FAIRY TAIL 〜『大地』の滅竜魔導士 〜   作:紅蓮大地

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第十三話 S級魔導士昇格試験

 

「・・・・よくもまぁここまで騒げるなぁ」

 

「あはは・・・・」

 

無事エドラスから帰ってこれた後、死んだと思われていたリサーナが生きていた事で、もはやギルド中が騒ぎ出し、仕事する気などなく飲めや食えやのお祭り騒ぎになった。

 

気持ちは分からんでもないが、もう少し落ち着いたらどうだろうか。まぁこれが妖精の尻尾らしいと言えばらしいが。

 

「・・・・騒がしいギルドだな」

 

「第一印象はみんな同じなのね」

 

「まぁいいとこだがな」

 

そして新たな仲間、パンサーリリーもこの騒ぎように度肝を抜かれている。まぁ当然と言えば当然だろうな。

 

後なんかガジルがネコ同士で勝負させようとして、何故か本人同士で喧嘩するという、まぁいつも通りな展開が起きた。

 

「・・・・あー、なんか懐かしいなぁと思ったらそういやぁオレ向こうでずっと一人だったなぁ」

 

「そういえば、グランはどうやってエドラスに来たの?」

 

「そこはほら、いつも通りジャンプして」

 

「説明になってないのよ」

 

「なるほど・・・・報告にあったエルザが戦ったもう一人の滅竜魔導士というのはお前の事だったのか」

 

「あー、ここに来てすぐに戦ったからなぁ」

 

「ほう?それは面白い事を聞いたな」

 

「エルザ!!」

 

「エルザさん・・・・いや、アンタとは戦わんぞ?」

 

グラン達が話しているところに、エルザも現れたがその目はとても好戦的な目をしていた。エルザの相手などもうごめんだと、手を上げるグラン。

 

「ふふふ、だがいつかは手合わせしたいものだ。お前の強さは聖天大魔導のジュラさんのお墨付きだからな」

 

「だからそれはあのおっさんの過剰評価だっての」

 

そんな話の最中でも、喧嘩は続きギルドのほぼ全員を巻き込んで行われた。

 

そんな騒ぎもほぼ1日中続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからまた日にちが経った年末のこと。あちこちで仕事、仕事と我先にと働いているギルドメンバー。その中にはナツやグレイの姿もあったが、グランは気にせず普通に仕事に行っていたりもしていた。

 

「よう、ウェンディにシャルル、それにリサーナ。なんの話してんだ?」

 

「あ、グラン!今ね、シャルルの予知能力について話してたの!!」

 

「ほーん、お前そんな事できるようになったんだな〜」

 

「そ、最近は少しだけコントロールができるようになったのよ」

 

「そりゃすげぇな・・・・んで?なに見てんの?」

 

「いやー、やっぱなんか違和感があって・・・・あのグランが大きくなってるなぁ〜って。」

 

「・・・・あっちのオレは一体・・・・いや、気にしないどこ」

 

まさか向こうではウェンディに過保護な扱いを受けているとは夢にも思うまい。

 

「それにしても騒がしいな、なんかあんのか?」

 

「うーん、なんだろうね?シャルルは何かわかる?」

 

「知らないわよ」

 

「あー、そっか。もうそんな時期なんだねぇ」

 

「なんか知ってんの?」

 

「んー、まぁすぐにわかると思うよ。」

 

「・・・・あ、そう?」

 

「そういえばグラン。お仕事お疲れ様!!大丈夫だった?」

 

「まぁ、ただモンスターを倒せってだけだったし・・・・あー、でもよく分かんないのに絡まれたなぁ」

 

「なにそれ。どんな奴よ?」

 

「奴っつうか小さい子供だったぞ?ウェンディより小さい。なんか“愛”がどうとか言ってずっとくっついてきて面倒だったが・・・・って何膨らましてんの?」

 

「・・・・別に」

 

嫉妬だ、気づけバカ。

 

 

そして翌日、妖精の尻尾のギルド内には多くの人が集まっていた。

 

「・・・・なんの騒ぎだ、これ?」

 

「あ、グラン!!」

 

「よう、ウェンディ、シャルル。んで、なんの騒ぎ?」

 

「マスターから何か重大発表があるんだって。」

 

「へー、なんだろうな」

 

「興味無いわ。」

 

何か発表があるらしいが、やはり何かは分からないそうだ。

だが、何名かはソワソワしたり、どこか落ち着きがない様子が見られた。

 

ザザン!!

