FAIRY TAIL 〜『大地』の滅竜魔導士 〜 作:紅蓮大地
城から脱出しようとしたグラン達、その途中未来から来たルーシィと出会い、この先の未来に、一万の竜がやってくると聞き、さらに急いで城から脱出しようとする。
その途中、王国兵や餓狼騎士団に阻まれてしまった。
さすがに限界と感じたその時、王国兵達は突如現れた影に飲まれてしまった。
そして現れたのは・・・・未来から来たというローグだった。
「ローグ?」
「あの剣咬の虎の!?」
「・・・・あの影野郎か」
「未来から来たっていうの?」
「・・・・あたし以外にも・・」
「なんで?」
いきなり現れた未来ローグに疑問が尽きないグラン達。・・・・何故か異様な雰囲気を漂わせるローグ。
「王国兵を一掃して・・、助けてくれたのかい?」
「おまえなんか雰囲気変わったな」
「・・・・何しに来やがった」
「扉を開く為」
「エクリプスの事!?」
「・・・・時間旅行にでも行くのか?」
「いいや、エクリプスには2つの使い道がある。1つは時間の移動。もう1つは攻撃用兵器、
「じゃあ話は早ェな、味方って事じゃねーか」
「やったー!!ドラゴンを倒せるんだね!」
「未来は救われるんですね!よかったね、グラン!!・・・・グラン?」
「・・・・・・・・」
まさかの解決方法に喜ぶナツ達だったが、グランはどこか納得していない様子。
その中で、未来ローグが話を進める。
「いいや…話はそんなに単純ではない。オレは今から7年後の未来から来た。7年後…世界はドラゴンによって支配されている。・・・・生き残っている人類は1割にも満たない。もちろんエクリプスも現在ほどの力を持っていない。」
七年後・・・・遠いようで近い未来・・・・待っているのは絶望だけだと、そう告げられた。
「今ここでドラゴンを止めなくば、この世界は終わる」
「だから扉を開けてぶっ放すんだろ?単純じゃねぇか!」
「しかし7年前…つまり“現在”。扉を開くのを邪魔する者が居た。そいつのせいで扉は開かなかった。1万のドラゴンに向かい
「物騒ね。その人にも事情を話せば邪魔なんかしないんじゃないかしら?」
「・・・・殺す必要はねぇだろ」
「大きな“時”の接合点では、言葉で行動を制御できない。たとえ今説得できたとしても…そいつは必ず扉を閉める。そう決まっているのだ」
「決まっている?」
「運命からは逃げられない。生きる者は生き、死ぬ者は死ぬ。扉を閉める者は閉めるのだ。たとえ何があっても、生きている限り」
「よく分からねぇ言い回しだな」
「・・・・結局、その邪魔者ってのは誰だよ」
まどろっこしい事は抜きにしてその邪魔者の名を聞こうとするグラン達・・・・そして、ローグは言葉と共にそれを実行した。
「おまえだ・・・・
ルーシィ・ハートファリア!!!」
「え?」
影でできた剣をルーシィに向けて放った。まさかの出来事に誰も反応ができなかった。
「ルーシィ!!!」
「しまっ!!?」
間に合わない・・・・そして影の剣は深く刺さった。
ルーシィを庇うように前に出た・・・・未来ルーシィに。
「・・・・っっ!!」
「ルーシィさん!!?」
未来ルーシィはそのまま倒れてしまう。
「ちょ・・・・ちょっとアンタ!!?」
「ルーシィーーーー!!!」
急いでルーシィが抱き抱え、ハッピーも近くに寄る。
「ルーシィが・・・・二人だと!?」
刺した本人であるローグも、ルーシィがもう一人いる事は想定外のようで、驚愕をあらわにしている。
「しっかりして!!」
「あたし・・・・扉なん・・て・・閉めて・・・・ない・・・・い」
「分かってる!!あたしはそんなこと絶対にしない!!・・・・なんで自分を庇ったの!!?」
「あんたの方が・・・・過去の・・・・あたし・・・・だ・・から・・・・・・・・あんたが死んじゃう・・・・と、どうせ・・あたしも消えちゃうの・・・・。自分に・・・・みと・・・・られて・・死ぬの・・・・て・・・・変な・・感じ・・・・」
「あたしだって変な感じよ!!死なないでよ!!!」
「もう・・・・いいの・・・・」
死なないで欲しい・・・・そう願っても、叶わない。それでも、彼女は・・・・死ぬ間際だというのに、笑顔を浮かべていた。
「二度と会えないと思ってた・・・・みん・・なに・・・・もう一度・・・・会え・・た・・・・。あた・・・・しは・・・・それだけで・・幸せ・・・・」
「ルーシィ、やだよォ・・・・死なないでよ・・・・・・・・」
涙を目に溜め、ハッピーが未来ルーシィに近づいていく。ナツも、グランも・・・・目の前の現実が、まだ受け入れられないように、ただ立ち尽くしている。
「あたし・・は、この時代・・・・ううん・・・・この世界の人間じゃ・・ない。この世界の
だから悲しまないで欲しい・・・・ルーシィはハッピーにそう言った。
「悲しいよっ!!!!どこの世界から来ようと・・・・誰が何と言おうと、ルーシィはルーシィだよ!!仲間なんだよぉっ!!!!悲しいに決まってるじゃないか!!!」
泣き叫び、悲しむハッピー。彼・・・・いや、彼らにとって・・・・どこから来たかは関係ない・・・・ルーシィはルーシィ・・・・大切な仲間だ。
「ねぇ・・・・ギルドマーク見せて」
「え?」
未来ルーシィは、ルーシィの右手にあるギルドマークを・・・・
「あんた・・・・右手・・・・・・・・」
「もっと・・・・冒険したかった・・・・な」
そして・・・・未来ルーシィは・・・・弱々しくなっていき・・・・・・・・そして
「未来を・・・・守って・・・・・・・・」
その言葉を最後に・・・・・・・・未来ルーシィの命は尽きてしまった。
「・・・・扉を閉めた自覚が無かった・・」
その光景を見ていた未来ローグはそう呟き、それにルーシィが怒鳴り返す。
「何が扉よ!!あたしはそんな事絶対しない!!なのに・・・・!!」
「今は・・・・な。だが・・・・数時間後にはお前は扉を閉める」
「あたしは扉なんか閉めない!!めちゃくちゃな事言ってアンタ…何が目的なの!!?」
「扉は閉まる、そう決まっている。お前が生きている限り」
ギリッと歯軋りをしながら、未来ローグは己の主張を変えない・・・・頑なに・・・・苛立ちを立てる。・・・・その苛立ちは、未来のためか・・・・それとも、別の何かのためか。
「未来のあたしが閉めないって言ったんだ!!あたしは自分を信じる!!!」
「お前の言葉に真実など無い!! 全ては運命によって決まっている事だ!!」
そして、今一度ルーシィを殺そうと、影を集結させる。だが、その影がルーシィに放たれる事はなかった。
「運命なんか焼き消してやる!!!
