FAIRY TAIL 〜『大地』の滅竜魔導士 〜 作:紅蓮大地
今回は詰め込んだ。ハデス戦の最後まで詰め込んだ。多分読んでて長いと思う。だって自分も書いてて思ったもん。
「・・・・そうか、ギルダーツが戻ってきたのか」
「ああ・・・・これで残りの強敵はマスター・ハデスと七眷属の残りくらいだな」
アズマを撃破した後、皆がいる場所まで向かっていた。その時、ギルダーツが来た事と自分の知り得る情報を提供していた。
「それにしても、お前が来た時は本当に驚いたぞ・・・・そのおかげで、助かったがな」
「んや、多分俺が来なくてもエルザさんが勝ってたと・・・・んあ?」
そんな時、グランは少し離れたところでピンク髪の少女が黒髪の青年を背負いながら走っていて、それを地面を這いながら追っているジュビアの姿を見つけた。
「・・・・え?何してんの?」
「・・・・?どうした?」
「・・・・なんかジュビアが這いながら誰か追ってるっぽい・・・・なんか不安だからちょいと行ってくる」
「そうか、頼んだ」
そう言ってその場を離れ走り出すグラン。本当に頑丈な奴だ。
「 ま ち な さ い 」
「ひいーーーー!!何コイツー!!」
地面を這いながらピンク髪の少女・・・・メルディを追っているジュビア。メルディを追っている理由は、メルディが背負っている青年・・・・ゼレフを渡してもらう為、というかそうグレイに言われたから。
だが、ジュビアに争う意志は無い・・・・メルディと争いたくないからだ。それはメルディも同じのようだった。
「メルディー!!」
だが、そこに現れたのは・・・・グランに吹き飛ばされてほったらかしにされていたザンクロウだった。
「ザンクロウ!!?」
「ゼレフをどこへ連れてくつもりだってよォ」
「こ・・・・これは」
「やっぱり、てめェウルティアさんと一緒に裏切るつもりだったのか ア?」
「ちが・・」
否定しようとしたが、ザンクロウはもうそう決めつけていた為、聞く耳を持たなかった。
「てめェはもう
そう言って炎のブレスを放つ。咄嗟にゼレフを離してしまったメルディ・・・・そしてそんなメルディを守ろうと近づくジュビア・・・・だが、間に合わない。その時
「きゃっ!」「え・・・・?」
「うわっ、危なっ!」
間一髪その場に間に合ったグランが二人を担いで炎を避けるグラン。
「て・・・・てめェは!?」
「よう、炎神野郎・・・・随分と長い昼寝だったな?」
「黙れってよ!!・・・・今はてめえに用はねぇんだよ!!ウヒ、ウヒヒヒヒッ!ゼレフはオレ達のもんだってよォ、ウヒヒヒヒ」
そう言ってザンクロウは倒れている青年・・・・ゼレフを掴んだ。
「待って・・・・ゼレフはウルティアの未来・・・・私の・・・・未来・・・」
「・・・・あれがゼレフ・・・・それに未来って?」
「めでてぇ奴だな、いつまでそんな事言ってやがるって」
「ウルティアは約束した・・・・大魔法世界に行けば・・私の街が元通りになるって・・・・・・・・」
「その街を壊したのがウルティアさんだけどな」
「・・・・・・・・ッッ」
「・・・・よくわからんが、嫌なカミングアウトだな・・・・ん?」
高らかに笑うザンクロウ・・・・そのザンクロウが放った事実に絶望するメルディと事情はよく分からないが良いカミングアウトでは無いことが分かったグラン・・・・そして気づく。ザンクロウが掴んでいたゼレフの様子が少し変わったのを見た。
「・・・・アクノロギア」
「ア?」
「・・・・あー、まずい!!」
嫌な予感がしたグランは咄嗟にメルディとジュビアを庇うように抱き寄せた。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そして、目の前が真っ暗になった。
