FAIRY TAIL 〜『大地』の滅竜魔導士 〜   作:紅蓮大地

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第四十八話 ウォーロッド・シーケン

 

大魔闘演武が終わって数日・・・・妖精の尻尾は大会の活躍もあり、依頼が殺到していた。

 

今日グランは、ウェンディ、シャルル、エルザと共に一つの依頼を終えて、軽い談話をしていた。

 

「おかえりなさい」

 

「・・・・よっ」

 

「邪魔をしているぞ」

 

「なんか懐かしー!!」

 

ルーシィの家で。

 

「すみません、勝手にお邪魔しちゃって。」

 

「中々いい部屋じゃない。」

 

「報酬で貰ったスイーツだが……ちょっと私たちでは多すぎてな。お裾分けに来たというわけだ。」

 

「わぁありがとう!」

 

・・・・チョロい。もう勝手に家に入ってる事を気にしてない。

 

「じゃあ仕事上手くいったんだね!」

 

「え・・・・まぁ」

 

「バッチリだ。」

 

「・・・・なぜあれでバッチリと言える」

 

グラン達がやった仕事は、とある演劇に参加する事なんだが・・・・まぁ、エルザの演技が・・・・・・・・うん。

 

「それより、ハッピー達はまだ帰ってきてないの?」

 

そうそう、珍しくナツとグレイの2人で仕事に行っているのだが・・・・まだ帰ってないらしい。

 

「簡単な仕事って言ってたのに……遅いね。」

 

「馬鹿な……もう3日も経っているんだぞ。」

 

「近場のはずだから、ちょっと見に行ってみようか。」

 

「・・・・心配だもんな」

 

「別に心配してるわけじゃないんだけど……」

 

「そうだな……あの二人の実力でこれほど遅いとなると、些か気になる。」

 

「何かトラブルでもあったんですかね?」

 

「・・・・どうせ喧嘩でもしてんだろ」

 

「待って!!あたしも行く!!」

 

というわけで、みんなでナツとグレイが仕事で行っている場所まで向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、依頼場所に到着する。一同の目の前には巨大なモンスターが倒れていた。

 

「でかっ!!」

 

「これは……」

 

「依頼書のモンスターです!!」

 

「・・・・豚?・・・・って事は依頼自体は終わってんだな」

 

と近くの茂みから木の棒をつきながらふらふらのハッピーが出てきた。

 

「シャルルゥ〜・・・・助けてぇ・・・・」

 

「ハッピー?」

 

「何があったんだ?」

 

「それが・・・・」

 

「いい加減にしろよクソ炎!!」

 

「それはこっちのセリフだヘンタイ野郎!!」

 

とハッピーが説明をしようとした時、近くからとても聞き覚えのある声が聞こえた。

 

「てめーはいつも考えなしに突っ走りやがるから!!」

 

「てめーがモタモタしてっから!!」

 

ナツとグレイだ。顔は互いに腫れてボロボロだが・・・・取っ組み合って喧嘩していた。

 

「あぁ」

 

「・・・・やっぱりな」

 

「いつもの事か。」

 

「心配してたのに……」

 

「3日もこれ続けてんの?」

 

「寝たりご飯食べたりはしてるよ……」

 

「あら、可愛らしい喧嘩ですこと。」

 

「こら・・・・お前達、その辺にしないか。」

 

流石に止めた方がいいと思い、エルザが近くにいき喧嘩をやめるように言う。これならこの2人も止まるだろう・・・・そう思っていたが

 

「「うるせぇ!!」」

 

ゴッ!!

 

だが2人ともエルザだとは気付かず、2人同時に殴りつけた。・・・・当然、そんな事をされて黙ってるエルザではなく

 

「……ほう?」

 

「エルザーーーーーーー!!!!」

 

「なんでここにーーーーーーー!!!?」

 

ぎゃあああああああああ!!

 

うぎゃあああああああああっ!!

