FAIRY TAIL 〜『大地』の滅竜魔導士 〜   作:紅蓮大地

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急展開入りまーす。


第十二話 さらばエドラス、ただいま・・・・

 

グランが迷子になっている頃・・・・

 

ここ、エドラスでは魔力がなくなりつつある。その為、アースランドから魔力を吸収すべく“アニマ”を作り出した。

そして、妖精の尻尾の魔導士達を巨大なラクリマへと変わってしまった。

 

ナツとウェンディとハッピーとシャルルは、仲間を助けるべく王都へ向かった。その途中、ルーシィと出会い共に王都へと向かった。無事王都まで着く事ができたが・・・・王国の兵隊に捕まってしまう。

 

そこでシャルルとハッピーは“エクシード”という種族である事が判明した。この世界における体内に魔力を持つ種族である為、人間達に神のように崇められていたが、王国は滅竜魔導士の魔力を使い、彼らエクシードを全滅させようと考えていた。

 

なんとか逃げる事に成功したルーシィ、ハッピー、シャルルはラクリマから元に戻ったグレイとエルザと共にナツとウェンディを救出に向かう。

 

そこでとんでもない事が判明する。王国軍はエクシードの国、エクスタリアを破壊する為に、妖精の尻尾の仲間達を爆弾代わりに使うつもりだった。そしてその為に滅竜魔導士の魔力を使った魔法“竜鎖砲”を今にも起動させようとしていた。

 

それを阻止すべく、王国軍の王都魔戦部隊の隊長達と激闘を繰り広げる。

 

エルザはエドエルザ。グレイはシュガーボーイ。ナツはヒューズ。ルーシィは王国軍、幕僚長のバイロと。

 

皆それぞれエドラスの魔法に苦戦を強いられるが、何とか勝利する。その後、エルザと機転により奴らが竜鎖砲を設置している部屋に入る事に成功したが、後一歩のところで邪魔が入り失敗してしまう。

 

そして巨大ラクリマがエクスタリアに衝突するのを防ぐべく、ナツ達と王国軍幕僚長補佐のココとココのレギオン・・・・そしてエクシード達総出でラクリマを防ごうと押していく。そして、強大ラクリマを徐々に・・・・徐々に押し返していった。

 

そしてその時は突然やってきた。いきなりラクリマが光出したかと思ったら、次の瞬間その場から消え失せてしまった。どうしたのかと全員が疑問に思っていたが、その疑問に答える者がいた。ミストガン・・・・ジェラールだ。

 

ラクリマをもう一度アニマに通す事でアースランドへ元の通りに戻したのだ。そのおかげでエクスタリアを・・・・仲間達を守る事ができた。安堵するのも束の間、すぐに王国軍が攻めてきた。

 

さらにエドラスの王が王国でも禁式であるドラゴン型の強化装甲“竜騎士(ドロマ・アニム)”を乗り込んでやってきた。

 

ドロマ・アニム・・・・対魔専用魔水晶が外部からの魔法を全て無効化してしまう搭乗型の甲冑。これにより魔法による攻撃は全く意味をなさない・・・・あの魔法を除けば。

 

相手はドラゴン・・・・ならば滅竜魔導士の出番である。妖精の尻尾が誇る四人の滅竜魔導士・・・・うち一人はこの場にまだいないが、それでもナツ、ウェンディ、ガジルの三人で戦い善戦していた。だが、ドロマ・アニムが色を変え“ドロマ・アニム黒天”へと姿を変えてから状況が一転、どんどんと追い詰められてしまった。

 

ドロマ・アニムは常に世界中から魔力を吸収し続けてしまう究極の魔導兵器・・・・故に禁式だった。

 

『もっと魔力を集めよ‼︎‼︎空よ 大地よ‼︎‼︎ドロマ・アニムに魔力を集めよ‼︎‼︎』

 

まだ足りぬ、まだ寄越せと叫ぶ王。そんな相手にも傷つきながらも怯まずに向かっていく三人。

 

火竜(サラマンダー)‼︎‼︎ブレスだ‼︎ガキ!!お前もだ!!」

 

「!!!」

 

「さ・・・・三人で同時に!?」

 

ガジルが提案したのは、三人で同時に攻撃・・・・ブレスを行う事だった。ガジル本人も何が起きるかわからなかった為控えておきたかったが、そんなことを言ってる場合ではなくなった。

 

「火竜の・・・・」

 

「鉄竜の・・・・」

 

「天竜の・・・・」

 

オオオオオ

 

全員が魔力を高め、一気に放つ。

 

 

「「「咆哮‼︎‼︎‼︎」」」

 

 

ドゴォォォォ

 

 

放たれた三つのブレスは、徐々に合わさり一つとなる。そして

 

 

ドゴォン!