「・・・・・・・・・・・・あー何が・・・・ジュビアと・・・・えーっとメルディ?は無事か・・・・ザンクロウは」
時間が経ち、目を覚ましたグランはまず近くにいたジュビアとメルディの無事を確認した。そしてついでにザンクロウの安否も確認する・・・・しかし
「・・・・死んでる・・・・というか、ここ等一体が死んでる。・・・・あのゼレフの仕業か?」
とりあえずザンクロウを埋葬・・・・敵を聖地に埋葬するのも少しおかしい話だが、まぁ・・・・・・・うん。そこは気にしないどこう。
埋葬後、メルディとジュビアを安全な場所に移動させ、念のため防護壁のように土を建てる。
・・・・そして、感じた。
「・・・・・・・・ウェンディ?」
一瞬、ウェンディの身に何かが起きた事を。・・・・それがわかった瞬間、グランは駆け出した。
グランがゼレフにより気を失った時、ナツ、ルーシィ、グレイ、エルザ、ウェンディ・・・・そしてハッピーとシャルルとリリー達は悪魔の心臓のマスター・ハデスに戦いを挑んだ。
相手はマスター・マカロフをも凌駕する魔導士・・・・故に最初から全力で挑んだ。全員の全力の攻撃、一切の手加減なしの攻撃。・・・・だが、それでもハデスには届かなかった。それどころか、ハデスにとってはただの準備運動に過ぎなかった。
そしてとんでもない事実を告げた。
マスター・ハデスは・・・・かつての二代目
そんな事信じられないと、ふざけんなと言うナツ達だが、事実だと言うハデス。
そして、魔力の質が変わったハデスに徹底的に打ちのめされてしまったナツたち。魔法と踊るハデスの実力は、想像を遥かに上回っていた。
「妖精に尻尾はあるのかないのか?永遠の謎・・・・ゆえに永遠の冒険。・・・・ギルドの名の由来はそんな感じであったかな?」
「うう・・・・」
そんな事を言いながらナツに近づくハデス。そしてナツの頭を踏みつけるハデス。
「むぐ」
「しかしうぬらの旅はもうすぐ終わる。メイビスの意志が私に託され、私の意志がマカロフに託された・・・・しかし、それこそが間違いであった。マカロフはギルドを変えた」
「変えて何が悪い!!!」
「魔法に陽の光を当てすぎた」
「それがオレたち
変わる勇気がねえならそこで止まってやがれ‼︎‼︎」
そう啖呵をきるナツ。だがハデスにとってはただの戯れ言にしか聞こえない。
「やかましい小鬼よ」
ズドンっ
そう言いながらナツを撃つハデス。
「がっあぁっ」
「恨むならアカロフを恨め」
ズドンっ ズドンっ ズドンっ ズドンっ ズドンっ ズドンっ ズドンっ ズドンっ ズドンっ ズドンっ
何度も何度もナツを撃つハデス。何とか止めようとしようとするも、先程の猛攻で動けない他の皆。止めたくても、動かない体。
「マカロフのせいで、うぬは苦しみながら死ぬのだ」
「・・・・ハァー・・・・・・・・ハァー・・・・お前は・・ハァ・・・・ハァ・・・・じっちゃんの・・・・仇・・・だ・・・・」
「・・・・もうよい、消えよ」
とうとうハデスが魔力を込めて、ナツを消滅させようとする。その瞬間
ゴゴゴオオオオオオオン
一つの巨大な雷が船に落ちた・・・・その落ちた雷がナツとハデスの前に現れる。
「こいつがじじいの仇か・・・・ナツ」
「ラクサス・・・・」
この場に現れたのは・・・・ほんの少し前に妖精の尻尾を破門にされ、旅立ったはずのラクサスだった。
「
ラクサスの姿に、一瞬だけマカロフの影を見たハデスはラクサスの一撃をくらい少し吹き飛ぶ。
そしてさらに
ドゴォォォンッ!!
