FAIRY TAIL 〜『大地』の滅竜魔導士 〜   作:紅蓮大地

3 / 68
第二話 連合軍

 

────それから月日が流れた。

 

あの後、しばらく旅を続けていた三人だったが、ジェラールが今よりもっと危険な旅に出るらしく、グランとウェンディを連れて行けなくなるという事になってしまい、急遽別れる事になった。

 

グランは納得したが、ウェンディが納得できずにいた。そこでジェラールはウェンディとグランを魔導士のギルドに案内するといい、案内されたギルドが【化け猫の宿(ケット・シェルター)】というギルドである。

 

そこからまぁまた色々あって今現在は、とあるギルドを討伐する為の連合軍の集合場所にグランとウェンディが共に向かっていた。

 

「もうすぐだよ!グラン!早く行こ!」

 

「・・・・別に集合場所が逃げる訳じゃねぇんだからそんな慌てるとこけるぞ」

 

今回の目的は【六魔将軍(オラシオンセイス)】という闇ギルドを討伐する為、【妖精の尻尾(フェアリーテイル)】、【青い天馬(ブルーペガサス)】、【蛇姫の鱗(ラミアスケイル)】、そして【化け猫の宿(ケット・シェルター)】の四つのギルドで連合軍を結ぶ事になり、グランとウェンディはその連合軍の討伐隊に行く事になったのだ。

 

そして今集合場所に到着したのだが、誰も気付いてない。いやなんか話をしてるっぽい。

 

「もう皆さん集まってる!私達も行かないと!」

 

「だから、そんなに急ぐと「きゃあっ!」・・・・転ぶぞって言う前に転んだなぁ」

 

案の定急いだ結果転んでしまったウェンディに駆け寄り手を出すグラン

 

「ほら、大丈夫か?」

 

「ちょ、ちょっとだけ痛いけど、ありがと、グラン」

 

グランの手を取り立ち上がり、服の汚れなどを乱れがないかを確認するウェンディ。そしてその場にいる全員に顔を向けて挨拶をする。

 

「遅れてごめんなさい。化猫の宿から来ましたウェンディです。よろしくお願いします!!」

 

「同じく、グランだ。よろしく」

 

「子供!?」

 

「しかも二人だと……?」

 

「・・・・グランだと」

 

「ウェンディ?」

 

この場にいた各々がそれぞれ別の反応を示す。その中で、ジュラはグランを、ナツはウェンディの名を聴き反応する。

 

「これですべてのギルドが揃った。」

 

「話進めるのかよ!!!」

 

「・・・・あのよく分からん被りもんしたおっさん、どっかで見た事あんなぁ。」

 

「グ、グラン!ダメだよ、そんな事いっちゃ!」

 

グランがジュラに対してやや失礼な事を言い、それをウェンディが慌てながら止めている中、連合軍の面々は思うところがあるのか一部は少し渋い顔をしていた。

 

「この大掛かりな討伐作戦にこんなお子様達を寄越すなんて……化猫の宿はどういうおつもりですの?」

 

「━━━あら、二人じゃないわよケバいお姉さん。」

 

そう言って、二人の後ろから一匹の猫が姿を現した。

 

「シャルル!?付いてきてたの!?」

 

「当然よ、グランもいるけど、それでも不安なのは変わらないもの。」

 

「まぁ、確かにさっきも転けてたしな」

 

「ほらやっぱり」

 

「グラン!もうー、言わなくていいよ!」

 

「ネコ!!!」

 

・・・・あぁ、猫は普通喋らねぇか・・・・、と考えてたグランはふともう一匹・・・・もう一人?シャルルと違い青い体のネコを見つけた。シャルルを熱い視線で見ていたが、そっぽ向かれてる。

 

「あ、あの……私、戦闘は全然出来ませんけど……皆さんの役に立つサポートの魔法いっぱい使えます……だから、仲間はずれにしないでください〜!」

 

「そんな弱気だから舐められるのよあんたは!!」

 

「すまんな、少々驚いたがそんなつもりは毛頭ない。よろしく頼む、ウェンディ。」

 

緋色の髪の女性、エルザ・スカーレットが微笑みながらウェンディと話す。

ウェンディは憧れの魔導士と会えたことで感激していた。青い猫はハッピーと言うらしい、ネコマンダーの。で、やっぱシャルルに無視されてるが、照れてると解釈したらしい。

 

「すまんが……君は何が出来る?」

 

