FAIRY TAIL 〜『大地』の滅竜魔導士 〜 作:紅蓮大地
「本当にこっちであってるのか?」
「・・・・奴らが嘘をついてなきゃな」
あの後、餓狼騎士団から出口の場所を聞き出し皆で出口を目指したが、無駄に広い地下を彷徨いながら進んでいた。
「そういえば、ロキはどうやってここまで来たの?」
「飛び降りて」
「・・・・後先考えるの大事だぞ?」
お前も大概そんな感じだろ?
因みにアルカディオスは、今までの疲労が溜まっていたようで、今はロキに担がれながら、気絶したように眠っている。
「オイ!!あれを見ろ!!」
しばらく進んでいくと、そこに立派な扉があった。早速開けようとナツが拳を構え破壊しようとする。
「オレに任せろ!!火竜の・・・・」
が、ナツの拳が当たる前に扉が開き・・・・ナツは中途半端でやめてしまった為、転がった。
「うほぉーーーっ!?」
「・・・・まずなんで扉開けるのに殴ろうとするんだよ」
「アンタもそうしたでしょ?」
「うん」
じゃあ人の事言えねぇじゃねぇか。
そしてその開いた扉から出てきたのは・・・・フードを深く被った一人の男性・・・・いや、女性か?フードを深く被りすぎて顔が分からず、体のラインも覆われているからどちらか定かではないが・・・・敵が味方かもわからない。
「誰だ、お前?」
ナツが立ち上がりながら聞く・・・・すると、聞こえたきたのは・・・・とても馴染みのある声だった。
「・・・・グスッ・・・・ごめん・・力を・・・・貸して・・」
「その声・・・・」
「・・・・どうなってる」
皆が困惑する中、その人物はフードをとる・・・・そして、そこにあった顔は・・・・ルーシィと瓜二つだった。
「ルーシィ!!!!?」
「えええええええええええええっ!!!?」
「ルーシィがもう一人・・・・」
「ど・・・・どういう事ですか?」
「・・・・これは予想外の展開だ」
「ジェミニ・・・・じゃないですよね」
「エドラスとかそういうのじゃ・・・・」
「何なに?どうなってるの?」
皆がそれぞれ疑問に思っているその答えを、もう一人のルーシィが答える。
「時空を超える扉・・・・エクリプスの事はもう知っているよね」
「・・・・それを聞くって事は・・・・」
「あんたはエクリプスを使って・・・・」
「未来から来たの」
「「「「「なーーーーーーーーっ!!!!!」」」」」
まさかの未来から来たという・・・・こんな突破な話を聞かされ、さすがのグランでさえも驚愕の表情をあらわにした。
「この国は・・・・もうすぐ・・・・」
そう言って、未来から来たルーシィはその場に倒れてしまった。
「おいっ!!」
「だ・・・・大丈夫ですかっ!?」
「・・・・全くもって訳がわからん」
「同意だ」
「・・・・なんか気味が悪いよ・・・・なんで、わたしが」
当の本人であるルーシィは未来から来た自分に対し、訳が分からなすぎて気味悪がっていた。
「とにかく放っておけねーだろ。このルーシィも連れ出すぞ」
ナツがそう言い、未来ルーシィを担ぐ。
「城を出て、信号弾を上げましょう」
「ルーシィさんの救出成功ってですね」
「・・・・まぁ、まさか二人に増えるとは思いもやらなかったがな」
そしてグラン達は、死の都“奈落宮”からの脱出に成功するのだった。
・・・・・・・・・・・・んで、城の中に入ったのだが
「まいったな」
「・・・・完全に迷子だな」
そりゃ、地下ほどでないにしても広い城の中をあっち行ったりこっち行ったりしてたら、迷子になるわな。
「困ったわね」
「私もお城様の構造についてはちょっと・・・・」
「お城様!?」
「お城に様はいらないと思うよ〜、ユキノ〜」
もういっその事兵士の中を突っ切って行こうとナツが提案したが、怪我人がいるし、色々印象が悪くなってしまうからやめておこうとなった。・・・・まぁ、ガイヤは兵士をぶっ飛ばしてここにいるし、処刑人の奴らをやっちゃってるからもう手遅れだがな。
「うぅ・・・・」
「!」
「お!」
「・・・・起きたな」
「大丈夫?未来ルーシィ?」
そして気を失っていた未来ルーシィが目を覚ました。
そして未来ルーシィから話を聞いた。
