FAIRY TAIL 〜『大地』の滅竜魔導士 〜 作:紅蓮大地
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さて困った。」
二日目が終了し、ウェンディ達に会いに行こうとしたグランだったが、結局道に迷いに迷って、もう日が落ちてしまっていた。・・・・コイツウェンディたちがピンチならそこに迷わず行くのに、それ以外だとポンコツか?
と、道の向こうのほうにナツがいるのが見えた・・・・その近くには剣咬の虎のユキノの姿も・・・・何故かユキノは泣いていたが。
「泣かれても困るんだけどーーーーーーっ!!?」
「・・・・何泣かしてんの?ナツ?」
「うおぉっ!?グラン!?いや、違・・・・くない・・・・けどちがうぞ!!?」
「・・・・どっちだよ。・・・・アンタ、大丈夫か?ナツが悪かったな。これ、使う?」
なんか言い訳のような事を言っているナツをそっちのけで、グランはユキノに声をかけて、ハンカチを渡す。すると、ユキノはさらに泣き出してしまった。
「・・・・・・・・えっ!!?」
「あー、グランがもっと泣かしたー」
「オレのせいか、これ!?」
流石に慌てるグラン。そんな彼等をよそに、ユキノはその場に座り込んでしまった。
「もう・・・ダメです。私・・・人にこのように気を遣われた事がないもので・・・・」
「・・・・・・・・ッッ」
「・・・・・・・・反応に困るんだけど」
だいぶ反応に困った二人。そのまま話を続けるユキノ。
「私…ずっと
「はぁ?」
「・・・・どういうこった?」
「たった1回の敗北で・・・・
「・・・・ッッ」
「・・・・・・・・」
「大勢の人の前で裸にされて・・・・自らの手で紋章を消さねばならなくて・・・・悔しくて、恥ずかしくて・・・・自尊心も思い出も全部壊されちゃって・・・・
それなのに私には帰る場所がなくて・・・・」
ユキノはまた泣き出してしまう。今度は大きな声をあげて。
「悪ィけど、他のギルドの事情はオレ達には分からねえ」
「・・・・それは同意だ。他のギルドの事なんか、知ったこっちゃない」
「ナツ・・・・グラン・・・・」
ナツとグランが冷たい態度をとり、それをハッピーが咎めるようにいう。
「はい…すみません。私…つい…」
「他のギルドだけど“同じ魔導士”としてなら分かるぞ」
「・・・・辱められ・・・・自らの手で、紋章を消させられ・・・・悔しいだろ」
・・・・だが、感じる。静かな怒りを・・・・グランの魔力の影響で・・・・大地が静かに震える
「仲間を泣かせるギルドなんて・・・・そんなのギルドじゃねぇっ!!」
「仲間を仲間とも思わねぇギルドなんざ・・・・ギルドを名乗る資格はねぇっ!!」
ナツとグランは、青筋を立て、憤慨の表情を浮かべていった。その瞳に憤怒の炎をのぞかせて。
「マスターはどこだぁあぁあっ!!!!」
「三下どもは失せろっ!!!!!!!」
あの後、ナツとグランは剣咬の虎が泊まっている宿に襲撃していった。襲ってくる剣咬の虎のメンバー達を片っ端から薙ぎ倒していった。
そして、マスターがいると思わしき広間までついた。そこには剣咬の虎の主力メンバーも揃っていた。
「ワシに何か用か・・・・小童ども」
「お前がマスターか」
「誰が小童だ」
そして剣咬の虎のマスター・・・・ジエンマが前に出る。ナツとグランはジエンマを睨みつける。
「一度の敗北でクビだって?なかなか気合が入ってんなぁ」
「・・・・それがオタクらの信条なんだろ?・・・・だったらちゃんと守れよ?」
「ア?」
「お前も・・・・オレに負けたらギルドやめろよな」
「しっかり守れよ・・・・お前らもな」
再度、ジエンマを睨みつけるナツとグラン。
「本気でぬかしておるのか?小童」
「自分の所の仲間を仲間と思えねぇ奴は、許せねぇんだ」
「・・・・まぁ、オレも似たような感じだ。」
だが、そんな二人に対し「何の事か分からん」とほざくジエンマ。
「何の事かわかんねぇだとっ!!」
「・・・・ナツ、マスターは頼んだぞ。・・・・オレはコイツらにようがある」
「ああ!!」
ジエンマはナツに任せ、グランは他のメンバーを睨みつける。
「・・・・確か、ここに滅竜魔導士いたよな?・・・・名前は忘れたが」
「・・・・俺たちがそうだ」
「何のようだよ」
グランの呼びかけに答え前に出たスティングとローグ。二人とも、関係のない事で乗り込んできたナツとグランの事がよく分からずにいた。
「・・・・まずはお前らだ」
「はぁ?」
「・・・・何の話だ」
グランは二人に指を刺し、こう告げた。
「まず初めにお前ら二人がクビな?」
「・・・・ッ!?あんま調子に乗ってんじゃねぇぞ!!」
スティングは憤慨しながらグランに突っ込んでいく。それにローグも続いて行く。
剣咬の虎の双竜による攻撃・・・・光を纏った拳と影を纏った拳がグランに見事命中した・・・・・・・・・・・・が、床に倒れているのは
「・・・・は?」
「・・・・なっ!?」
スティングとローグだった。倒れた二人も、周りで見ていた者達も何があったのか分からなかった。
分かったのは、スティングとローグがいとも簡単に床に倒された事だけ
「・・・・もう終わりか?・・・・なら、大した事なかったな。」
「・・・・っざけんじゃねぇぞ!!」
床から飛び起きたスティングはグランに攻撃を仕掛けまくる。ローグもまた、影に潜りながら攻撃する・・・・二人の攻撃は当たっている。確実に・・・・だが
(硬・・・・すぎんだろっ!!?)