船の壁が破壊され、そこから更に乱入者が現れハデスに殴りかかる。
「ぬぐぅっ!?」
「ウェンディやったのはお前かゴラァァァァっ!!!」
「グランっ!!?」
「無事かウェンディ!!!・・・・・・・・とみんな」
「やっぱ私らはオマケか!!?」
ウェンディの危機を感じとり、凄い勢いで走り出したはいいが、どこにいるか全く分からず島中を走り回り、ようやく悪魔の心臓の船を見つけ、特に何も考えず壁を壊して突入したグランがいた。・・・・いや、しっかり心配してたよ?ウェンディ以外も・・・・多分。
「・・・・お前が、噂に聞く新しい滅竜魔導士か」
「・・・・あれ?あんたラクサスだっけ?オレはグラン。よろしく」
「あ、ああ・・・・」
いや、マイペースか・・・・いや、コイツは結構自由だったな。
「こやつ・・・・マカロフの血族か・・・・そやつは・・・・知らんな」
「まぁびっくり・・・・俺は眼中に無いらしい・・・・クソジジイめ」
「フッ、そうらしいな・・・・それにしても情けねぇな。揃いも揃ってボロ雑巾みてーな格好しやがって」
「・・・・だなっ」
「何故、お前がここに・・・・それにグラン、ジュビアは無事か」
「先代の墓参りだよ・・・・これでも
「無事だぞ・・・・ゼレフには逃げられたっぽいが」
「俺は
「え、アレ二代目なの?・・・・なら、そろそろ引退してもらわねぇと」
「ああ・・・・せっかくだから墓を作って、おがんでやるとするか」
「埋葬なら任せろ・・・・二度と出てこられねぇよう地中深く埋めてやんよ」
物凄い剣幕でハデスを睨みつける二人。そんな二人に対し、一つ小さなため息を放ったハデス
「やれやれ・・・・小僧に、こんな思い上がった親族と兵隊がいたとは」
睨み合う三者・・・・最初に動いたのはラクサスだった。ハデスを蹴り上げ、殴りつける。
吹き飛ばしたハデスに更に近づく殴りつけるグラン。床に叩きつけられたハデスを攻撃するラクサス。だがその攻撃はハデスに避けられてしまう。
逃すまいと、二人同時にブレスを放ち退路を断つ。
ハデスは空中に浮きながら、魔力の鎖を放つ。だがそれを難なく避ける二人・・・・だがハデスの狙いは他にあった。グランとラクサスの後ろにあった巨大な地球儀に鎖を突き刺し、それを振り回すハデス。それを正面から迎え撃ち地球儀を破壊するグラン。
「フンッ」
「くっ!?」
「うおっ!?」
ハデスは掌底を繰り出し、ラクサスとグランに魔力をぶつけていく。だが、それ自体にさほど威力は無かった。少し怯む程度だった・・・・だがそれが狙いだった。
ハデスはその怯んだ一瞬の時間で術式を作りだし、グランとラクサスの周りに魔力の帯を作り出す。・・・・そして
ドゴォォンッ
爆発が起きる。その爆風に巻き込まれて吹き飛ばされるナツたち。
と、その爆発の中から一筋の雷が飛び出し凄い速さでハデスの後ろに回る。爆発が起きる瞬間、自身の身体を雷に変え避けていたラクサスはそのままハデスにその勢いのまま蹴りを喰らわせる。
「かああっ!!?」
流石に避けきれなかったハデスはまともにくらい、吹き飛んだハデス。
そして、先程爆発した場所の床が少し盛り上がり、そこから勢いよくグランが飛び出し、ハデスを殴り上げる。
グランも爆発の瞬間床に潜り込み避けていたのだ。
「す・・・・すげぇ・・・・ってか、え?グランの奴、ここまで強かったのか?」
「ラ、ラクサスもここまで強いことに驚いたが・・・・まさかグランもこれ程までに実力が高かったとは・・・・」
殴り飛ばされたハデスはすぐに立ち上がりラクサスとグランを睨みつける。ラクサスとグランもハデスを睨みつける。・・・・だが
「ぐふっ・・・・」
「ゴホッ・・・・」
「ラクサスッ!!グランッ!!」
先ほどの魔法を避けきれず食らっていた二人は、床に膝をつけてしまう。
「・・・・世界ってのは本当に広い・・・・こんなバケモンみてーな奴がいて・・・・ガキのくせしてオレぐらい強ぇ奴がいるとは・・・・オレも、まだまだ・・・・」
「・・・・まぁ、世界ってそんなもんだしな・・・・あー、痛い」
「何言ってんだ、ラクサス!!!グラン!!!」
「・・・・やってくれたのぅ・・・・ラクサスとやら・・・・そして、そこの兵隊・・・・グランと言ったな・・・・うぬらは、もう消えよ!!」
確実に仕留めるために放った魔力・・・・その魔力は喰らってはダメだと、この場の誰もがかんじるほどだった。
「立て!!ラクサス!!グラン!!」
「・・・・あーらら、これはまずったな」
「オレはよぅ・・・・もう