 

大爆発を起こした。

 

やった・・・・そう思ったが

 

『フハハハハ!!』

 

「上だ!!!!」

 

「あんな跳躍力があったのか!!」

 

ドロマ・アニムは驚異的な跳躍力で三人同時のブレスをかわした。もう一度行う前に先手を打たれてしまう。

 

『竜騎拡散砲!!!!』

 

ズドドドドドドドドドドドドドドドドド!!

 

ドロマ・マニアから発射される魔導砲の嵐。ナツ達を撃ち砕かんとするその凶悪な魔導砲が降り注ぐ。

 

そして撃ち終えたドロマ・アニムは地上へと降りる。確実に仕留めた、その確信をもって。

 

だが、そこにあったのは無様に倒れている三人の滅竜魔導士ではなく────大きな土壁だった。

 

そして、その土壁から一つのブレスが放たれドロマ・アニムに直撃する。

 

『なんだと!?』

 

そのブレスの威力にドロマ・アニムは大きく吹き飛んだ。今まで以上のダメージに何事かと混乱する王。

 

そして崩れた土壁から出てきたのは・・・・ようやくこの場にきたグランだった。

 

「グラン!!」

 

「よぉ、ウェンディ。それにナツとガジル・・・・少し遅れた」

 

「ギヒッ・・・・そうでもねぇぞ」

 

「ああ・・・・てかお前今まで何処にいたんだよ」

 

「・・・・森の中?」

 

「なんで疑問系なの?」

 

だって正確に何処にいたなんて分からないんだもの。

 

『フハハハハッ!今更一人増えたところで我がドロマ・アニム黒天の敵ではないわぁ!!大人しく我が世界の魔力となれぇぇっ!!』

 

そんな話をしている中でも、敵は待ってくれない。体制を立て直したドロマ・アニムは再び牙を剥く。倒れているナツ達を踏み潰さんとその巨大な脚を踏み下ろす・・・・だが、それを許さない男が一人ここにいる。

 

『な・・・・何!?』

 

踏み下ろされた脚を軽々と受け止め、動きを止めるグラン。その脚を強く握り潰そうと力を込める。

 

「・・・・お前が何処の誰かは知らねぇが、よくもまぁ俺の仲間を傷つけてくれたなぁ、オイ」

 

更に強くなる力・・・・そしてとうとう、ドロマ・アニムの脚を粉々に砕く。片脚を失いバランスを崩すドロマ・アニム。それに突っ込んでいくグラン。

 

「地竜の剛拳!!!」

 

岩の拳が黒き甲冑を砕く。

 

「地竜の断裂!!!」

 

放たれた蹴りが竜の体を引き裂く。

 

殴り、蹴り、また殴る。魔導砲を放つも怯まずに攻撃を仕掛けてくるグラン。竜騎弾を発射させるも全て撃ち落とされてしまう。そして、王は見た。今も攻撃をしてくるグランの姿が徐々に変わり・・・・大地を踏み砕き進んでくるドラゴンの姿を

 

『ひいぃ!?』

 

「砕けろ」

 

そしてグランは腕に魔力を込め、ドロマ・アニムを殴りつける。

 

「地撃・壊振!!!!」

 

ドオォォォンッ!!

 

グランの拳がドロマ・アニムを撃ち抜き、完全に破壊される。その破壊された残骸から這い出るように出てきた王は、グランだけでなく、ナツとガジル・・・・そしてウェンディの姿もドラゴンに見えた。

 

今まさに四体のドラゴンに睨まれている王。もはや王の心は恐怖に染まっていった。強大な力・・・・ドラゴンに対する恐怖が支配していった。そして王は失神して倒れてしまった。

 

「・・・・で、何があったの?」

 

「何もしらねぇのかよ、お前」

 

「つか、お前もきてたなら手伝えよ!!」

 

「しょうがねぇだろうが、こんな世界に来るなんて思ってなかったし来たと思ったらいきなりエルザさんと戦う羽目になるし・・・・」

 

「エルザと戦ったのか!?勝ったのか!?」

 

