FAIRY TAIL 〜『大地』の滅竜魔導士 〜   作:紅蓮大地

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第二十一話 ポーリュシカとグランディーネ

 

グラン達が帰還して2週間・・・・その間、フィオーレ中にその情報が広がっていた。

まぁそんなことは置いといて、グラン達はロメオからとあるギルドのことを聞かされていた。

 

「セイバートゥース?」

 

「剣咬の虎・・・・セイバートゥースさ。それが、天馬やラミアを差し置いて現在フィオーレ最強の魔導士ギルドさ。」

 

「聞いたことねぇな。」

 

「七年前はそんなに目立ってなかったんだ。」

 

「って事はこの7年で急成長したのか。」

 

「ギルドのマスターが変わったのと、ものすごい魔導士が6人加入したのが強くなったきっかけだね。」

 

「たった6人でそんなに変わるものなの?」

 

「・・・・ぶっちゃけどうでもいい」

 

「ほおう、いい度胸じゃねぇか。」

 

「因みに私達のギルドは何番目くらいなんですか?」

 

「それ聞いちゃうの?」

 

「ウェンディ、聞くまでもないでしょ……」

 

「・・・・察してあげろ」

 

「え?」

 

ウェンディのその質問で、一部が苦い顔をする 。・・・・まぁ、主力のメンバーが天狼島で眠ってたし・・・・ねぇ?

 

「最下位さ。」

 

「超弱小ギルド。」

 

「フィオーレ1弱いギルド。」

 

「ああああ……ごめんなさい……」

 

「ウェンディは悪くない・・・・まぁ予想通りだったけど」

 

謝るウェンディを宥めながら、サラッと毒を吐くグラン。と、突然ナツが立ち上がり笑いだす。

 

「かーはっはっはっ!そいつはいいっ!!面白ぇ!!」

 

「は?」

 

「だってそうだろう!?上に登る楽しみがあと何回味わえるんだよォ!!燃えてきたァー!!」

 

「やれやれ・・・・」

 

「・・・・まぁ、その通りではあるな」

 

ナツのそんな言葉に、呆れるグレイと賛同するグラン。

 

「ねぇ、あんたらギルダーツ見なかった?」

 

「なんだよ、いつもパパが近くにいねーと寂しーのか?」

 

「バカっ!!」

 

「あ!悪ぃ……」

 

「ううん、いいよ気にしなくて。」

 

「・・・・やっちまったな、グレイ?」

 

「うるせぇ・・・・」

 

「ギルダーツならマスター・・・・いや・・マカロフさんと呼ぶべきか……」

 

「マスターでいいんじゃない?」

 

「マスターと()妖精の尻尾に向かったぞ。」

 

「よーし・・・・じゃ・・今の内に仕事行っちまうか!」

 

そう言って、カナは酒樽を持ってそそくさと仕事に向かっていった。

 

「・・・・そういやぁ、あのギルドの下って何があんだろうな」

 

「え?下って?」

 

グランがボソッと言った事に反応するウェンディ。

 

「んや・・・・なんか地面の下からたまに妙な魔力を感じるっていうか・・・・まぁ気のせいだと思うんだが」

 

「何よそれ?」

 

まぁ気のせいだという事で今の言葉を取り消すグラン。・・・・だがまさか、ギルドの下にあんなものがあるとは・・・・この時のグランは思っても見なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マ、マジ・・・・で?」

 

「俺らだって7年間何もしてなかった訳じゃねぇ。それなりに鍛えてたんだ。」

 

地面に尻餅をついているナツ、そして立っているマックス。なんでこんな事になったかって?今からでも鍛えようとしたナツがとりあえずマックスに戦いを挑んだのだが・・・・まさかの手も足も出ないという七年前まではありえなかったその光景が起きてしまった。

 

「ナツさんが……」

 

「マックスに勝てないの?」

 

「もう一度だオラァ!!うおおおおおお!!」

 

