FAIRY TAIL 〜『大地』の滅竜魔導士 〜 作:紅蓮大地
だいぶ前、グランに対し『歩く天狼島』という素晴らしい感想をいただぎました。・・・・今回その一片が現れます。
剣咬の虎へ殴り込みをしてから夜が明け、大魔闘演舞3日目。
『大魔闘演武もいよいよ中盤戦、3日目に突入です』
『今日は一体どんな熱いドラマを見せてくれるかね』
『本日のゲストは、魔法評議院よりラハールさんにお越しいただいています』
『久スぶりだねぇ』
『よろしくお願いします』
『ラハールさんは強行検束部隊大隊長ということですが…』
『えぇ、大会中の不正は許しませんよ』
「・・・・あれ?あの人見た目あんま変わってなくね?」
「そうか?」
そこは割とどうでもいい。
『三日目の競技は
「さて、誰が出る?」
「もう一回オレに行かせろ!!」
「・・・・好きに決めてくれ」
と適当に話を進めようとするグランだったが、蛇姫の鱗からジュラが出るというのが聞こえた瞬間、すぐに乗り出した。
「いや、やっぱオレが出る。つうわけで行ってくる!!」
「っておい!!」
ガジルが何やら言っているが、それをガン無視して会場に出ていった。
そしてそれぞれの選手が会場に現れる。剣咬の虎からはオルガ。蛇姫の鱗からはジュラ。青い天馬からはヒビキ。大鴉の尻尾からはオーブラ。人魚の踵からはミリアーナ。四つ首の仔犬からはノバーリ。妖精の尻尾Aからはエルザ。・・・・そして妖精の尻尾Bからはグラン。これで全員が揃った。
「昨日は休暇の為失礼しました。それではこれより伏魔殿のルールを説明します」カボ
そしてマトー君が説明に入ると、空から巨大な魔法陣が現れ、大きな建造物が降りてきた。
「これは…」
「・・・・無駄に豪勢な」
「邪悪なるモンスターが巣食う神殿、
「モンスターが巣食うだと?」
「そういう設定ですのでカボ、ただの。この神殿の中には100体のモンスターがいます。・・・・と言っても我々が作り出した魔法具現体、皆さんを襲うようなことは無いのでご安心を。モンスターはD・C・B・A・Sの5段階の戦闘力が設定されています。内訳はDクラスから順に50体、30体、15体、4体、1体となっています。ちなみににDクラスのモンスターがどのくらいの強さを持っているかといいますと…」
空中に現れた魔水晶映像が伏魔殿の中の様子が映し出した。そこには1匹の凶暴そうなモンスターが居る。モンスターは近くにあった頑丈そうな柱に突進すると、呆気なく破壊した。これでDクラスらしい。
「こんなのやらこんなのより強いのやらが100体渦巻いているのが伏魔殿です、カボ。クラスが上がるごとに、倍々に戦闘力が上がると思ってください。Sクラスのモンスターは聖十大魔道と言えど倒せる保証はない強さですカボ」
「ムッ」
「・・・・それは楽しみ」
「皆さんには順番に戦うモンスターの数を選択してもらいます。これを挑戦権と言います。例えば3体選択すると、神殿内に3体のモンスターが出現します。選んだ人は1人で神殿に入ります。3体のモンスターの撃破に成功した場合、その選手のポイントに3点が入り、次の選手は残り97体の中から挑戦権を選ぶことになります。これを繰り返し、モンスターの数が0または皆さんの魔力が0となった時点で競技終了です」
「数取りゲームみたいだね」
「そうです。一巡した時の状況判断も大切になってきます。しかし、先程も申し上げた通りモンスターにはランクがあります。これは挑戦権で1体を選んでも5体を選んでもランダムで出現する仕様になっています。モンスターのクラスに関係なく、撃破したモンスターの数でポイントが入ります。一度神殿に入ると、挑戦を成功させるまで退出は出来ません」
「神殿内でやられたらどうなんだ?」
「今までの自分の番で獲得した点数はそのままに、その順番での撃破数は0としてリタイアになります」
「・・・・ふーん」
「それでは皆さんくじを引いてください」
どこからともなくくじの入った箱を取り出したマトー君。
全員引き終え、くじを確認する。
「む、1番」
「・・・・あーあ、最悪。8番だ」
エルザが一番でグランが八番・・・・最後だった。
「この競技、クジ運で全ての勝敗がつくと思っていたが…」
「クジ運で?いや、どうでしょう~…戦う順番よりペース配分と状況判断の方が大切なゲームですよ」
「いや…これは最早ゲームにならんな」
そして、エルザは断言した。
「100体全て私が相手する。挑戦権は100だ」
決して冗談ではない。会場もグラン以外の選手達も驚きを顔に表していた。
「・・・・クソッ、やっぱ100取られた。」
「すまんな、グラン。では、行ってくる」
「む、無理ですよ?1人で全滅出来るようには設定されていません!」
「構わん」
彼女は力強い足取りで神殿への橋を歩いて行く。
大魔闘演武三日目・・・・恐らく、この日のことは誰も忘れないだろう。
キズだらけになりながら 地に堕ちたはずの妖精が舞う
気高く、強く、美しい・・・・
それはまるで・・・・凛と咲き誇る緋色の花・・・・エルザ・スカーレット、ここにあり!!
