、ミラは首を振る。

 

「いいえ・・・・ギルダーツはそのさらに上・・・・100年クエストに行ってたのよ。」

 

まさかのさらに上があり、それに行っていた事に驚きを隠せない四人。

 

『マグノリアをギルダーツシフトへ変えます。町民の皆さん!速やかに所定の位置へ!繰り返します』

 

「100年クエスト・・・・100年間・・・・誰も達成出来なかったクエスト・・・・ねぇ」

 

「それにしても騒ぎすぎじゃないかしら。」

 

「マグノリアのギルダーツシフトって何〜?」

 

「外に出て見ればわかるわよ。」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

ともはや街全体が騒がしくなってきたと思ったら、いきなり街が動き出した。大きな音を立てて、少しずつ変形していく街。

 

「う・・・・うそ!?」

 

「・・・・うわぁ」

 

そして周りの家は全て地面ごと隆起し、マグノリアから妖精の尻尾の1本道ができた。ギルダーツ一人の為に、マグノリアにある建造物全てが妖精の尻尾までの道を避けたのだ。

 

「街が・・・・割れたー!!」

 

「ギルダーツは触れたものを粉々にする魔法を使うんだけど・・・・ボーッとしてると民家を突き破って歩いてきちゃうの。」

 

「どんだけバカなの!?」

 

「凄いねシャルル!」

 

「えぇ……凄いバカ。」

 

「あぁ、もの凄いバカだ」」

 

そして、妖精の尻尾の扉を開けて一人の男が入ってくる。

 

その男こそ────妖精の尻尾最強の魔導士、ギルダーツ・クライヴである。

 

「ギルダーツ!オレと勝負しろォォォ────!!!」

 

「いきなりそれかよ。」

 

「おかえりなさい。」

 

「この人が、ギルダーツ……」

 

「む・・・・お嬢さん、たしかこの辺に妖精の尻尾ってギルドがあったはずなんだが・・・・」

 

「いやなんでだよ」

 

この言葉につい突っ込んでしまったグラン。だって紋章も名前も表にあるのに、分からないは流石にやばいでしょ。そりゃ反射的に突っ込みたくなるよ。

 

「ここよ。それに私ミラジェーン。」

 

「ミラ?ずいぶん変わったなぁお前!!!つーかギルド新しくなったのかよ────っ!!!」

 

「外観じゃ気づかないんだ……」

 

「ギルダーツ!!」

 

「おおっ!ナツか!久しぶりだなぁ」

 

「俺と勝負しろって言ってんだろぉー!!」

 

と言いながらギルダーツに殴りかかるナツ。しかしナツはギルダーツにいなされ、そして投げ飛ばされて天井にそのままの勢いで突っ込んで、めり込んでいた。

 

「また今度な。」

 

「や・・・・やっぱ・・・・超強ぇや・・・・」

 

「いやぁ、見ねぇ顔もいるし……ほんとに変わったなぁ……」

 

ギルドが新しくなったのも、新メンバーが入ったのもギルダーツが留守の間である。昔の姿と今の姿を見比べて、ギルダーツは感慨に耽っていた。

 

「ギルダーツ。」

 

「おぉっ!!マスター!!久しぶり────っ!!」

 

「仕事の方は?」

 

「がっはっはっはっ!!」

 

ギルダーツが帰ってきたこと、つまりそれは100年クエストが何らかの形で終わったことを示す。

だから、次にギルダーツが口にしたことは信じられなかった。

 

「ダメだ。俺じゃ無理だわ。」

 

「何っ!?」

 

「嘘だろ!?」

 

「あのギルダーツが、クエスト失敗!?」

 

「・・・・ギルド最強の男でも失敗するクエストか・・・・」

 

最強の男であるギルダーツでも失敗してしまう。その事実が、100年クエストの難易度を物語っている。

 

「そうか・・・・主でも無理か。」

 

「すまねぇ、名を汚しちまったな。」

 

「いや・・・・無事に帰ってきただけで良いわ。わしが知る限りこのクエストから帰ってきたのは主が初めてじゃ。」

 

「俺は休みてぇから帰るわ。ひ〜疲れた疲れた。ナツゥ、後で俺ん家来い。土産だぞーっ!がははっ!

 

んじゃ失礼。」

 

そう言ってギルダーツは出ていった・・・・扉からではなくギルドの壁から。

 

「ギルダーツ!扉から出ていけよ!!」

 

「・・・・なんか色々凄かったね」

 

「・・・・やっぱバカだろ」

 

「・・・・同意」

 

色々と情報量が多すぎたが、とりあえず妖精の尻尾に入ってよかったと思えるグラン達だった。

 





次回よりエドラス編スタート・・・・しますが、短いです。
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