 

殴ってからエルザに気づいた2人は・・・・仲良くエルザにボッコボコにされました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「あはははははっ!!」」」

 

ギルドに戻ってからは、2人の喧嘩やエルザにやられた事はみんなの笑い話に変わっていた。2人は変わらずブスッとしているが。

 

「仕方ねぇなぁ二人とも。」

 

「もう二度とこいつとは仕事行かね」

 

「こっちから願い下げだ馬鹿野郎。」

 

「ガキじゃあるまいし」

 

まだ子供のロメオに言われちゃおしまいだな。

 

「ナツ!グレイ!またおまえら2人を指名の依頼書じゃ!!」

 

「「またかよ!!」」

 

「そっか・・・・そういう理由であの二人だったんだ」

 

「せっかくの指名だ!今度は仲良く行ってこい。」

 

「む?むむむ……?」

 

「なんだよじっちゃん。」

 

「オレはもうこいつとは行かねー」

 

「俺も行かねー」

 

「触んな」

 

何やら真剣に依頼書を見ているマカロフに対し、もう行かないと言うナツとグレイ。

 

「いや……行かねばならん・・・・そして・・・・絶対に粗相のないようにせよ・・・・」

 

だがそんなマカロフの真剣な声を聞き、ナツもグレイも口論を止める。

 

「依頼主の名は、ウォーロッド・シーケン。聖十大魔道 序列四位・・・・イシュガルの四天王と呼ばれる方々の1人じゃ」

 

「「「「!!!!!????」」」」

 

まさかの依頼者にギルド中がざわめき出す。聖十大魔道・・・・それも序列四位の大魔導士が、あの二人にどんなようなのか・・・・と。

 

「・・・・ウォーロッド?・・・・あー、あの木のじーさんか」

 

「そう・・・・あの木のじーさ・・・・んんっ!?」

 

「「「「んんんっ!!?」」」」

 

ボソッとつぶやいたグランの言葉に、ギルド中が驚愕する。気のせいだろうか?今、グランの口からウォーロッドの事を知ってる風に聞こえたが?

 

「グラン、知ってるの?」

 

「・・・・ん?・・・・あー、昔な。名前も見た目も割と特徴的だったから覚えてるだけだ。・・・・確か、ギルドを引退してから趣味・・・・・・・・慈善活動で砂漠の緑化活動をしてたはずだぞ」

 

「へぇ〜。すごい人なんだね!!」

 

うん、すごい人なんだよ。聖天大魔道の序列四位なんだからすごい人なんだよ。そこじゃないんだよ。ど天然かコイツらは

 

後なんで趣味から慈善活動って言い直した?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけで、ナツとグレイはウォーロッドの元へと向かっていった。

 

「のどかなところですね。」

 

「うん、空気も美味しいし。」

 

「風も心地いいな。」

 

「なんか、ピクニックみたいで楽しいよね。」

 

「そうね。」

 

「・・・・あれがなけりゃぁな。」

 

「俺の肉食っただろぉ!」

 

「テメェのもんなんか食うかよ!!」

 

「てか服着ろよ!!」

 

「髪の色が目にいてぇ!!なんとかしろよ!!」

 

二人だけでは心配なので、ルーシィ、エルザ、ウェンディ、グラン、ハッピー、シャルルも一緒に着いてきたのだが・・・・案の定喧嘩ばっかしている。というか髪の色が痛いって・・・・もはや言いがかりレベルだろ。

 

「いい加減にしないか、これからとても位の高い人に会いに行くんだぞ?」

 

「2人だけじゃ心配だからついてきたけど……先が思いやられるわ。」

 

「・・・・あのじーさんなら、そういう事あんま気にしねぇが・・・・まぁそれ以前の問題だよな」

 

「聖十大魔道って言えば、評議院が定めた大陸で最も優れた魔導士10人……だっけ?」

 

「そうだ、ウチのマスターやラミアのジュラもその1人だ。かつては、ファントムのジョゼやジェラールもその称号を持っていた。中でも、序列上位の4人はイシュガルの四天王と呼ばれる大魔導士だ。」

 

「ちょっと緊張してきたかも・・・・」

 

「・・・・割と気さくなじーさんだぞ?・・・・・・・・・・・・だいぶめんどくさいが」

 

「え?」

 

「イシュガル?」

 

「この大陸の古い名だ。」

 

「・・・・でも、そんなすごい人がなんで・・・・あんなのをご指名で…」

 

ルーシィが見た先には・・・・まだ睨み合い歪み合う二人がいた。

 

「てめぇなんかエルザに食われちまえ!!」

 

「てめぇこそエルザの糞にまみれてろよ!!」

 

「今・・・・わたしがディスられているのか。」

 

「・・・・あの二人にとって、エルザさんはどういう扱いなんだ?」

 

なんかもうよくわからない喧嘩をしているが・・・・大丈夫だろうか?