ルーシィの未来は誰にも奪わせねえぞォ!!!!!」
ナツが未来ローグを殴り飛ばす。その目に涙を流しながら・・・・未来ルーシィの最後の言葉を守る為。
『未来を・・・・守って・・・・・・・・』
「約束する」
未来ローグはそのまま吹き飛ばされ、距離がとれる。
「ルーシィ!!!ここから離れろ!!」
「でも・・・・!!」
「・・・・ここはナツに任せる。そもそも奴の狙いはおまえだ」
「そうだよ!!早く逃げよう!!」
「う・・・・うん」
未来ローグはナツに任せ、グラン達はルーシィを連れてその場を離れていく。
「おまえが立ち塞がるのは想定内だ。どの道おまえはドラゴンに殺される未来。このオレが殺しても歴史に何の影響もあるまい」
「おまえ、そんな奴だったか?」
「歳月は人を変える・・・・ここで死ね、ナツ・ドラグニル!!」
「おまえは、オレの目の前で大切なものを奪ったんだ。
おまえのやり方は信じねえ・・・・オレはオレたちのやり方で未来を守る!!!」
「・・・・逃げ出せたはいいが」
「すごい所に出くわしちゃったわね」
「扉が開くトコみたい」
城から・・・・というか未来ローグから逃げ出すことに成功したグラン達は、ウェンディが言うようにちょうどエクリプスを開けようしている場面に出くわしたのだ。
因みにロキはもう帰っている。エクリプスの近くの為、魔法が使えないからだ。
「隠れてる必要はない。出てきなさい」
「・・・・んだよ、わかってんのかよ」
物陰で見ていたが、アルカディオスには気づかれていたようなので、諦めて普通に出ていく。
「オイラたち何も悪い事してないぞ!!!」
「処刑人はぶっ飛ばしたがな」
「アンタは黙ってなさい」
とりあえず、皆で姫様たちの前にいく。
「妖精の尻尾・・・・この度は申し訳ありませんでした。今は緊急事態の為、正式な謝罪は後日、改めて。・・・・それと、大魔闘演武優勝、おめでとうございます」
「優勝!!」
「・・・・さらっと言われたな。・・・・まぁ、当然だな」
「何で扉を開いてるの? まだドラゴンは来てないのに」
「ドラゴンの事を…」
「ええ。彼女らも事情は知っています。・・・・そう言えば、未来から来た“君“は?」
「「「・・・・」」」
「・・・・殺されたよ。未来からアイツに」
「「!!」」
ルーシィやウェンディが顔を俯かせるなか、グランが応えていく。
「その男は言ってた。あたしが扉を開くのを邪魔したせいでE・キャノンが撃てなかったって」
「だから君を殺そうと?」
「・・・・邪魔をするのですか?」
ヒスイ姫は険しい目つきでルーシィを見る。ルーシィもそれは無いと、首を振る。
「そんなことしません!!だけど・・・・どうしてドラゴンが来てないのに扉を開いているのか気になるんです」
「単純な事です。砲撃までに時間がかかるからです。ドラゴンが現れてからの開門では間に合いません」
「・・・・なるほど、そりゃあんだけデカけりゃな」
「本当にドラゴンを倒せるんですか?全部」
そこが一番重要だ。例え強力な砲撃でも確実に全てを倒さなきゃ意味がない。
「確実・・・・とは言えませんが、最悪の事態に備え、陛下も策を講じているハズです」
「・・・・・・・・」
「・・・・グラン、どうしたの?」
「・・・・いや、何でもねぇ」
そう言いつつも、どこか胸騒ぎがしているグラン。・・・・嫌な予感・・・・何かが引っかかっている。
走行しているうちに、とうとうエクリプスが開き始めた。
「見ろ!!」
「オオっ!!」
「人類の希望の扉が開く!!」
「勝利の扉が開くぞぉ!!」
その光景に兵士たちも喜んでいる。
「すごい魔力だね」ヒゲがピリピリする
「確かにコレならドラゴンを一掃できるかも」
「これほどの魔力が一か所に」
「これで未来が救われるね、グラン」
「・・・・・・・・あぁ、多分な」
皆が喜んだ。これで未来は守られた・・・・だが、その扉に近づく者がいた。
「ダメ・・・・扉を開けちゃ・・・・ダメ・・・・今すぐ扉を閉めなきゃ・・・・」
運命には逆らえない・・・・今まさに、ルーシィはその希望の扉を閉めようとしていた。