 

と、奥にかかっていた垂れ幕が広がる。そこに居たのは、マスターとエルザとギルダーツ・・・・そしてミラの四人が立っていた。

 

「マスター!」

 

「待ってましたー!!」

 

「早く発表してくれー!!」

 

「今年は“誰”なんだー!?」

 

集まっていた者達が口々に声を出す。どうやら、殆どの人物がこの騒ぎの正体を知っているようだったが、グラン達はまだよく分かっていなかった。

 

「コホンッ!・・・・妖精の尻尾古くからのしきたりにより、これより

 

 

S級魔導士昇格試験出場者を発表する

 

 

オオオオオオオオオオオオ

 

マスターのこの発言により、妖精の尻尾中が声を荒らげる。

 

「なるほど・・・・最近妙に騒がしかったのはコレのせいか」

 

「今年の試験会場は、天狼島。我がギルドの聖地じゃ。」

 

おお──────────っ!!!

 

「S級試験って何をするんだろうね?」

 

「さぁ?シャルル、未来見れるか?」

 

「見れる訳ないでしょ」

 

気になったウェンディが、グランに尋ね、グランがシャルルに予知できるか訪ねるが、そんな遠くの未来見れる訳ないと言われた。結局、何なのかわかる訳なかった。

 

なんにせよ、きっとハードなことには変わりない。

 

「各々の力・・・心・・魂・・・・わしはこの1年見極めてきた。参加者は八名。

 

ナツ・ドラグニル 

 

「おっしゃあ‼︎‼︎」「やったねナツ‼︎」

 

 

グレイ・フルバスター

 

「やっとこの時が来た」 

 

 

ジュビア・ロクサー

 

「え?ジュビアが?」

 

 

エルフマン

 

「漢たる者S級になるべし‼︎‼︎「がんばってエルフ兄ちゃん」

 

 

カナ・アルベローナ

 

「・・・・・・・・」

 

 

フリード・ジャスティーン

 

「ラクサスの後を継ぐのは・・・・」

 

 

レビィ・マクガーデン

 

「私・・・・とうとう」「「レビィがキター!‼︎」」

 

 

メスト・グライダー

 

「メストだ!!」「昨年は惜しかったよなー」 」

 

「・・・・メストって誰よ?」

 

「さあ?知らないわ」

 

「みんな頑張れー」

 

発表された中に知らない人物がいてすこし不思議に思ったが、気のせいって事にした。

 

「今回はこの中から合格者を一名だけとする。試験は1週間後、各自、体調を整えておけい。」

 

「・・・・っ!!」

 

突然、何か驚くようなものでも見たような表情になるシャルル。グランとウェンディはすぐさまそれに気づく。

 

「どうかした?シャルル。」

 

「なんかあったか?」

 

「べ・・・別に・・・・」

 

だが、はぐらかされてしまったため、気のせいだと思って再びマスターの方へと視線を戻す。・・・・だが、グランは見逃さなかった。シャルルの顔が困惑に呑まれたのを。

 

「初めてのものもおるからのう。ルールを説明しておく。」

 

「選ばれた八人の皆は、準備期間の1週間以内にパートナーを一人決めてください。」

 

「パートナー選択のルールは二つ。一つ、妖精の尻尾のメンバーであること。二つ、S級の魔導士はパートナーに出来ない」

 

「なるほど、そりゃそうだな」

 

「エルザさんと一緒なら最強すぎるもんね」

 

「・・・・・・・・」

 

「試験内容の詳細は天狼島に付いてから発表するが、今回もエルザが貴様らの道を塞ぐ。」

 

「今回は私もみんなの邪魔をする係になりまーす♡」

 

その発表にざわめきだすメンバー。S級魔導士直々に邪魔をするとは、なるほど、ハードだ。

 

「ブーブー言うな。S級魔導士になる奴ァ皆通ってきた道だ。」

 