(全く・・・・通じてない!?)
二人の攻撃によるダメージは・・・・グランにとって微々たるもの・・・・例えるならば、そう・・・・・・・・天高く聳え立つ巨大な山を相手しているような・・・・そんな感じだった。
「・・・・それが精一杯・・・・ってわけじゃねぇだろ?」
「がっ!?」「ぐっ!?」
グランはスティングとローグをまとめて殴り飛ばした。
「・・・・んじゃ・・・・最初のクビをもらうぞ!」
グランは息を吸い、ブレスを放つ。それと同時にジエンマに向け、拳を撃こもうとしていた。
「雷炎竜の・・撃鉄!!!!」
「地竜の・・咆哮!!!!!」
ドゴォォンっ!!!
物凄い衝撃が宿に響き渡る。そして、土埃が舞いはれていくと・・・・ジエンマとナツ、そしてグランとスティング達の間に、それぞれ女性が立っていた。
ナツとジエンマの間に立っている女性は、団子状に結んだ髪と少し濃いめの化粧が特徴的な女性で、グラン達の間に立っている女性・・・・いや、少女は、少し中性的な容姿が特徴的な少女だった。
「ミネルバ!!?」
「御嬢・・・・」
「ガイヤ・・・・」
「今宵の宴も、この辺でお開きにしまいか?」
「そうだね〜。もうやめといた方がいいよね〜」
「あ?」
「はぁ?」
「ミネルバ、貴様・・・・勝手な事を」
「もちろん、このまま続けていても父上が勝つであろうな」
「あ、スティング達は別だよ?ボクが止めずにあのままやってたら・・・・絶対負けてたからね。ボクに感謝してよね」
「・・・・あ?」
「しかし世の中には体裁という言葉があるものでな、攻めてきたのがそちらであったにせよ、ウチのマスターが大魔闘演武出場者を消したとあっては、我々としても立つ瀬がない」
「まぁ、それにボクらから出場者が二人消えちゃったら、元も子もないからね」
「・・・・なんなら今すぐ全員出場できなくしてやってもいいんだぞ」
「父上も部下の手前、少々熱が入り、引くに引けぬと見えた。どうだろう? ここは妾の顔を立ててくれまいか?」
ミネルバが虚空に手をかざすと、空間から何かが現れた。
「さすれば、この子猫は無傷でそなたらに返す事もできよう」
「いや〜よかったねぇ〜」
「ハッピー!」
「・・・・今どっから出した?」
「ごめんナツ~、グラン〜」
縛られたハッピーが出てきた。
人質・・・・いや猫質を取られたため、これ以上動けないナツとグラン。
「クソっ!」
「・・・・ハッピーの事、すっかり忘れてた」
「ひどいよ〜、グラン〜」
「部下が何人かやられてはいるが、妾が今回の件、不問に付してもよいと言っている。そなたらに大人の対応を求めようぞ」
「そうそう・・・・だから、ね?」
「・・・・チッ、今回は引くぞ、ナツ」
「・・・・クソッ」
二人が引くとわかると、ミネルバはハッピーを離した。
「オイラ・・・・入り口で捕まっちゃって・・・・ゴメン」
「いいんだ、ハッピー。俺たちの方こそ放っておいて悪かった」
「・・・・帰るぞ」
「ああ」
「あい」
「なかなか骨のある小童共だ」
「決着は大魔闘演武でつけよう。思う存分な」
「それじゃあね〜」
「・・・・テメェらなんざに負けやしねぇよ」
「つーかオレ達には追いつけねえ」
ナツとグランは宿を後にしながら、最後に・・・・
「ギルドなら仲間、大切にしろ」
「俺たちが言いてぇのはそんだけだ」
そう言って宿を後にしたグラン。
「・・・・ねぇ〜、マスター。ボク、この大会中絶対グランと戦いたいんだけど〜」
「・・・・戦いなど、大魔闘演武中いくらでもできる」
「じゃあ、なんとかしてねぇ〜」
グランの咆哮をいとも簡単に打ち消した少女・・・・ガイヤ。少女の周りには