そしてエルザはグランに視線を向け、同じように微笑みながら尋ねてくる。グランは、正直めんどくさかったがそれはそれでめんどくさそうだったので、少し考えてから己の魔法を説明しようとした。・・・・すると

 

「いや、エルザ殿。グラン殿の強さはワシが知っている。故に彼については後で改めよう」

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

「・・・・あ?」

 

この場にいる全員が今のジュラの言葉に耳を疑った。聖十大魔導の一人であるジュラ・・・・その実力はこの場の誰よりも高いという事。そんな彼が強さを認める、これほど驚くことはない。

 

「ジュラさん、彼を知っているのか?」

 

皆を代表する様に、同じギルドのリオンが彼に聞く。

 

「ああ、ほんの一年程前、勘違いで彼と戦いとなり、ワシの魔法では()()()()()()()()()。」

 

「なっ!ジュラさんが!?」

 

今度は言葉が出なかった。だが、当の本人が負けたと告げている。一体この少年は何者なのか、この場の全員が疑問に思った。

 

「・・・・あっ、あん時のオッサンか!・・・・ってちょっと待て、違うだろ、おい」

 

「む?何か違ったか?」

 

その話は違うと、グランは言い別に違いはないとジュラは言う。

 

「アンタの魔法は俺に()()()()()()、俺の魔法はアンタに()()()()()()()、だ。結果として俺のがボロ負けしてんだよ。」

 

「・・・・ふむ、だが結果としてそなたにワシの魔法が通じなかった、というのは変わらないではないか?」

 

「それこそ相性だろ、魔法の。アンタの魔法が違ったらもっとボロ負けだったぞ」

 

「フフフ、だがグラン殿。そなたの強さは変わらんよ」

 

「・・・・へーへー、もういいや。・・・・ん?ウェンディどこだ?」

 

これ以上何言っても無駄だと悟ったグランは、早々に話を切り上げたが近くにウェンディがいない事に気づき辺りを見回すと、グランの話に最初こそ驚いたが男の話に興味がなくなった青い天馬の三人組がウェンディを囲んで接待していた。

 

「さ・・・・お嬢さんこちらへ・・・・」

 

「オレンジジュースをどうぞ」

 

「えっ・・あの・・」

 

「おい色モノホストども。ウェンディにちょっかいかけんじゃねぇよ、沈めんぞ、あぁ?」

 

すぐさまウェンディを引き寄せて睨みをきかせるグラン。青い天馬のメンバーにも軽く睨まれていたが、全く引き下がらずに睨みを続けた。

 

「止めないか、君たち✨・・・・さて、全員が揃ったのだ、私の方から作戦の説明をしよう✨━━━と、その前にトイレの香り(パルファム)を……✨」

 

「オイ」

 

「そこにはパルファム付けるなよ……」

 

「・・・・トイレのパルファムってなんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夜がトイレに行き、しばらくして戻ってきてから青い天馬による今回の作戦の説明が始まった。

 

「ここから北に行くと、ワース樹海が広がっている。古代人達はその樹海に、ある強大な魔法を封印した……その名は、ニルヴァーナ。」

 

「?」

 

「ニルヴァーナ」

 

「聞かぬ魔法だ」

 

「ジュラ様は?」

 

「いや・・・・知らんな」

 

この場にいる天馬以外の魔導士は聞いたことのない魔法にざわめきだした。聖十大魔導のジュラでさえ聞いたことのない魔法だ。

 

「グラン・・・・知ってる?」

 

「さぁ?マスターなら知ってんじゃねぇか」

 

「古代人達が封印するほどの破壊魔法という事だけは分かっているが……」

 

「どんな魔法かは分かっていないんだ。」

 

「六魔将軍が樹海に集結したのはきっと、ニルヴァーナを手に入れるためなんだ。」

 

「我々はそれを阻止するために、六魔将軍を討つ‼︎‼︎」

 

「こっちは13人、敵は6人……だけど侮っちゃいけない。この6人がとんでもなく強いんだ。」

 

そう言って青い天馬が一人、ヒビキが自身の魔法を使い六人の人物の写真を映し出す。

 

「毒蛇を使う魔導士コブラ、その名からしてスピード系の魔法を使うと思われるレーサー、天眼のホットアイ、心を覗けるという女エンジェル、情報が少ないがミッドナイトとよばれている男、そして奴らの司令塔ブレイン。

それぞれがたった一人でギルドの一つくらいは潰せるほどの魔力を持つ。我々は数的有利を利用するんだ。」

 

「あ、あの……私は頭数に入れないで欲しいんだけど……」

 