「あ、コレギルダーツさんも参加すんのか・・・・ふむ」

 

「戦ってみたいの?」

 

「まぁ・・・・・・・・多少は」

 

「・・・・アンタねぇ」

 

「選出された8名と、そのパートナーは一週間後にハルジオン港に集合じゃ。以上‼︎‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マスターの発表後、集まった一同はS級試験について話していた。

 

「アンタら初挑戦だったんだなぁ」

 

「そうよね、なんか意外だったわ。あんた達みんながなんて」

 

「大変そうですね」

 

「そういえば、みんなもうパートナーって決まってるの?」

 

「俺はもちろんハッピーだ。」

 

「あい。」

 

「ハッピーはズリィだろ!もし試験内容がレースだったら、空飛べるなんて勝負にならねぇ。」

 

「別にいいんじゃない?」

 

「俺も別に構わねぇよ、戦闘になったら困るだけだしな。」

 

「酷いこと言うねグレイ。オイラは絶対ナツをS級魔導士にするんだ‼︎‼︎」

 

「こればっかりは仲間といえど、絶対譲れねぇ‼︎‼︎こうしちゃいられねー!修行だー!!!」

 

「あいさー!!」

 

「・・・・なんか気合い入ってんなぁ。まぁS級云々はあんま興味ねぇけど・・・・ギルダーツさんとミラさんとは戦ってみてぇなぁ」

 

「お?なんだ、グラン?エルザは眼中にねぇのか?」

 

「・・・・いや、もうエルザさんの相手は懲り懲りだわ」

 

「そういえばグラン、エドラスで向こうのエルザさんと戦ったんだっけ?」

 

「うぇっ!?マジか!?よく無事だったな!?勝ったのか!?」

 

「んや、途中で隙見て逃げたよ。戦ってる場合じゃなかったし・・・・それにいちいち武器が変わって超めんどくさかったし・・・・できればもうやりたくねぇなぁ」

 

だからといって他のS級なら戦いたいと思うなら、コイツも大概戦闘狂だと思う。

 

「あの、ジュビアはこの試験を辞退したい」

 

「えぇ!?何で!?」

 

と、何故か急にジュビアがモジモジしながら試験を辞退すると言ってきた。何故モジモジするか、気になったがまぁすぐにわかった。

 

「だって・・・・・・・・様の・・パートナーに・・なり・・たい・・・・」

 

「何だって?」

 

「だから・・あの・・・・ジュビアは・・・・・・・・」

 

「あんたのパートナーになりたいんだって。」

 

「ア?」

 

「ホラ!!やっぱりルーシィが狙ってる‼︎‼︎」

 

「狙って無いわよ」

 

ほらね、やっぱり。

 

「悪いが、俺のパートナーは決まっている。」

 

「久しぶりだね、みんな。」

 

「・・・・誰よ?」

 

「おっと、そう言えば君とは初対面だったね、グラン。」

 

「あー、確かにな・・・・でも、正体は分かったぞ。獅子宮のレオだろ、アンタ。まぁよろしく。」

 

「あぁ、これから宜しくね。っと軽く自己紹介も済んだから話を戻すね。」

 

「昨年からの約束でな。」

 

「ルーシィ、悪いけど試験期間中は契約を解除させてもらうよ。心配はいらない、僕は自分の魔力で門ゲートを潜ってきた。だから君の魔法は使えなくなったりしないよ。」

 

「なんて勝手な星霊なの……?」

 

「・・・・どんまい」

 

ロキの行為で、ルーシィが困惑の表情を浮かべていた。流石にグランも同情した。

 

「でもおめェ、ギルドの一員ってことでいいのかよ。」

 

「僕はまだ、妖精の尻尾の魔導士だよ。ギルドの誇りをかけて、グレイをS級魔導士にする。」

 

「頼りにしてるぜ?」

 

「任せて。」

 

「……この二人ってこんなに仲良かったっけ?」

 

「・・・・どんまい」

 

「つーわけで、お前も本気で来いよ。久しぶりに熱い闘いをしようぜ。」

 

「っ!!」

 

「・・・・なんで顔赤くしてんの?」

 

「ちょっとお姉さん?」

 

「私がジュビアと組むわ!」

 