未来ルーシィの話によれば、奈落宮から脱出後、みんな王国軍に捕まってしまうらしい。なんでも逃走途中、エクリプスに接近してしまい、そのせいで魔法が使えなくて捕まってしまったらしい。グランもいるのに何故?と思ったが、先にウェンディが捕まってしまった為、降参するしかなかったらしい。
そして・・・・“あの時”が来るまでずっと、牢屋の中にいたらしい・・・・
最悪の未来・・・・この先にまつ絶望・・・・
一万を超える
街が焼かれ、城は崩壊し・・・・多くの命が失われる・・・・そんな絶望の未来が
「「「「「・・・・・・・・っ!!!!」」」」」
未来ルーシィから聞かされた未来の話に・・・・皆、驚愕した。
「な・・・・ん・・・・じゃ・・・・そりゃーーー!!!!」
「・・・・・・・・マジかー」
ナツは目に見えて慌て、グランもいつも以上に間を空けて驚いた。皆もそれぞれ何故そうなったか、何かと関係があるのかと考えていた。
「とにかく、こうしちゃいられねぇ!!!戦闘準備だ!!いくぞ、グラン!!」
「・・・・どっから持ってきた、その兜と槍?」
居ても立っても居られなくなったナツは急いで戦闘準備を開始するが、そんなナツを見て・・・・いや、今の話を聞いて疑わない皆を見て、少し驚いた表情をしていた。
「みんな・・・・信じてくれるの?」
「ウソなのか!?」
「違う!!!けど・・・・こんな話、誰も信じてくれないんじゃないか・・・・って」
「何でルーシィの言葉を疑うんだよ?」
何気ない一言・・・・その一言が、未来ルーシィにはとても嬉しかった。
・・・・そして、話は続く・・・・何日経ったか覚えておらず、エクリプスの元へ行き、無我夢中で扉を開けたら、本当に過去に戻れたという・・・・
X 791年7月4日に
「4日ってつい最近じゃないか」
「エクリプスってそんなちょっとしか過去に行けないの?」
「・・・・んや、アルカディオスによれば、四百年前にも戻れるって話だ。・・・・多分、魔力が足りなかったのか、どっか壊れてたんだろ」
「うん・・・・多分そうだと思う。」
「でも・・・・これからどうするの?」
「今すぐ城を出て欲しいけど・・・・街は大魔闘演武を撮影してる魔水晶がそこら中に配置されてる・・・・地下を通ってジェラールたちと合流してほしいの」
「ジェラール?」
「彼には全部話してある。今・・・・対策を練ってるハズだから」
「対策を練るって・・・・」
「・・・・?」
と、未来ルーシィが顔を俯ける。
「・・・・ごめんね。あたしは未来から“対策”を持ってきた訳じゃない。あの事態をどうすれば回避できるのか、分からないの」
「・・・・本当に無我夢中で
「・・・・本当に・・・・ゴメン。これじゃ、あたし・・・・何のためにに来たのか・・・・今日までどうしていいかも分からず街をウロウロしてた・・・・」
「・・・・いや、オレたちが何とかする」
うつむき、後悔している未来ルーシィを前に、ナツが声をかける。そして近づき、未来ルーシィに感謝を伝える。
「ありがとうな、オレたちの未来の為に」
その言葉に、未来ルーシィは涙を流す。悲しみからでなく、その感謝に応えるように流れていく。
「必ず、未来を変えてやる」
「こっち!!」
今現在、未来ルーシィの案内の元、城の地下の道を通って地上へ向かっていた。
「きっとみんな心配してるから、早く戻らないとね、グラン!」
「・・・・そうだな。そのまえに、団体客の相手しなきゃダメっぽいがな。」
「へ?」
と、グラン達の進む先から王国兵が続々と湧いて出てきた。
「王国軍!?こんな所に配置されてるなんて・・・・」
「心配すんな。魔法が使えりゃつかまったりしねーよ」
「そうだね」
「・・・・準備運動くらいにはなるか」
「あ、あの!アルカディオスさんがいません!!」
「なに!?」
「ユキノとガイヤもいないわ!!」
なんといつの間にかアルカディオスとユキノとガイヤの姿が居なくなっていたのだ。なんて自由な奴らなんだ。
「あの騎士はともかくユキノは放っておけない。私が戻るわ!」
「ダメだよはぐれちゃ!」
「みんな・・・・気をつけてね!」