「んや、途中でスキ見て逃げた。戦ってる場合じゃなかったし」

 

「んで、その後は?」

 

「迷った」

 

「「迷子かよ!!?」」

 

「どうやってここに来れたの?」

 

「なんつうか、この世界の大地の魔力の流れが急に一箇所に集まったからな。なんかあるんじゃないかって・・・・それよりも大丈夫か、ウェンディ?」

 

「うん、私もシャルル達も・・・・ギルドのみんなも無事だよ!」

 

「それはよかった・・・・ところで、島が落ちてきてるけど大丈夫か?」

 

そのグランの言葉通り、浮いている島が落ち始めたのだ。エドラスの浮遊島はこの世界の魔力で浮いている。それが落ちるということは、この世界・・・・エドラスから魔力が消えているということ。

 

何故いきなりこんな事になったのか・・・・それはジェラールの仕業だった。アニマを逆展開させ、この世界の魔力をアースランドに流しているのだ。これも新たな世界のために、一度エドラスを滅ぼす為に行った。

 

各地で混乱が訪れる。この混乱を鎮めるには悪役英雄が必要だった。その悪役にジェラールが、英雄にパンサーリリーを選んだのだったが、リリーはそれを拒否する。ならば自分が悪となるというが、ジェラールがそれを拒否する。互いが互いの幸せを願う。死ぬということは不幸を招くだけ・・・・もはやどうしようもなかった。その時

 

「パンサーリリー様!!大変です!!」

 

一人の兵士が部屋に入ってきた。城下で暴れている者達がいるという報告を受け、急ぎ暴走を止めるべく外に向かう二人。

 

「暴徒の数は?」

 

「四人です」

 

「たったの四人だと!?何故取り押さえん!?」

 

「そ・・それがものすごく強くて・・・・」

 

「ガハハハハハハハハッ!」

 

と大きな笑い声が聞こえそこを見ると、そこにいたのは

 

「我が名は大魔王ドラグニル!!!!!この世界の魔力は俺様が頂いたァァ!!!!!!」

 

黒いマントを羽織り、付け角をつけたナツの姿だった。そしてその近くには木に縛り付けられた王の姿がいた。

 

「貴様等の王は俺様が仕留めたァ!!!!!特別に命だけは助けてやったがなァ。ガハハハハハハハ」

 

ものすごく様になっている。

 

「ゆけぇ!レッドフォックス!!マーベル!!ワームランド!!我が下僕たちよ!!街を破壊せよ!!!」

 

そしてその言葉と同時にガジルは街を剣で破壊し、グランは軽めの砂嵐で破壊する。ウェンディも頑張って街の人を怖がらせようとしている。だが残念なことに、ただただ可愛いだけだった。

 

「もっと街を破壊するんだー!!下僕共ー!!」

 

「下僕下僕うるせぇぞコノヤロウ!!」

 

「テメェもやれボケェ!!」

 

「いいからやるのじゃ。」

 

「口調変わってんじゃねぇか!!」

 

「沈めんぞゴラァ!!」

 

「あいつらが……!あいつらがエドラスの魔力を奪ったのか!!」

 

「大魔王ドラグニル!!」

 

「許さねぇ!!魔力を返せー!!」

 

「やだね……俺様に逆らうものは全員・・・・」

 

住民たちもナツたちに怒りをぶつけようとするが、そんな事がお構いなしに炎のブレス(弱)を放とうとした時

 

「よせ─────!!ナツ─────!!」

 

「……俺様は大魔王ドラグニルだ。」

 

ジェラールが止めに入った。だが、街のみんなは彼が誰か分からず混乱していた。

 

「馬鹿な真似はよせ……王は倒れた、これ以上王都に攻撃など・・・・」

 

「ファイアー!!」

 

ジェラールのその言葉を遮るようにナツはブレス(弱)で壁の一部を破壊する。それだけでも、街の人の恐怖を煽るには十分だった。

 

「俺様を止められるかな?エドラスの王子さんよォ……」

 

「王子!?」

 

「王子だって!?」

 

「7年前に行方不明になった・・・・」

 

「ジェラール王子・・・・!?」

 

「来いよ!来ねぇとこの街を跡形もなく消してやるっ!」

 

「っ!!ナツ!!そこを動くな!!」

 

「ナツではない、大魔王ドラグニルだ。」

 

ジェラールは、地面に降り立ちナツに迫る。

 