「本気かリサーナ!」

 

「私・・・・エドラスじゃジュビアと仲良かったのよ。それにこっちのジュビア・・・・何か可愛いんだもん。」

 

「リサーナさん・・・・」

 

「決定ね!」

 

まさかこの子もグレイ様を狙って・・・・

 

「・・・・重い愛だなぁ」

 

「ちょっと待てよリサーナ!それじゃあ、俺のパートナーが居ねぇじやねぇか!!」

 

「そう?さっきから熱い視線を送ってる人がいるわよ。」

 

「へ?」

 

「・・・・・・・・」じ〜〜〜

 

「・・・・なんであんなむくれてんの?あの人?」

 

「フリードがパートナーにビックスローを選んだ事にむくれてるみたいなの」

 

「エバーグリーン・・・・熱い・・・・って言うより石にされそうな視線じゃねぇか!!」

 

「・・・・まぁこれで大体決まったっぽいな・・・・レビィさんも、ガジルがパートナーにしたっぽいし」

 

「どうなるんだろうね?」

 

「さぁな、まぁオレらには関係ねぇ事だしなぁ」

 

こうして、誰をパートナーにするかの話し合いは幕を下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその日の夜、雪降るマグノリアの中をグランとウェンディとシャルルは歩いていた。

 

「どうしたのシャルル、朝からずっとおとなしいね。」

 

「ちょっとね・・・・何か嫌な予感がするのよ・・・・この試験とかいう奴・・・あんた達は参加しちゃ絶対にダメだからね。」

 

「私なんかパートナーにする人いないし、大丈夫だよ。」

 

「・・・・そうとも限らないっぽいぞ」

 

「え?」

 

「その通りだ・・・・天空の巫女。」

 

「あ・・えーっと、貴方は・・・・」

 

「俺はメスト。ミストガンの弟子だった。」

 

「ミストガンの弟子!?」

 

「・・・・つまりジェラールの?・・・・っつか、何してんの?」

 

急に現れたメストが、ミストガン・・・・ジェラールの弟子だと告げられ違和感を覚えるグラン・・・・だが、当の本人はなぜか上を向き口を大きく開けていた。

 

「君の事はミストガンからよく聞いている。」

 

「あ・・あの、何をしているんですか?」

 

「雪の味を知りたいのだ。気にしないでくれ。」

 

「なんなのこいつ」

 

「・・・・頭おかしいんじゃねぇの?」

 

「力を貸してくれないか。」

 

「それが人にものを頼む態度なの!?」

 

「やっぱ頭おかしいわ、コイツ」

 

「すまん、どうも俺は知りたいことがあると夢中になってしまう癖があるのだ。ウェンディ、君の力があれば俺はS級の世界を知ることが出来る。頼む、力を貸してくれ。」

 

「え・・・・でも・・・・私なんか・・・・」

 

「ダメに決まってるじゃない!!」

 

「・・・・・・・・・・・・知りたい。冬の川の中というものを俺は知りたい。」

 

そして、唐突にメストは川の中に飛び込んでいた。

 

「こんな変態に付き合っちゃ絶対ダメよ!!」

 

「コイツはウェンディに悪影響だな。よし沈めよう!!!」

 

「お、落ち着いてグラン!!!そ、それにこの人・・・・そんな悪い人じゃなさそうだよ?それに私、恩人だったミストガンに何一つ恩返しとか出来なかったし。 」

 

「エドラスを救ったじゃない!それで十分よ!!」

 

「でもそれは結果論でしょ?私の気持ち的には・・・・」

 

「ダメったらダメ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・で、結局喧嘩して、お互いに口を聞かなくなったと。」

 

「そういう事、意外と頑固なのよあの子」

 

「お前もな・・・・ところでグランはどうした?」

 

「・・・・私達が喧嘩してる最中にメストを沈めようとしたのがウェンディにバレて、それにウェンディがちょっと怒っちゃって

 

『グランの馬鹿っ!!』

 

って言われたのが心にグサッてきたみたいで・・・・ずっとあんな感じ」

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ズーーーーーーーン

 

 

S級試験が開始するまでの一週間・・・・ずっと沈んだままだったグランであった。

 

 

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