そう言って来た道を戻っていくミラ。そしてここに残っている者達は王国兵を相手にしていく────────────
────────そして出来上がる、兵士達の山。
「がっ・・・・」「・・・・ぐふ」「・・・・・・・・ッ」
「・・・・もう終わりか?」
「・・・・もう彼一人でいいでしょ?」
「クソォ!!オレはまだ暴れたりねぇぞ!!!」
「そこ、怒るとこじゃないからね?」
「まぁ、当然よね」
どんどん湧いてくる兵士達を、軽く捻り潰してしまうグラン・・・・コイツ一人で王国兵を相手にしてる状態になってる・・・・兵士達もあまりの力の差に、全員ビビって動けずにいる。
「ネッパァ!!」
「あ?」
と、いきなり強力な酸がグラン達を襲う。
「パーン」
「またお前か!!」
「・・・・しぶとい奴ら」
「王国最強の処刑人をなめないでくれる?」
「ねー、カミカ」
現れたのは奈落宮でやっつけたはずの餓狼騎士団だった。なんてしぶとい連中だろう。
「タイター「・・・・あ"?」ごめんなタイ」
ウオスケはグランに己の魔法が全く通じず、ほぼ一方的なやられ方した為、グランに対しトラウマができてしまったようで、グランに睨まれた瞬間、頭を下げた。
「貴様らの理念は、よくわかった。ここからは私の理念を通す。罪人を生かしたまま、城外には出さない」
「しつけぇな、オイ」
「・・・・やっぱ沈めときゃよかった」
餓狼騎士団が加わった事で、王国兵の勢いが増していった。倒しても、山にしてもどんどん湧いて出てくる。
「なにこれ!?」
「・・・・鬱陶しい」
「私の植物よ!!かわいいでしょ?」
「こんなもんよりウェンディの方が何兆倍も可愛いわバーーカ!!」
「グ、グラン・・・・恥ずかしいよ///」
「こんな時にイチャコラしない!!」
「パンパーン!!シュワー」
「しまった!!体が・・・・!?」
「ホラ!!処刑されちまいなっ!!」
「このままじゃもたないぞ!!?」
「あきらめろ、罪人よ!!」
「もー怒った!!!処刑だ!!!全員まとめて処刑だぁーーーー!!!!」
「全員生き埋めにしてやらぁーーーーーー!!!!」
もう色々面倒になったナツとグランが、なんか自暴自棄になったように叫び出した・・・・その時、兵士たちが悲鳴を上げて何かに吸い込まれていく。
「うわー!?」「ぎゃー!?」「うわぁ!!?」「何だ、コレェ!!」「ひいぃ!!?」「ぐぁああ!!?」「何事!?」「影が人を飲み込んで・・・・・・・・」「うわぁぁぁぁぁぁっ!!?」「何なのよ、コレ!?」「ちょっ・・・・やっ・・・・」「ターーイ!?」「パーーン!!?」
「どうなってんだ!?」
「・・・・誰の仕業だ?」
そして、王国兵達は、餓狼騎士団を含め、全員が影にのまれてしまった。
「王国兵が・・・・みんな・・」
「影の中に」
そしてその影の向こうに人影が見える。敵か味方か、まだ分からない為、全員警戒を怠らない。
「おまえ、誰だ?」
「・・・・ウェンディ、下がってろ」
少しずつ近づいてくる男・・・・その男の顔はどこかで見たことのある顔だった。
「影がのびる先は・・・・過去か、未来か・・・・人の心か・・・・懐かしいな、ナツ・ドラグニル、グラン・ワームランド・・・・
オレはここより先の時間から来た・・・・ローグだ。」
現れたのはもう一人の未来から来た人物・・・・ローグ。
・・・・そして、この時より未来は不確かなものへとなった・・・・この先に待っているのは、絶望か・・・・希望か・・・・滅亡か・・・・生存か・・・・誰にも分からない。
否、知っているものがいる・・・・ならば、未来を知っているものが、有利なのか・・・・否、それは一つの結果に過ぎない・・・・その通りとなるとは限らないから
だが、これだけはハッキリしている・・・・ここから先は予測は不可能・・・・どんな結末になるかは・・・・彼らの手にかかっている。
運命に抗え、最悪を超えよ。絶望を希望で塗り替えよ。
妖精よ、虎よ、天馬よ、蛇姫よ、人魚よ、猟犬よ、魔導士たちよ。
戦いは、もう目の前だ。
絶望か希望か・・・・全ては、おまえたちにかかっている。
必ずその手で・・・・