『し・・し・・・・信じられません!!何とたった1人で、100体のモンスターを全滅させてしまった――――ッ!!これが7年前、最強と言われていたギルドの真の力なのかぁッ!!妖精の尻尾A、エルザ・スカーレット、圧勝!!文句なしの大勝利――――ッ!!』
会場中から大きな歓声が巻き起こる。
『未だに鳴り止まないこの大歓声!!!』
『こりゃ参ったね』
『言葉もありませんよ』
実況の三人ももはや言葉を失ってしまう。仲間からも大絶賛の声をあげられる。
「・・・・オレがやりたかったなぁ〜」
「そう言えるのは主ぐらいじゃな。・・・・何にしても見事。」
『伏魔殿完全制圧!妖精の尻尾A10p獲得!!』
それからしばらくして
「えー、協議の結果。残り七チームにも順位をつけなければならないということになりましたので……いささか味気ないのですが、簡単なゲームを用意しました。」
そう言ってマトー君は後ろにある装置の説明に入る。
「
「じゃあ私からだね!行っくよー!!キトゥンブラスト!!」
ミリアーナから放たれた黒いロープ。表示された数値は365。
『比べる基準がないと、この数値が高いかどうかわかりませんね。』
『この装置は我々ルーンナイトの訓練にも導入されています。この数値は高いですよ、部隊長を任せられるレベルです。』
『続いて四つ首の番犬のノバーリ。数値は124。ちょっと少し低いか?』
「僕の番だね。」
続いてヒビキ・・・・結果は95。
「あぁ……なんてことだ……」
「・・・・まぁ、しゃーない」
『続いては大鴉の尻尾、オーブラ。』
「……次はこの黒人形か」
MPFの前まで歩くオーブラ。すぐさま襲い掛かりたかったが、大会中なのでそれは諦める。
「……」
「キキッ」
オーブラから黒い使い魔のようなものがMPFに突っ込んでいく。結果は4。
「これはちょっと残念ですが……やり直しは出来ませんカボ。えー、現在の順位はこのようになっています。」
【1位ミリアーナ 2位ノバーリ 3位ヒビキ 4位オーブラ】
「やったー!私が一番だ!みゃー!」
「そいつはどうかな。」
『ここでオルガ登場ー!!すごい歓声です!!』
剣咬の虎オルガ。片腕をあげ、観客の声に答える。そして、魔法を放つ前に、グランを睨みつけてから、両腕から魔法を放つ
「120mm黒雷砲!!!!」
その数値・・・・実に3825。
『さ、三千……!?』
「私の10倍ー!?」
「・・・・もうちょい正確に言えば、約10.5倍な」
そこはマジでどうでもいい。
「最強最強ナンバー1!!♪どうだ!妖精の!!」
「・・・・もうちょい歌唱力どうにかなんねぇのか?」
自作の歌を歌いながらグランに指差すオルガ。そして歌唱力に突っ込むグラン。だからそこじゃない。
『さぁ……それに対する聖十のジュラはこの数値を越せるかどうかが注目されます。』
「本気でやっても良いのかな?」
「勿論ですカボ。」
ジュラは両手を合わせ、目を瞑る。・・・・そして
「鳴動富嶽!!!!」
表示された数値は8544。
「は?」
「・・・・オッサンコノヤロウ・・・・オレとやった時手ェぬきやがったな」
だからそこじゃねぇって
『こ、これはMPF最高記録更新!!やはり聖十の称号は伊達じゃなーい!!』
「こりゃたまげたわい、ギルダーツとよい勝負か・・・・グランは勝てるのだろうか」
「クスっ、大丈夫ですよ。彼は何も七年間・・・・ただ地中に埋まっていたわけではありませんから」
「・・・・へ?」
何やら意味深げなことを言うメイビス。そして、グランの番がやってきた。
『最後の挑戦者は妖精の尻尾B、グラン・ワームランド。ジュラの後とはいえ、彼は初日にそのジュラと互角の戦いをしています。流石にジュラには届かないとは思いますが・・・・期待は大です!!』
「・・・・グランなら確実に二位は狙える!!」
「悪くても必ず4桁は絶対に行く!!」
「頼む!!」
ジュラには届かずとも、きっとすごい数値を出してくれると、観客全員が期待していた。
「さて、グラン殿?ワシを超えれるかな?」
「ウルセェぞ、オッサン。・・・・俺ん時手ェぬきやがって・・・・まぁいいや。・・・・度肝ぬくなよ?」
そう言ってグランはMPFの前に立ち、右手を前に出す。その手にはある紋章があった。
「・・・・しょ・・・・初代・・・・あれは、まさか!?」
「えぇ。その通りです」
ニコッと笑うメイビスをよそに開いた口が塞がらないマカロフ。
「・・・・集え、妖精に導かれし光の川よ。・・・・照らせ、邪なる牙を滅するために。」
静かに・・・・淡々と告げられていく詠唱とは裏腹にとてつもない魔力量を放つグラン。
「彼は眠りに入った七年間・・・・天狼島の地中は深くに潜ったことで、島とほぼ一体化していました。・・・・もはや、彼そのものが天狼島とも言えるでしょう。その加護の一つがあの魔法です」
「・・・・
ドッゴォォォォンッ!!
そのとてつもない魔力をぶつけていく。
表示された数値は・・・・9999。MPFが表示される限界を超えカンストしている。
『な・・・・なんということでしょう・・・・MPFが破壊・・・・カンストしています。な・・・・なんなんだこのギルドは!!?競技パート1・2フィニッシュ!!!もう誰も妖精の尻尾は止められないのかーーーっ!!』
「止まるわけねぇだろ!!俺らは天下の
グランが腕をあげ、高らかにそう告げると会場中から大歓声が巻き起こった。
大魔闘演武三日目の競技パートは、妖精の尻尾の1・2フィニッシュで幕を閉じた。
歩く天狼島グラン・・・・加護その1“
島に眠っていた時、なんやかんやあっていつでも貸し借りができるようになった。ちゃんと初代の許可は取ってある。