激しくラッシュを決めに行くナツ。しかしその全てをマックスは避けていく。

 

その合間に、周囲の砂を使うマックスの魔法が使われる。

 

砂の反乱(サンドリベリオン)!!」

 

「うあぁ!!」

 

砂の一撃が、ナツを吹き飛ばす。だが、タダでやられるナツではない。

 

「燃え尽きろぉ!!」

 

炎を出して、ナツはマックスの砂を吹き飛ばし返す。その砂達は周囲に散って軽い砂煙が上がっていた。

 

「うわぁっ・・・・あ、ありがとグラン」

 

「助かったわ」

 

「・・・・ジャリジャリ・・・・ゴックン・・・・何、気にすんな」

 

「ケホケホ!ちょっと、こっちも助けてよ!!」

 

「ナツー!頑張れー!!」

 

ウェンディとシャルルにかかりそうだった砂をグランが食べてしっかりと守り、ルーシィの方へ行った砂は放っておいた。

 

ナツはそのままの勢いでマックスに向かう。

 

「火竜の・・・・鉄拳!!」

 

砂の防壁(サンドウォール)!!」

 

しかし、ナツの攻撃はマックスに封じられてしまう。

 

「ぬうぅ・・・・」

 

「七年前とは違うぜ」

 

「信じらんねえ!あのマックスがっ!!」

 

「ナツを押してんのか!?」

 

「ひょっとして俺達もナツに……」

 

ギャラリーが沸き立つ。もしかしたら自分も・・・・と。だが、ナツは魔力をどんどん上げていく・・・・そして。

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!モード雷炎竜!!」

 

「っ!!?」

 

「まさか!」

 

「おお、派手だね〜」

 

「雷炎竜の━━━」

 

「ちょ、なんだよそれ……!」

 

「咆哮ォォ!!」

 

口から出されるブレス。流石にハデス戦の時のような破壊力は無いが、それでも山の地表を少し削りかなり遠くまでそれが続いていた。

 

「クソォ!あのときほどのパワーは出ねえな!!」

 

「いつの間に自分のモノにしたの!?」

 

「今。」

 

「すごい・・・・」

 

「・・・・これ、どこまでいったんだろ?」

 

「ま・・・・参った・・・・降参だ・・・・あんなの食らったら死ぬって」

 

雷炎竜の力を見せつけられ、ナツに降参を申し出るマックス。そらそうだ。

 

「次はどいつだ。」

 

「ヒィー!!」

 

「やっぱつえぇ!!」

 

「バケモンだァ!!」

 

「かーっかっかっかっ!」

 

笑い声をあげた瞬間に倒れるナツ。

 

「やっぱり魔力の消費量がハンパないんだ。」

 

「ナツ、それ実戦じゃ使わない方がいいよ。」

 

「でもマックスさんも凄いです。」

 

「砂、美味しかったぞ」

 

「世辞なんかいらねぇよウェンディ・・・・グランに至っては世辞ですらねェし」

 

「だけど、そのくらいの力があったらオウガに好き勝手やられることもなかったんじゃないの?」

 

「そうかもしれねぇが……」

 

「金が絡んでたからなぁ。」

 

「力で解決する訳にもいかんでしょ。」

 

「マスター達はやっちゃったけどね。」

 

「……だな。」

 

「全く、金の事を力で解決するとは・・・・」

 

「いやアンタもやってたでしょ!!」

 

「アレは向こうのギルドの信条に従っただけだもん」

 

「ダメだよ、グラン」

 

「ごめんなさい」

 

「いや謝んのはやぁ!?」

 

「しかし、こいつァ思ったより深刻な問題だぞ。」

 

「グレイ!」

 

「元々バケモンみてーなギルダーツやラクサスとグランはともかく・・・・俺達の力はこの時代についていけてねぇ……」

 

「確かに……ナツでさえあのマックスに苦戦するんだもんね。」

 