「・・・・まっ、それが家族じゃねぇか?」
そう言いながらラクサスは床に向けて、魔力を込めていた。それをみたグランは己の身体を最大限まで固め、ハデスの魔力から自身とラクサスを守る。
「・・・・アンタも粋なことするなぁ」
「・・・・うるせぇよ」
そして
ゴオォンッ
物凄い爆風が放たれ皆吹き飛んでしまう。グランが盾になっていたとはいえ、まともに喰らった二人はそのまま吹き飛んでしまった。
「俺の・・・・奢りだ。ナツ。」
「え……?」
「ナツさん……?」
「ハァ・・・・ハァ・・・・ごちそう・・・・様」
その言葉と共に立ち上がったナツ。その体には不思議なことに帯電していた。まるで電気・・・・いや、雷を受けているように。
「俺の全魔力だ」
「自分の魔力をナツに!?」
「いや、本当凄いよね、うん」
「雷……食べちゃったの?」
ラクサスが全魔力をナツに与える。それはつまり、魔力がほとんどない状態でハデスの攻撃を受けた、ということになる。いくらグランがいたとはいえ、あの魔力では余波も相当の威力となる。
「何で・・・・俺に・・・・俺はラクサスより弱ぇ・・・・オレより・・・・グランにやった方が」
「強えか弱えかじゃねぇだろ。傷つけられたのは誰だ?ギルドの紋章刻んだやつがやらねぇでどうする?」
「・・・・それに、俺に雷属性は意味ねぇしな」
笑いながらそう答えるラクサスとグラン。・・・・そして
「ギルドの受けた痛みは、ギルドが返せ・・・・100倍でな。」
「オレの代わりに思う存分ぶつけてやれ」
「あぁ」
「炎と雷の融合・・・・雷炎竜」
立ち上がったナツの姿を見て、ボソリと呟くウェンディ。雷炎竜・・・・まさしくその通りの姿をした
「100倍返しだ・・・・うぉぉおおおおお!!」
ナツは声を荒らげながら全魔力を解放する。その力の前に、あのハデスも驚きを隠せていなかった、そして、雷炎竜のその圧倒的な力があのハデスを吹き飛ばせた。
「があぁぁぁぁ!!」
マスターハデスは殴り飛ばされ、壁へと叩きつけられ、頭を蹴られたと思ったら直後に雷が落とされる。
これが雷炎竜・・・・炎による攻撃の後に雷による追加攻撃が行われる。
「俺たちのギルドを傷つけやがって!!お前は・・・・消えろぉ!!」
炎と雷の攻撃。その破壊力は、船の底を破壊するほどの威力。
「ねあっ!!はっはー!!両手を塞いだぞォ!!」
その爆発から出てきたハデスの行った攻撃・・・・魔力で出来た鎖で両手を一纏めに拘束される。だが、そんなものは意味がなく、すぐさまナツに鎖を破壊されてしまう。
「な!?」
「雷炎竜の・・・・咆哮!!」
ドゴォォォンッ!!
「ぬ、があぁぁぁぁぁぁ!」
雷と炎が合わさったブレス。そのブレスはハデスを飲み込み、船の壁を破壊してそのまま天狼島まで、削っていく。
「ハァ・・・・ハァ・・・・ハァ・・・・ハァ・・・・」
完全に気絶しているハデス。これでようやく・・・・
「やった・・・・ぞ」
ブレスを放ち、フラついるナツ・・・・そのまま床の空いた穴に落ちそうになってしまう。それをルーシィが受け止めようと動く前に・・・・先に動いていたグランがつかむ。
「・・・・おつかれ」
「た、助かった・・・・もう完全に魔力がねぇや・・・・」
「これで、終わったな……」
「はい!」
全員が安堵した。やっと終わったと、全身から疲れが滲み出るようだった。グランはナツを一度ルーシィに預け、その場に座り込む。
「グランっ!大丈夫?」
「あぁ、ウェンディ。・・・・まぁなんとかな・・・・クソッ、あんのジジイめ。防御してもクソ痛かったぞ。・・・・おかげで魔力ほとんど持ってかれたしな!!!」
「・・・・お前本当に強いな・・・・まさかラクサスと一緒に戦えるとか・・・・」
「うるせぇよ、ったく。疲れ・・・・あー、嫌な予感」
「え?」
「・・・・大した若造共だ。」
グランが何かを見てそう言った直後・・・・聞こえてくる言葉に、全員が耳を疑った。その声が聞こえた方を向くと・・・・そこには確かに先程倒したはずのハデスの姿があった。
「マカロフめ・・・・全く恐ろしいガキどもを育てたものだ。私がここまでやられたのは何十年ぶりかのう。・・・・このまま片付けてやるのは容易いことだが、楽しませてもらった礼をせねばな。」
「ウソだろ……!?」
「あの攻撃が効かなかっただと……!?」
「・・・・あー本当・・・・めんどくせぇじじいだな、おい。」
ハデスはマントを羽織り、今までつけていた眼帯を外す。・・・・そして、その目を開く。
「悪魔の眼・・・・開眼!!!!