「王子?この人が?」

 

「あの魔王とか言うやつと戦うつもりなのか?」

 

「相手は火を吹くような怪物だぞ」

 

ジェラールの姿を見ても街の人々は不安に煽られる。そしてそんなジェラール自身も、ナツの行動に半ば呆れていた。

 

「バカ者め。お前のやろうとしていることは分かってる。だが、この状況を収集できるわけがない。眠れ・・・・!!」

 

放とうとした魔法は不発に終わる。魔力をアニマに吸われたからだ。

 

「どうした!?魔力がねぇと怖ぇか!」

 

「くっ!!」

 

「そうだよなぁ!!魔法は力だ!!!」

 

ナツは力の限りを込めて足場にしていた建物を殴る。その建物はその一撃に耐えられず完全に壊れて崩れ落ちた。

 

「きゃー!!」

 

「なんだこの破壊力は!?」

 

「魔法・・・・!?」

 

「やめろぉー!!」

 

「ナツさんやりすぎですよ!!」

 

流石に今のはやりすぎだと唱えるウェンディ。だがそうではないとガジルとグランはいう。

 

「いいんだよ。これで強大な魔力を持つ“悪”に、魔力を持たない“英雄”が立ち向かう構図になるんだ。」

 

「・・・・それにしてもまぁ・・・・悪役が似合うねぇあの人」

 

そう言いながら3人はナツを見守る。崩れた瓦礫に残るのは、ナツ(悪役)ジェラール(英雄)だけだった。

 

「もうよせナツ。私は英雄にはなれないし、お前も倒れたフリなどこの群衆には通じんぞ」

 

「勝負だァ!!」

 

「ぐ!!」

 

そうして二人での殴り合いが始まる。茶番だ・・・・そうジェラールに言われた。全くもってその通りだ。だが、この茶番劇にはジェラールを英雄に仕立て上げる他にもう一つ目的があった。

 

これはナツ流の妖精の尻尾式壮行会だったのだ。

 

妖精の尻尾を抜けるものに三つの掟を伝えなければならない。

 

一つ 妖精の尻尾の不利益になる情報は生涯、他言してはならない。

 

二つ 過去の依頼者に濫りに接触し個人的な利益を生んではならない。

 

そして三つ たとえ道は違えど、強く力のかぎり生きなければならない。決して自らの命を小さなものとして見てはならない。愛した友の事を生涯忘れてはならない。

 

三つの掟を告げた直後、互いの拳が顔に直撃する。そして最後まで立っていたのは・・・・ジェラール・・・・ミストガンだった。

 

「王子が勝ったぞー!!」

 

「やったー!!」

 

「スゲー!!」

 

「王子ー!!」

 

「ステキー♡」

 

そしてナツが倒れると同時に、ナツ……否、体内に魔力を持っているアースランドの魔導士達とエクシード達の体が光り始める。

 

「始まった」

 

「さーて、派手に苦しんでやるか。」

 

「派手に苦しむって嫌な言葉だなぁ」

 

「何だ何だ!?魔王達の体が……!?」

 

この世界から魔力が消える・・・・つまり体内に魔力を持っているもの達も含めて消えるという事だ。

 

「ぐわぁぁぁぁぁ!!!」

 

「きゃああああ!!」

 

「うああああ!」

 

「があああああ!!」

 

それっぽい反応をしながら、ナツ達は天へと登っていく。

 

消える直前、4人の滅竜魔導士はミストガンに向かって笑顔でミストガンを見送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んがっ!」

 

「きゃっ!」

 

「ぐおっ!」

 

「ひー!」

 

少し高い位置から落ちてきて地面に積まれていくグラン達。だが、その地面は自分達の知っている地面だった。

 

「帰ってきたぞーっ!!」

 

「そうだ妖精の尻尾!!」

 

グレイの一言で全員がマグノリアの街を確認する。

 

「元通りだ!!」

 

「マグノリアの街も!!」

 

「やったぁ!!」

 

元通りになったマグノリアの街。それを見て喜ぶ面々。だがエルザだけはまだ安心しきっていなかった。

 

「まだ喜ぶのは早い。人々の安全を確認してから」

 

「大丈夫だよ。」

 

「一足先にアースランドに着いたからね。」

 

「色々飛び回ってきたんだ。」

 

「ギルドも街の人もみんな無事だったよ。」

 