「あのマックスさんに。」

 

「さっきのは本当に世辞だったのか!?」

 

「なんか一気に魔力を上げられる方法ないかなぁ……」

 

「・・・・ねぇ、なんで“化け物みてーな”のところにオレがいたのに誰も突っ込んでくれないの?ねぇ、ちょっと?目逸らさないでくれない?・・・・ねぇ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つーわけで。」

 

「帰れ。」

 

とある森の中、巨大な木の幹を家としている者がいる。妖精の尻尾の顧問薬剤師のポーリュシカという女性である。

 

まぁ、いざ訪ねてみるとその扉は話を聞く前に閉じられちゃったけどな。

 

「ポーリュシカさん、なんかいい薬とかないんですか?」

 

「一気に力が100倍になるのとかー!」

 

「流石に都合よすぎかぁ……」

 

「・・・・」

 

「どうしたのウェンディ?」

 

「ううん……」

 

「・・・・どこか気分でも悪いのか?」

 

「うんん、大丈夫。」

 

どこか俯きぎみなウェンディを気にかけるシャルルとグラン。と、そんな時、ポーリュシカの閉じた扉が再び開く。

 

「お♡」

 

「人間は嫌いなんだよ!!帰れっ!!帰れーっ!!しーっしーっ!!」

 

出てきたかと思えば箒を振り回して追い返そうとするポーリュシカ。

 

「失礼しましたー!!」

 

「なんだよあの婆ちゃん!!」

 

「じーさんの昔の恋人・・・・「違うわボケ!!」」

 

追い返される中、ウェンディはポーリュシカの方に視線を向ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もぉー、誰よポーリュシカさんのとこ行こうって言い出したの〜…」

 

「ルーシィ……」

 

「とんでもねぇばーさんだな。」

 

全力で走って逃げてきた一同。息を切らせながら、一旦離れたところで休憩していた。

 

「人間嫌いとは聞いていたけど……あそこまでとはね。」

 

「オイラ猫なんだけどなぁ……」

 

「面白いばーさんだったがな。なぁ、ウェンディ。・・・・ウェンディ?」

 

と、ウェンディに同意を得ようとするが、ウェンディはなぜか肩を震わせていた。

 

「どうした、ウェンディ、大丈・・・・ウェンディ!!!!????」

 

「ちょ、どうしたの!?」

 

ウェンディは涙を流していた。流石のグランも驚愕の表情を浮かべ・・・・ポーリュシカの家を沈めてやろうと、心に決めた。

 

「あんのばっちゃん!ウェンディを泣かしたなぁ!!」

 

「違うんです…懐かしくて……」

 

「ん?・・・・懐かしい?」

 

「会ったことあるの?」

 

「ううん・・・・今さっき、初めてあったはずなのに・・・・懐かしいの・・・・あの人・・声が・・・・匂いが・・・・天竜(グランディーネ)と同じなんです」

 

ウェンディから発せられる衝撃の言葉。その衝撃と疑問だけが一同にはしった。

 

「あのばーさんがグランディーネ!?」

 

「ウェンディの探してるドラゴンと同じ声?」

 

「・・・・マジか?」

 

「ウェンディ、本当か?」

 

「分かりません。でも・・・・あの匂い・・・・あの声・・・・私のお母さん、天竜グランディーネと同じなんです。」

 

「こいつはちょっと確かめに戻る必要があるな。」

 

「待てよ。もし本当にグランディーネか化けてるとしても、少しおかしくねぇか?」

 

「そうだよ。ナツやウェンディ・・・・ついでにガジル。あんたたちのドラゴンが姿を消したのは確か7年前・・・・正確には14年前。X777年。ポーリュシカさんはそれよりも前からマスターと知り合いなのよ?つまり、ドラゴンがいた時代とポーリュシカさんのいた時代が被るのね。これじゃ辻褄が合わないわ。同一人物のはずが無い。」