 

「あ!見てください!あそこに家があります」

 

と、ウェンディが平原の先に家を一つ見つけた。

 

「ここか、聖十大魔道序列四位・・・・ウォーロッド・シーケンの家」

 

ようやく辿り着いた。皆で家まで行き中に入っていく。

 

「ごめんください、魔導士ギルド、妖精の尻尾の者です。」

 

「・・・・しー。・・・・静かに。」

 

と入った瞬間、中にいた人物から静かにするように言われた。

 

「草木は静寂を好む・・・・理解したなら、その忌々しい口を閉じよ。」

 

それを聞き、ルーシィとウェンディはとっさに口を手で覆う。他の者も口を閉じてじっと黙っていく。・・・・グランだけはめんどなさそうにしていたが

 

「・・・・・・・・なんてな。」

 

その理由はすぐにわかった。一言ボソッと言った瞬間、辺り一面の草木から花が大量に咲き始める。

 

「冗談じゃよ、冗談!!ぷふー!草木も花も人間の声は大好きなんじゃ!!わはははは!!」

 

いきなり冗談だと言い、先ほどの雰囲気とはほぼ真逆のハイテンションで笑い出す。

 

「・・・・・・・・本当に木だ」

 

「・・・・・・・・なんだこのじっちゃん?」

 

「・・・・・・・・本当にスゲー奴なのか?」

 

「・・・・な、めんどくさいだろ?」

 

もうどう反応していいか分からなくなってきて、だいぶ混乱している皆。

 

「いやぁ、よく来てくれたね。妖精の尻尾の魔導士達よ。ナツ君とグレイ君というのはどちらかね?・・・・・・・・ややっ!!予想より猫っぽいな!!」

 

「「・・・・・・・・」」

 

「冗談じゃよ、冗談!!わはははっ!!ぷふっ」

 

ナツとグレイと言いながらハッピーとシャルルを手に取って勝手に驚いて勝手に冗談だといい、勝手に受けてずっと笑ってる。

 

「テンションの高いおじいさんね…」

 

「う、うむ……」

 

「・・・・なっ?気さくだろ?」

 

「おっと、喉が渇いた。うはははははっ!!」

 

と、今度は手に持っていたジョウロから水を飲んでいた。・・・・綺麗なのか?それ?

 

「あああああ……」

 

「失礼ですが、貴方が聖十大魔道のウォーロッド・シーケン様ですか?」

 

エルザが恐る恐ると言った感じでそう聞く。すると、先ほどまで笑っていた顔を真剣に変えて答える。

 

「いかにも!(ワッシ)こそがウォーロッド・シーケン」

 

そう断言し

 

「・・・・冗談だけどな。」

 

「「「「えーっ!?」」」」

 

と付け加え

 

「・・・・というのは冗談じゃ。」

 

とまた付け加える。・・・・本当にめんどくさいじーさんだ。

 

「・・・・相変わらずめんどくせぇな、アンタ」

 

「・・・・ん?おおー!グラン君ではないか!!いやー久しぶりじゃのお・・・・やや?前より低くなっておるな!!」

 

「・・・・・・・・ッッ」

 

そう言いながら、グランの隣にまだ混乱しているウェンディの方を向いて驚いていた。

 

「・・・・おいっ」

 

「ジョーダンじゃジョーダン!!わははははっ!!」

 

「・・・・・・・・とりあえず、依頼の話に入ろうぜ」

 

もう埒があかないのでとりあえずさっさと依頼の話に移ろうという事になる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一度外に出て、机を囲み話を進める。

 

「私は引退してから、ずっと砂漠の緑化活動を続けてきた。」

 

「はい。グランから聞いてます。」

 

「はっはっはっ!ちょうど緑化活動中にグラン君と会ってな!中々に面白い少年だったが・・・・妖精の尻尾に入っているのは驚いたがな」

 

「・・・・オレの話はいいだろ?依頼の話だよ依頼の」

 

「おお、そうだったそうだった。私は『緑の魔法』を持って砂漠の広がりを食い止める。慈善活動といえば聞こえはいいが、実はただの趣味じゃ。そんなわけで、何年もあちこちの砂漠を旅しておるのだがね。この前奇妙な村を見つけてのう。文献によれば、そこは『太陽の村』・・・・永遠に燃え続ける炎を守護神とし、信仰していた村だった。」

 

「永遠に燃え続ける炎?」

 

「そう……だが、その村は凍りついていた。天災なのか人災なのか……人も動物も植物も・・・・建物も川も・・・・村を守護する永遠の炎さえも凍りついていた。」

 

「炎が凍りついて!?」

 

「そんな……」

 

「・・・・マジか」

 

「マジじゃ。・・・・その村で何があったのかはわからん。だが、氷の中で村人は生きておった。」

 

「氷の中で、生きてるなんて……」

 

「どういうことなの?」

 

「生きた村人が凍りついている。放ってはおけん、その村を救ってほしい・・・・それが、私の依頼じゃ。 」 

 