うぬらには特別に見せてしんぜよう
魔道の深淵・・・・ここからはうぬらの想像を遥かに超える領域」
「バカな・・・・」
「こんなの・・・・ありえない・・・・」
「・・・・気持ち悪りぃ魔力だな」
「こんな魔力は感じた事がない・・・・」
「まだ増幅していく・・・・」
先程以上に膨れ上がった異質な魔力。それぞれの顔に絶望が現れる。グランはなんか気持ちの悪い物を見る目で見ていた。・・・・コイツ大丈夫か?
「終わりだ、妖精の尻尾。」
「くそっ!!!動く力・・・・さえ、残ってねえ・・・・!!!」
「魔の道を進むとは、深き闇のそこへと沈むこと。その先に見つけたるや、深淵に輝く一なる魔法。あと少し・・・・あと少しで一なる魔法に辿り着く。だが、その“あと少し”が深い。その深さを埋めるものこそ大魔法世界、ゼレフのいる世界。今宵、ぜレフの覚醒とともに世界は変わる。そして私はいよいよ手に入れるのだ、“一なる魔法を”。」
「一なる魔法……」
「・・・・アズマのやつも言ってたな。・・・・ってなんだあの変な構え?」
グランが言うように、ハデスは腕を上げ、少々独特なポーズを取り出す。
「うぬらはいけぬ・・・・大魔法世界には。うぬらは足りぬ、深淵へと進む覚悟が。」
「なんだあの構えは……! 」
「・・・・ふざけてくれてたらいいんだけどな」
グランのそんなふざけた願いは・・・・次の瞬間、打ち砕かれた。
「ゼレフ書、第四章十二節より・・・・裏魔法
ハデスのその宣言とともに、周りの瓦礫に変化が起こる。手のひらに収まるような小さな瓦礫から、黒ずんだ何かが出てきた。そしてその黒ずんだ何かは徐々に・・・・徐々に形を変えていった。
手が生えて・・・・足が生えて・・・・だが、形はどれも様々な、とても歪な化け物が生成されていった。
「が・・・・ガレキから・・・・化け物を作ってるのか……」
「ひっ・・・・ひぃん・・・・ひっ・・・・」
「深淵の魔力をもってすれば、土塊から悪魔をも生成することが出来る。悪魔の踊り子にして天の裁判官、それが裏魔法。」
見た目は歪・・・・だが、一体一体が凶悪な魔力の塊。皆がそれを恐れて、恐怖していた。・・・・だが、この場に置いてこの圧倒的な絶望を前にしても恐怖しなかったものが、二人いた。ナツとグランだ。
グランはウェンディを・・・・ナツはルーシィを掴んだ。そしてナツが言う。
「なんだ・・・・こんな近くに仲間がいるじゃねーか。恐怖は“悪”ではない。それは己の弱さを知るという事だ。弱さを知れば、人は強くも優しくもなれる。俺達は自分の弱さを知ったんだ、だったら次はどうする?強くなれ!!立ち向かうんだ!!一人じゃ怖くてどうしようもないかもしれねーけど、俺たちはこんなに近くにいる。すぐ近くに仲間がいるんだ!!今は恐れることはねぇ!!俺たちは一人じゃねぇんだ!!」
ナツの激励に、仲間達が励まされる。グランは何も言わなかった・・・・だが、きっと思いは同じ・・・一人じゃない・・・・仲間がいるから、大丈夫だと。
「見上げた虚栄心だ・・・・だが、それもここまで。」
「行くぞぉ!!」
「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおお」」」」」」
ナツの言葉と共に全員が走り出す。目的はただ一つ・・・・ハデスを倒す・・・・その為に。
「残らぬ魔力で何が出来るものか・・・・踊れ、土塊の悪魔。」
その声とともにハデスの激しい攻撃が始まる。しかし・・・・ここにハデスの一つの誤算があった。
確かに皆、魔力をほとんど消費している。魔法など、ろくに使えない・・・・だから、この猛攻撃は避けられない。そう思っていた。・・・・だが、この場の誰よりも先に前に出て、その攻撃を全て受け切っているものがいた・・・・グランだ。