 

ルーシィの言葉に少し落ち込むウェンディ。そしてルーシィを睨むグラン。

 

「生まれ変わりとか化けてるって線は無さそうだな。」

 

「うん・・・・あの、ごめんなさい。ただの考えなんです。だからそんな目で見ないで・・・・」

 

「確かに、落ち着いて考えてみればそうなんです。おかしいんです。声や匂いが同じでも口調や雰囲気が全然違う……」

 

「なるほど、確かに違うな」

 

「おいっ」

 

「あんた前に言ってたもんね、グランディーネは()()()()()って」

 

「どーしよう、猫は嫌いだったら」

 

「グランディーネは優しいドラゴンなんです」

 

「優しいドラゴンってのも想像出来ねーな。」

 

「アクノロギアを見ちゃったからね……」

 

「イグニールも優しいぞ。」

 

「優しくなくて悪かったね。」

 

そして、色々と考察をしていたグラン達の前に突如として現れるポーリュシカ。いきなり声を出したので、グレイとルーシィは驚いていた。

 

「ポーリュシカさん」

 

「びっくりしたぁ〜」

 

「・・・・隠しておくこともないね、あんたらだけに話しておくよ。」

 

そう言ってグラン達・・・・特にウェンディと目を合わせるポーリュシカ。

 

「私はあんたの探してるグランディーネじゃない。正真正銘人間だよ。」

 

「でも人間嫌いって……」

 

「人間が人間嫌いで文句あるのかい!!?」

 

「いえッ」

 

「悪いけど、ドラゴンの場所は知らない。私とドラゴンとは直接には何の関係もないんだ。」

 

「じゃあ、あなたは一体……」

 

「こことは違うもうひとつの世界、エドラスのことは知ってるね?アンタらもエドラスでの自分に会ったと聞いてるよ。」

 

「エドラスって……」

 

「まさか……」

 

「オレ会ってないけど・・・・」

 

「黙ってなさい」

 

「え、何?」

 

この世界(アースランド)の人間から見た言い方をすれば・・・・私はエドラスのグランディーネという事になる。何十年も前にこっちの世界に迷い込んだ。」

 

この言葉に、全員が驚いた。

 

「私は、ひょんなことからマカロフに助けられてね・・・・私もすっかりアースランドが気に入っちゃったもんだから、エドラスに帰れる機会は何度かあったんだけど私はここに残ることにした。」

 

「もしかしてイグニールやメタリカーナも、向こうじゃ人間なのか!?つーかこっちにいるのか!?」

 

「知らないよ、会ったこともない。けど・・・・天竜とは話したことがある。」

 

「え!?」

 

「会ったわけじゃない、魔法かなんかで私の心に語りかけてきたんだよ。」

 

そう言いながら、ポーリュシカは懐を探して、一束にまとめられた書類を取り出してウェンディに渡す。

 

「あんたら“強く”なりたいって言ってたね。そのウェンディって子だけなら何とかなるかもしれないよ。天竜に言われた通りに書きあげた魔法書だ。二つの天空魔法“ミルキーウェイ” “照破・天空穿”アンタに教えそびれた滅竜奥義だそうだ。」

 

「グランディーネが私に……」

 

「会いに来たら渡してほしいとさ。その魔法はかなりの高難度だ。無理して体を壊すんじゃないよ。」

 

そう言って、さっさと帰っていくポーリュシカ。

 

「ありがとうございますポーリュシカさん!グランディーネ!!

 

そんなポーリュシカに対して、頭を下げるウェンディ。そして、グランディーネにも礼を言う。

 

その時・・・・ポーリュシカの顔に笑顔が浮かんでいた事に、誰も気づかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・あのばーさん、笑えたんだな〜」

 

「何がよ?」

 

「・・・・んや、別に」

 

・・・・いや、一人を除いて・・・・だな。

 

 

 

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