エルザの言葉を遮り、現れたのはエクシードの面々。しかし、いきなり現れたエクシード達に全員が言葉を失っていた。特にグランはそもそもエクシードという存在自体、今初めて知ったため他の者以上に驚いた。

 

「みんな魔水晶にされてたことすら知らないみたい。」

 

「アースランドってすげぇな!魔力に満ちてる!!」

 

「なんで・・・・なんでエクシードがアースランドに!!」

 

「しゃべる猫が大量に─────!?」

 

「まずそこからかよ」

 

とりあえず、エドラスの事についてみんなから少し離れた場所から説明を受けるグラン。

 

そんな中、シャルルはコイツらは危険だからエドラスに返すべきだと訴える。

 

変な使命を植え付けてこの世界に送り込んだと・・・・だが、真実は違っていた。

 

6年ほど前、エクシードの女王シャゴットはある未来を見た。それはエクスタリアが地に落ちる様子だった。それを危惧したシャゴットはせめて子供達だけでもエドラスから逃すように考えた。

 

だが、シャルルは不運なことに生まれたと同時にシャゴットと同じような「予言」の力が目覚めてしまった。その力を無意識に使ってしまいありもしない使命を作り出してしまったのだ。

 

そうして事情を聞いたシャルルはすこし悩んだ末、エクシード達を認めた。

 

そしてエクシード達は飛び立った。いつでも会えると、約束して。

 

「俺達もギルドに戻ろうぜ。」しゅしゅしゅ

 

「皆にどうやって報告しよう。」しゅしゅしゅ

 

「いや・・・・みんな気づいてねぇんだろ?今回の件。」しゅしゅしゅ

 

「しかしミストガンのことだけは黙っておけんぞ。」しゅしゅしゅ

 

「みんな・・・・手・・・・」

 

「真面目に話してんだよな?ふざけてるわけじゃないんだよな?」

 

恐らく真面目な話をしているんだろうが、ずっと腕を上下に動かしているのでふざけてるようにしか見えなかった。

 

「ちょ・・ちょっと待て」

 

「どうしたガジル・・・・お前も真似してーのか。」

 

「それに価値があるならな!!」

 

「恐らく無価値だろうな」

 

ガジルは辺りを見渡し、誰かを探していた。

 

「リリーはどこだ?パンサー・リリーの姿がどこにも見えねぇ!!」

 

「オレならここにいる。」

 

「「「!!!」」」

 

「ちっちゃ!!」

 

「随分可愛くなったね」

 

「どうやらアースランドと俺の体格は合わなかったらしいな。」

 

「あんた・・・・体、何ともないの?」

 

「今のところはな。俺は王子が世話になったギルドに入りてぇ。約束通り入れてくれるんだろうな・・・・ガジル。」

 

「もちろんだぜ!!!!相棒(オレのネコ)!!!!」

 

「うわ・・泣いたッ」

 

「なんか不気味だな・・・・んで、その縄なんだ?」

 

思いっきり抱きしめ泣いてるガジルに、若干ひきながらそのリリーが持ってる縄について聞く。

 

「あぁそうだった。・・・・それとは別に、怪しいヤツを捕まえたんだ。来い。」

 

リリーはそう言って縄を引っ張る。引っ張られた人物はバランスを多少崩しながら、草むらから出てくる。

 

その人物に、その場にいた全員が目を丸くして驚いた。

 

「ちょ・・私・・・・別に・・・・怪しくなんか・・・・きゃっ。私も妖精の尻尾の一員なんだけど・・・・」

 

「リサーナ・・・・」

 

「なんなのこのネコ!!てかエクシード?」

 

「パンサー・リリーだ。」

 

「何だてめぇ、俺のネコにケチつけようってのか?ア?」

 

「なんでアンタがケンカ売ってんだよ・・・・つか、リサーナって確か・・・・」

 

「そんなまさか…」

 

「リサーナ!?」

 

困惑する面々。それもそうだ。既に死去しているはずの人物が、この世界に蘇ったのだからだ。

 

「なんで・・・・」

 

「もしかして、エドラスのリサーナが」

 

「こっちに来ちゃった訳〜!?」

 

「ど・・・・どうしよう」

 

どうなっているのかと困惑していく一同。しかし、そんな中でリサーナはなにかに気づいたかのように、ナツに視線を向ける。そして

 

「ナツ!!」

 

「どわー!!」

 

抱きついた。・・・・なんで?