ハデスによって生み出された悪魔は・・・・全てガレキ・・・・土塊からできている。・・・・例え、裏魔法によって悪魔となったとしてもその元はただの
『大地』の滅竜魔導士には、全く意味がない攻撃だ。
流石に驚愕を示したハデス。そして、グランが盾となり、壁となっていたおかげで、他の皆はナツをハデスの元まで送ることができた。ルーシィとウェンディが投げ、エルザとグレイが自らの足を踏み込む足場となる。そしてハデスに突っ込んでいくナツ。
「全てを闇の底へ・・・・日が沈む時だ、妖精の尻尾。」
飛んでくるナツなど気にもとめない様子のハデス。ナツの攻撃に対しハデスが魔力をぶつけようとする。・・・・その瞬間、船が大きく爆発する。屋根が吹き飛び、部品が吹き飛び、船のパーツも吹き飛び・・・・もはや形を保っているのがやっとの状態だった。
そして、爆発が晴れると共にマフラーが宙を舞う。そこで皆が見たのは・・・・ハデスを殴りつけるナツだった。
「ナツ!! 」
「ば、馬鹿な!!裏魔法が効かぬのか!?ありえん!私の魔法は……!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
パンチを更にハデスの顔面に叩きつけるナツ。止まらない攻撃。止められない攻撃を喰らい続けるハデス。と、そんな時。
「……あれ?」
「どうした、ウェンディ?」
ウェンディが何かに気づいたかのように、視線を別方向に向けていた。その視線を追って皆が同じ方向を向いた。
「なっ、そんな・・・・天狼樹が元通りになっている!?」
倒れていた島の巨木天狼樹。・・・・確かそれは1度アズマによって倒されていた・・・・だが何故か元通りになっていた。
そして、天狼樹が元に戻ったということは・・・・それはつまり
「魔力が元に……」
「戻っていく!」
「これなら・・・・行ける!!」
「おおおおおおおおおおお!!勝つのは俺達だーーーっ!!」
「否ー!!」
ナツの言葉を否定するように、ハデスはナツを殴り飛ばす。
「魔道を進む者の頂きに、辿り着くまでは・・・・悪魔は眠らない!!・・・・いがっ!!」
更にそんな事を言うハデスを否定するように、ラクサスがハデスを殴り飛ばす。
「いけぇ!!フェアリーテイル!!」
そして、本当に・・・・本当の決着をつける為、全員が動き出す
「契約まだだけど・・・・開け!磨羯宮の扉!カプリコーン!!」
「うぬは・・」
「ゾルディオではありませんぞ。
「グホォっ!?・・・・ぐぬぅ!?」
ルーシィの新たな星霊・・・・カプリコーンが攻撃し。
「見様見真似!天竜の翼撃!!」
「おああああああ」
ウェンディがハデスを大きく吹き飛ばし。
「
「ぐはあっ!?」
グレイの攻撃でハデスを氷に閉じ込め
「天輪・
「ガッ・・・・ハッ・・・・っ!?」
エルザが氷を砕きながら、ハデスを斬りつけ
「地竜の大鎚!!!!」
「・・・・・・・・・・・・っ!!?」
そして、グランが床に叩きつけ、吹き飛ばす。その吹き飛んだ先には・・・・右手に炎・・・・左手に雷を携えたナツがいた。
「うおおお!!
滅竜奥義・・・・改!!紅蓮爆雷刃!!」
もうほとんど悲鳴すらも上げられず、魔力もほとんどない状態でくらった滅竜奥義。まともにくらったマスター・ハデスは綺麗に吹き飛ばされ・・・・とうとう完全に伸びていた。
それはつまり・・・・この戦いに
「────────これが俺達のギルドだァっ!!!」
というわけで、VS悪魔の心臓編は終了・・・・そして、次回いよいよ奴が島にやってくる。