「私も戦うのは苦手です……」

 

「ウェンディ!弱音吐かないの!!」

 

「まぁ落ち着けってシャルル」

 

敵の魔導士の強さを聞き、戦闘力に自信のない二人・・・・フェアリーテイルのルーシィとウェンディが少々弱気な発言をして、シャルルがそんなウェンディに少し怒鳴り落ち着かせるグラン。

 

だが、そんな二人を安心させる為、一夜がある情報を提供する。

 

「安心したまえ、我々の作戦は戦闘だけにあらず✨奴らの拠点を見つけてくれればいい✨」

 

「拠点?」

 

一夜の言葉に、蛇姫の鱗(ラミアスケイル)のリオンが疑問を抱く。しかし、その疑問は青い天馬のレンによって解消された。

 

「今はまだ奴らを捕捉していないが、樹海には奴らの仮設拠点があると推測される。」

 

「もし可能なら、ヤツら全員をその拠点に集めてほしい。」

 

レンの言葉に続けるように言った一夜の言葉で妖精の尻尾の面々がそれぞれの反応を示す。

 

「どうやって?」

 

「殴ってに決まってんだろ!」

 

「結局戦うんじゃない……」

 

「集めてどうするのだ?」

 

その疑問に答えるように、少し自慢げに青い天馬の面々は対策を話す。

 

「我がギルドが大陸に誇る天馬、クリスティーナで拠点もろとも葬り去る!!」

 

「おお!?」

 

「魔導爆撃艇!?」

 

魔導爆撃艇を用いるということに驚きつつも、それを使わなければならないほどの相手だという事を面々は同時に思い知らされていた。

 

「・・・・馬が飛ぶなよ、陸を行け陸を」

 

「そこじゃないわよ、ツッコむところは」

 

グランだけは、全く別の事を考え得ておりシャルルに突っ込まれる。

 

「おしっ!燃えてきたぞ!!六人まとめて俺が相手してやるァー!!」

 

「ナツ!!」

 

「作戦聞いてねぇだろ!!」

 

最初に飛び出したのは、滅竜魔導士のナツ。それに続き妖精の尻尾の面々が飛び出した。

 

「妖精の尻尾には負けてられんな。行くぞシェリー」

 

「はい‼︎!」

 

「リオン‼︎シェリー‼︎」

 

妖精の尻尾に続き蛇姫の鱗からはジュラを除いた二人が飛び出していき

 

「オレたちも行くぞ‼︎」

 

「うん‼︎」

 

「エンジェルかぁ♡」

 

青い天馬からは一夜を除いた面々が次々に飛び出していった。最後の一人だけなんか余計な事を考えていながら。

 

「あわわわ・・」

 

「まぁ、落ち着けってウェンディ。そんな急がなくてもいい━━━」

 

「ウェンディ!行くわよ!」

 

「わっ!わっ!!」

 

「あ!待ってよ~」

 

「━━━んだぞってあーあー。」

 

震えているウェンディにグランが落ち着くように言っている最中にシャルルに引っ張られて行ってしまい、その後ろを妖精の尻尾のハッピーが追い掛ける。

そしてこの場には一夜、ジュラ、グランの3人が残っていた。

 

「・・・・行くか。」

 

「ちょっと待ちたまえ」

 

そう言ってグランも外に出ようとした所、一夜に声をかけられて静止する。

 

「あ?なんだよ、一夜さん」

 

「いや、ただ少しだけ確認したいことがあってね。何、すぐに済むからすまないが少し付き合ってくれないか?ジュラさんも。」

 

そう言いながら一夜はグランと一緒残っていたジュラを呼び止める。別に慌てることもなかったのでそのまま立ち止まり話を聞く事にした。

 

「どうしたのだ一夜殿。」

 

「いや、先ほどの話・・・・グランくんが本当にあなた程の魔導士をも上回る強さをお持ちなのかな?」

 

「おお、その事か」

 

「だからそこまで強くねぇって言ってんだろ?おっさんも過大評価しすぎだったの」

 

「では、聖十大魔導と肩を並べる程の実力はないと?」

 

「あったら俺もなってるよ」

 

「ふふふ、あまり謙遜しなくてもよいぞグラン殿」

 

「してねぇし」

 

一夜の聴きたかったことはグランが聖十大魔導と同じレベルの魔導士なのかという事。ジュラは謙遜するなというが、グラン自身はそこまでの実力はないと答える。

 