 

「また会えた・・・・()()のナツに!ハッピー!!私よ!!リサーナよ!!エルザとグレイも久しぶりだね!!うわぁ懐かしいなぁ。その子達は新しいギルドのメンバーかしら?もしかしてルーシィ・・・・()()()ウェンディに・・・・()()()グラン?」

 

「・・・・大きいオレってどういうこと?ってか本物って・・・・?」

 

「ちょっと待て・・・・お前・・まさか・・・・アースランド(こっち)のリサーナ!?」

 

「・・・・・・・・うん。」

 

「っ!!!」

 

「なっ・・・・」

 

「うそぉ!?」

 

「えええーっ!?」

 

「生き返ったのかー!!!」

 

「うわーい!!」

 

リサーナのことで驚いたり、喜んだり様々な反応をしました。中でもナツとハッピーが喜びで抱きつこうとしたが、その時冷静になったエルザが二人の首根っこを掴んで阻止する。

 

「ま・・・・待て!お前は二年前に死んだはずだ。」

 

そう、こちらのリサーナは2年も前に死んだはずだった。

 

「・・・・私、死んでなんかなかったの。二年前、ミラ姉とエルフ兄ちゃんと3人で行った仕事の最中、私は意識を失った。多分、その時アニマに吸い込まれたんだと思う。当時、アースランドには小さなアニマが沢山あったんじゃないかな。」

 

恐らく、ジェラールが潰して回っていたものの一つだろう。

 

「エドラスで目が覚めた私は妖精の尻尾を見つけて驚いた。皆、少し雰囲気は違ってたけど、私の知ってる人達がそこにはいた。しかも、みんなが私をエドラスのリサーナだと思い込んでいたの。多分、本物のエドラスのリサーナは・・・・既に、死んでいるんだと思った。ギルドの雰囲気がね・・・・そんな感じだった。私は本当のことが言えなかった。エドラスのリサーナのフリをしたの。最初は戸惑ったけど、みんなに合わせて、自分の魔法を隠しエドラスの生活にも慣れてきた。そして、2年がすぎて・・・・今から六日前に、アースランドのナツとハッピーがやってきたの。」

 

「なんであの時本当の事言わなかったんだよ!!」

 

「・・・・言わなかったつうか、言えねぇだろうな」

 

「・・・・うん、そう。言えなかったの。エドラスの・・・・違う世界のミラ姉とエルフ兄ちゃんを二度と悲しませたくなかったから。もう、エドラスで生きていこうって決めてたの。だけど・・・・エドラスの全魔力がアニマに吸われて…元々アースランドの人間だった私も……」

 

「例外じゃなかった……って訳か?」

 

「・・・・うん。」

 

グレイの続けた言葉にリサーナは苦笑しながら頷く。

 

しばしの沈黙・・・・だが突然ナツが立ち上がりリサーナに手を伸ばし、告げる。早く行こうと、家族の元へ。

 

初めは困惑したが、それでも生きていた彼女を一刻も早く彼女をギルドの・・・・ミラとエルフマン(家族)の元へ送り届けたかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アースランド・カルディア大聖堂

 

「姉ちゃん、そろそろ行こう。」

 

「もう少し……」

 

一つの墓に佇む二人の人物。エルフマン、ミラジェーン。

 

リサーナの命日、その日には必ず花を置くために出向く。

 

今日がその命日だ。

 

「ミラ姉〜!!エルフ兄ちゃーん!!」

 

雨が降り注ぐ中、二人を呼びかける声が聞こえた。それはとても懐かしい、聞こえるはずのない声。二人は驚き、その声の方向を向けば、居ないはずの・・・・最愛の妹の姿を見た。一瞬困惑したが、すぐにその顔から涙がこぼれ落ち始める。

 

「ウソ・・・・リサーナ」

 

リサーナはミラジェーンに抱きつき、二人をエルフマンが泣きながら抱きしめる。

 

生きていた。その事実がとてつもなく嬉しく、嬉し涙が止まらない。

 

止まらない涙を流しながら二人はリサーナを暖かく迎え入れた。

 

「ただいま・・・・」

 

「おかえりなさい」

 

今日、この時からこの日は命日ではなくなった。代わりに祝いの日となった。

 

もう必要の無くなった墓を後にした。家族三人で。中身のない墓に別れを告げて。

 

 

 





という訳で、エドラス編終了です。ね、すぐに終わったでしょ?
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