凍りついた村と村人を救ってほしい・・・・それがウォーロッドからの依頼だった。

 

「なるほど!それなら簡単だ!!俺の炎で全部の氷溶かしてやる!!」

 

「・・・・だが、それならナツだけでいいんじゃねぇのか?」

 

「グランの言う通りだ。そういう事なら俺はいらねぇだろ。」

 

氷を溶かすならナツだけでいい・・・・そう言うグランの言葉を肯定しながらグレイはウォーロッドに聞く。

 

「いや・・・・あれはただの氷ではない。きっと君の力も必要になる。」

 

「・・・・?」

 

ウォーロッドから出た答えは、少し不思議だった。

 

「お言葉ですが、ウォーロッド様。貴方ほどの魔導士ならば、ご自分で解決できる事件では・・・・?」

 

エルザが咄嗟にウォーロッドに聞いた。たしかに、聖十大魔道・・・・それも序列四位ほどの大魔導士ならばそれくらいなら自分で解決できるのではないのか。そう疑問に思ったからこそ聞いた。

 

「君達は、何か勘違いしているのかもしれんな。」

 

「??」

 

だが、ウォーロッドはその言葉を軽く否定する。

 

「聖十大魔道といえど万能ではない。評議院が勝手に定めた10人にすぎん。この大陸(イシュガル)には、私以上の魔導士は山ほどいるし、大陸を出たらそれはもう私など、とても小さな存在。現に私は攻撃用の魔法はほとんど知らぬ。若者と武力で争っても、勝てる自信もない。」

 

「ですが……」

 

「誰にも得意不得意はある。それを補い合えるのが仲間・・・・ひいてはギルドであろう。」

 

そう優しく微笑みながら告げるウォーロッド。・・・・そう、確かにそうだ。皆それぞれ得意不得意がある・・・・それを補い合うのが仲間(ギルド)というものだ。

 

「仰る通りです。」

 

「その依頼引き受けた!」

 

「おう!」

 

「あたし達に任せてください!」

 

「・・・・頑張るか。なっ、ウェンディ」

 

「うん!!」

 

それを聞き一同はさらにやる気を出す。ずっと啀み合い喧嘩していたナツとグレイでさえも、互いに拳を打ち合いやる気を見せている。

 

「それでその村はどこにあるんですか?」

 

「ここから二千kmほど南じゃ。」

 

「・・・・思ったよりあるな」

 

「なーに、移動くらいは手伝ってやろう。そこに集まって、荷物も忘れんようにな。」

 

移動を手伝ってくれると言い、一同を一箇所に集める。

 

「回れ右」

 

「「「「「「「・・・・・・・・」」」」」」」くるっ

 

「・・・・というのは冗談じゃ。」

 

「「「オイ!!」」」

 

最後まで冗談だらけのウォーロッドだったが、その場で呪文を唱え始める。すると、足元から芽が生えていき、だんだんと大きくなっていく。それは、グラン達全員を乗せることが出来るほどの大きさになっていく。

 

「え?」

 

「なにこれ!?」

 

「うわっ!?」

 

「・・・・ウェンディ、捕まってろ」

 

「う、うん!」

 

「頼んだぞ……妖精の尻尾の若者達よ。」

 

芽は葉となり、幹となり、そしてそのまま木となっていく。そしてそれは物凄い勢いで成長して、凄まじい速度で進んでいく。

 

「木が生き物のように・・・・」

 

「すげぇ!!」

 

「うほぉーーーーーっ!!」

 

「まるで乗り物ですね。」

 

「落ちるわよ。」

 

「・・・・相変わらず、すげぇ魔法だな」

 

「そうだな・・・・謙遜されてはいるが・・・・やはりたいしたお方だ。大自然を操る魔法とは・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラン達を送り届けたウォーロッドは・・・・昔を懐かしんでいた。

 

「流れておる・・・・な」

 

─────────────────────────

 

───────────────

 

──────────

 

『・・・・・・・・ッ』

 

『ウォーロッド!!早く!!こっちですよーーーーーっ』

 

『っ!』

 

『またボケーっとしやがって』

 

『見ろよ!!完成したんだ』

 

『おお!!これが・・・・私たちのギルド・・・・』

 

『ああ』

 

『さあ、記念撮影ですよー!妖精の尻尾(フェアリーテイル)誕生です!!』

 

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───────────────

 

──────────

 

「・・・・あれから105年か・・・・メイビス・・・・あなたの想いは、若者達に受け継がれておりますぞ」

 

 

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