「そうか、・・・・時にジュラさん。かの聖十大魔導と言われた貴方ですが……その実力はマスター・マカロフに匹敵するもので?」

 

「滅相もない。聖十の称号は評議会が決めるもの。ワシなどは末席、同じ称号を持っていてもマスター・マカロフと比べられたら天と地程の差があるよ。」

 

「いいじゃねぇか、謙遜すんなっておっさん」

 

「・・・・先ほどの仕返しかな?」

 

「仕返しだ」

 

遠慮がちにジュラは一夜の言葉を訂正し、それを謙遜するなとグランがいう。それを聞いて一夜は何故か微笑んでいた。

 

「ほう、それを聞いて安心しました。マカロフと同じ強さだったらどうしようと思ってまして。」

 

直後、やけにつーんとする匂いが漂ってきた。

 

そして、それを吸ったであろうジュラは口元を押えながら膝をつく。

 

「うっ……!?な、何だこの匂いは……!」

 

「相手の戦意を消失させる魔法のパルファム…だってさ。」

 

「一夜殿!これは一体!?」

 

そして、その答えを言うまでもなく一夜はジュラをナイフで突き刺した。味方だと思っていた相手が、突如攻撃を仕掛ける。この状況でジュラも流石のグランも困惑し続けていた。

 

「テメェ、何やって!?」

 

しかし、それは一夜では無かった。その体は泡立っていき、段々と一夜の姿を保てなくなってから……一気にその姿を変化させた。

 

「ふぅ。」

 

「戻ったー」

 

「一夜って奴エロい事しか考えてないよ。」

 

「考えてないね!ダメな大人だね。」

 

その姿は、小さな二人の人影……いや、それはもう人間ではない。そして、奥から新たな人影が現れる。

 

「はいはい!文句言わない。」

 

「これは……!?」

 

現れたのは女。しかし、その顔に見覚えがあった。つい先は見た姿。銀の髪、胸元をはだけさせた、羽根を集めて作ったたような服装。そして気だるげな表情。

 

「六魔将軍の……エンジェルか」

 

「あー……あの汚い男ねー…コピーさせてもらったゾ。おかげで貴方達の作戦は全部わかったゾ。」

 

「「僕達コピーした人の考えまで分かるんだー」」

 

「な・・」

 

「・・・・おいおい、冗談だろ!?」

 

「は〜い♡まずは二人しとめたゾ」

 

「無、無念……グラン殿、逃げるのだ……!」

 

ジュラはそう言って気絶した。一夜の姿がコピーされた・・・・つまり一夜もやられているという事。この場は逃げるが先決・・・・であるが、グランは首を鳴らしその場に止まった。

 

「・・・・そいつ、星霊か」

 

「ん?逃げないのか?だったらさっさとお前も始末してやるゾ。ジェミニ。」

 

「「はーい。ピーリピーリ」」

 

そう言ってジェミニと呼ばれた星霊はまた姿を変えていき、今度はグランの姿となった。

 

「・・・・よりにもよって黄道十二門の内の一体かよ」

 

「そういう事、それじゃあね!!」

 

そう言ってグランにナイフを突きつける。そのナイフをグランは避ける事なく、その身体で受け止めた。すると

 

パキィィィィンッ!と音を出しながらナイフは砕け散った。

 

「なっ!?」

 

ナイフが砕け散るとは思っていなかったジェミニは動揺し、その隙を逃さずグランは殴りかかる。

 

「ぐっ!?」

 

グランの拳が身体に当たり、エンジェルの元まで吹き飛ばされるジェミニ。それと同時に変身も解けて元の星霊の姿に戻る。

 

「ナイフ程度で、俺の体が傷つくと思ったか、あぁ?」

 

「・・・・お前、ただの魔導士じゃないな」

 

流石のエンジェルも今の光景を見て疑問を隠せなかった。と、殴られて少しふらふらしていたジェミニが、代わりに答える。

 

「「・・・・アイツ、普通の魔導士じゃない、滅竜魔導士だ!!」」

 

「なっ!?」

 

「・・・・ご名答。答え合わせのついでにくらっとけ」

 

そう言い、グランは大きく息を吸い魔力を込め、そして放つ。

 

「地竜の咆哮!!!」

 

放たれた大地のブレス。放たれたブレスはエンジェルのいた場所へと撃たれていく。だが。

 

「・・・・逃げられたか」

 

そこには誰もおらず、削り取られた床と破壊された壁のみがそこにはあった。

 

「・・・・とりあえず、おっさん達の怪我の様子でも見るか」

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。